No.779331

仮面ライダー剣×ゴッドイーター 〜掴み取る運命〜 第6話

D.C.D.さん

久々に更新です。

今回はvs.ヴァジュラ。その頃リンドウは…

2015-05-24 15:44:27 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:808   閲覧ユーザー数:802

 

 

 

 

 

 

 

荒れ果てたビル街『贖罪の街』に、十真にコウタ、サクヤ、ソーマの四人が集まっていた。

 

今回のミッションは『ヴァジュラ』という、虎型の中型アラガミを相手にする。

 

 

 

リンドウ

「あー、今日もいいお仕事日和だ。無事に生きて帰ってくるように。以上」

 

 

 

しばらくするとリンドウが現れ、いつもの適当な調子で告げた。

 

とても任務前の隊長の言葉とは思えない。

 

 

 

コウタ

「え、それだけ?」

 

サクヤ

「いちいちツッコンでたら、身が持たないわよ」

 

十真

「(全くだ…)」

 

リンドウ

「今回はお前達四人で任務に行ってもらう」

 

コウタ

「あれ?リンドウさんは?」

 

リンドウ

「俺はちょいとお忍びのデートに誘われてるんでな…っと」

 

 

 

 

リンドウは楽しそうな笑みを浮かべると、着信を知らせる通信機を手に取った。

 

 

 

リンドウ

「早く来ねぇとすねて帰っちまうとさ。まったく、せっかちな奴だ。とりあえず、命令はいつも通り。死ぬな、全員生きて帰ってこい、だ」

 

ソーマ

「自分で出した命令だ…せいぜいアンタも守るんだな…」

 

 

 

ソーマはフードを深くかぶり、リンドウに対してそう呟くと、リンドウは『へいへい』と適当に返した。

 

 

 

サクヤ

「リンドウも…あまり遅くならないようにね」

 

 

 

心配そうに見つめるサクヤに軽く手を挙げて返事をし、リンドウはバイクに乗って『デート』に向かった。

 

 

 

十真

「(デート…?)」

 

コウタ

「いいなぁ」

 

 

 

コウタは本当にデートだと思い込んでいるようだが、十真にはリンドウが何かを隠しているように感じた。

 

しかし、サクヤとソーマはその真実を知っている様子。

 

 

 

十真

「(…ま、今は任務に集中だな)」

 

 

 

四人は贖罪の街へと身を投じ、アラガミの索敵を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

十真

「あれは…」

 

 

 

索敵を続けていると、既に何者かによって捕食されたオウガテイルの残骸が残されていた。

 

すぐに残骸はボロボロに分解し、十真達の前から姿を消した。

 

 

 

ソーマ

「…いやがる…すぐ近くだ…」

 

 

 

その時、コウタのすぐ横に、小さな石ころが落ちてきた。

 

ふと上を見上げてみると、大きなビルの上、一体のアラガミが十真達を睨んでいた。

 

 

 

 

十真

「あんな所に…!」

 

ソーマ

「来るぞ!」

 

 

 

アラガミは太く重い声で吠えると、十真達目掛けて飛び降りる。

 

すぐに四人は散開し、攻撃を回避。

 

今までのアラガミよりは一回りほど大きく、着地の震動がそのスケールを十真に知らしめた。

 

 

 

十真

「こいつが、ヴァジュラ…」

 

 

 

太く強靭な四肢、鋭く尖った二本の牙。虎そっくりな顔つきに、白と茶色の縞模様をした尻尾。

 

そして首回りには、特徴的な赤いマント型の器官がなびいている。

 

 

 

サクヤ

「行くわよ!」

 

 

 

それぞれ、バックルを取り出して腰に装着。

 

 

 

サクヤ・コウタ

「変身!」

 

 

 

[DIA QUEEN]

 

[DIA 10]

 

 

 

2人がバックルにカードをセットすると、上空から橙色のオリハルコンエレメントが降りてきて、2人の姿を変える。

 

 

 

ソーマ

「変身…」

 

 

 

[CHANGE]

 

 

 

ソーマがバックルにカードをラウズすると、ソーマの足元に紅いオリハルコンエレメントが現れ、紅い光でソーマの体を包み込み、黒い戦士へと姿を変える。

 

 

 

十真

「変身!」

 

 

 

[TURN UP]

 

 

 

ブレイバックルのサイドハンドルを引っ張り、バックルから蒼いオリハルコンエレメントを出現させる。

 

蒼のオリハルコンエレメントは、十真とヴァジュラの間に立ち塞がり、ユラユラと怪しく揺らめく。

 

十真は走り出し、オリハルコンエレメントを突き抜け、ヴァジュラに向かって剣を振るった。

 

 

 

 

 

 

 

 

リンドウ

「悪りぃな。遅れちまって」

 

 

 

リンドウはバイクから降りると、『デート』の相手に話しかけた。

 

だが、そいつは何も語らない。

 

リンドウの前にどっしりと構えたままだ。

 

 

 

リンドウ

「拗ねんなよ。遊んでやるから、な?」

 

 

 

[SPADE KING]

 

 

 

オリハルコンエレメントを潜って変身すると、長剣型のラウザーを片手にリンドウは走り出した。

 

目の前にそびえる、山のような存在に向かって…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少女は不思議な空間にいた。フワフワと、空を漂う雲のように、世界を見下ろしていた。

 

自分の意識だけが体から抜け出したような感覚だった。

 

その空間が、時間の中であるということを、彼女は感じ取っていた。

 

夫婦らしき2人の人影が、ボロボロになった廃工場らしき場所に入っていく。

 

何かを探しているようだが、何故か優しい声で辺りに呼びかけている。

 

 

 

 

 

 

 

『もういいかい?』

 

 

 

 

 

 

その言葉には、すぐにどこかから返事が返ってきた。

 

 

 

 

 

 

『まぁだだよ』

 

 

 

 

 

その2つの言葉と、足音以外には何も聞こえない。

 

だが、その空間を黒い巨体の影が破った。

 

彼女がハッと息を飲んだ時には、既に廃工場の中に紅い跡がつけられていた。

 

…違う。こんなはずじゃなかった。

 

…違う。そんなつもりじゃなかった。

 

…違う、違う、違う違う違う違う違う…

 

頭を抱えて叫んだ。すると、その叫びに呼ばれたように、一丁の真紅の銃が現れた。

 

彼女はそれを迷わず手に取ると、黒い影に狙いを定めた。

 

 

 

 

 

「アジン…ドゥバ…トゥリー…!」

 

 

 

 

 

放たれた弾丸は焔を纏いながら真っ直ぐと標的に向かって飛んだ。

 

そして彼女は見た。

 

気さくそうな若い男が、その弾丸で撃ち抜かれるのを…

 

 

 

 

 


 
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