北郷達が曹操から逃げるため。
益州へ行くと決めた次の日には逃げる準備が完了していた。
ここまでは良かったがここで一つの問題が発生した。
それは、町の民の殆どが北郷達に付いて行きたいというものであった。
最初は断ろうとした北郷だったが。
町の人たちの強い願いと桃香の頼みで結局町の民も付いてくことになった。
北郷達についてきた民の数は約二万人。
それから二日の時が流れた。
北郷軍だけならとうに、益州の半分の距離まで近づいているが。
町の民達も連れてきているので行軍の速さがかなり遅い。
このため、益州まで三割ぐらいまでしか近づいていない
北郷「やっぱ、遅いな・・・・」
愚痴のように呟きながら部隊の後方を見る北郷。
後ろには家具家財をまとめて逃げる民。
そして、兵糧と物資を運んでいる輜重隊。
このままではまずいと思っている北郷にある報告が入る。それは・・・・・
朱里「ご主人様~~~~~!!」
後方の様子を見に行っていた朱里が大急ぎで向かってきた。
北郷「朱里?・・・なにかあったか?」
朱里「実は・・・曹操軍がすぐそこまで来ています!!」
愛紗「なんだと!!」
霞「まずいやんけ・・・・・」
星「このままでは、民達まで巻き込みかねんな・・・・・」
昴「部隊を半分に分けるか・・・・」
雛里「それしかないと思います・・・・
敵を足止めする部隊と民の皆さんを護衛する部隊の二つを構築した方がいいと思います。」
北郷「今の所はそれしかないだろ・・・・それで誰が曹操軍を足止めする?」
こういう場合、普段は愛紗達が真っ先に手を挙げるのだが・・・・
愛紗達よりも素早く手を挙げた者がいた。
それは、意外な人物だった。
桃香「私が曹操軍を足止めするよ!」
一同「「「「「「「桃香(様)(さん)!!!!!?????」」」」」」」」」」
桃香の意外な言葉に驚く一同。
愛紗「桃香様!何を言っておられるのですか!!」
霞「せやで!足止めはうちらに任せとき!!」
桃香「私だって自分の手で私たちに付いてきてくれる人達を守りたいんだよっ!!!」
星「桃香殿・・・・・」
朱里「桃香さん・・・・・・・・」
桃香の思いの声に思わず黙ってしまう一同。
皆、桃香と同じ思いだった。
北郷「桃香の思いは良く分かった。」
桃香「それじゃあ!・・・わた「・・・・しかし!」!!??」
北郷「桃香は駄目だ・・・・・・」
桃香「どうして!!・・・ご主人様!!!私が弱いから?力がないから?」
自分の瞳に悲しみを宿し、北郷に詰め寄る桃香。
そんな桃香に北郷は・・・・・・・
北郷「俺は桃香のことを一度でも弱いと思ったことはない・・・・
むしろ強いと思っている。
だが、思いだけでは誰も守ることはできない。」
桃香「そ、それは・・・・そうだけど・・・・・でも!!」
北郷「桃香の思いは俺だけじゃなくここにいる全員が分かっている。
だから、曹操軍は俺が足止めする!!」
一同「「「「「「「ご主人様(主)(主殿)(カズっち)!!!!!?????」」」」」」」」
今度は北郷の発言に驚く一同。
軍の総大将が軍の隊列の一番後ろ・・・・つまり殿を務めるなんと聞いたことがない。
愛紗「ご主人様!あなたも後ろに下がってください!!」
鈴々「そうなのだ!殿は鈴々に任せるのだ!!」
雛里「ご主人様!無茶は止めてください!!」
北郷「皆の言いたいこともよく分かるが・・・・・
俺にしかできないとっておきの策がある・・・・だから、俺を信じてくれ・・・頼む・・・・」
星「分かりました・・・・主を信じましょう」
愛紗「星!!」
星「愛紗・・・・お主も分かっているはずだ。
我らの主はこういうお方だということが・・・・・」
星の言葉に納得する一同。
自分達の主は優しく、強く。
そして、今までどんな状況に置かれても北郷は自分達の所へ必ず帰ってきたと。
だが、北郷はもう一つ大事なことを決めなければならない。
それは・・・・・・・誰を連れていくかである。
北郷軍の将達の眼は皆、私を選べという目であった。
特に愛紗の気迫が凄い。
それもそのはず。
愛紗は今までの戦で北郷に“俺に付いて来い”と言われたことがないのである。
そんな、仲間達を見た北郷は誰を連れていくのかを発表する。
北郷「愛紗!・・恋!すまないが俺と一緒に来てくれないか!!」
愛紗「!!??・・・ご主人様・・・・分かりました!
この、愛紗!全力でご主人様のお役に立ちます!!」
恋「恋も頑張る!・・・・ご主人様に褒めてもらう!!」
ねね「恋殿を連れていくのでいたらねねも行きますぞ!!!」
愛紗・恋・ねねの三人を連れて行くことにした北郷。
選ばれなかった仲間達はがっかりした顔をしていた。
こうして、北郷・愛紗・恋・ねねの四人で曹操軍を足止めすることなった。
これが何を意味するのか?
今新たな外史の扉が開かれる。
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遅くなってすいません(反省)
ちょっと短いかもしれませんけどUPします。