No.775869

孫権伝―2

ユウヤさん

孫権伝第二話になります。

登場したのは蓮華と思春の二人、この二人って最初の説得大変じゃねえかな?って思うけど今回はこんな感じになりました。

酷評ばっち来い。

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2015-05-07 16:03:53 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:5323   閲覧ユーザー数:4083

 

 孫権伝第2話

 

 『降り立つ御使い』

 

 

 

 

 皆、はじめまして、久しぶり、おはこんばんにちわ。北郷一刀です。現在俺は地球を眺めています。あの名前も知らぬ青年が俺をこの異世界に送ってくれてものの数秒しか経ってませんが・・・今、彼を心の底から憎んでいます。

 

 一刀「・・・ここ・・・宇宙?」

 

 呼吸がなぜ出来るかとかそんな小さい事は最早気にしない。まずは俺は此処から大陸に落ちなければならないのかという絶望感がこう・・・ふつふつと沸いて来るんだ。

 

 一刀「徐々に大陸が近づいてるなぁ・・・あ、日本結構緑が多い、さすが邪馬台国の時代だなぁ・・・あ、まだ北極とか南極とか大きいなぁ・・・」

 

 現実逃避を決行してみると案外落ち着く・・・訳もなく、徐々に恐怖が増して行った。

 

 一刀「おぉ・・・徐々に大陸が大きくなって・・・長江・・・長いなぁ・・・あぁ、こえぇぇ・・・こえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 徐々に大陸に近づいて来ると大体の軌道が目測できるようになって来た。ちょいちょい益州よりかな?なんて・・・考えてる場合じゃない!

 

 一刀「加速してねえかこれぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?」

 

 大気圏突入の摩擦熱とかそう言うものも無かったから分からなかったが、めちゃくちゃ早い。怖すぎる。もう目をつむるか?いや、それはなんだか俺のプライドが許さない。あ、長江にドボンコースじゃね?ちょっと東にそれたけどこのままじゃドボンだよ?

 

 一刀「んぎゃああああああああああ!!!!」

 

 さすがの恐怖に俺はそのまま気を失・・・わ無かった。間違いなく城の中庭に二人の人物がこちらを見て驚いているのが目に見えた。ちゃんと見た訳じゃなかったが・・・赤かったのはよく覚えている。

 

 ドゴオオオオオオオオオオオオオオン!!!

 

 轟音をまきちらし、俺は地面にめり込んだ。それは盛大に頭から突っ込んだ。息出来ません。死にます。俺、今、絶賛死地に赴いてる状態です。あ・・・呼吸が・・・でき・・・

 

 一刀「って、こんな所で死ねるかぁぁぁぁぁぁ!!!!」(ボゴォォン!!)

 

 あぁ、死ぬかと思った。一瞬あの異世界の華琳が手招きしてるように見えたけど・・・縁起でもねぇ!逝ってたまるかよ!!

 

 一刀「さて・・・此処は何処・・・かな・・・」

 

 そして目の前に・・・桃色の長髪をなびかせた美尻の女性と、チャイナ服っぽい服に褌がちらりと見えるお団子がチャームポイントな少女が・・・おっと?剣を構えていますな。今にも斬りかかりそうな・・・

 

 ??「曲者め!覚悟!!」

 

 一刀「あ、ども、おじゃまします・・・って斬りかかってきたぁ!?」

 

 その少女が俺の目の前に肉薄すると剣を振り下ろしてきた。俺はそのまま持ち手の方を手に取ると反転し、一本背負いの要領で少女を投げ飛ばしていた。

 

 ドシーン!という豪快な音が辺り一面に響いた。

 

 一刀「・・・・・・あ!だ、大丈夫!?ごめん、つい勢いで投げちゃって!!怪我してない?あぁ・・・女の子投げるとか・・・俺はなんて最悪な男なんだ・・・」

 

 ??「けほ・・・く・・・そう言いながら・・・肩を思いっきり抑え付けてるだろうが・・・この不審者め・・・!!」

 

 一刀「え?だって離せばまた斬りかかるだろう?」

 

 ??「あたりまえだ!く・・・この・・・離せ!!」

 

 一刀「えっと・・・話を聞いてくれるなら離すよ。えっと・・・褌の姫?」

 

 ??「な!?////」

 

 一刀「だ、だって名前知らないし!?そんな短いの来てて褌見られて恥ずかしいなんて言わないでしょ!?」

 

 ??「思春、そこまでにしなさい。貴方も・・・甘寧をそうも簡単に押さえつける所を見ると私でも敵わないのは分かるわ。だからそちらの要望を呑むことにするわ。」

 

 俺の後ろの巨尻さんはどうやら今の状況を完全に打開するのは難しいと判断してくれたようだ。・・・いや、兵士仕事しないの?どう言う訳なの??

 

 一刀「と、とにかくこの子が甘寧さんというのが判っただけでも重畳かな?えっと詰まる所、君が孫権さん??」

 

 孫権「そうだ。よく分かったな。」

 

 まあ、華琳に居たころは孫策さんは宴会の時に眼鏡の怖い人に怒られてたのを見かけたからね・・・尚香さんは分からないけど・・・年齢的にもうちょっと小さいイメージがあるし、消去法でね?

 

 一刀「まあ・・・一応ね?天の御使いとして此処に来た訳だし??」

 

 甘寧「何を馬鹿な・・・そんな与太話を誰が信じると思っている。」

 

 孫権「・・・待ちなさい思春。一応、占い通りなんじゃないかしら?」

 

 占い?ああ、管輅の占いか。どんな物だったかな?

 

 孫権「管輅曰く、『天の御使い、その智勇を持って大陸を太平に導き、真の王を導く者。その者天より王の元に堕ちて来るだろう』・・・とね。」

 

 うん・・・堕ちると明言するあたり悪意を感じる。

 

 一刀「・・・まあ、堕ちて来たことには否定しない・・・って言うか出来ないよね。」

 

 孫権「それに・・・その服装・・・胡散臭い伝道師とか、宣教師の類でもそこまで上等そうな服は無いでしょうしね。」

 

 一刀「へ?上等??」

 

 確か俺はジャージだった筈・・・ってなんだこりゃ!?一見スーツのようだが、明らかに軍服だ。襟には北郷家の旗印に使われる十文字、左腕の腕章にはフランチェスカの校章が刺しゅうされていた。ズボンに至っては明らかに脛まで届くぐらいの長さの黒塗りの靴だった。

 

 一刀「・・・ナ○スド○ツ軍仕様!?」

 

 いや、もうどうしてこうなった!?

 

 孫権「とにかく・・・話を聞くと約束したのだ。話すがいい。」

 

 一刀「あ、えっと・・・まあ・・・その占い通りなら俺は君に仕え、君を大陸の王にするべく動くべきかなぁ・・・と。」

 

 甘寧「何を馬鹿な事を!そんな軽い心持ちで蓮華様を王にするだと?それに我等が王は今は文台様だ!!」

 

 ・・・ピキ。

 

 一刀「・・・ん、そう・・・主は文台さんなんだ?まあそれは良いけどさ・・・軽い心持ち・・・?今、軽いって言った??」

 

 甘寧「ああ、そうだ。」

 

 ・・・ビキィ。

 

 一刀「・・・・・・な。」

 

 甘寧「ん?どうした。図星を突かれて狼狽でもしたか?心持ちが軽いだけじゃなく、度胸も小さいな。」

 

 ・・・プッチン。

 

 一刀「俺の事を何も知らない奴が勝手に俺の心の何を知っている!!」

 

 甘寧「っ!?」

 

 孫権「っ!?」

 

 一刀「俺がどんな思いで此処に居ると思う!俺が会いたい少女を王に立てたいとどれだけ願っていると思う!だがそれは叶わない!何故か?そんなのそうした瞬間俺の消滅と彼女の涙が待っているからだ!ああ、そうだ!俺は彼女の涙なんか見たくないし、彼女を寂しがり屋の女の子で終わらせたくないから降り立った場所に居た君を王にしようとしてるだけだ!最低だろ?最悪だろ??だからなんなんだよ!大陸の人達の平和とかそんな事やるのはあたりまえじゃないか!それを踏まえて大好きな人が笑顔で居てくれることの何が悪いって言うんだ!それを成し遂げるためには俺はどんなことだってするし誰だって利用してやる!そして最後はその利用した人達だって幸せにしてやるよ!俺はそれを覚悟の上で来てるんだ!ざっけんじゃねぇ!なあ、なんで大事にしたい人の側にいちゃいけないんだ?どうしてこんな残酷な現実を生きなきゃならないんだ?どうして君たちに俺の我がままに付き合わせなきゃならないんだ?どうしてこんなに痛いんだ?なあ、教えてくれよ・・・どうして・・・どうして俺は天の御使いになんかに選ばれたんだ!!どうして・・・なんで・・・」

 

 溢れ出た思い。とめどなくあふれる思い。現実での三年で俺は諦めていた。こうしてチャンスを与えられたが、すぐにその進む道の険しさには気付けた。だからこそブチ切れてしまった。二人は只々呆気に取られてこちらを見ていることしかできないようだった。

 

 一刀「・・・でもさ・・・それでも・・・やり遂げたいじゃないか・・・見届けたいじゃないか・・・だって・・・俺はあの子が作り上げる国の行く末を見届けられないんだぞ?知らないまま・・・過ごさなきゃならないんだぞ?ならさ・・・それを見届けるために・・・頑張っていいじゃないか・・・だからさ・・・だから・・・俺・・・は・・・」

 

 俺はそれ以上言葉を紡げなかった。思いのたけをぶちまけたことで冷静さを取り戻していた。ああ、こんな事を言ってしまってはきっと信用はされない。ここで・・・彼女を王に立てることは出来ないだろう。

 

 一刀「・・・すまん。今のは忘れてくれ。・・・すぐ・・・出て行く。すまなかった。」

 

 そう言って俺は踵を返す。城の作りというのは往々にして似通う物。出口の場所は見当がつく。

 

 孫権「待て。それで、はいそうですか、と帰すと思ってるのか?」

 

 一刀「・・・ああ、不法侵入とかそう言うのだもんな?牢に入れるのか?どのくらい??出来れば短ければいいな・・・極刑だったら抵抗してでも逃げるけど?」

 

 孫権「そうじゃない。・・・お前は私を利用すると言ったな?」

 

 一刀「・・・ああ。」

 

 孫権「・・・いいだろう。利用しろ。」

 

 一刀「・・・は?」

 甘寧「・・・は?」

 

 俺と甘寧の疑問符が一致するほど俺は呆気に取られていた。え?利用しろ??つまり俺はこのままこの人に仕えても良いと言うのか?

 

 甘寧「れ、蓮華様?このような男のほら話を信じる・・・と?」

 

 孫権「・・・思春、私はこの男を一概に否定できない。確かに言ってる事は胡散臭いとかそう言う物だが、思春は感じなかったか?この男の覚悟と嘆きを。」

 

 甘寧「そ、それは・・・しかしそれが演技という可能性も。」

 

 孫権「それこそ・・・評価すべきじゃないか?確かに王族としてこう言った者を傍に置く事は避けるべきだ。だが、この男の覚悟を信じてみたい自分が居るのも事実だ。管路の占い、この男の覚悟、演技だとしたらその技量、それを鑑みても・・・価値はありそうだ。」

 

 甘寧「・・・蓮華様がそう仰るなら。私はもうこれ以上何もいいません。おい貴様。名を名乗れ。」

 

 一刀「・・・ああ、俺は北郷一刀。姓を北郷、名を一刀だ。字、真名は無い。親しい人間は名の方で呼ぶから、一刀とでも呼んでくれ。まあ、真名と思ってくれても良い。あ、だからと言ってそっちが預けるのは無しだ。俺を本当に信用してくれたらでいい。」

 

 孫権「ああ、わかった。私は孫権、字は仲謀だ。」

 

 甘寧「私は甘寧、字を興覇だ。ひとまずは・・・よろしくと言っておこう。」

 

 こうして俺は孫権さんの元で彼女の了承の元・・・俺の我が儘な大陸統一劇が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 あとがき

 

 ん~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 一刀「どうしたよ?」

 

 ん?蓮華がちょっと物分かり有りすぎたかなぁ??ってさ。

 

 一刀「どうだろうな・・・俺の叫びがどんな表現なのかによるだろうな。文章では限界がある。絵にするならどんな印象なんだ?」

 

 そうだねぇ。最初は怒りにあふれた目だったけど、言葉が紡がれるにつれ瞳に光が無くなって、正しく狂った人間のような、それでいてその姿に痛々しさがあると言うか・・・

 

 一刀「ん・・・それならさすがに状況に流されてもおかしくないんじゃないか?勢いがある分、説得力はある。言葉を尽くして一つ一つ理解してもらおうとすれば論理的な考えがよぎったりするからな。勢い、大事。」

 

 そう言ってもらえると助かるわぁ・・・ちょっと非難されると言うか、酷評は覚悟かな。

 

 一刀「・・・だがそれでもお前は書くんだろう?」

 

 ま、ある意味作家病だからな。そこは自覚してるさ。という訳で次回予告だ。

 

 一刀「次回は『艦これ~岩川基地00××鎮守府~』第二話だ。」

 

 オリジナル艦種“特殊艦”として登場の響、そしてサボり提督北郷と長門、そして名前だけの大鳳・・・さてこの鎮守府で何が起こったのか、そして何が起こるのか・・・次回を待て・・・だね。

 

 


 
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