No.774813 孫権伝-1ユウヤさん 2015-05-02 19:45:09 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:6033 閲覧ユーザー数:4705 |
孫権伝第1話
『残っていた物は後悔だけ』
一刀「うぅ・・・はぁ・・・はぁ・・・ぐぅぅ。」
泣かないでくれ・・・華琳。
一刀「うぅ・・・あぁ・・・」
どうしてそんなに泣くんだよ・・・君は・・・覇王だろ?
一刀「華琳!!・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。また・・・あの時の夢か。」
俺の名前は北郷一刀、三国志をベースにしたと思われる異世界で曹操孟徳に仕え、彼女の覇道を支え、遂に大陸の覇者にまで彼女を導いた・・・あの世界曰く、天の御使いだ。
一刀「・・・朝4時・・・日曜だぞ?くそ。」
ちなみに決戦後の宴会という名の祝勝会で俺はどうやら歴史を変えすぎたらしく、皆に知られることなく元の世界に送り返された。正確には曹操―真名を華琳という少女の傍で消えていったのだ。
一刀「あれから・・・もう三年か。」
今俺はフランチェスカ学園大学部の二年だ。専攻は総合学科。それはどんな学部か?フランチェスカ独自の学部で個人の自由意思によりいろんな部門を学べるのだ。及川という俺の親友も同じ学科で、経済学に日本史を選択している。
一刀「・・・ちょっと走ってくるか。」
俺はそのままジャージに着替えて外にでて走り込みをする。
ん?俺の選択??ああ、俺は経済学、政治学、世界史、考古学に加え、古武術、戦闘戦術、機械工学、火器使用訓練とやっている。
そんな目で見るなよ、それは無理だって言いたいんだろ?それがそうでも無い。経済学、政治学、世界史、考古学に関してははっきり言って暗記の部類が多い。暗記して後は内容をしっかり理解するように努めればいい。これは向こうで仕事をしてれば身につくスキルだ。頭を使うのはこれでいい。なら余った体は?なら戦闘術を学ぼう。という事でこうなった。・・・どうしてこうなった?
一刀「ふぅ・・・ふぅ・・・本当に・・・今さらだが、どうしてこうなった?」
冷静に考えると選択多すぎ、どうしてこうなった・・・
一刀「はぁ、今さらながら女々しい男だな。夢にまで見続けて・・・結局誇れることなんて一つも無かったな。」
俺は休憩がてら公園のベンチに座る。時間は6時。公園にはちらほら人が現れ始めていた。
一刀「・・・帰ろう。」
俺はそのまま帰ろうとベンチから立ち上がるが、一瞬で周囲の空気が変わったのを感じ取った。
一刀「っ!?なんだ!?」
・・・周囲の風景が止まっている。目の前で木の葉が止まっている。完全に制止した世界。異常だ。現実にあり得ない現象が今俺の目の前で起こっている。
一刀「・・・どう・・・なってんだ?」
周囲を見渡すと公園の入り口に一人の男が立っていた。明らかにこっちを見て止まっている。いや・・・え?歩い・・・た?この異常な状態で??
??「北郷一刀。あの世界に帰りたいか?」
一刀「・・・え?どうして俺の名前を・・・いや・・・それより・・・帰りたい・・・だって?」
この男は何を言っているのだろう・・・帰る?俺は帰って来た・・・今さら何処に帰るっていうんだ。
一刀「まさか・・・華琳の所に・・・?」
??「・・・どうなんだ?」
一刀「華琳の所に帰れるなら帰りたい!」
叫んでいた。帰れる。華琳の所に。帰れるんだ。
??「・・・正確にはお前の知ってる曹操の所には帰れん。」
一刀「・・・え・・・?」
何言ってんだこいつは・・・ぬか喜びさせやがって・・・
??「簡潔に言うとお前があの世界に行った時と同時期だ。そして・・・何処に降り立つかはアトランダムだ。」
一刀「華琳の所じゃない可能性があるのか?」
??「そうだ。それでも行くか?もし他の所に行って、それでも曹操の所がいいと言っても受け入れてもらえる可能性は低いぞ?」
一刀「・・・何のために俺をそこに送ろうと思った?」
??「二つ返事だと思ったが・・・いいだろう教えてやる。何度か他の北郷一刀を送るために試したが・・・北郷一刀でもかなり限定された奴じゃないと受け付けない外史だったらしい。魏で別れ、そして特殊な能力を持たず、いち人間として限界まで高めようとしている奴じゃないと受け入れないみたいでな・・・お前にお鉢が回ったと言う訳だ。」
一刀「・・・じゃあ、華琳と・・・会えるんだな?」
??「・・・ま、やめておけと言いたいがな。」
一刀「何でだ!」
??「お前はもう知っていると思うが?」
一刀「何を言って・・・ま、まさか・・・そう言う事なのか??」
??「そう言う事とはどう言う事だろうな・・・」
一刀「つまり・・・彼女の道を支えるだけで・・・俺はまた・・・」
??「正解だ。お前は一つ勘違いをしているようだから言っておいてやる。歴史を変えたからとかそういう理由じゃないんだよ。お前が還された理由は。」
一刀「だ、だって許子将は・・・」
??「あれは“大局”としか言ってない。歴史とは一言も口にしていない。」
一刀「じゃ、じゃあ歴史の転換期に俺の体調が悪くなったのは!?」
??「勿論歴史を変えたからだ。だが・・・それはお前がそう思ったからだ。」
一刀「・・・え?」
??「もしも大局が夏候惇の言う通り曹操の言う事には逆らうなという事だとお前が無意識的に思えば・・・そうなる。別の事だと思えばそれがお前を還す原因になる。こじつけでも・・・な。」
一刀「魏に所属すれば・・・俺は・・・あんな別れをする事が・・・決められていた?」
??「正解だ。賞品としてこのアタッシュケースをやろう。これは外史に降り立った時真の効果を発揮する。取り説はこれだ。」
取り説って・・・俗っぽいアイテム貰った気分だ・・・
一刀「・・・俺は向こうで何をすればいい?」
??「別に、ただ降り立つだけでお前は役目を果たす。お前はいわば最後の楔だ。その世界は北郷一刀・・・というより天の御使いが降り立つことで安定する。不安定のままでいると・・・勝手に収束して自然消滅する。俺はそれを防ぐために今は動いている。それだけなんだよ。」
一刀「・・・それ以降は俺の自由?」
??「ああ、だが・・・これだけは言っておく。魏に行けば・・・」
一刀「分かったよ・・・確かにあんなのは何も残せず、誇れず、後悔しか残らない終わり方だ。なら俺は・・・他の勢力に行く。たとえあの陳留の郊外に降り立ったとしても・・・絶対に。」
??「そうか。ならば・・・いいんだな?」
一刀「ああ・・・長引かせて悪かった。」
??「・・・ふ、構わん。俺はどんなお前でも親友だと思っている。別の世界のお前は俺を・・・命を掛けてあの呪縛から救ってくれた。だから・・・俺の出来る範囲でお前を手助けするのが俺の・・・感謝の示し方だ。」
一刀「・・・?何の事だかさっぱりだが・・・ありがとう。」
??「この銅鏡をたたき割れ。そうすれば外史の突端は今一度開かれ、お前は外史に降り立つことになるだろう。最後に・・・どんな結末でも後悔の無いようにな。」
一刀「ああ・・・ありがとう。」
??「それじゃあな。あばよ、北郷一刀。」
そう言って目の前の男は銅鏡を地面に叩きつけた。その場所から光があふれ出し、それは包まれ意識が遠のいた。
一刀「・・・あ、名前・・・」
??「・・・知らんでいい。それがお前の為でもある。」
一刀「・・・ああ、お前が言うなら・・・そうなんだな・・・」
こうして俺の意識は完全についえた。
??「・・・・・・これで・・・いいんだな?馬鹿野郎。・・・俺の事完全に忘れやがって。」
そう言い残し、白いローブを羽織った一人の青年は歩き出す。彼が居なくなった公園は何事もなく時を刻み始めた。まるでそこに居た一刀は元から居なかったかのようにふるまい、彼が居たベンチの前を通り過ぎて行った。
あとがき
蓮華「あれ?魏ルートアフター?私のルートよね??」
あ、はい。魏ルートアフター呉ルートです。正確には呉ルートでも無いですが。
蓮華「理由を聞いても?」
そうですね・・・その南海覇王をしまったら答えます。
蓮華「ちっ!」
舌打ち!?え、えっとですね・・・まずはなぜ魏ルートアフターなのか?俺が好きだからです。ってうぉう!?いきなり斬りかからないでください!!
蓮華「・・・それが呉ルート・・・正確には違うルートというのは?」
えっと、正規の呉ルートですと雪蓮と冥琳が死ぬからです。お姉さんが死ぬのは嫌でしょう?
蓮華「う・・・それは・・・感謝するわ。」
つう訳で、魏ルートは個人の趣味。孫権ルートは孫策、周瑜の死亡フラグ折りを考えてのことです。
蓮華「なら死なないのね?」
・・・さあ?
蓮華「・・・」
・・・ま、まあそこは回避させますとも、ご安心を。
蓮華「安心できない・・・」
さ、次回は『艦これ~岩川基地00××鎮守府~』第一話です。
蓮華「一応内容は?」
そうですね。完全に艦娘の性格とか性能を無視してます。深海棲艦もオリジナルを登場させるので原作・・・原典?を重要視される方は嫌いかと・・・ですが結構熱い物を描く予定なのでお楽しみに。
蓮華「そ・・・じゃあ。」
・・・(脱兎)
蓮華「一話目で私が出ないとか何考えてるのか聞かせて・・・って逃げるなぁぁぁぁ!!!」
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さてGWを突入している方が結構な数がいると思われますが・・・
俺もなんとか二連休となりそうです。
今回は孫権伝と相成りますが・・・はっきり言ってまたアフターかよ!ってつっ込みがあると思いますが、いいじゃない好きなんだもの。
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