No.77375

真恋姫SS 【I'M...】 1話

野球ほったらかして、こんなの書いてみました。
続きは書くかどうか思案中。

魏ルートの…う~ん、サイド?アナザー?

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2009-06-05 15:27:12 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:14810   閲覧ユーザー数:11210

ザザァァァ……

 

 

――――雨。

6月の梅雨に入り、ここ一週間はずっとやむことを知らない。

おかげで体育はほぼ自習。

部活は屋内なのでそれほど影響はない。

俺は雨はそれほど嫌いではない。

こういう雨が続く日というのは、晴れの日よりもクラスが静かに感じる。

別に普段が気に入らないわけではないが、それでも少し落ち着く空気だ。

 

聖フランチェスカ――。

俺が通う学園だ。

 

 

ガラァッ

 

教師が入ってきた。

これから終礼をするためである。

簡単な明日の連絡を済ませ、いつもどおり今日の学校は終った。

鞄を持ち、外へ向かう。

 

黒い雲が覆う空を見上げ、俺は何を思うでもなく見つめていた。

高く、鮮やかな青空。

遠く、穏やかな茜空。

広く、輝く星空。

どれも、同じ空。

だけど、この黒い空は同じなんだろうか。

ただ水滴を落とし続けるこの無機質な背景は俺の目を離してくれない。

 

はぁ…とため息。

退屈だ。

やることはある。

でも、やりたいことがない。

自分からやろうと、そう思えるものが見つからない。

今の部活である剣道も祖父から半強制で続けさせられたもの。

勉強も運動も嫌いではないが、自分のためかと聞かれると、答えられない。

 

バサ

 

傘をひろげ、歩き出す。

いつまでもこんなところで立ち止まっていても仕方ない。

 

要するに、夢がないのだ。

目標も。

よく、自分は何のために生まれた。なんて言葉を聞くが、最近は本当に考える時があるから重症だ。

ピシャピシャと足音がうるさい。

静かに歩こうとしても、水が邪魔をする。

 

不満はないが、満足できない。

そんな生活を送ってきた。

 

周りの生徒は、これから予備校やら寄り道やらで忙しそうにしている。

何をそんなに。と思いそうになり、やめた。

それはただの嫉妬だ。

やろうとしていること。夢。目標。

そんなものがある彼らに嫉妬しているだけ。

 

 

自分は自分。

他人は他人。

それを繰り返す。

何度も…

 

ただ

 

できれば

 

出来ることなら

 

俺にも…

 

役割が欲しい。

 

役目が欲しい。

 

目標が、夢が

 

――――。

 

 

 

そこで俺の思考は止まった。

 

「………」

 

目の前にいる”それ”を見て。

 

「………」

 

この雨の中。

そこに在ったのは、人。

俺よりも頭二つほど小さい。

肩ぐらいまでの長さの金髪。

蒼穹色の双眸。

だが、その瞳は人と呼べるものではなかった。

少なくとも、俺はこんな瞳をした人間を知らない。

ただ、綺麗過ぎるのだ。

傘も差さず、全身が濡れてしまっている”それ”に対して俺はただ

見入ることしか出来なかった。

 

 

「………お前」

 

「……え?」

 

声を出した。

その事実が信じられなった俺は、ただ戸惑う。

そして、”彼女”が声をだすと、先ほどまで振り続けていた雨が―――やんだ。

 

急に差し込む光で俺は今この世界にこの子以外誰もいないような錯覚に陥る。

 

「…お前が」

 

そして、ふただび口開くことで俺の意識をもどし、

その深い二つの瞳は俺を見て言い放った。

 

「……お前の…せいだ」

 

「……それって、どう…い…う……」

 

そして、その言葉が流れたと同時に、俺の視界が白に染まり

意識が遠のいていく。

この空のような、彼女の瞳を見つめながら…

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ん…」

 

意識が戻る。

眠っていたのだろうか。

そう考えたがすぐに否定した。

ここが通学路のど真ん中と言う状況。

そして俺は傘を持って、晴れた道を歩いていたのだ。

 

辺りを見回す。

先ほどの女の子はいなかった。

 

ついにボケたのだろうか。

まったく不審極まりない。

快晴の暑い中、雨傘をさして立ったまま眠っていた。

 

「………意味がわからん」

 

こっちが言いたいわ!!とツッコミが飛んできそうだが、華麗にスルー。

俺だってわからないんだから仕方ない。

とりあえず暑さと湿気で頭がやられていると認識しておく。

 

 

傘を閉じ、ふたたび歩き出す。

先ほどより歩幅を大きく。

今日の晩飯は何にしようか、なんて考えて。

 

 

帰りに、コンビニに寄っていった。

まあ、晩御飯を買いに来たんだが、正直作るのが面倒だったので弁当でも買いに来た。

弁当のコーナーへ行くと、時間も時間だからか、いかにも余り物です的なものしかなかった。

『洋風スタミナ弁当480円』

洋風と銘うつならひじきを入れるのはやめろ。

それしかなかったので、それを手に取り、レジへ向かう。

 

「温めますか?」

 

「お願いします」

 

ブーンと電子レンジを動かし、弁当を温める店員。

温めるのが終わるまで2分弱かかるわけだが、この時間が客と店員の間に微妙な空気を生むわけだ。

 

――チン

 

レンジが完了したことを告げる音を鳴らす。

温まった弁当を受け取り、家へ向かう。

家と言っても学生寮なわけだけど。

袋をぶら下げ、夕方に差し掛かった時刻、帰路を歩く。

そして、寮が見え始める頃になって―――。

 

 

――ズキ

 

「っつ……」

 

急に頭痛がおきた。

針状のもので頭蓋骨を削られるよな痛み。

あまりの痛みに気が遠くなる。

堪えきれず、弁当の入った袋がどさっと音を立てておちる、

頭を振り、なんとか意識がなくなるのを阻止する。

そして、先ほどの映像がよみがえる。

 

―……お前の、せいだ…―

 

怨みを孕んだ口調。

なんなんだ。

今思い返せば、その姿は子供だった気がする。

見たこともない子に何故いきなりそんな顔をされなければならない。

 

 

―……お前の、せいだ…―

 

 

また、意識が遠くなる…

 

「…ぐ……ぁ…」

 

今度は抗えない。

そしてまた、あの子の顔が思い浮かぶ。

 

―……お前の、せいだ…―

 

だから、何故そんな顔をするのか…

痛みと薄れていく意識の中でその子のことを頭から追い出すことが出来なかった。

 

 

さきほど目の前にいたはずの少女。

その子が俺に向けた瞳は、その雨に濡れた体よりもずっと

濡れていたから。

 

 

 

 

――これが十数年後、覇王と呼ばれた少女と俺との最初の出会いだった

 

 

 

 

はい、こんにちは!

野球ほったらかして、またこんなの書いてしまいました!

まったく訳分からんと思います。

 

続きは書こうかすんごい迷ってます(´・ω・`)

どう考えてもストーリー改変になりそうなので。。。

一応原作には沿うつもりなんですけどねー(´・ω・`)

 

あ、ちなみに魏のお話です。

そして主人公ですが、名乗ってないですね(’’;

一応主人公は一刀です。

今回の一刀は少し本編より暗い性格になるかも?まぁ、種馬っぷりは継続させるつもりですが。

 

ボク的にはものすごく続き書きたいんですが、なんせ難しくなりそうな上に今更かなぁ・・・とかって気持ちもあるので、ちょっと皆さんの反応を見つつ決めようと思います。

 

何しろタイトルすらまともに決まっていないっていう・・・ねw

 

とりあえず、和兎の外史第2弾!ということで投稿させていただきました!

(甲子園は暇つぶし&気分転換&ノリですのでカウントはなしの方向で・・・・)

 

 

追記:マジサーセン。投稿する際に最後の一文が抜けてた・・・orz


 
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