No.772225

艦隊 真・恋姫無双 49話目 ( 居酒屋編 )

いたさん

話が……かなり飛びますが……本編です。

2015-04-19 15:10:07 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1609   閲覧ユーザー数:1376

【 居酒屋 鳳翔 の件 】

 

〖 司隷 洛陽内 にて 〗

 

洛陽都城内にて、一刀と主な艦娘、恋姫たちが顔を合わせてから、数ヶ月が経過した。 

 

劉宏が亡くなり、現皇帝陛下に政権が無事に移行できたが、黄巾の乱、反董卓連合の史実があるため、油断が出来ない!

 

そのため、洛陽に……ある施設を作るため、皇帝陛下に許可を得て、都城近くに建造した。 普通の建物では無いため、漢中鎮守府内の妖精さんに頼み、基礎を一週間掛けて造りあげ、一夜で建物を建造! 洛陽の民を驚愕したッ!

 

その建物は、二階建ての飲み屋であり、ここに住み込みで働く主の名前から………『居酒屋 鳳翔』と名付けられたのだ!!

 

★☆☆

 

カラカラ………カラカラァ……

 

鳳翔『あらっ? いらっしゃいませ……。 本日は、何になさいます?』

 

ーーー

 

軽く引き戸を開けると……主の『鳳翔型 1番艦 軽空母 鳳翔』が、優しい笑顔で迎えてくれる。 鳳翔の手前には、『おでん』がグツグツと煮込まれ、美味しそうな香りで、客を中に誘い込む。

 

カウンター席が八席、奥座敷が四部屋、二階に六部屋。 地下に………おっと、これは秘密。 関係者以外立ち入り禁止の札が………!

 

鳳翔さんの手作り料理、暖かい笑顔、可愛らしい従業員が働く……『居酒屋 鳳翔』は、瞬く間に人気店になった。

 

ーーー

 

客1「おぉーぃ! 熱燗一つ、頂戴!」

 

??「はぁ~い! アツ~イ熱燗おひとつぅ! ………はいっ! 持って行くわ──あっ! やあぁっっ! 熱ッ! いやだぁ、お肌が火傷しちゃいそう……」

 

客1「…………………」

 

ーーー

 

客2「とりあえず………」

 

??「………隣の客からだ、受け取ってくれ!」

 

客3「 ( ▼ω・)b 」

 

客2「おっ! いや……こりゃどうも! ん? 小さい子が手伝っているのか? こんな忙しい飲み屋で……よく頑張ってるな!?」 

 

??「こんな事は、威張れるものじゃないがな……」

 

客2「何を言ってる! 充分に偉いぞぉおおおー!」ナデナデ

 

??「うぅっ……や、止めッ! なんなのさ、一体───」

 

ーーー

 

??「○○ちゃん、現場はいりまーす!」

 

??「○○か、丁度いい! 流石にへとへと……『賄い』貰いに休憩入るからね……!」

 

??「だ、大丈夫?」

 

ーーー

 

あまりの混みようと激務に……月に約20日間ぐらいしか開かない……幻の『居酒屋 鳳翔』!

 

今回も賑やかな……お客様方を受け入れていた。

 

 

【 覇王様 ご来店 の件 】

 

〖 居酒屋 鳳翔店内 にて 〗

 

??「女将! また、来たが……席は空いているか? 四名なんだが……」

 

鳳翔「あらっ! 何時も……ご贔屓に! どうぞ、奥の座敷が空いていますから! 今、お絞りとお通し……お持ち致します!」

 

秋蘭「華琳様、奥の部屋が空いているようです! 姉者も居ますので、丁度宜しいかと!」

 

華琳「そうね、春蘭は酔うと暴れるから……部屋の方が安心だわ! それに、ここは信頼できる『お店』でもあるし、鳳翔の手料理は……いつも絶品! それにね……此処は、とても静かに飲食できて……気に入ってるのよ!」

 

鳳翔「曹孟徳様……ありがとうございます!」

 

華琳「………それで、鳳翔? 私に仕える気は、今も変わらない? 貴女なら……私の専属料理人として働いて貰いたいわ! 曹孟徳の領地以内なら、貴女のお店を、此処より大きい建物で建てあげれるわよ!?」

 

鳳翔「お心遣い……ありがとうございます。 ですが……私も仕えている身ですから……この地より離れるワケには参りません! それに、私の料理を楽しみにされている方も……いらっしゃるので……申し訳ありませんが………」

 

華琳「その謙虚な態度、料理の腕前、店の内装から見て取れる気配りの良さ! 惜しいわね……私の臣下になって貰えれば……桂花の補助で働いて欲しいのに。 ねぇ──桂花?」

 

桂花「は、はい……!」

 

春蘭「か、華琳様ぁあああッ! 早く、早くぅ中に入りましょう!!」

 

秋蘭「姉者……華琳様が大事な話をされている最中だぞ?」

 

春蘭「鳳翔の店の玄関に来て……良い匂いが漂うのにぃいい……! 『お預け』を食らうなんて……何の罰なんだぁあああッ!! ほ、鳳翔ぅううう! た、頼むッッ! 何でも良いから、早く食わせてくれぇえええッ!!」

 

桂花「春蘭? 貴女……朝から冴えないと思っていたけど、何があったの? 仕事の時も、何時もの気合いが足りなかったし、失敗や呆けていたようだけど? とうとう………頭が全部筋肉になっちゃたぁ!?」

 

春蘭「う、うるさいぃ! 今日の昼は、華琳様と御一緒に──あの『居酒屋 鳳翔』で取ると云うではないか!? だからぁ、朝飯を抜いてまで楽しみにしていたのだぁあああッ!!!」

 

鳳翔「まぁ……そう言って頂けるなんて……冥利に尽きますわ! 直ぐに御用意致しますので、曹孟徳様! どうぞ……お入り下さい!!」

 

華琳「もう……仕方ないわね! それでは……入りましょうか?」

 

秋蘭「はっ! ほら、姉者! 部屋に向かうぞぉ!!」

 

春蘭「お、おぉ~~ッ!!」

 

桂花「…………………」

 

鳳翔「では、曹孟徳御一行様……御案内、御願いします~!」

 

??『───ども、恐縮です!』

 

 

◆◇◆

 

【 小覇王様 ご来店 の件 】

 

〖 居酒屋 鳳翔店内 にて 〗

 

??「すまん……席は空いているか? 三名なんだが?」

 

鳳翔「はいはい……あらあらッ! 冥琳さん──私どもの提督が……いつも御世話になっております! 本日のお薦めは──! あぁ……もしかして、後ろの方が……孫伯符様……ですか? お噂はかねがね……」

 

雪蓮「流石、冥琳が薦めるだけの店のようねぇ!? だけど……噂ってなぁにぃ? まさか、私の悪口を……言っていたんじゃないでしょうね?」

 

祭「まぁまぁ……策殿! ここは洛陽でも一、二を争う名店と聞いておる! そんな店で乱暴騒ぎを起こしては、袁術たちの耳に入る可能性がありおるぞ!? 自重して下されぇ!!」

 

雪蓮「そんな事するワケ無いじゃない! 私の目的は~此処にしか置いていない名酒を味見しにきたのよ! だから、今度の上洛には、絶対付いて行くって決めていたんだから!!!」

 

鳳翔「もし……そんな事になりましたら、私と『働いている子』たちが相手をしてあげますよ。 提督より……お任せされた店舗ですもの。 私も……やるときは、やるのですから!」ゴゴゴゴッ

 

冥琳「鳳翔……大丈夫だ! そんな事は、絶対にさせん! 私の洛陽での憩いの場だ! 何人たりとも……邪魔だてなぞ──させんからな!?」

 

雪蓮、祭「「────────ビクッ!?」」

 

鳳翔「ふふッ、このお店での約束事は、一つだけ! お店や他の皆様に御迷惑を掛けない事! それさえ守って頂ければ……歓迎致しますので。 それでは……奥座敷でお待ち下さい。 準備をして参りますからね………」

 

『────────!』

 

─────タッタッ!

 

雪蓮「ちょっと……冥琳! あの女将、何者なの!? 私たちに強烈な殺気を叩き付けて来てわ! まるで……母さまから剣を向けられたような、嫌な殺気だった……! 慈愛の中に殺気……狂気の中に愛情があるような!」

 

祭「…………一つだけ分かるのは、女将も儂と同じく弓を使う達人じゃ! 右手の親指と小指の付け根に『タコ』が出来ているのが分かった。 ほれっ! このような手のひらだったわいッ!!」

 

雪蓮「うわぁ! これが祭の手ねッ! こぉう~祭の掌を、よく見る機会は無かったけど、よく見たら綺麗な手をしてて、柔らかいのね! 昔は、よく手を握って出掛けたものだけど……!!」

 

冥琳「……そうだな! 祭殿の手を、改めて握るのも……何年振りかな?」

 

祭「ば、馬鹿者! それよりも……手を見ておけ! あの女将の手は、この手以上のマメの大きさじゃ! しかも、傷も殆ど無かった所からして、考えると──かなりの達人と見た! いやはや……恐ろしい者よ……」 

 

雪蓮「──────そうなの?」

 

冥琳「まぁ………然(さ)もあらん。 ここは、普通の店では無いのだからな? 天の御遣いの関係者……通称『お艦』の店だ!」

 

鳳翔「もぅ~冥琳さんッ! 此処は普通の店ですから!! ……あっ、用意が終わったようですね、お座敷へどうぞぉ!! 三名様、御案内~!!」

 

??『わかった! 共にゆこう!』

 

 

◆◇◆

 

【 白馬義従様 ご来店 の件 】

 

〖 居酒屋 鳳翔店内 にて 〗

 

??「すいませ~ん! 四名、いいですか~?」

 

鳳翔「はいはい……いらっしゃいませ~!」

 

鈴々「にゃあ~! お腹が空いてぇ目が回るのだぁあああ~ッ!」

 

愛紗「こ、ここが……ご主人様が仰った店なのか? わ、私たちのような者が、入っていいのだろか!?!?」

 

桃香「あ、あの~『北郷一刀』さんより……招待されたのですが……?」

 

鳳翔「えぇ、お待ちしていましたよ! 劉玄徳様……で宜しいですね? さぁ、どうぞ……奥の部屋が空いていますから!」

 

愛紗「す、すまない! 本当に──此処で良いのか? 洛陽で一番美味しいお店、皇帝陛下が……お忍びで食事に来られるとか、噂を聞いている! そんな高級店に入って……その……代金を払える事ができるか………」

 

鳳翔「普通の居酒屋なんですから、皇帝陛下が来られるワケ無いじゃないですか。 ただの噂ですよ……。 ここは、私たちの提督『北郷一刀』のお店ですから、支払いは心配しないで大丈夫ですよ!」 

 

愛紗「ご、ご主人様が─────ッッ!?!?」

 

桃香「え、えぇ~とぉ……そ、それに……あ、あのぉ……! わ、私たちの連れの一人が、とてもよく食べるんです! だから、私たちが入っちゃって……食材の在庫が無くなってしまうか……心配なんです!!」

 

鳳翔「まぁ……小さな子が、お腹を空かしたままなんて……可哀想な。 ご心配はなさらずに……食材は何とか手配できますから。 安心して、お腹一杯食べて入って下さいね?」

 

桃香「あ、ありがとうございま~す!! 良かったね、鈴々ちゃん!!」

 

鈴々「やったぁあああッ!! なのだぁ───ッ!!」

 

白蓮「あぁ………わ、私も、桃香たちと一緒で良いのか?」

 

鳳翔「白蓮様ですね。 はい、提督より話は伺っておりますよ! 劉玄徳御一行様、御案内~!」

 

??『はぁーい♡ いまぁ行きま~すぅ!』

 

 

◆◇◆

 

【 裏の仕事 の件 】

 

〖 居酒屋 鳳翔店内 にて 〗

 

今回の『居酒屋 鳳翔』は、数日間続けて営業したため、在庫切れになってしまった。 鳳翔は、入り口に鍵を掛け……札をつける。

 

────カタンッ

 

『 本日より、しばらく閉店致します。 店主 鳳翔 』

 

これで、鳳翔が……仕入れ、料理の下拵え等を行うのだが、それは《表》の仕事。 表の仕事が終われば……《裏》の仕事が始まる。

 

ーーー

 

鳳翔「ふぅ………何とか、表の仕事が終わりましたね。 皆さん、お手伝いありがとうございます! さて、次は………」

 

川内「や、夜戦なのか!?」

 

那珂「違うよ! 那珂ちゃんのアイドル活動だよッ!」

 

鳳翔「……今回の仕事は『情報収集』をお願いします。 お客様の話では、黄色の布を身体に巻き付けた賊が……各地に出没しているようなんですよ。 てすので、その情報とその地域の軍閥の行動を探って頂きたいのです!」

 

ーーー

 

川内「………了解! 情報収集なら夜戦も付き物だしね! 期日は、何日間と見ればいいの!?」

 

那珂「地方巡業? うぅん! 未来のトップアイドルなら、顔を覚えて貰うのが基本だもんね? 期間を教えて欲しいな!」

 

鳳翔「期間は10日! 行き先は荊州、冀州周辺を! あの辺りが激戦を史実で繰り広げていますので……。 また、曹孟徳、孫伯符の軍事行動も気に掛けて欲しいのです。 反董卓連合も視野に入れたいと、提督の命令も………」

 

ーーー

 

川内「私が旗艦で荊州に向かうよ! 『青葉』と『神通』……あと数人の艦娘達が到着したら、行こうじゃないか!! 青葉! 神通! 頼むよ!!」

 

神通「わ、私で良ければ………」

 

青葉「わっかりましたっ! 青葉、取材してきますぅ!!」

 

ーーー

 

那珂「那珂ちゃんは、冀州に向かおうかな? 『如月』と『菊月』と……誰かに入って貰って……勿論、センターは那珂ちゃんの場所だからねッ!!」

 

菊月「……そんな目立つ場所など……私には要らぬッ!!」

 

如月「ふふふっ! 如月はねぇ……大勢の男よりも、一人の『彼』からの眼差しを受けたいのぉ! 艦隊のアイドルには、分からない気持ちよねぇ~?」

 

ーーー

 

鳳翔「それでは、明日までゆっくり休んで下さい。 私は、他の仕事をこなしています! それと……皆さん、命が危なくなりましたら、迷う事なく命を優先して、必ず戻ってきて下さい! 私と提督からの『最重要命令』ですよ!」

 

『…………はいっ!』

 

 

◆◇◆

 

【 裏の仕事 その2 の件 】

 

〖 居酒屋 鳳翔店内 にて 〗

 

 

鳳翔「えぇーとぉ、お通しの漬け物は……あらっ、在庫が無くなりそう。 ……もう少し漬けておきましょうか……」

 

トンッ! トンッ! トンッ!

 

鳳翔が仕込みをしている時………裏の戸を叩く音が……?

 

鳳翔「『どちら様~?』」

 

越後屋「『毎度! 越後屋でぇーす!!』」

 

鳳翔「『はいはい。 今日はどんな物が……?』」

 

越後屋「『油揚げ、醤油、オマケの三つでっさぁー』」

 

その言葉を聞いて、裏口の鍵を開けて、顔を出す。

 

鳳翔「まぁまぁ、お久し振りですね! …………お待ちしていましたわ。 立ち話も何ですから……どうぞ、お入り下さい!」

 

越後屋「────へ、へぃ! 失礼しやす!!」

 

鳳翔が、裏口を開けると……キチンとした身なりの男が、恐縮した様で入ってくる。 

 

この男は、『居酒屋 鳳翔』に食材を提供する店主の一人『越後屋』と云う人物。 どこぞの『お代官様……』で有名な店名に似ているが、こちらは……真っ当な店屋の店主である。

 

また、洛陽でしか販売されない『鳳翔特製 牛蒡料理』を認可され、各地で販売、大好評を得て富豪になり、仲間達と共に東奔西走する元行商人であり、裏では……鳳翔が取り引きする『情報屋』でもあった。

 

鳳翔は、男を招き入れ……鍵を閉めて奥座敷へ通す。

 

ちなみに……油揚げ等『食材』が本命、醤油等『調味料』が二番、オマケが『雑話』の隠語である。

 

鳳翔「それで……今回の話は?」

 

越後屋「へぇ……本命の話は、冀州方面の物価の値上がりが著しいのです。 これは、軍閥が食糧を抑えに掛かったと……あっしは見ておりますが……」

 

鳳翔「………なるほど。 他には……」

 

越後屋「女将が仰られました……『張三兄弟』に該当する者を捜索しましたが、残念ながら……手掛かりはありません。 ただ、張三姉妹と名乗る姉妹は見つかりましたが……此方は性別が違いますからね……」

 

鳳翔「……他には?」

 

越後屋「陳留太守……曹孟徳様。 あの方は『超世の傑』と陳留では噂が流れております。 やる事なす事……万事に隙が無い。 そのため、陳留では人民が安心して商売を行えると、商売仲間から聞いております!」

 

越後屋は、緊張した顔で話を終えると……やっと、ホッとした顔になり、溜め息を静かに出した。  

 

★★ー★★ー★★ー★★

 

鳳翔から頼まれた事は……

 

・本命に、物価の変動があったところ。

 

・二番に、捜索する物や人。

 

・雑話は、行商人達が噂している事を教えて貰いたい。

 

である。

 

そして……『週一回は、必ず顔を出して、直接知らせて欲しい……』との願いのため、こうして鳳翔の前に姿を現しているのだ。

 

★★ー★★ー★★ー★★

 

鳳翔は……にっこりと微笑むと、正座を崩して立ち上がり……優雅な作法でお茶を汲み、越後屋の前へと……ソッと置いた。

 

鳳翔「そうですか……ありがとうございます。 粗茶ですが、宜しければお召し上がり下さいね。 此処まで調べて頂く事は、大変だったでしょう……?」

 

越後屋「い、いえっ! とんでもないッ! 知り合いの行商人からの又聞きして、コレと思われる情報に、直接商売がてらに仲間達が寄るだけでさぁ。 あっしの話が良ければ……幾らでも使ってくだせぇ!!」

 

鳳翔「……それでもですよ。 また、食材となります『牛蒡』の入荷を、再度お願いします。 情報代も含めて……高く買取ますから……」

 

越後屋「女将! あっしや仲間たちは、女将に感謝しておりやす! その『牛蒡』のお陰で、あっしらは……やっと人並みの生活ができるんですよ……! あまり、買い手がいない牛蒡を……こうして『食材』で使用して下さる!」

 

鳳翔「いえっ……私が牛蒡の料理を得意にしているから……」

 

越後屋「あっしらの住んでる国では、牛蒡は『薬』にしか使用しない。 だから、牛蒡の産地のあっしの村は……貧乏でした。 それが……女将の料理のお陰で牛蒡が高く売れ、あっしも……この通りとなりやした!!」

 

鳳翔「……………」

 

越後屋「その恩を返すため、仲間達と話合い……女将へ……何か手伝いをさせて貰えるようにお願いしたんです! どうか、これからも……ご贔屓にして下せえ! もし、バレましても……女将の名は……一切口外しないよう……」

 

鳳翔「駄目ですッ!! その時は、直ぐに私に知らせて下さい! 貴方たちの仲間や家族を含め……私が匿います! 提督にも……万が一と云う事で、話を通してありますから、安心して逃げてきて下さい!」

 

越後屋「しかし───!!」

 

鳳翔「絶対に──『死ぬ』事は──許可しません!!」

 

ーーー

 

こうして……話が終わり……越後屋は、後日の再会を約束して帰った。

 

後に越後屋は語る。

 

『長年、行商人をしていたから分かるが、女将(鳳翔)の怖さに……毎度毎度と緊張する。 どんなに優しい笑顔を見せられても、背後に恐ろしい鬼の顔が浮かぶんだ。 特に、あの時の女将は──怖かったさ!』

 

『だけど……女将の目に涙が溜まっているのを見て、この人は本気で心配しているんだな……と思い直して承知したよ。 思えば……毎回、直接お会いしたのは、あっしの体調や命を心配してくれたんだろうな……』

 

ーーーーーーーーー

 

洛陽に建築された『居酒屋 鳳翔』……別名『お艦の店』

 

正式名称と決定していた───『洛陽鎮守府』の名前は結局採用されず、俗称のみで、その役割を果たしていくのであった。

 

 

ーーーーーーーーー

ーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございます!

 

本当は、もっと先の話になりますが………どうしても………書きたくて止まらなかったので、数話……話が飛びますが、どこかで本作に合わせます。 

 

ついでに云うと、ハーメルンの『ディム様』が書かれる菊月が可愛くて、書きたくなった。 

 

《ディム様……勝手ながら、お手伝いさせて下さいね! 『世界に広げよう菊月の輪』……できるかわかりませんけど……》

 

もっとついでに云うと、アニメの如月が気に掛かる(アニメは見ていませんが、断片的な情報で)ので、出したくなった。

 

青葉、神通、那珂ちゃんは……もともと出す予定だったから問題なし。

 

 

今度は、金剛たちの続きから入りますので、宜しくお願いします。

 


 
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