「どうせ、私なんてぇええええええ!!!」
「………………」
俺は今、成都の酒場で白蓮と2人、酒を飲んでいる。
彼女とは知り合って以来、こうして頻繁に共に酒を飲むような関係になっていた。
まぁ、いい友人さ…………しかし、白蓮は美人だし、とてもいい奴だ。だが、これ以上深い関係にはなりそうにないのはなぜだろう?
「お、おい!聞いているのか!?私を無視するな!!……アレか?それは『影が薄くて気付きません』っていう意思表示か?私は空気のごとき存在ですか?お、お前まで私をそーゆー扱いか!?お前のことは信じていたのに、友達だと思っていたのにぃいいいい!!」
「……はぁ…またか」
今回も、白蓮のボヤキが始まった。
きっと、また蜀の皆さんに影の薄さでも弄られたのだろう。
白蓮は愛すべき弄られキャラだからな。
「か、一刀ぉおおお~!」
「!!!」
かつて幽州の太守にまでなった人物が、情けない声を上げ抱きついて……いや、なんか絡んできた。
それはいい。しかし、その顔は、目は赤く充血し。そして、鼻水が垂れてやがる。
色気もへったくれもあったもんじゃないよ、まったく……。
……つか…白蓮。なにが君をそこまで追い詰めたんだい?
お兄さんに話してごらん?笑ったりしないからさ。
「……私は、どうすればいいんだ?」
「……なに?」
「だから!どうすれば私は、まわりに存在感をふりまけるような存在になれるかって聞いているんだ!!」
アドバイスを求められてしまった。
「……う~む」
少し考えてみる。
「……決めゼリフを言ってみるのはどうだ?」
「決めゼリフ~?」
「そう、例えば馬岱将軍だ!」
ジャージャージャーンっ!『ここに居るぞ~っ♪』
「あれがなければ、ただのちっこい馬超だろう?ならば、居ても居なくても最早どうでもいい存在だ!」
「……な、なるほどあのセリフが私とたんぽぽにある差をつくっているわけか……」
「そういうことだ」
「……よし、なら私も…………なあ?一刀?決めゼリフって、どういうことを言えばいいんだ?」
「そうだな……」
「俺、この戦いが終わったら……結婚するんだ――――――」
「死ぬだろ!!!確かに見せ場はつくれるけど、人生一度しか使えないよ!!!」
「俺に構わず、先に行け――――!!」
「さっきと結末は一緒だよ!!!」
「ただの人間には興味ありません」
「私は世界がつまらないなんて思ってない!!!」
「嘘だっ!!」
「もう古い!!!」
「ならばよし!」
「曹操か!!!」
「…フゥ~……まったく、なにが不満なんだ?言っておくが、もうなにも思いつかないぞ。
………そうだ『白馬長史、参上!』とかいいんじゃないか?」
「白馬長史って言うな!……つか、それが一番いやだよ!!………もう、決めゼリフはいいよ……他に方法はないか?」
ふむ、ならば今、偶然持っていた。この衣装を君にプレゼントしよう。
これ着れば、君も皆の注目の的さ。
ほんと、たまたま持っていたのだけど、こんな風に役に立つなんて思わなかったよ。
――――――――――― 白蓮side
私は、一刀から渡された衣装に袖を通し、陰から皆の様子を窺う。
「では、今回の軍議はここまでとするとしましょう」
愛紗が場を閉める。
「はぁ~い♪……あ、そういえば白蓮ちゃんの姿が見えないけど、どうしたのかなぁ?」
桃香が今更、私の不在を指摘する。
遅いよ!!!……でも、それも今日限りだ!!私は生まれ変わった!もう、涙するしかなかった、昨日までの私じゃない!!!
「ふむ。確かに、伯珪殿の姿がありませぬな」
「あいつの影が薄すぎて、居ないことに気がつかなかったのですよ!」
「あのお姉ちゃん、影薄いもんな~、鈴々も気づかなかったのだ!」
「まぁ~。白蓮だしな」
「そうそう~。伯珪さんだし~♪」
「「「あはは~~♪」」」
あ、あいつら~!好き放題言いやがって~~!!
つか、馬姉妹の『白蓮だし~』ってなんだ!?……皆もそれで納得するんじゃない!!!
「お前ら、いい加減にしろぉおおおおおおお――――――――――――!!」
「む?」「な、なんだ?」「白蓮ちゃん?!」
「白蓮殿だと?いったいどこに―――――」
愛紗の言葉に合わせて腹から声をだす。
ジャージャージャーンっ! 「ここに居るぞぉおおおおお―――――――――!!!」
「「「!!!!」」」
皆の顔がこちらに向けられる!その表情は誰もが驚愕を浮かべていた。
うぉおおおお!!すごい見られている―――――!!!
かつてこれほど注目を浴びたことがあっただろうか……いや、あるまい!!!(反語)
やった!やったよ一刀!!私は過去の自分を乗り越えたんだ!
皆、私を見ている!もう、影の薄い女だなんて言わせない!!!
これも、お前のくれた衣装と助言のお陰だよ!
一刀――――――ありがとう!!!
私は、興奮で身体を震わせる。
すると頭につけた『うさみみ』がピョコピョコと揺れているのを感じていた……。
――――――――― 一刀side
「やはり、劉備様の方がいいと思うんだよ」
「いや、僕は関羽将軍の方が素晴らしいと思うね」
俺は警備隊として、同僚と一緒に警邏の最中、雑談に花をさかせていた。
「確かに、関羽将軍のハリは素晴らしいとは思う。
……だが…やはり、重要なのはやわらかさだと―――『おぉ~~~い!!一刀ぉおおおお~~~~!!!』―」
「ん?」
誰かに呼ばれている。辺りを見回すと、そこには……。
「……っ!!!あ、あれは!!!」
人か?
うさぎさんか?
いや、バニーガールの衣装を着た。白蓮だぁああああ――――――――!!!
白蓮バニー(バニーガールの衣装を着た白蓮)は、手を振りながらこちらに駆け寄ってくる。
「よぉ!!一刀、ここにいたのか。探したぞ」
「あ、あぁ………どうかしたのか?」
それにしても、白蓮。本当に着てしまったんだね…………ギャグのつもりだったんだが。
「一刀、聞いてくれ!!お前に貰った衣装と助言のお陰で、皆をギャフンと言わせることができたんだ!」
「そ、そうか……よかったな」
「あぁ。お前にも見せてやりたかったよ!私を見た時の皆の顔といったら……フフッ♪ほんと、最高だったよ!!もう、私の影が薄いなんて言う奴はいないね」
……今の君にそんなことを言う輩はいないだろう。
だけど、それでいいのかい?将として失ってはいけないものを失ったのではないだろうか?
「なんだ?そんな微妙な顔をして?」
「いや、なに……確かに今の君はとても注目されているな、と思ってね」
「え?」
白蓮バニーが辺りを見渡す。
すると、そこには数多くの好奇や熱い眼差しをおくる、人々の視線が集まっていた。
「……な!」
すると白蓮バニーは今更ながら羞恥心がこみ上げてきたのか、徐々に顔が赤く染まっていく。
……今まで恥ずかしくなかったのだろうか?
「………き…」
「き?」
「キャアァアアアアアアアアアア―――――――――――――――!!!」
堪らず白蓮バニーは悲鳴をあげるが、その声はとても女の子らしく、可愛かった。
そして、白蓮バニーは身体を隠すようにしゃがみ込む。
でも、それは逆効果じゃないかな?
身体を隠そうとして顔を赤く染めながら悶える姿は、正直とても萌えます。
「一刀、バカ!!!見るなぁああああ―――――!!」
俺の視線に気づいたのか、そんな事を言い、背を向ける。
白蓮は髪を後ろでアップにしている為、よほど恥ずかしいのか顔だけでなく綺麗なうなじまでほんのり赤く染まっているのが見える。
う~む。なんだか色っぽい。
……俺は、ここに宣言する!!
コスプレとかけて、羞恥心ととく、
その心は?
コスプレとは、衣装を女の子に着せるのが目的ではない!!
女の子に衣装を着せて、恥ずかしがる様をニヤニヤしながら鑑賞するものなんだぁあああああああああ―――――――――――!!!
……ふと、一緒に警邏をしていた同僚と目が合う。
「………(コクッ)」
「………(コクッ)」
なにやら頷かれたので、こちらも頷き返す。
今、こいつと俺の想いは同じはずだ。
周りを見回しても、同様に頷き、頷き返される。
そう、俺達の心はひとつになった。
「「「白蓮(公孫賛)萌えぇえええええええええ―――――――――――――!!!」」」
「お、お前等なに言ってんだよぉおおお――――――!!!」
人は解り合うことができるんだ……それを学んだ、ある午後の一時だった……。
あとがき
とりあえず何か投稿したくて、こんなのを投稿してみました。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
えっと、もし他とネタがかぶっていた場合はスミマセン
なんだか、書いている途中からわけが解らなくなってきてですね……内容もわけ解らなくなってしまった気がします。寛大な目で見て頂けると有り難いです。
前回のコメントで頂いたご指摘なのですが……
刀は手入れをすれば一生を終える程度は使えるとのことなんですが、あえてナマクラにしてですね……そこからパワーアップ!させていきたいと考えているので、実際の刀とは違う描写になると思うのですが、ご容赦ください。
やはり、主人公の武器とガ○ダムは途中でパワーアップは必須だと思うんですよ。
連続で何人も斬れないとのことなのですけど……えっと、見逃してください。
これからも、連続で何人も斬るシーンが出てくると思うのですが見逃して頂けるとありがたいです。
受け入れることの出来ない作品だと、ご指摘を受けたのですが……確かに恋姫の世界観を壊してしまったと感じています。特に華琳様が好きな人は不快に感じる内容だと思います
申し訳ありません。
これからもご指摘や感想などがありましたらコメントで頂けたら、と思っています。
それでは!
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白蓮さんがメインのショートストーリー。
馬岱の悪口言っているので好きな人は注意してください。
キャラ崩壊注意!