No.77123

天の御遣い帰還する その9

ぴかさん

天の御遣い帰還するのその9です。

その8の続きで、一刀君の後半です。
まだ出てきていない残り2人が登場します。
最後の辺りは勢いで書いてしまった部分があるので、ちょっといまいちかもしれませんが、よかったらご覧になって下さい。

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2009-06-04 00:09:57 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:10470   閲覧ユーザー数:8413

簡単なあらすじ・・・

 

 

武将が女の子ばかりという不思議な三国志の世界から戻ってきた北郷一刀。

落胆する彼の目の前に、彼の世界で天の御遣いの訪れを予言した管輅が現れる。

 

管輅が言うには、この世界は元々一刀が居た世界である。

だが、同時に一刀の望んだ世界でもあるのだという。

 

一刀の望み・・・それは別れてしまった彼女たちとの再会である。

その言葉通り、管輅と別れた彼は桃香、愛紗、鈴々、朱里、雛里、星、紫苑と再会する。

 

理事長の計らいで女子寮に住む事になったみんなは、そこを拠点に手分けして他の仲間を捜す事になった。

桃香と星は公園で麗羽、猪々子、斗詩、美以、ミケ、トラ、シャム、白蓮と出会った。

鈴々と朱里は、翠、蒲公英と再会できた。

愛紗と雛里は、桔梗と焔耶に出会えた。

 

一刀は、商店街でチンピラに襲われている月と詠を助けた。

そして、純粋に再会を喜び合う3人だったが・・・。

 

 

詠の事を抱きしめ続ける一刀。

文句は言うものの嬉しさのあまり一刀をふりほどかなかった詠であったが、さすがにこうも続けられると頭に来る。

何より、今自分を抱きしめていると言う事は、その間月はほったらかしになっている。

詠にとって月は、自分の命よりも大事なものである。

その月がほったらかしになっているのは許せない。

そして、月が一刀を好きな事は重々承知している。

と言う事は今、月は悲しい想いをしているかもしれないわけで、そこから導き出される結論はただ一つだった。

 

詠「いいかげんにしなさいよ!!このバカち●こ!!」

 

バキッ!!

 

詠の正拳突きが一刀の顔面を直撃した。

そのまま悶絶するように倒れ込む一刀。

 

月「ご主人様~!!」

 

月はすぐさま一刀の元へ駆け寄った。

 

月「もう、詠ちゃんってば・・・。」

詠「ふんっ。」

 

月の非難をよそに、詠は腕を組みながらそっぽを向いていた。

 

しばらくして、一刀が復活する。

 

一刀「いてーなぁ。相変わらず容赦ないなぁ。」

詠「あんたが節操なしだからでしょ!!」

月「詠ちゃん、謝って!!」

 

一刀からすればどうって事無いのだが、月からすれば自分のご主人を殴るというのは許されざる行為だった。

 

詠「だって、このバカち●こが・・・。」

月「詠ちゃん!!」

 

月は一刀の事になると人が変わる。

そこには妥協の余地はなかった。

 

詠「・・・悪かったわね。」

 

そっぽを向きながら謝罪の言葉を述べる。

月は詠のその態度に、改めて謝るようにしたが一刀がそれを止めた。

このままではいつまで経っても話が進みそうにない。

そう思ったのだ。

 

詠「ところで、この状況を早く説明しなさいよ!!ボクはだいたい見当が付いてるけど。」

月「詠ちゃん、もっと聞き方があると思うんだけど・・・。」

一刀「月、別にいいよ。実は・・・。」

 

 

ここで一刀は、この世界は自分が以前にいた世界だという事と、自分が望んだ事でみんなをこっちの世界に呼んでしまった事を話した。

 

月「ここが・・・ご主人様のいた世界・・・。」

詠「やっぱりね。そんなところだろうと思った。」

 

驚きの表情をする月に、納得の表情の詠。

対称的な2人に笑みがこぼれる一刀。

だが、すぐにキリッとした表情になり

 

一刀「2人とも、すまん。」

月・詠「!?」

 

突然謝り出す一刀に何の事だか判らない2人。

 

一刀「俺が望んだせいで、色々と巻き込んでしまってすまない。」

 

一刀は深々と頭を下げた。

月と詠はお互いの顔を見合い、月が一刀に近づきその頭を撫でる。

 

月「頭を上げてください、ご主人様。謝られる必要なんか無いですよ。」

一刀「だけど・・・。」

月「私も詠ちゃんもご主人様が居なければ、とっくの昔に死んでいたはずです。」

 

反董卓連合の時の事だろう。

確かに、あそこで一刀に拾われ匿われなければ、処刑されていただろう。

 

月「それに望まれてと言う事は、私達の事を必要と思って下さったんですよね?だったら感謝こそすれ謝られる事なんてないですよ。」

詠「ボクは別にどっちでもいいけど、月がそういう風に言うなら許してあげるわ。」

 

そう言いながらも頬を赤く染めて恥ずかしそうにする詠。

一刀は、そんな2人に心から感謝した。

 

一刀「2人ともありがとう!!」

 

一刀はそう言いながら2人と握手をした。

月は笑顔で、詠は照れ顔で一刀の手を握り返した。

 

 

ひとしきりのやり取りの後、月が話した。

 

月「で、私達はこれからどうすれば?」

一刀「他のみんなが待っている場所に連れて行くよ。そこには多分2人の住む場所があるから。」

詠「まさか、あんたと同じ家じゃないでしょうね?」

 

あっちの世界では一緒の城に住んでいたので、今更何をという感じではあったが、一刀は一応否定しておいた。

 

一刀「女子寮って言って、男は部屋に入れないんだよ。」

月「そうなんですか・・・。」

詠「それなら一安心ね。」

 

男は入れないと言う言葉に対称的な反応を示す2人。

 

一刀「まあ、とにかく行ってみれば分かるって。」

 

そう言って女子寮に向かおうとするが、ここで詠が声を上げる。

 

詠「そういえば、恋とねねが一緒だったんだ!!」

一刀「えっ、そうなのか?」

月「・・・はい。一緒にこっちの世界に来てあてもなく歩いていたんですが、いつの間にかはぐれてしまいました。」

 

心配そうに話す月。

詠は、なんでこの事をといいながら地団駄を踏んでいた。

チンピラに襲われ、一刀に助けられるなんて体験をすれば、忘れても仕方ないと思うが、軍師というプライドが納得出来かねているようだった。

一方一刀は、そこまで心配はしていなかった。

 

一刀(多分、恋なら・・・、そうすればねねも・・・。)

 

頭の中で色々考え、一つの結論を出した。

 

一刀「2人とも悪いけど女子寮に行くのはもう少し遅くなるよ。」

月「えっ?」

詠「どういう事よ?」

 

突然の一刀の宣言に驚く2人。

 

一刀「恋とねねを捜してみんなで女子寮に行こう!!」

 

至極尤もな話ではあるが、そんな簡単な事ではないはずだ。

 

詠「2人が居そうな場所に心当たりでもあるの?」

一刀「別に無いけど、そう遠くにはいってないだろ。」

詠「何、その根拠のない話は・・・。」

一刀「とりあえず、行こう!!」

 

驚く2人の手を引いて再び商店街へと戻る一刀だった。

 

 

一刀は、商店街の入り口ではたと気付く。

 

一刀「2人ともその格好はまずいよな。」

月「そうでしょうか?」

詠「あんたが着ろって言ったんでしょ!!」

 

今2人が着ているエプロンドレスは、一刀が2人のためにとあつらえてもらったものである。

だが、最初に話したとおりここではその格好は目立ってしまう上、先ほどの騒動がある。

一刀の格好は見慣れたものだから、その場で見ていた人も気付かないかもしれないが、2人は別である。

もし、目撃者などに見つかって色々言われたら面倒くさい事この上ない。

そう言う意味でも着替えた方がいいという一刀の提案であった。

 

月「そう言う事なら・・・。」

詠「あんたのためじゃないからね。月が言うから仕方なく・・・。」

 

2人は了承し、近くのお店に入る。

そして、それぞれ一刀が仕立てた服装に着替えた。

 

月は、白地のワンピースに白いリボンの付いた大きめの麦わら帽子をかぶった。

まさに、お嬢様という感じのその格好は月の儚さと相まって、まるで物語から出てきたお姫様のようであった。

詠は、Tシャツにショートパンツという一見すると男の子っぽい格好だった。

 

一刀「月、凄く似合っているよ。」

月「へぅ。。。」

 

一刀に褒められ真っ赤になる月。

 

詠「ちょっと、ボクのこの格好は何なのよ!!」

一刀「ボクっ娘にはこれでしょ!!」

 

そう言って親指を立てる一刀。

 

詠「意味分かんないわよ・・・。」

 

そう言いながらも満更でもない詠であった。

 

 

着替えを済ませ3人で商店街を歩く。

先ほどは周りを見る余裕が無かった詠であったが、今は余裕を持って見回っていた。

軍師としての性分なのか、街や店の様子を細かく見て回っていた。

一刀と月はそんな詠の様子を笑顔で見ながら一緒に歩き回っていた。

 

詠「で、恋とねねはどこにいるのよ。」

一刀「それが分かれば苦労しないって・・・。ってあれは!?」

 

そう言って一刀が指さした先に赤い髪の少女が立っていた。

その手にはリンゴがたくさん入った紙袋を抱え、もう片方の手でリンゴをかじっていた。

 

月・詠「恋(さん)!!」

 

月と詠の声が重なり駆け出す。

 

恋「・・・・・・。」

 

恋はリンゴを口から外し月達の方向を振り向く。

駆けつけた月と詠に抱きしめられる恋。

 

恋「・・・月、詠・・・。」

月「ほんと・・・無事でよかった・・・。」

詠「心配させないでよ。」

恋「・・・ごめん」

 

月と詠は涙が溢れ、恋は泣かせてしまった事で悪い事をしたのだろうと思い、謝った。

 

 

一刀「恋・・・。」

恋「一刀・・・。」

 

一刀が恋に近づくと独特の間でお互いの名前を呼び合う2人。

そして、黙って手に持つリンゴを差し出す恋。

 

一刀「俺にくれるのか?」

恋「・・・コク」

 

首を縦に振る恋。

さらに、袋の中からリンゴを2個取り出し月と詠に手渡す。

 

月「私達にも?」

詠「あ・・・ありがとう。」

 

恋は、自分の食べていた分を一刀にあげてしまったため、また袋から1個取り出し食べ出した。

 

一刀(これって間接キスって事になるよなぁ。ただ、今更感もあるし・・・)

 

そう思いながら、恋のかじっていたリンゴをかじろうとすると

 

ドドドドド・・・

 

遠くから走る音が聞こえたと思ったら

 

??「ちんきゅーきーーーーっく!!」

 

ドゴッ

 

ある意味食らい慣れたキックを食らった。

その瞬間、一刀の元を離れたリンゴは地面に落ちてしまった。

 

月「ねねちゃん!!」

詠「ねね!!」

音々音「恋殿のリンゴを食うなですー。」

 

月と詠に名前を呼ばれたにもかかわらず、一刀に対して文句を言う音々音。

と、ここで2人の存在に気付いた。

 

音々音「月殿に詠殿。2人ともどうしたのです?」

詠「どうしたじゃないわよ!!」

月「心配かけさせないで・・・。」

 

そう言って、また涙が溢れてくる月。

さすがの音々音もそれには驚き

 

音々音「ご・・・ごめんなさいなのです。」

 

そう言って抱擁を交わす2人。

みんなの出会いに喜びながら、ちんきゅうきっくを食らったにもかかわらず放置されている一刀はちょっと悲しかった・・・。

 

 

リンゴを1個無駄にしてしまった音々音に対する恋のお仕置きと、月、詠との再会を喜びあった頃、ようやく一刀はちんきゅうきっくのダメージから回復した。

そして、みんなでリンゴを食べながら商店街を女子寮に向けて歩いていた。

 

音々音「あんた、この状況を説明しやがれなのです!!」

恋「・・・。」

 

恋達に無事に出会って意気揚々と女子寮に戻るつもりだった一刀だったが、恋と音々音に今の状況を説明していない事に気付いた。

 

一刀「実は・・・。」

 

月達の時と同じく、恋と音々音にもこの世界は自分が以前にいた世界だという事と、自分が望んだ事でみんなをこっちの世界に呼んでしまった事を話した。

 

音々音「ここは、あんたのいた世界ですか!!」

恋「・・・一刀の世界・・・。」

 

感慨深げに周りを見渡す音々音と、ボーッとしながらも同じように周りを見る恋。

 

詠「ボクは最初から気付いていたけどね。」

音々音「・・・ねねも気付いていたに決まっているですー!!」

 

詠の発言に音々音が反応する。

軍師対決が始まるかと思ったが、時計を見た一刀が驚いた。

 

一刀「まずい!!時間がない!!早く行かないと!!」

 

そう言って駆け出す。

それを見て、月、詠、音々音、訳の分からない恋も一刀を追いかけていった。

 

 

あとがき

 

現代に戻ってしまった天の御遣い北郷一刀君の物語その9です。

 

その8にもたくさんの支援&コメントありがとうございます。

 

一刀君の話後半です。

最後の2人、恋と音々音と出会えました。

恋は肉まんかもしれませんが、夏場という事でリンゴにしてみました。

あと、ちんきゅうきっくははずせません(笑

 

月と詠の着替えの件ですが、ファッションセンス0の作者なので何となくイメージで書いてみました。

絵でも描ければもっとイメージ沸くと思うのですが、絵心0なので、すみません・・・。

 

最後の方は勢いのまま書いてしまったのでなんじゃこりゃという感じかもしれません。。。

 

次で、この話も最後の予定です。

理事長の正体とか書く予定でいます。

 

次回も期待せずお待ち下さい。

 

今回もご覧いただきありがとうございました。


 
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