No.76974

真・恋姫†無双 ~私とあの人の愛した世界~ 第三章

セインさん

さあ…、続きだ!


会社の昼休みにも書いている私は、末期でしょうか?

2009-06-03 00:00:59 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:6445   閲覧ユーザー数:4724

出会いには、二通りある。

 

一つは『必然』

必ずそうなると決められたような出会い。

一つは『偶然』

思いがけず、本来なら出会う事が無いが、ふとした切っ掛けだけで巡り合う出会い。

 

果たして彼女達の出会いは、どちらであろうか・・・?

 

 

眩しい朝日が一夜の顔を照らす。

まるで『朝だぞ!さっさと起きろ!』と言わんばかりの日光が、彼女の意識の覚醒を促す。

一夜「ううっ・・・ん・・・・。・・・あと、120分・・・。」

そんな寝言を呟き、一夜は寝返りをうつ。

そのまま一夜は微睡みに意識を任せようとするが、ある事に気付き起き上がる。

一夜「・・・あれ?私、何していたんだっけ?」

彼女の(寝呆けていた)頭の中がゆっくりと働き初める。

・・・確か、夜に兄さんが森に入っていって、黒ずくめの男と何か話していて・・・。

その後、妙な穴に兄さんが入っていって(事故で私が押し込んでしまったとも言う)、後を追って私も穴に入って・・・。

一夜(・・・そうだ、兄さんは!?)

そこで一夜はようやく辺りを見回す。

一夜(・・・どこ?ここ?・・・チャイナ?)

それが、彼女の持った感想だった。

どこか中国を思わせる部屋、豪華な装飾品の数々、眠っていたベッドは無理をすればかなりの人数が眠る事が出来るだろう。

一目で、どこかの高貴な身分な人間の家だと分かった。

しかし、テレビも時計も電灯すらも無い。

自分の知り合いに、こんな部屋を持っている人間などいない。

 

 

 

一夜は自分の頬を抓ってみる。痛い。どうやら夢オチではなさそうだ。

一夜(・・・オーケーオーケー、落ち着きましょう一夜。冷静に冷静に、COOLよCOOL・・・。まずは状況の確認ね・・・。)

と、自分の身に起こっている状況を整理していく。

 

目が覚めると、見知らぬ部屋にいた。⇒誘拐とかの可能性があるが、そんなヘマは踏まない。

兄を追っていたのに、兄はいない。⇒別の場所にいるかもしれない。なぜか、頭が痛んだ。何かに激突したのだろうか?

ここはどこだ?⇒わからん。

 

一夜(・・・うん、何一つわからない!)

そう開き直ると、今度は自分の身の確認を行う。

体が動かないという事は無い、異変があるとすれば先程述べた頭の痛みだけだ。

次に背中の辺りに手を伸ばす。

そこには、隠し持っていた自分の武器である短刀が二本、確かにある。

一夜(・・・これなら何とかなるわね。むしろ、何でも来い!何とでもなるさ!ね。)

そう自分を励ますと、不意に

 

 

コンコン・・・

 

 

扉を叩く音がした。

 

 

~一夜視点~

 

コンコン・・・

 

一夜「!?」

扉がノックされ、私は身構えた。

この家の人だろうか?

もしそうならば、聞きたい事が山ほどある。

 

ここは何処なのか?

 

私はどうしてココに居るのか?

 

兄さんはここに居るのか?

 

私を連れてきた目的は?

 

・・・まあ、優先して聞くのならばこの辺りだろう・・・。

もし答えなかったら、答えたくなる様にするか、ここから逃げ出して他の場所で状況を知るだけだ。

 

そこまで考えた後、扉が開き・・・。

 

 

??「あら、目が覚めたのね?調子はどうかしら?」

 

 

金髪ドリルの生意気そうな女の人が入ってきた。

 

・・・彼女を見て、私は

 

(なんだか高貴な雰囲気のする人だなぁ。)

 

と感じるとともに・・・

 

(絶対に、ドSだ!間違い無い!)

 

と確信した。

 

 

歳は、兄さんと同じか少し下くらいか。

一目で『あ、この人なんでも出来るな。』と解ってしまうほどの知性が、その身から溢れ出ていた。

その両眼には、どこか引き込まれそうな輝きがあった。

 

ただ、推定年齢に対し、身長とBの戦闘力(サイズ)が少し残ねn『何か言ったかしら?』何か聞こえましたか?」

 

・・・危なぁー!セーフ!セーフ!間一髪!

 

 

~華琳視点~

 

・・・何か不快な事を誤魔化された気がする・・・。

 

私は落ち着きを取り戻すため、咳払いを一つしてから目の前の少女を改めて見た。

 

・・・見れば見るほど、一刀にそっくりだ。

ただ、彼女の方が髪が長い。

歳は私より少し下だろうか、顔に幼さが残っている。

身長は凪達と同じくらい、胸は(生意気にも)それなりはある。

・・・きっと一刀が女だったら、こんな感じだったのだろうか?

 

そこまで『観察』していたら、突然に少女が口を開いた。

 

??「・・・あの、ここは何所でしょうか?私は、どうしてこんな所に居るんでしょう?」

 

少女は自分の置かれている状況が掴めていない様だった。

当然だ、今まで眠っていたのだったら、目が覚めてこの状況は混乱するだろう。

私は、少女の問いに簡潔に答える事にした。

 

華琳「ここは魏の首都『洛陽』にある私の城よ。貴女が森に倒れていたのを、私が見つけて運んで来たの。」

 

??「あ・・・、それはありがとうございます。」

 

少女は礼を言い、お辞儀をした。

だが、彼女の頭の中は違う事を考えているのだろう。

彼女から「魏・・・?洛陽・・・?」と呟いているのが聞こえていたからだ。

彼女に情報をくれてやるだけでは不快なので、今度はこちらから質問をしようとした・・・。

 

しかし、相手の方が少し早かった。

 

??「森で倒れていたと言いましたね?私の他には、誰か居ませんでしたか?」

 

華琳「・・・倒れていたのは貴女一人よ。他には誰も居なかったわ。」

 

そこまで言うと、また少女は何かを考え始めた。

そこで、私は彼女へ質問をすることにした。

 

華琳「今度はこちらが質問する番よ。貴女の名前は?」

 

 

~一夜視点~

 

??「今度はこちらが質問する番よ。貴女の名前は?」

 

私は戸惑った。

ここで馬鹿正直に答えるつもりはない。

こちらが聞きたい事は大体聞き出した。

兄さんが居ないのならば、ここには用は無い。

 

一夜(・・・この辺が潮時かな?)

 

私の後ろには窓がある。私の足の速さなら、一瞬だろう。

女性の後ろには扉。一瞬の隙を突けば、突破できるだろう。

神経を研ぎ澄ますと、どちらも外にかなりの『手練れ』が配置されている様だが、『逃げる』という事に主眼を置けば逃げられない事も無い。

 

一夜(・・・けど、その前に・・・。)

 

私は思いきって女性の質問に応答した。

 

一夜「・・・相手に名前を聞く時は、普通は自分から名乗るのが『礼儀』では?」

 

もちろん、『礼儀』の部分を強調しながら。

・・・やっぱりというか、当然というか・・・。

目の前の女性は笑みを絶やさず、だがこめかみはピクピクしながら口を開けた。

 

??「・・・そうね、確かにそれが『礼儀』ね・・・。」

 

・・・いや、すでに解りきっていたのかもしれない。

これはただの『確認』。

手に入れた情報を組み合わせれば、この人の名前なんてすぐに出る。

『魏』『洛陽』『城』・・・。

私の『予想通りの人間』ならば、その高貴な出で立ちも納得してしまう。

そして女性は、私の予想通りの答えを口にした・・。

 

 

??「私は曹孟徳。魏の王よ。」

 

 

・・・やはり、曹操か・・・。

これにより『新説・三国志』が正しかった事を、認めない訳にはいかなくなった。

・・・おとぎ話と思っていたのに。

ゴメン、兄さん。胡散臭いとか言って・・・。

 

曹操「さて、私は名乗ったわ。貴女の名前を・・・。」

 

一夜(・・・来た!)

 

私は気付かれないよう、自然に体勢を整える。

逃げ出すなら、私の『答え』を待っている瞬間!そこで逃げる!

心の準備は整った。

後は、『その瞬間』を待つだけであった。

 

 

~華琳視点~

 

私はそこで思いとどまり、考えを改めた。

 

華琳「・・・いいえ、質問を変えましょう。」

 

??「・・・・・・??」

 

ここで名前を聞いても、その瞬間に逃げられる。

現に目の前の少女は少しだけ、体勢を整えていた。

万一に備えて、扉の外には春蘭と秋蘭を、窓の外には霞を配置していた。

恐らく、目の前の少女は春蘭たちに気が付いている。

しかも、それを解っていながら逃げ切る自信がある様だった。

 

だから、私は彼女の足を止め、尚且つ私が一番聞きたい事を聞いた。

 

華琳「・・・貴女は『北郷 一刀』という男を知っているかしら?」

 

??「!!なぜそれを!!」

 

どうやら、大当たりだった。

少女は困惑した様子で、またも質問してきた。

 

??「・・・一つだけ、聞かせてください。」

 

華琳「・・・何かしら?」

 

??「・・・貴女たちの知り合いに『カリン』という方はいますか?」

 

華琳「ええ、私の『真名』よ。」

 

??「『真名』?」

 

華琳「親しい者にしか呼ばせない神聖な名前、それが『真名』よ。」

 

??「・・・そう・・・、貴女が『カリン』さん・・・。」

 

少女はそう呟くと、開き直った様子で口を開いた。

 

??「私の名前は『北郷 一夜』、『北郷 一刀』は私の従兄です。」

 

 

 

 

これが、私と一夜の初めての会話だった・・・。

 

 

~その頃の一刀君~

 

一刀「悪いね、劉備さん。保護してもらっただけでなく、しばらく厄介になって。」

 

桃香「ううん!これくらい、なんでも無いよ。」

 

一刀「ありがとう。それにしても、いい所だね。」

 

桃香「えへへ。ご主人様にそう言われると、なんだか照れちゃうな。」

 

一刀「・・・ねえ、劉備さん。なんで『ご主人様』なの?」

 

桃香「え?だって~(無茶苦茶な理論の為、誠に勝手ながら省略させて頂きます)~・・・だから『ご主人様』。」

 

一刀「・・・へぇ~、そうなんだ。」

 

一刀(・・・無茶苦茶すぎて、理解できなかった・・・。)

 

桃香「・・・もしかして、迷惑だった・・・?」

 

一刀「へ!?・・・いや、悪い気はしないけど・・・。」

 

桃香「よかった!それと、私たちの事は真名で呼んでくれると嬉しいな!」

 

一刀「あ、あぁ。わかったよ、桃香。」

 

桃香「・・・えへへ。」

 

 

 

・・・まあ、平和に過ごしているようでなによりで。

 

・・・え?今回はこれだけ?

 

 

 

あとがき!

後に書くから『あとがき』!

それ以上でもそれ以下でもない!

 

 

 

こんにちは。

セインです。

早い段階での更新です。

 

 

 

『一夜ちゃん、華琳様に会う』の巻、いかがでしたでしょうか?

 

 

本当は土日あたりにでも挙げようかとしたんですが、仕事中にも創作意欲(でいいのか?)が湧いてきて、今日(火曜日)の更新となりました。

 

 

ここまで見てくださった皆さんに、感謝を!

 

 

 

 

 

 

さ~て、次回の「愛した世界」は?

 

一夜です。三国志の世界に飛ばされました。とりあえず、曹操さんたちの所に身を寄せる事になったんですが、どの人たちも一癖も二癖もあるような人たちでして・・・。

 

次回は『華琳さんと愉快な仲間たち』をお送りします!

 

 

 

今回の一刀君はあまり見せ場が無いです。

そのうち、チート強化した能力を見せようと思います。


 
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