No.769730

九番目の熾天使・外伝 ~vsショッカー残党編~

竜神丸さん

出陣・新たなる改造人間

2015-04-08 16:23:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1511   閲覧ユーザー数:935

「デスティニーだと…?」

 

「おぉ、執事ちゃんまさかのパワーアップ…!?」

 

「刃…!!」

 

「…ふぅぅぅぅぅぅ…!」

 

刃が変身した戦士、仮面ライダーデスティニー。その姿にザビーは仮面の下で眉を顰め、ウィザードは興味深そうな眺め、NEW電王は純粋に驚愕の感情に支配されている。三者がそれぞれの反応を見せる中、デスティニーは何も話さず大きく息を吐き捨てる。

 

「姿を変えたところで何になる……撃て!!」

 

「「「ハッ!!」」」

 

「ッ…執事ちゃん!!」

 

「刃!!」

 

ザビーの指示で、ゼクトルーパー逹がマシンガンブレードを構え直し、即座に射撃を再開しようとする。いくらデスティニーが強力な力を持ったメモリだとしても、一斉射撃をされては流石にひとたまりも無い筈だ。そう思ったウィザードとNEW電王がほぼ同時に叫んだその時…

 

「―――ッハハハハハハハハ…」

 

「…?」

 

「…ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!」

 

「「「「「!?」」」」」

 

一同は呆気に取られた。デスティニーがいきなり両腕を広げたかと思えば、洞窟の天井を見上げながら高笑いをし始めたのだ。その狂気しか無いとも言えるような笑い声に、ザビーやゼクトルーパー逹だけでなく、ウィザードやNEW電王ですら一瞬だが背筋が凍りついた。

 

「な、何だ…?」

 

「ハハハハハハハハハハハハハハハ…ハッハァア!!!」

 

「「「な……グワァァァァァァッ!!?」」」

 

「!? な、何だ…!?」

 

そして高笑いが収まったその直後、デスティニーは何処からか出現させたビームソード状の武器“アロンダイト”でゼクトルーパー逹を次々と斬り裂き始めた。斬り裂かれたゼクトルーパーはサナギ体に戻り、そこへ再びアロンダイトの攻撃を受けて爆散していく。

 

「おぉっ!? な、何だ今の!?」

 

「すげぇ…」

 

「ッ……どれだけ強かろうと、俺には関係ない!!」

 

≪CLOCK UP≫

 

ウィザードとNEW電王はデスティニーの攻撃を見て後ずさり、ザビーはすかさずクロックアップを発動。いくら相手が強くても、こちらにはクロックアップがある。要は背後を取ってトドメの一撃を繰り出してしまえば全て解決する。少なくとも、この時点ではザビーはそういう認識だった。

 

その認識が間違っていたと、気付かされるまでは。

 

「はん、遅ぇんだよぉっ!!!」

 

「!? 何…がぁあっ!?」

 

デスティニーの背後を取った瞬間だった。クロックアップの能力を持たない筈のデスティニーは、クロックアップで真後ろに接近して来たザビーに当たり前のように(・・・・・・・・)反応し、ザビーに向かって素早く振り向いてみせた。驚愕したザビーの胸部にはデスティニーの拳が叩き込まれ、ザビーは思いきり岩壁へと叩きつけられる。それを見たセクティオワーム、タランテスワームは同じようにクロックアップを発動し、二体がかりでデスティニーに襲い掛かるが…

 

「トロいっつってんだろうがぁっ!!!」

 

「「ギシャァァァァァァァァァァァァァァッ!!?」」

 

その特攻も、デスティニーに対しては無意味な行為だった。アロンダイトの一撃で斬り裂かれた二体は呆気なく爆発し、爆炎と共に消滅。その間にもデスティニーはゼクトルーパーの擬態が解けたサナギ体逹を一体ずつ順番に撃破していく。

 

「おのれ……ライダースティング!!」

 

≪RIDER STING≫

 

立ち上がったザビーはザビーゼクターのゼクターニードル部に付いたスイッチ“フルスロットル”を押し、ゼクターニードルにタキオン粒子を収束させる。そのままサナギ体を力いっぱい踏みつけているデスティニーを刺殺するべくザビーが跳躍し、デスティニーもそんな彼の動きに瞬時に反応し…

 

「ヒャハハハハハ、パルマフィオキーナァ!!!」

 

デスティニーの左掌に、急速にエネルギーが充填される。その左手をザビーに向けて突き出す。ザビーの突き出したゼクターニードルと、デスティニーの左手がぶつかり合って拮抗状態となり…

 

「ッ……ば、馬鹿な…ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

結果、デスティニーの一撃が打ち勝った。力で押し負けたザビーは再び吹き飛ばされて天井に叩きつけられ、地面に落下すると同時にライダーブレスからザビーゼクターが離れ、ザビーは変身が解けて矢車の姿に戻ってから意識を失った。

 

「…勝ったのか…?」

 

『…ッ!? 待て、様子がおかしい!!』

 

「「!?」」

 

「…ヒャハハハハァ!! トドメだ、フェンリルゥッ!!!」

 

マチェーテディの言葉通りだった。デスティニーは出現させた大型のロングライフル“フェンリル”の銃口を、あろうことか倒れている矢車に向けようとしたのだ。流石のウィザードとNEW電王も、これはすぐ止めに入るしかなかった。

 

≪バインド・プリーズ≫

 

「はい執事ちゃん、そこまでにしときな」

 

「チィ…この、離せぇっ!!!」

 

ウィザードの出現させた複数の魔法陣から鎖が放たれ、デスティニーの全身に巻きつき動きを封じた。しかしデスティニーは止まるどころかそれすらも力ずくで引き千切ろうとしており、彼の背中に付いていた六枚の羽も動き出して鎖を数本ずつ引き千切っていく。

 

「コウタちゃん!!」

 

「ッ…あぁ!!」

 

デスティニーの羽が自在に動く中、NEW電王はデスティニーの間合いに素早く入り込み、デスティニーの腰のロストドライバーに手をかける。羽は鎖だけでなくNEW電王も攻撃するが、NEW電王はロストドライバーを手離す事なく無理やりデスティニーの腰から取り外した。

 

「グ、ガ…ッ!? アガァ、ア…ガァァァァァァァァァ……ァ、ア…」

 

ロストドライバーが外れた直後、デスティニーは突然仮面を両手で押さえ込んだまま苦しみ始めた。デスティニーのボディ全体に黒い電流のようなエネルギーが流れた後、デスティニーの変身が解除されて刃の姿に戻り、刃はしばらく断末魔を上げた後に力なく倒れ伏した。

 

「幸太郎、大丈夫か!?」

 

「痛ってぇ~……巻き込むかも知れないって、こういう事かよ…!!」

 

「…なるほどねぇ」

 

マチェーテディは変化してテディの姿に戻り、ダメージを受けて変身が解けた幸太郎に駆け寄る。一方で同じく変身を解除したハルトは、幸太郎が引き剥がしたロストドライバーからデスティニーメモリを抜き取る。

 

「とんでもなく強いパワーを持っているのは良いが、使うとZEROみたいなバーサーカーになっちゃう訳ね。よくもまぁ、そんな無茶をやらかしたもんだ…」

 

「あぁ~…悪い、ハルト。刃にそのメモリを使うように言ったのは俺なんだ。さっきの状況を打破する方法が何か無いかって聞いたもんだからさ」

 

「ありゃ、そうだったの? まぁとにかく、特に被害も無く暴走を止める事は出来たんだし、結界オーライという事で済ませておこうかね……そんじゃコウタちゃん、テディーベアちゃん。装置は俺が破壊して来るから、二人は執事ちゃんの事を見ておいて頂戴よ」

 

「あぁ、分かった…」

 

「了解した。それから私はテディだ」

 

ゼクトルーパーやワームは既に全滅していた為、ハルトは気絶している刃を幸太郎とテディに任せ、結界維持装置があるであろう最奥部へと向かい始めた。幸太郎は岩壁に背を付けて座り、テディは気絶している刃を岩壁に背が付くように優しく座らせる。そんな時、二人は矢車の姿が見当たらない事に気付く。

 

「…あ、そうだテディ。さっきの蜂のライダーの奴は?」

 

「む? そういえば見当たらないな。一体何処に…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この男なら、私が回収させて貰うよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ッ!!」」

 

「フッフッフ…」

 

二人は声をした方に素早く振り向く。そこには、黒と金色で配色された邪悪な魔法使いらしき姿をした戦士“仮面ライダーソーサラー”が悠然と立っており、その脇には矢車が抱えられていた。

 

「お前は…!?」

 

「金色の魔法使い、ソーサラーか…!!」

 

「如何にも。あのメイジの女は使えなくなったが、この男はまだ使い道がある。これで失礼させて貰うよ」

 

≪テレポート・ナウ≫

 

「待て!!」

 

立ち上がった幸太郎が駆け出すも、ソーサラーは矢車を連れたまま一瞬の内に転移してしまった。

 

「くそ、逃げられた…!!」

 

「奴は矢車を回収して行った……次もまた、あの男と戦わなければならないという事か…」

 

ショッカーの首領を取り逃がし、幸太郎は悔しげに岩壁を殴りつける。結界維持装置を破壊し終えたハルトが彼等の下に戻って来るのは、その数分後の事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、今度は風都タワー…

 

 

 

 

 

 

「よっと」

 

「グェエッ!?」

 

階段で上の階へと上がって行くスカル、プロトディケイド、斬月の三人。彼等は行く手を阻もうとするショッカー戦闘員やコンバットロイド、チャップやレオソルジャーなどを次々と叩きのめして回っていた。しかし上の階へ上がって行くたびに戦闘員達の数は少しずつ増えて行き、更には途中からダークローチやヤミー、ゾディアーツなどの怪人も現れ始めた。これにはスカルも厄介そうな口調で呟く。

 

「上の階へ上がるたびに、敵も少しずつ増えて行くか……これは何か面倒なのが待ち構えてそうだな」

 

「何が待ち構えてようと、俺等のやるべき事は変わらんさ。倒すべき敵は倒す、壊すべき装置は壊す、たったそれだけの話だ」

 

「あぁ、その通りだ。男の仕事の八割は決断だ。残りは―――」

 

「オマケみたいな物、だろ?」

 

「…よく分かってるじゃねぇか」

 

≪カメンライド・フォーゼ!≫

 

「宇宙キタァァァァァァァァァァァッ!!!」

 

≪Wheel On≫

 

左足に車輪“ホイールモジュール”を装備したPDフォーゼが猛スピードで怪人達を蹴散らす中、スカルと斬月は背中合わせになる。

 

「ここは俺が足止めする。お前達は先に行って、装置を破壊して来い」

 

「あぁ、助かるぜおやっさん……okaka、早く先に向かうぞ!!」

 

「ん? おう、了解したぜ」

 

≪Rocket On≫

 

≪Winch On≫

 

PDフォーゼはホイールモジュールを解除し、代わりに右腕には小型ロケット型のロケットモジュール、左腕にはドラム式ウインチユニット型のウインチモジュールを装備。PDフォーゼはウインチモジュールから伸ばしたワイヤーを斬月の右足に巻きつける。

 

「へ?」

 

「しゃあ、行くぜ支配人!!」

 

「おい!? ちょ、待…うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!?」

 

そのままPDフォーゼはロケットモジュールで上の階へと飛んで行き、斬月もそれに引っ張られる形で猛スピードで飛んで行ってしまった。残ったスカルは目の前にいるサボテグロンやアルビローチ、アルター・ゾディアーツなどの怪人達と対峙する。

 

「さぁ……かかって来な、半熟共」

 

スカルは帽子を深く被り、スカルマグナムで怪人達を狙い撃つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「うぉわっ!? ちょ、馬鹿、一旦降ろせって…うぉ危な!? ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!?」

 

その後、PDフォーゼは斬月を引っ張ったまま一気に最上階まで到達。ここでPDフォーゼがウインチモジュールを解除すると同時に斬月が落下して「のごぁ!?」と地面に激突、その間にもPDフォーゼは別のアストロスイッチをフォーゼドライバーに装填し、レバーを後ろに引く。

 

≪Drill On≫

 

「そして…」

 

≪Rocket Drill Limit Brake≫

 

「ライダーロケット、ドリルキィィィィィィィィィィィック!!!」

 

「ガァァァァァァァァァァァァァァッ!!?」

 

PDフォーゼはロケットモジュールの噴射を利用して加速し、左足に装備したドリルモジュールで飛びかかって来たカメレオン・ゾディアーツを粉砕。そのまま結界維持装置があるであろう先へと進もうとしたその時…

 

 

 

 

 

 

≪ADVENT≫

 

 

 

 

 

 

「ガォォォォォォォォンッ!!」

 

「!? うぉわ!!」

 

突然聞こえて来た低い音声と共に、何処からか暗黒龍ドラグブラッカーが飛来。その長い尻尾でPDフォーゼを弾き飛ばし、PDフォーゼは空中で体勢を立て直してからモジュールを解除して着地。一旦プロトディケイドの姿に戻り、後から追いついて来た斬月も驚愕する。

 

「ドラグブラッカーだと!? okaka…」

 

「あぁ、間違いない。敵側に奴がいる……そこだ!!」

 

≪アタックライド・ブラスト!≫

 

「…ッ!!」

 

プロトディケイドは鷹の目を利用して敵の居場所を察知し、ライドブッカー・ガンモードで狙撃。すると物陰から一人の黒い戦士が飛び出して来た。

 

「!! お前は…」

 

全身の黒いアーマー。左腕のドラゴン型ガントレット。カードデッキに刻まれた龍の紋章。そして何より仮面ライダー龍騎にそっくりな外見。二人にとっては見間違えようの無い存在だった。

 

「まさか、お前までもが出て来るとはな……リュウガ」

 

「……」

 

「グォォォォォォォン!!」

 

黒い龍騎“仮面ライダーリュウガ”は無言のままプロトディケイドと斬月を睨みつけ、リュウガの周囲をドラグブラッカーが飛び回る。リュウガの背後からはガルドストーム、タイガーオルフェノク、モールイマジン、バード・ドーパント、ヤギインベスなどが現れる。リュウガ率いる怪人達の背後には、例の黒い結界維持装置が設置されていた。

 

「なるほどな。意地でも装置を守ろうって訳か」

 

「支配人、装置の破壊は任せた。俺はアイツ等の相手を…」

 

-ズドドドドォン!!-

 

「「ぐっ!?」」

 

「……」

 

更に謎の銃撃がプロトディケイドと斬月を襲う。二人が振り向いた先には、仮面ライダー電王にそっくりな姿をした紫色の戦士“仮面ライダーネガ電王”が、ネガデンガッシャー・ガンモードを構えて立っていた。

 

「ネガ電王もだと…!?」

 

「チッ……どうやら俺達は、とんでもない大当たりを引いちまったようだぜ…!!」

 

 

 

 

 

 

「その通りだとも、仮面ライダーの諸君」

 

 

 

 

 

 

「「!」」

 

リュウガやネガ電王達の前に魔法陣が出現し、そこからソーサラーが姿を現した。彼がショッカーの首領である事を幸太郎から聞かされていたプロトディケイドと斬月は警戒体勢に入る。

 

「ソーサラーまで出て来るとは……貧乏クジってのは本当に嫌になるぜ」

 

「クックック……安心したまえ。今回戦うのは私ではない」

 

「? どういう事だ」

 

「しかしそうだなぁ……せっかくの余興だ。この私を楽しませてくれたまえ」

 

「「…!!」」

 

ソーサラーが指を鳴らすと、リュウガとネガ電王、そして怪人達が一斉に二人に向かって駆け出した。それを見たプロトディケイドはすぐさまドライバーにカードを装填する。

 

≪カメンライド・キバ!≫

 

「更に…」

 

PDキバは一本のフエッスルを取り出し、ベルトに逆さまの状態で止まっている蝙蝠型モンスター“キバットバット三世”にそれを吹かせる。

 

≪ドッガハンマー!≫

 

PDキバは何処からか召喚された、握り拳の形をした紫色の魔鉄槌“ドッガハンマー”を両手でキャッチ。そうする事でPDキバの両腕、両肩、胸部などにはカテナが厳重に巻かれて紫色の装甲が形成され、PDキバの複眼も黄色から紫色に変化。剛腕の戦士“ドッガフォーム”への変身を完了する。

 

「ヌゥン!!」

 

「「グァッ!?」」

 

PDキバは迫って来たタイガーオルフェノクの鉤爪を、左手で軽々と受け止めてみせる。タイガーオルフェノクがそれに驚く中、PDキバはタイガーオルフェノクの腕を掴んだまま、一番近くにいたモールイマジンに向かってタイガーオルフェノクを投げ当てる。

 

≪パイン!≫

 

斬月も戦極ドライバーに付いていたメロンロックシードを取り外し、代わりにパインロックシードを装填してからカッティングブレードを倒す。

 

≪ロック・オン!≫

 

「俺も行くとしようか…っと!!」

 

「キュオォッ!?」

 

≪パインアームズ! 粉砕・デストロイ!≫

 

「さぁ、来い!!」

 

「ガァ!?」

 

「キュォォォォォッ!?」

 

斬月は閉じたメロンアームズを飛んでいるバード・ドーパントに命中させ、その後すぐに被ったパインアームズが展開し、斬月・パインアームズへのアームズチェンジを完了。斬月は鎖鉄球型の武器“パインアイアン”を振り回してガルドストームを攻撃し、バード・ドーパントの振るって来た爪を粉砕する。

 

「ほぉ、やるじゃないか」

 

「フンッ!!」

 

「!? チィ…!!」

 

ソーサラーが関心する中、斬月の方にはネガ電王が接近し、変形させたネガデンガッシャー・アックスモードで斬月の装甲を容赦なく斬りつける。パワーに特化したモードで攻撃している為か、斬月はたった一発の攻撃で相当なダメージを受けてしまう。

 

「グォォォォォォォォォンッ!!」

 

「ぬぉ、く…!?」

 

一方でPDキバも、ドラグブラッカーが口から放つ火炎弾で若干だが苦戦させられていた。しかも火炎弾による攻撃を受けている間もタイガーオルフェノクやヤギインベスが攻撃して来る為、PDキバはなかなか反撃のタイミングを掴めずにいた。

 

「この……調子に乗ってんじゃねぇ!!」

 

「グルゥ…!?」

 

PDキバの振り下ろした拳はドラグブラッカーの頭部に命中し、ドラグブラッカーは空中に浮遊しつつも脳震盪で若干フラフラしながら飛び回る。しかし火炎弾が飛んで来ないおかげで反撃のチャンスが出来た為か、PDキバはドッガハンマーでヤギインベスを薙ぎ倒してから、ベルトのキバットにドッガハンマーの柄を噛み付かせる。

 

≪ドッガバイト!≫

 

「フッ……ハァァァァァァァァァ…!!」

 

「ッ!? ギ、ギィ―――」

 

PDキバがドッガハンマーの柄を地面にドズンと付けた瞬間、周囲の景色が夜中に変化し、紫色だった空には朧月が浮かび上がる。PDキバがドッガハンマーのハンマー部分“サンダーフィンガー”を展開すると、その掌に存在する眼“トゥルーアイ”がヤギインベスの姿を捉え、ヤギインベスはその動きが封じ込まれる。

 

「ヌゥ…!!」

 

PDキバはサンダーフィンガーを閉じてから、ドッガハンマーを高く振り上げる。するとドッガハンマーから巨大な拳状のオーラが形成され、PDキバがドッガハンマーを振り回すとそのオーラも同時に振り回され…

 

「フンガァッ!!!」

 

「ギギャァァァァァァァァァァァァッ!!?」

 

動けなくなったヤギインベスの身体を、跡形も無く押し潰してしまった。周囲の景色は元に戻り、PDキバは変身が解除されてプロトディケイドの姿に戻る。

 

「ッ…!!」

 

≪SWORD VENT≫

 

≪GUARD VENT≫

 

「さて、次はお前か…?」

 

リュウガはドラグセイバー、ドラグシールドを召喚し、両方を構えてプロトディケイドの前に出る。面白いと言いたげにプロトディケイドは次のカードを装填しようとするが…

 

「おっと、少し待って貰おう」

 

「!」

 

プロトディケイドとリュウガの前に、ソーサラーが割って入って来た。

 

「何だ、次はアンタが相手か?」

 

「先程も言ったが、今回戦う相手は私ではない」

 

「ふぅん、なら誰だって言うんだ?」

 

「私の分身から報告があってな。ちょうど調整が終わったようなのだよ」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ来たまえ……新型改造人間、仮面ライダーよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ッ!!?」

 

-ズドォォォォォォォォォォンッ!!-

 

プロトディケイドは殺気を感じ取り、その場から数歩後ろへ素早く下がる。するとプロトディケイドのいた場所に何かが落下し、土煙が周囲に広まって行く。

 

「!? 何だ…!?」

 

ネガ電王と掴み合いになっていた斬月も、突然発生した土煙に驚きそちらに目を向ける。時間が経過すると共に土煙も少しずつ晴れて行き、中から一人の戦士が姿を現す。

 

「…何者だ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺か? 俺は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロトディケイドの問いに、その戦士は右手首をゴキゴキ鳴らしながら返答する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

斎賀原昇(さいがはらのぼる)。またの名を……………仮面ライダー、ネオ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最凶最悪の戦士が、旅団メンバー達の前に立ちはだかる。

 


 
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