北郷軍と呉軍が協力して賊を倒し、三か月の時が流れた。
この三か月の間に色々なことがあった。
それは、北郷に手紙が来るようになった事である。
誰からかと言うと呉の王孫策からである。
前の時みたいな援軍要請の手紙ではなく。
又、王としての手紙でもなく雪蓮という女の子個人の手紙である。
最初手紙を受け取った時は驚いた北郷だったが。
桃香達に見つからないようにこっそり読んで北郷も雪蓮に手紙を送った。
こんな感じに周に一回、雪蓮に手紙を書いていた北郷だったが・・・・
結局、桃香達にばれて北郷が町中を逃げ回ったが・・・・
朱里・雛里の策で捕まってしまい尋問された。
この尋問の後、自分達にも手紙を書くようにと言われた北郷は・・・・
週に一回桃香たちと雪蓮に手紙を書くという仕事が増えた。
変化があったのは北郷達の周りだけではなく。
大陸でも大きな変化があった。
それは、白蓮の領土を奪った袁紹が曹操に戦いを挑み。
そして、敗れたというものである。
袁紹が敗れたことによって曹操は完全に北の領土のすべてを手に入れたのである。
これにより曹操はこの大陸で一番の国力を手に入れた。
だが、この話にはまだ続きがあった。
曹操に敗れた袁紹が配下の顔良・文醜を連れ北郷の保護を求めたのである。
最初は袁紹を曹操に突き出そうとしたが・・・
桃香がそれは可哀想だと言い袁紹を保護することにした。
袁紹によって領土を奪われた白蓮も文句を言いながらも桃香の意見に賛成してくれた。
それから、一カ月の月日が流れた。
久しぶりの平穏な生活を満喫している北郷達にある報告が入った。
その、報告が北郷達の中でも過去最悪の報告となるのであった。
それは・・・・・・いつも通り玉座で会議をしている時であった。
全身傷だらけの兵士が玉座の間に駆け込んできたのである。
北郷軍兵士A「太守様!大変です!!
北方から大量の軍勢が我が国の領土に侵入し!!次々と関所を突破しています!!」
北郷「北?・・・北って言うと・・・・」
星「主・・・北の大勢力と言えば一つしかおりますまい・・・・」
北郷「曹操か・・・・」
朱里「恐らくご主人様のおっしゃる通りだと思います。」
桃香「でも・・・・どうして曹操さんが?」
雛里「大陸の覇王を目指す曹操さんの
目的は自分の力でこの大陸を平定することだと思います・・・・だから・・・」
愛紗「そのために私達が邪魔だという訳か・・・・」
霞「恐らく、そうやろうな・・・・」
北郷「・・・一応聞いておくが敵の数は・・・・」
北郷軍兵士A「そ、それが・・・・・・」
敵の数を聞く北郷だが全身傷だらけの兵士はなぜか言うのを躊躇っていた。
北郷「???どうした?・・・・」
北郷軍兵士A「・・・五十万・・・・・」
北郷「え?」
北郷軍兵士A「五十万の大軍勢です!!!」
一同「「「「「「「なっ!!!!!!??????」」」」」」」」」
あり得ない敵の数に驚く北郷達。
五十万の大軍・・・北郷軍は今までの戦でそんな数とは戦ったことがない。
この、緊急事態に玉座の間では緊張が走る。
北郷「朱里・・・・こちらの兵士の数は・・・・」
朱里「そうですね・・・大急ぎで兵士を集めても恐らく五万が限界でしょう・・・」
昴「五万!?・・・まるで勝負にならんではないか!!」
白蓮「兵力差は十倍か・・・・・」
鈴々「戦の基本は兵士の数なのだ・・・・」
雛里「この戦いに勝つには余程の奇策を考えない限り勝ち目がないです。・・・・」
桃香「勝ち目がないなら・・・・逃げようか・・・」
愛紗「えっ!?・・・・桃香様!!」
桃香の発言に驚く愛紗達。
だが、この場に桃香と同じことを考えている者がいた。
北郷「俺は桃香の意見にも一理あるな・・・・・」
愛紗「ご、ご主人様!!」
星「主も桃香殿も一体何をお考えで・・・・?」
桃香「何って・・・言われてもねぇ~~・・・・」
北郷の方を見る桃香。
その眼は“みんなを納得させるのはお願いね♪”という目をしていた。
北郷「勝ち目のない戦いをしてもしょうがないだろう・・・・」
霞「だから・・・逃げるわけやな・・・・」
北郷「ああ、その通りだ・・・・・」
愛紗「しかし、それではこの町の民が・・・・」
雛里「町の皆さんのことは問題ないと思います。」
昴「それってどういうことだ?」
朱里「曹操さんは無闇に人を傷つけたりしないと思います。」
白蓮「曹操の所の軍律の厳しさは半端ないからな~~~」
口々に北郷と桃香の意見に賛成の声を上げる。
だが、納得していない者も何人かいた。
北郷「はっきりいって俺も逃げたくないというのがおれの本音だ・・・
この土地はおれにとって第二の故郷にもなるしな・・・・
でも俺は、またこの土地の大地を踏むためにも・・・・・
俺達の理想を実現されるためにも・・・・
俺達はこの土地を去らなければならない・・・・再起を謀るためにな・・・・」
愛紗「そのための退場ですか・・・・」
北郷「ああ・・・・悔しいのは愛紗だけではない、ここにいるみんながそうだからな」
愛紗「分りました・・・ご主人様がそこまで仰るなら私はご主人様の指示に従います!」
愛紗が納得してくれたことで北郷達は・・・・
もう一つ大事なことを決めなければならない。
それは・・・・・・
北郷「とりあえず方針は決まったがどこへ逃げる・・・・・どこかいい場所はないか?」
朱里「それでしたらここから東にある益州はどうでしょうか?」
北郷「蜀っていうと今は確か・・・・・」
雛里「はい、益州は今、劉璋さんという人が納めています。」
朱里「この、劉璋さんという人は国の民から慕われていないんです・・・・
それに王としての資質がない・・・それで今、益州は内部分裂しているんですよ・・・・
その隙を突いて、益州の風稜という城へ入るんですよ。」
北郷「そういうことなら、益州に押し掛けるか・・・・・
とりあえず方針は決まったけど何かほかに意見はないか?」
北郷が仲間たち一人一人の顔を見た。
皆の顔は北郷を信じている眼だ。
その眼を見た北郷は仲間たちに指示を出す。
北郷「桃香と朱里と雛里は兵糧の方と町の長老たちへの説明を頼む。」
桃香・朱里・雛里「「「はいっ!!!」」」
北郷「星と昴は兵站の方を頼む」
星・昴「はっ!!!」
北郷「白蓮は袁紹の説得を頼む」
白蓮「げっ!?・・・マジかよ・・・・・」
北郷「大変なのは分かるが・・・袁紹の説得は白蓮しかできないんだよ・・・・」
白蓮「そう言うことならわかったよ・・・・はぁ~~~~~」
北郷「愛紗と霞は北龍隊の方を頼む・・・・期待してるぞ・・・・」
愛紗・霞「「御意!!!!」」
北郷「他に言うことはないな・・・・それじゃ解散」
桃香たちは北郷に指示されえたことを実行するために各々の持ち場へ向かった。
こうして、曹操の大軍勢から逃げることを決めた北郷達。
これがなにを意味するのか?
今、新たな外史の扉が開かれる。
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最近少し調子がいいのでUPします。