No.768488

本編補足

根曲さん

・必要事項のみ記載。
・グロテスクな描写がございますので18歳未満の方、もしくはそういったものが苦手な方は絶対に読まないで下さい。
・心理的嫌悪感を現す描写が多々含まれておりますのでそれういったものが苦手な方は絶対に読まないで下さい。

2015-04-02 22:13:35 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:334   閲覧ユーザー数:334

末路

C1 潜入

C2 元結婚詐欺師

C3 依頼

C4 下衆

C5 武勇伝

C6 化け物

C7 \(^o^)/

C1 潜入

 

ロズマリー・ロズマール王国エビルズマウンテン、ロズマリー・ロズマール王国の重鎮リシュー・シインの居城魔城エビルズマウンテン城大浴場。大勢の裸のリシュー配下の黒巫女達。泡立てたタオルで体を洗う黒巫女Aは横で体を洗う黒巫女Bを見る。

 

黒巫女A『ねえ、何か視線を感じない?』

 

黒巫女Aを見る黒巫女B。

 

黒巫女B『そういえば…。』

 

黒巫女Cが黒巫女Bの後ろから抱き付き、黒巫女Bの胸を揉む。

 

黒巫女B『きゃっ!』

黒巫女C『はは、でかいでか~い!』

 

黒巫女Bは目を閉じ、こめかみに欠陥を浮き出させる。

 

黒巫女C『うっは、ぼいんぼいんだー!お姉さま、いい発育をしておりますなぁ。』

黒巫女B『あんたねぇ。』

 

笑いながら逃げ出す黒巫女C。黒巫女Bは拳を上げる。

 

黒巫女B『コラー!!』

 

ため息をつき、鏡の方を見る黒巫女B。

 

黒巫女B『…あいつだったのか。んっ?』

 

鏡に映るロッカー。黒巫女Bは後ろを振り向く。

 

黒巫女A『どうしたの?』

 

浴場の真ん中にある蜜柑の絵がついたダンボール箱を指さす黒巫女B。

 

黒巫女B『…あれ。』

黒巫女A『え、なに…。』

 

暫し沈黙。

 

黒巫女Aと黒巫女Bは立ち上がり、ダンボール箱に近寄ると蹴る。

 

オワターの声『ぐぎゃ!!』

 

ダンボール箱の方を向く一同。

 

黒巫女A『あれれ~ダンボールが何か言ったような。』

 

両腕を広げる黒巫女B。

 

黒巫女B『さあ、あれじゃない。蹴った時の音。』

 

倒れたロッカーに肘打ちをする黒巫女B。へこむダンボール箱。

 

オワターの声『ひぎ!』

 

黒巫女Bは立ち上がる。

 

黒巫女B『ほら、ひぎって音がした。』

 

ダンボール箱の周りに集まる黒巫女達。黒巫女たちはダンボール箱を見下ろす。

 

黒巫女C『蹴っちゃえ蹴っちゃえ!!』

 

ダンボール箱を何回も蹴る黒巫女C。

 

オワターの声『ひぎゃい、ひひひ。』

 

黒巫女Cは周りを見回す。

 

黒巫女C『ねえ、皆もやろうよ。楽しいよ!』

黒巫女D『本当ね。衝撃を与えれば与えるほど音が変わるわ。面白~い。』

黒巫女E『ほんと楽器みた~い。』

 

ダンボール箱を殴り、蹴る黒巫女達。

 

オワターの声『ひひひ、はぁはぁ。』

 

浴場の扉が開き、現れる上級黒巫女のマルゲリィタ。彼女は黒巫女Fを見る。

 

マルゲリィタ『オーワタを見た?リシュー様がお呼…。』

 

ダンボールを破り、全裸で立ち上がるリシュー・シイン配下の文官のオーワタ。

 

オワター『うひゃい!もっとぉ!!もっとしてぇえええええええええ!!』

 

唖然とするマルゲリィタ。悲鳴。逃げ惑う全裸の黒巫女達。

 

C1 潜入 END

C2 元結婚詐欺師

 

エビルズマウンテン城。城壁の上を進むマルゲリィタとオーワタ。マルゲリィタは後ろを何回を見ながらため息をつく。

 

オーワタ『どうしました?マルゲリィタさん。』

マルゲリィタ『別に…何でも。』

 

オーワタはマルゲリィタの傍らに寄る。

 

オーワタ『何にもって、さっきから私の方を向いてため息ばかりして…。もしかして、再燃しました?』

 

オーワタの方を振り返り、顔を真っ赤にして睨み付けるマルゲリィタ。

 

マルゲリィタ『そんなことあるはずないだろう!お前みたいなド変態の様な奴…。』

 

マルゲリィタの鼻先を指さすオーワタ。

 

オーワタ『私とあなたの仲じゃないですか、一度は結婚直前まで行った。ね。』

マルゲリィタ『オーワタ…。』

 

オーワタを殴り飛ばすマルゲリィタ。

 

マルゲリィタ『結婚直前までじゃねえ!お前、元々結婚詐欺師だろ!お前に泣かされた同僚が何人いたか!』

 

起き上がり、自身の頬を撫で、マルゲリィタを見つめるオーワタ。

 

オーワタ『はぁはぁ。マルゲリィタ様。もっとして~ん。』

 

青ざめるマルゲリィタ。

 

マルゲリィタ『ひっ!へ、変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!へ…。』

 

眼を閉じ、咳払いするマルゲリィタ。

 

マルゲリィタ『と、ともかくリシュー様がお呼びであるから、すぐに行くのだ!すぐに行かねばならない。行くべきである。いや、行く…行くんだ!私…ついて来い!』

 

マルゲリィタはオーワタを引っ張って行く。

 

 

エビルズマウンテン城魔術技術研究室の扉の両脇に立つ上級黒巫女のマジョジョジョジョジョと上級黒巫女のサマンサ。彼らの前に立つオーワタを引っ張るマルゲリィタ。マジョジョジョジョジョはマルゲリィタの方に掌を向ける。

 

マジョジョジョジョジョ『…止まれ。』

 

オーワタの襟首を持ち、マジョジョジョジョジョとサマンサに向け、敬礼するマルゲリィタ。

 

マルゲリィタ『マルゲリィタ!只今、この変態…ではなく、オーワタを連れて参りました。』

 

マルゲリィタはにやけ顔のオーワタの方を向く。

 

マルゲリィタ『こら、オーワタ…。』

 

マルゲリィタのスカートの中を覗いているオーワタ。

 

オーワタ『うひひ…いい眺めです。』

 

オーワタに勢いよく蹴りを入れるマルゲリィタ。

 

オーワタ『ひん!』

 

息を切らし、腕を組んで身震いするマルゲリィタ。二人を見つめるマジョジョジョジョジョとサマンサ。

 

マジョジョジョジョジョ『う~ん。ボディチェックとかあるんだけど…。』

サマンサ『ねえ。』

 

顔を見合わせるマジョジョジョジョジョとサマンサ。彼らはマルゲリィタの前に金属探知機と魔力探知機を投げる。

 

マジョジョジョジョジョ『あんたやっといて…。』

 

眼を見開いて、口を開け、自身の顔を人差し指で指さすマルゲリィタ。

 

マルゲィタ『え~、私がですか?』

 

金属探知機と魔力探知機の前に這って行くオーワタ。

 

オーワタ『それとてもおおきいですね。二本刺しなんて。入りきらないですよ。ふふ。』

 

オータキを見つめ絶句する一同。

 

マジョジョジョジョジョ『ほおら、あんた先輩の命令なんだからちゃっちゃとやってよー。』

サマンサ『そうですよー。はやく。はやく。』

マルゲリィタ『なんで棒読みなんですか!』

 

顔を赤らめ、息を荒げるオーワタ。

 

オーワタ『はやくはやく。あん。ああん。してくださ~い。』

 

マルゲリィタは金属探知機と魔力探知機を持ち、オーワタの体の上にかざす。

 

オーワタ『はん!あん!いい!いい!気持ちぃいいいいいい!』

 

金属探知機と魔力探知機でオータキの頭を叩くマルゲリィタ。

 

マジョジョジョジョジョ『さあ、次はボディチェックよ。』

サマンサ『そうそう反応なければボディ。ちゃっちゃと終わらせなさいよー。』

 

マジョジョジョジョジョとサマンサの方を向くマルゲリィタ。

 

マルゲリィタ『他人事だと思って…このぉ!』

 

マルゲリィタはオーワタの方を向く。

 

仰向けになり、マルゲリィタを見つめるオーワタ。

 

オーワタ『上ですか?下ですか?』

マルゲリィタ『立て…。』

 

オーワタは顔を赤らめ、股間を膨らます。

 

マルゲリィタ『そっちの勃てじゃね~んだよ!』

オーワタ『だって、興奮しちゃうんだもん。』

マルゲリィタ『お前、いい年して何かわい子ぶってんだよ!立て!いいから…立てって。』

 

マルゲリィタはオーワタを立ち上がらせ、壁に手を突かせる。オーワタの体を触るマルゲリィタ。

 

オーワタ『あんっ!はんっ!ひゃっ…。』

 

尻を突きだすオーワタ。

 

オーワタ『いいん。下もお願いしますぅ。』

 

マルゲリィタはオーワタの尻に蹴りを入れる。

 

マルゲリィタ『死ね!』

オーワタ『や~ん。マルゲリィタ様の蹴り、効きますぅ~。』

 

マジョジョジョジョジョとサマンサの方を向くマルゲリィタ。

 

マルゲリィタ『オッケーです。異常ありません!』

 

オーワタを見つめるマルゲリィタ。

 

マルゲリィタ『はい。終わったから、とっとと行く!』

 

オーワタは人差し指を口に咥える。

 

オーワタ『なんで、俺、もっとしてほしいのに…。』

マルゲリィタ『リシュー様のお呼びだ!はい。』

 

頷くオーワタ。

 

オーワタ『はぁい。』

 

オーワタはエビルズマウンテン城魔術技術研究室の扉を開け、中に入って行く。

オーワタの背を見つめるマルゲリィタ。

 

マルゲリィタ『…ああ、何であんな男を好きになったことがあったんだろう。』

マジョジョジョジョジョ『そうよね。あんな男に全財産貢とか…。』

アマンサ『貞操をあげるとかさ…。』

一同『考えられないよね~。あっ!』

 

顔を見合わせる彼女達。

 

C2 元結婚詐欺師 END

C3 依頼

 

エビルズマウンテン城魔術技術研究室。複数のモニターが椅子に座るロズマール王国のリシュー・シインを取り囲む。窓の外には培養槽が無数に並び、中には強化黒巫女達が入っている。リシュー・シインを見つめるオーワタ。

 

オーワタ『これはこれはリシュー様。わざわざ私めを御呼びくださるとは光栄の極み。』

 

右側のモニターに映る頭を抱えるブルベド鉱山医療機関職員のハーキュリーズの映像と左側のモニターに映るブルベド鉱山の採掘場の調査クルー達の映像。右側のモニターでは、画面に向かい手を振る調査クルーのミントン。

 

ミントン『はぁ~い。ミントンよ。今日は新しい魔脈の調査にきました。イエーイ。』

調査クルーA『おいおい。ふざけてないで、さっさと始めるぞ。記録係。』

 

採掘場の魔脈から竜の形をした生物が現れ、魔脈に一番近い調査クルーのヴォーリスを喰らった後、一瞬にして骨となり、魔脈に吸収される。

 

調査クルーB『ヴォーリス!機材を運ぶぞ!おい、ヴォーリス…。』

ミントン『ちょっと!こんなところでふざけないでよぉ!』

 

左側のモニターでは、頭から手を離し、ゆっくりと顔を上げるハーキュリーズ。彼の後ろに脈打つ肉壁。

 

ハーキュリーズ『そんな…馬鹿な。』

 

眼を見開く、ハーキュリーズ。

 

ハーキュリーズ『それでは…我々はただのか…。』

 

ハーキュリーズは頭を押さえる。

 

ハーキュリーズ『ひっ、うわっ!これは…うわあああああああ!』

 

止まる画像。リシュー・シインは振り返り、オーワタの方を向く。

 

リシュー・シイン『オーワタ先輩か。』

 

跪くオーワタ。

 

リシュー・シイン『先輩を呼んだのは他でもない。』

オーワタ『わざわざ私めなどを選んでいただけるとは!リシュー様の命であれば粉骨砕身する覚悟であります!!』

リシュー・シイン『相変わらず饒舌な舌だな。』

 

首を傾げるオーワタ。

 

オーワタ『…はっ?』

リシュー・シイン『その舌で何人もの黒巫女を手玉に取ったことか…。自称空軍少佐殿。』

 

頭を下げ、汗を垂らすオーワタ。

 

オーワタ『いえ、それは…。』

リシュー・シイン『お前のその舌に期待する。』

 

顔を上げるオーワタ。

 

オーワタ『は?』

 

モニターの方を向くリシュー・シイン。

 

リシュー・シイン『今、止めてあるが、この映像記録は…。』

 

立ち上がり、モニターを見つめるオーワタ。

 

オーワタ『…これが映像記録ですか?』

 

2、3歩前に出るオーワタ。リシュー・シインはオーワタの方を向く。

 

リシュー・シイン『どうした?』

オーワタ『いえ…安っぽいSFXとドキュメンタリーで低予算のホラー映画かと…。』

 

モニターの方を向くリシュー・シイン。

 

リシュー・シイン『残念ながら、これはグリーンアイス連邦ブルベド都市国家で実際に起こったハザードの記録だ。』

 

眉を顰めるオーワタ。

 

オーワタ『ブルベド…。』

 

頷くリシュー・シイン。

 

リシュー・シイン『そして、これを入手したのが、他ならぬ我が国の大将軍…ウィンダムということらしい。』

 

リシュー・シインを見つめるオーワタ。

 

オーワタ『…あの方がですか!!!?』

 

頷くリシュー・シイン。

 

リシュー・シイン『しかし、奴の行動を見ているといまいち信憑性に欠ける。そこでお前にその真偽を確かめてもらいたい。』

 

跪くオーワタ。

 

オーワタ『ははっ!』

 

リシュー・シインは腰に手を当て、窓から培養槽の方を見つめる。

 

リシュー・シイン『では、頼むぞ。先輩。』

 

暫し沈黙。

 

振り返るリシュー・シイン。

 

リシュー・シイン『んっ?どうかしたのか?』

オーワタ『あの、先輩っていうのは止めていただけませんか?明らかに、俺は配下で…。』

 

顎に手を当てるリシュー・シイン。

 

リシュー『だって、あんた俺より一回り年上じゃないか。』

 

C3 依頼 END

C4 下衆

 

ロズマリー・ロズマール王国首都ロズマリー。毛皮屋の前に居るリス獣人の母親と子供達の横を通り過ぎるオーワタ。

 

リス獣人の子供A『お母さん!』

リス獣人の母親『大丈夫よ。すぐにお金がはいるからね。これで冬をこせる。心配ないからね。』

 

毛皮屋の店主の後ろをついていくリス獣人の母親。閑散とした城下町を見回しながら歩いていくオーワタ。彼は、市街地の歩道からロズマリー城を見上げる。

 

ざわめき。

 

ロズマリー城城門にできる人だかりを見つめるオーワタ。彼はそこへ歩いていき、後列に並ぶ市民Aの方を向く。

 

オーワタ『これは、何かあったので?』

 

オーワタの方を向く市民A。

 

市民A『ああ、挑戦者だよ。』

オーワタ『挑戦者?』

市民A『世界強武を倒して名を上げようってのはごまんといるんだ。』

 

頷くオーワタ。市民Aは市民Bの方を向く。

 

市民A『これで何人目だっけ?』

市民B『何人目じゃねえ。何十人目だ。今回のは筋がいいぜ。ま、それでも…。』

 

市民Aは城門の階段に座る、配下で眼帯をかけた女フェアリーのザッツリタン・ロドリゲスを肩に載せ、立派な髭を生やしたロズマリー・ロズマール王国の大将軍ウィンダム。

 

市民A『無理だろうねぇ…。』

ザッツリタン・ロドリゲス『おっほほ~い!そこだそこだやっちめぇ!』

 

ウィンダムの配下Aを切り捨てる剣士ミッシェンラ。手を叩くザッツリタン・ロドリゲス。

 

ザッツリタン・ロドリゲス『うはは~い!やった!やった!きゃっほ~い!』』

 

ザッツリタン・ロドリゲスを拳骨で殴るウィンダム。

 

ザッツリタン・ロドリゲス『げぶびひっ!』

ウィンダム『たく、何喜んでんだ。』

 

ミッシェンラはウィンダムの方を向き、剣の切っ先を向ける。

 

ミッシェンラ『俺は剣士ミッシェンラ!世界強武ウィンダム!いざ、勝負しろ!』

 

ウィンダムは頭を掻きむしり、立ち上がる。

 

ウィンダム『あ~あ~。たくっ、めんでぇな…。』

 

ウィンダムは倒れるウィンダム配下Aの傍らに寄り、しゃがむ。ウィンダム配下Aの首元に手を当てるザッツリタン・ロドリゲス。

 

ザッツリタン・ロドリゲス『虫の息。』

ウィンダム『あ、そう。じゃ…。』

 

ウィンダムは通信機を取りだし、耳元に当てる。

 

ウィンダム『あ、もしもし。ロズマリー・ロズマール王国のウィンダムだが、あ、うん。ああ、今、新しい臓器入ったから…。』

 

眉を顰めるミッシェンラ。

 

ミッシェンラ『…何をしている!』

 

ミッシェンラを睨み付けるウィンダム。

 

ウィンダム『うるせえ、商談だよ。商談!お前みたいな、修行バカとは違うんだよ。それに早くしねえと鮮度落ちるだろ。』

ミッシェンラ『おま、お前の配下だろ!』

ウィンダム『あ?だから、その死体も役に立てんとな。』

 

ウィンダムを睨み付けるミッシェンラ。

 

ミッシェンラ『話は聞いていたが、世界強武でありながらここまでの下衆とは…。』

ウィンダム『下衆?人助けだろ。だいたい、臓器提供されて喜ぶ側のほうが多いつ~の!』

 

眉を顰めるミッシェンラ。ウィンダムは倒れるウィンダムの配下Aを見下ろす。

 

ウィンダム『はああ、まったく倒してくれよな。おかげで戦う羽目になっちまったじゃねえか。』

 

ウィンダムはミッシェンラの正面に立つ。

 

ウィンダム『しかたねえな。じゃあ、勝負してやっか。』

 

ウィンダムはウィンダム配下Cに目くばせする。ウィンダム配下Cは頷き、銃をウィンダムとミッシェンラの前に投げる。銃を見下ろすミッシェンラ。

 

ミッシェンラ『銃?』

 

銃声。

 

倒れるミッシェンラ。

 

ウィンダム『あー。言い忘れてたけど、一回目の勝負は早撃ちな。』

 

ウィンダムはミッシェンラの死体を蹴飛ばす。

 

ウィンダム『剣だけじゃあね。色々な武器も使いこなせんと駄目だよ君~。と言ってももう聞いてないか…。』

 

眉を顰めるオーワタ。ウィンダムは彼の配下達に目くばせする。

 

ウィンダム『はい。集金。集金。』

ウィンダム配下D『はい、並んだ。並んだ。逃げる奴は金払わなかったら国家非協力罪でしょっ引くからな。』

 

ウィンダムとザッツリタン・ロドリゲスはミッシェンラに近寄り、衣服を脱がす。衣服を鼻に当て、すぐにはなすウィンダム。

 

ウィンダム『うわっ、くっせーな。』

 

衣服から転がり落ちる小銭。

 

ウィンダム『こんだけしかもってねぇ。貧乏修行者ってとこか。服は売れねえな。』

 

腹を抱えて笑い出すザッツリタン・ロドリゲス。

 

ザッツリタン・ロドリゲス『うはは~い。ここ小さい。小さい。』

 

ミッシェンラの死体の股を覗くウィンダム。

 

ウィンダム『…確かに小さいな。童貞か。女も抱けずにかわいそうなこって。顔は中の下ぐらいだし、そこが小さくとも剥製にすりゃそういった性癖のマニアには高く売れるんじゃねえか。』

ザッツリタン・ロドリゲス『剥製よりも、石像のほうがいいんじゃねえですかい。ほら、ちっちゃくても刺激あり…。』

 

拍手しながらウィンダムの前に出るオーワタ。

 

オーワタ『先程の勝負しかとみました。先程の機転。流石、ロズマリー・ロズマール王国のウィンダム様であらせられます。』

 

立ち上がり、オーワタの方を向くウィンダム。

 

ウィンダム『褒めてもなにもでんぞ。さっさと金払いな。』

 

一礼して紙幣を数枚ウィンダムに渡すオーワタ。

 

ウィンダム『…こんなにか。ただの見物客じゃねえな。』

 

頭を下げるオーワタ。

 

オーワタ『ははっ。私、リシュー・シイン配下のオーワタと申します。以後お見知りおきを。』

 

ウィンダムはオーワタを眺める。

 

ウィンダム『ふ~ん。リシューの配下か。』

 

ウィンダムは彼の配下達に目くばせする。

 

ウィンダム『腹が減った。この男と一緒に飯食いに行くぞ。』

 

頷くウィンダムの配下達。

 

C4 下衆 END

C5 武勇伝

 

ロズマリー・ロズマール王国。レストラン、ポルポカ・デ・ラ。椅子に座るウィンダムとザッツリタン・ロドリゲスにオーワタ。

ポルポカ・デ・ラの店長が彼らの傍による。

 

ポルポカ・デ・ラの店長『これは大将軍様。このポルポカ・デ・ラへ、ようこそお越しくださいました。』

 

メニューを見つめるウィンダム。

 

ウィンダム『…どれにするか。』

 

上体を前に出すポルポカ・デ・ラの店長。

 

ポルポカ・デ・ラの店長『今日はちょうど特別な食材が入りまして…。』

ウィンダム『特別な食材?』

 

頷くポルポカ・デ・ラの店長。

 

ポルポカ・デ・ラの店長『はい。雌のリスの肉でございます。』

ウィンダム『ほっほう。リス肉か。珍しい。それにする。』

 

頭を下げるポルポカ・デ・ラの店長。

 

ポルポカ・デ・ラの店長『はは。かしこまりました。』

 

ウィンダムはオーワタの方を向く。

 

ウィンダム『お前もそれでいいな。』

 

頷くオーワタ。

 

オーワタ『はは。』

 

涎を垂らすザッツリタン・ロドリゲス。去って行くポルポカ・デ・ラの店長。

 

ザッツリタン・ロドリゲス『リス肉ってどんな味かな。喰ってみてえな。』

 

ザッツリタン・ロドリゲスの頭を撫でるウィンダム。

 

ウィンダム『大丈夫だ。お前に一口ずつやる。』

 

両手を上げて、笑顔になるザッツリタン・ロドリゲス。

 

ザッツリタン・ロドリゲス『うはは~い。やたー。』

ウィンダム『大丈夫。死んだら代わりを探してやる。』

 

ウィンダムの方を向くオーワタ。

 

オーワタ『しかし、街の人から聞きましたが…大将軍様の命を狙いにくる輩が多いとか。』

 

笑みを浮かべながら頷くウィンダム。

 

ウィンダム『そうそう。多くて困っちゃう。世界強武でいる場所が把握できるのは俺ぐらいなもんだろ。だから、ウジが湧いてくるのよ。』

オーワタ『ウジですか…。』

ウィンダム『そうそうウジ。防衛戦ってのはつらいんだぜ。こっちがへばってても次から次へ来やがる。相手の得意の分野で戦って大怪我してみろ、次の奴に備えれんだろう。』

 

頷くオーワタ。

 

オーワタ『まったくその通りで。』

ウィンダム『そもそも正々堂々なんぞスポーツマンシップがルールとして確立された場であるからこそ機能するんだよ。本当の戦場じゃ、強い奴とは戦わず、弱い奴を叩けばいいんだよ。輜重隊や非戦闘員の労働者とかな。そうすりゃ、強い奴は補給ができずに弱体化するからよ。』

 

深く頷くオーワタ。

 

オーワタ『はあ。』

 

雌リスのコーニッシュパスティを持って来るポルポカ・デ・ラの店長。彼は一礼し、テーブルの上にそれを置く。

 

ザッツリタン・ロドリゲス『あ~腹減った。』

 

雌リスのコーニッシュパスティを貪るザッツリタン・ロドリゲス。ウィンダムは彼女の襟首を掴む。

 

ウィンダム『あ~。死どらんな。毒は入っとらんらしい。』

 

ザッツリタン・ロドリゲスを投げ捨てるウィンダム。

 

ウィンダムは雌リスのコーニッシュパスティを口に運ぶ。

 

ウィンダム『で、強い奴が強い奴と戦うなんて腐った騎士道精神なんぞ持ってたら、話にならんというわけよ。』

オーワタ『流石、歴戦の…。』

 

勢いよく飛び、オーワタの雌リスのコーニッシュパスティを奪い取るザッツリタン・ロドリゲス。

 

ザッツリタン・ロドリゲス『頂き!』

オーワタ『勇士であります。勉強になります。ところで…。』

ウィンダム『食い物とられとるぞ。お前。』

 

ザッツリタン・ロドリゲスの方を向くオーワタ。

 

ザッツリタン・ロドリゲス『うめぇ!うめぇ!』

 

オーワタは苦笑いする。

 

オーワタ『ま、いいですよ。それよりも、私は閣下の武勇伝を聞きたい。』

 

オーワタを見つめるウィンダム。

 

ウィンダム『武勇伝?』

オーワタ『ええ、例えば…ブルベド鉱山等。』

 

頷くウィンダム。

 

ウィンダム『ブルベド、ブルベド…ああ、ありゃ、苦労した割に大した金にもならんかったやつだ。』

オーワタ『ほう。』

ウィンダム『なんだったかな…そうそう、オリハルコンの採掘機と合体した化け物みたいな奴が固くて固くてよ。味方は全滅するし、ボンキュッボンの剣士の姉ちゃんもなあ、ザッツリタン。』

ザッツリタン『まじうめぇ!うめぇ!』

 

皿を嘗め回すザッツリタン・ロドリゲス。フォークを投げつけるウィンダム。ザッツリタン・ロドリゲスの脳天に突き刺さるフォーク。彼女の頭から血が出る。

 

ウィンダム『そうだったよな。ザッツリタン!』

 

羽根をはばたかせ、ウィンダムの傍らに飛んでくるザッツリタン・ロドリゲス。

 

ザッツリタン・ロドリゲス『そうそう。あの女、採掘機のドリルでミンチになっちゃって…剥製にしたら高く売れたのにぃ。』

 

フォークが刺さり、血を吹き出しながら、口をへの字に曲げるザッツリタン・ロドリゲス。

 

オーワタ『…あ、あの血。』

ザッツリタン・ロドリゲス『泥の入ったミンチ肉じゃ安値でしかうれねっての!まったく。ぷんぷん!』

 

ザッツリタン・ロドリゲスの頭からフォークを抜くウィンダム。

 

ウィンダム『で、結局、採掘場には魔脈も何もなくてよ。記録映像があったからそれだけ記念に持ってきたわけよ。

後は、そいつをグリーンアイス連邦さんと魔竜教団に競売にかけてな。まあ、元は取れたからな。』

 

頷くオーワタ。

 

ウィンダム『それより、リシューの方はガグンと仲直りはせんのか?』

 

眉を顰めるオーワタ。

 

オーワタ『それは…。我が主に聞かないとなんとも…。』

ウィンダム『そうか。今日はそれで来たと思ったのだがな。』

オーワタ『いえ、このところ宮廷の方に出向いていないので、その顔向けということです。』

 

頷くウィンダム。

 

 

ロズマリー・ロズマール王国首都ロズマリー。ロズマール城を背に雌のリス獣人の毛皮がぶら下がる毛皮屋を通り過ぎるオーワタ。

 

C5 武勇伝 END

C6 化け物

 

エビルズマウンテン城魔術技術研究室。椅子に座るリシュー・シイン。隣にはオーワタ。

 

リシュー・シイン『…相変わらず、姑息で卑怯だな。世界強武の実力すら見せんとは…。』

 

頷くオーワタ。

 

オーワタ『はい。まったくその通りで…。本当に世界強武かどうか。』

リシュー・シイン『それで奴はオリハルコンの採掘機と合体した化け物と言ったのだな。』

 

頷くオーワタ。

 

オーワタ『はい。』

 

リシューは・左側のモニターに映るハーキュリーズを見つめる。

 

オーワタ『しかし、この映像を入手したのは本当のことらしいです。なんでもグリーンアイス連邦と魔竜教に競売にかけたそうで。』

 

笑うリシュー・シイン。

 

リシュー・シイン『魔竜教か。懐かしいな。』

 

リシュー・シインを見つめるオーワタ。リシュー・シインはオーワタの方を向く。

 

リシュー・シイン『いや、こちらの話だ。それで?』

オーワタ『はい。彼らが行ったときにはもう魔脈は無かったそうで…。』

リシュー・シイン『無かった…だと。…動いたのか。』

 

顎に手を当てるリシュー・シイン。

 

オーワタ『そ、それから、そのガグンと仲直りするつもりはないのか…と。』

 

ため息をつくリシュー・シイン。

 

リシュー・シイン『できればすぐにやっている。あの馬鹿で単細胞のことは良く知っている。長い付き合いだからな…。』

 

俯くリシュー・シイン。

 

オーワタ『リシュー様。』

 

肘かけを掴み、立ち上がるリシュー・シイン。

 

リシュー・シイン『…ふむ。分かった。下がってよいぞオーワタ先輩。』

 

頭を下げ、去って行くオーワタ。リシュー・シインは窓から培養槽に入る強化黒巫女達の方を向いた後、眼を細め、オーワタの背を見つめる。

 

リシュー・シイン『オーワタ先輩。』

 

背筋を伸ばし、振り返るオーワタ。

 

オーワタ『はい。』

リシュー・シイン『一つ頼みがある。明日、献上品をロズマリー城に送る。無論転送呪符わは渡す。その役目引き受けてくれないか?』

 

跪くオーワタ。

 

オーワタ『はは、この命に変えましても!』

 

笑みを浮かべるリシュー・シイン。

 

 

ロズマリー・ロズマール王国首都ロズマリー。毛皮屋の前に居るリス獣人の子供達。

 

リス獣人の子供A『おい!母さんは何処に行った!』

リス獣人の子供B『母さんに会わせて!』

店主『ああ、分かった分かった。会わせてやるから…。こっちに来い。』

 

彼らの横を通り過ぎるオーワタ。

 

 

ロズマリー・ロズマール王国首都ロズマリー。ロズマリー城。玉座の間。玉座に座るロズマリー・ロズマール王国の王女で少女のロズマリー。傍らには女宰相のバイオレッタ・アレンビーとウィンダム、その肩にはザッツリタン・ロドリゲスが乗っている。彼らの前に跪くオーワタ。

 

オーワタ『ご機嫌麗しく。今日はリシュー様の命で来ました。』

バイオレッタ『リシューからの献上品があるそうだな。』

オーワタ『はは。』

 

オーワタは転送呪符を置き、書いてある呪文を唱える。光る転送呪符。大きな音と共に現れるケーキボックス。

 

立ち上がり、感嘆の声を上げ、ケーキボックスを見つめるロズマリー。バイオレッタはロズマリー・ロズマール王国の兵士達に目くばせする。ケーキボックスを見つめるウィンダム。

 

ウィンダム『止めろ!』

 

立ち止まるロズマリー・ロズマール王国の兵士達。首を傾げるオーワタ。激しく揺れるケーキボックス。ウィンダムはオーワタを見つめる。

 

ウィンダム『やれやれ、やっかいなもんを献上してきたなテメェ!』

 

一瞬でオーワタの正面に立ち、殴り飛ばすウィンダム。倒れるオーワタ。ケーキボックスの外装が突き破られ、女体の形をした触手が床を抉る。

 

ウィンダム『ザッツリタン!俺とこいつの周りに結界を張れ!』

ザッツリタン『あいよー!』

 

女体の形をした触手を眺めるウィンダム。

 

ケーキボックスの中からの声『きしゃー!きしゃー!』

ウィンダム『とんだプレゼントだな。』

 

女体の形をした触手の両足の部分の攻撃を切り払いながらオーワタを睨み付けるウィンダム。両手を前にだし、首を左右に振るオーワタ。

 

オーワタ『知りません!知りません!わ、私はリシュー様に…ここここの献上品の運搬を依頼されただけで…。』

 

ため息をつき、体を震わし、バイオレッタに抱き付くロズマリーの方を向くウィンダム。

 

ウィンダム『女王様も怖がっちまってんな。』

 

女体の形をした触手の両手の部分の攻撃を切り払うウィンダム。青白い光がケーキボックスとウィンダムの周りに張り巡らされる。

 

ザッツリタン・ロドリゲス『完了!』

ウィンダム『おう、そうか。』

 

周りを見回すウィンダム。

 

ウィンダム『いいか。テメェら、この結界の中に入るんじゃねえぞ。入るときは受取人を俺にした生命保険に入ってからな。』

 

ロズマリー・ロズマール王国兵士Aの所へ飛んでいき、生命保険の契約書を出すザッツリタン・ロドリゲス。

 

ザッツリタン・ロドリゲス『どうです。今ならお安くなりますよ。』

ロズマリー・ロズマール王国兵士A『いらんわ!』

 

舌打ちし、ロズマリー・ロズマール王国兵士Bの方へ行くザッツリタン・ロドリゲス。大きな音と共にケーキボックスの外装が突き破られ5本の女体の形をした触手が突き出、ウィンダムに次々に振り下ろされる。

それらを高速でよけるウィンダム。

 

ウィンダム『あぁ~ああ。ブルベドにもいたな。こりゃ、ごちゃごちゃしたやつだな。めんでぇ…くそめんでぇ!』

 

ケーキボックスを切り払うウィンダム。一瞬のうちにケーキボックスの外装がはがれ、現れる女体の形をした触手を5本持つ化け物。中央のツインテールの女の顔、床に垂れ下がる程肥大化した左右の胸の乳頭部にある四つの女の顔と、膨らんだ腹から出た女の顔が雄たけびを上げる。

 

化け物『きしゃー!きしゃー!』

 

ウィンダムは高速で移動し、化け物の体を無数に切り付ける。再生する化け物の傷口。化け物の攻撃により、壊れる城の床。よろめく化け物。眉を顰めるウィンダム。彼は化け物に突進し、胸を切り裂く。

 

化け物『きしゃーーーーーーーーー!』

 

飛び出、粉々になる6つのピンクの肉片の様なもの。化け物は溶け、6つの変形した骸骨が残る。唖然とする一同。ウィンダムは剣を鞘におさえ、6つの変形した骸骨を見つめる。

 

ウィンダム『手ごたえがねえな。ブルベドの奴らの核は…オリハルコンでも刃こぼれするほど固かったがな。さて。』

 

ウィンダムはオーワタの方を見つめる。

 

ウィンダム『オーワタさんよ。今回のことはどう説明するつもりだ?』

 

汗を大量にかき、青ざめるオーワタ。

 

C6 化け物 END

C7 \(^o^)/

 

ロズマリー・ロズマール王国。首都ロズマリー。レストラン、ポルポカ・デ・ラ。2階。食卓に並ぶ子リスのペースト。食卓。肩にザッツリタン・ロドリゲスを乗せたウィンダム。隣にはバイオレッタ・アレンビー、向かいに座るオーワタ。

ウィンダムは青ざめるオーワタの方を向く。

 

ウィンダム『さて、説明してもらおうか。』

バイオレッタ『ウィンダム大将軍!説明するも何もこの男は女王様の命を狙った!死刑です!』

 

バイオレッタに掌を向けるウィンダム。

 

ウィンダム『で、どうなんだ?』

 

上体を前に出すオーワタ。

 

オーワタ『俺は知らない!本当に何も知らないんです!ただリシュー様から献上品を運ぶようにと…。』

 

頷くウィンダム。

 

ウィンダム『リシューは貴様が勝手にやったと言っている。試験段階の強化黒巫女を勝手に持ち出したとな。』

 

眼を見開くオーワタ。

 

オーワタ『そんな…。い、言いがかりだ!』

 

バイオレッタはウィンダムの方を向く。

 

バイオレッタ『リシューが嘘を言うなど考えられません。この者が勝手にやったのでしょう。この者の素性を調べましたが、手練れの結婚詐欺師でした。』

オーワタ『そんな、お、俺はやってない。俺は…。』

 

ウィンダムは子リスのペーストを一口食べ、オーワタを見つめる。

 

ウィンダム『リシューが嘘をついていると。』

 

立ち上がり、机に勢いよく手を置くオーワタ。

 

オーワタ『そうだ!あの男が…。』

 

バイオレッタの方を向くウィンダム。

 

ウィンダム『ならば、配下の黒巫女共々粛清だな。まあ、俺達が動かなくても…。』

 

俯き、座るオーワタ。

 

バイオレッタ『お前は強化黒巫女ができたことに浮かれ、良かれと思って勝手にそれを我々に献上したということでいいですね。しかも強くみせようとアビスの破片までつけて。』

オーワタ『アビスの…。』

 

下を向き、頷くオーワタ。

 

バイオレッタ『それでも、あなたは主に対して不正を行い、女王の命を危険にさらしたことにかわりありません。死刑です。』

 

トランペットの音と太鼓の音が鳴り響く。

 

ウィンダム『…噂をすればなんとやらだ。』

 

窓の方を向く一同。遠方に見えるガグンの旗印を持つ軍勢。

 

バイオレッタ『あれは…ガグン!』

ウィンダム『今回の事で、また、やりあう気まんまんだな。』

 

舌打ちするバイオレッタ。

 

バイオレッタ『かたはつきそうなのに…。』

 

バイオレッタを見た後、オーワタを見つめるウィンダム。

 

ウィンダム『そうだ。オーワタさんよ。』

 

瞬きし、ウィンダムを見つめるオーワタ。

 

ウィンダム『そんな顔すんな。あんたを死刑から、終身刑に減刑できるかもしれんぜ。』

オーワタ『え?』

 

ウィンダムの方を向くバイオレッタ。

 

バイオレッタ『ウィンダム大将軍?何を…。』

 

バイオレッタの方を向くウィンダム。

 

ウィンダム『まあまあ。』

 

ウィンダムはオーワタの方を向く。

 

ウィンダム『お前、結婚詐欺師だったんだって。』

 

頷くオーワタ。

 

オーワタ『はい。』

ウィンダム『じゃあ、舌には相当な自信があるだろ。』

オーワタ『それは…その…。』

 

ガグンの旗印を指さすウィンダム。

 

ウィンダム『よし!あいつを説得してこい。リシューと和睦するようにな。』

 

唖然とするオーワタ。ウィンダムは立ち上がり、剣を抜いてオーワタの首筋に突き立てる。

 

ウィンダム『今すぐこの世からバイバイするか、成功するかもしれない説得をして罪を少しでも軽くするか?』

 

頷き、額から汗を垂らすオーワタ。

 

 

ロズマリー・ロズマール王国。首都ロズマリー近郊の平地に立つリシュー・シインの旗印を背に立ち、馬に乗るオーワタ。遠方で止まるガグン軍。オーワタはガグン軍を見つめ、口を大きく開く。

 

オーワタ『リシュー・シイン配下オーワタだ!』

 

肩部の砲は撤去され、替わりに剣が装着されるガグン専用ヴェイ級人型機構のコックピットのハッチが開き、現れる馬に乗ったロズマリー・ロズマール王国の重鎮ガグン。

 

ガグン『その勝負受けて立つ!』

 

ガグン機の人型機構用の剣を持ち、疾駆するガグンを見つめるオーワタ。

 

オーワタ『…是非もなし。』

 

眼を閉じるオーワタ。人型機構用の剣の一閃。血しぶきと共に吹飛んでいくオーワタの首。

 

C7 \(^o^)/ END

 

END

 


 
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