No.767363

九番目の熾天使・外伝 ~vsショッカー残党編~

竜神丸さん

白鳥と蟷螂と未来の戦士

2015-03-28 09:25:33 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1373   閲覧ユーザー数:815

「支配人、いけるな?」

 

「あぁ、問題ない。ちゃっちゃと仕留める」

 

「ズゥーカァー…!!」

 

路地裏にて、荘吉とタートルバズーカの戦闘に助太刀しに現れたokakaと支配人。okakaはプロトディケイドライバーを、支配人は戦極ドライバーを装着し、両者それぞれライダーカードとメロンロックシードを取り出す。

 

「アンタも行けるよな? 鳴海荘吉」

 

「…野暮な事を聞くものだな」

 

okakaの問いに荘吉もフッと笑みを浮かべ、ロストドライバーを装着し直す。荘吉、okaka、支配人の三人が並び立つ。

 

≪スカル!≫

 

≪カメンライド…≫

 

≪メロン!≫

 

「「「変身!」」」

 

≪スカル!≫

 

≪ディケイド!≫

 

≪ロック・オン…ソイヤッ! メロンアームズ! 天下・御免!≫

 

荘吉はスカルに、okakaはプロトディケイドに、支配人は斬月に変身。三大ライダーが並び立ち、三人はそれぞれ専用の武器を構える。

 

「ズゥカァッ!!」

 

「うぉ危ねぇっ!?」

 

「どわっと!?」

 

「チッ…!!」

 

タートルバズーカが砲撃を放ち、三人は同時に回避。横に回避したプロトディケイドはすかさず二枚目のカードを装填する。

 

「うし、これで行くか…!!」

 

≪カメンライド・ダブル!≫

 

「! ほぉ、俺と似たような姿だな…」

 

「アンタに合わせてみたのさ……っと!!」

 

≪ルナ・トリガー!≫

 

スカルが興味深そうに眺める中、プロトディケイドダブル(以下PDダブル)はルナトリガーに変身。すかさずトリガーマグナムを手に取り、タートルバズーカ目掛けて連射するが、タートルバズーカは砲撃を連射して飛んで来る銃撃を次々と相殺し、更に三人を圧倒する。斬月ですら、メロンディフェンダーで砲撃を防御するのがやっとの状況だ。

 

「のわっ!? くそ、まともに近寄れねぇ…!!」

 

「仕方ねぇな……鳴海の旦那!! 俺達が砲撃を防ぐ、上手く隙を突いて一撃ぶち込んでくれ!!」

 

「随分と危なっかしいマネをするもんだ……まぁ良い、付き合ってやろう」

 

≪スカル・マキシマムドライブ!≫

 

PDダブルと斬月の二人が次々と飛んで来る砲撃を防ぐ中、スカルは溜め息をつきながらもスカルメモリをスカルマグナムに装填し、スカルマグナムの銃口をタートルバズーカに向ける。タートルバズーカの砲身を狙い撃つべく一瞬の隙を待ち続けようとしたが…

 

「! …ズカッ!」

 

「!? 何だと…!!」

 

スカルが狙いを定めている事に気付いたのか、タートルバズーカは突然砲撃をやめてバズーカ砲を背中の甲羅に素早く収納してしまった。これでバズーカ砲を狙い撃つ事は出来なくなったが、代わりにタートルバズーカに接近する事が可能になる。

 

「砲撃が止んだ!!」

 

「今だ!!」

 

≪サイクロン・メタル!≫

 

PDダブルはすかさずサイクロンメタルに変わり、斬月も無双セイバーを抜き取りタートルバズーカに接近。二人でタートルバズーカを滅多打ちにするが、タートルバズーカの装甲で何度も弾かれてしまう。

 

「ちょ、固ぇなコイツ…!!」

 

「ズカッ!!」

 

「おわ!?」

 

「支配人!! くそ、無駄に知恵つけやがって…!!」

 

タートルバズーカの怪力で斬月が投げ飛ばされ、PDダブルは高火力で攻める為にヒートメモリとトリガーメモリを取り出す。その時、スカルは真上から落ちて来る“何か”に気付いた。

 

「―――!? 二人共、下がれ!!」

 

「何…ぐぁあっ!?」

 

「「シャァァァァァァァァァァァァッ!!」」

 

「!? 新手か!!」

 

PDダブルは真上を見上げた直後、落ちて来た二体の怪人―――“シザースジャガー”と“チェーンソーリザード”の攻撃を受け、変身が解除されてプロトディケイドの姿に戻ってしまう。そのままシザースジャガーが右腕の鋏をプロトディケイドに振り下ろすが、すかさず斬月がメロンディフェンダーで攻撃を防御。斬月はそのまま右手で戦極ドライバーのカッティングブレードを倒す。

 

「この…」

 

≪メロンスカッシュ!≫

 

「小賢しいんだよぉ!!」

 

「「グゥッ!?」」

 

「ッ…ズカァ!!」

 

斬月の無双斬がシザースジャガーとチェーンソーリザードに命中し、二体はタートルバズーカの下まで吹き飛ばされる。不利な状況だと判断した為か、タートルバズーカは地面に砲撃を放ち、地面が爆発する。

 

「く……あ、いねぇ!?」

 

「逃げやがったか…」

 

爆風が収まった後、地面には大きな穴が出来ていた。周囲にタートルバズーカ逹の姿が見当たらない事から、この穴を通じて逃亡したのだろう。

 

「逃げられた以上は仕方ない。深追いは禁物だ」

 

「だな。さて…」

 

プロトディケイドと斬月は変身を解除し、okakaと支配人の姿に戻る。そして二人は振り返り、既にスカルの変身を解除していた荘吉と向き合う。

 

「詳しく話を聞きたいところだが……場所を変えるぞ。ここは少し騒がしくなり過ぎた」

 

「その方が良さそうかもな」

 

「だが、移動する前に名前だけは聞いておこう……先に言うが、ちゃんとした本名(・・・・・・・・)を聞かせてくれよ?」

 

「…あぁ、分かったよ。鳴海荘吉(へぇ、この短い時間で気付いたのか。流石は名探偵だ)」

 

荘吉は先程の戦闘で二人がコードネームで呼び合っていた事から、彼等が組織に属する人間だという事には既に気付いていたようだ。これでは本名を隠し通すのは無理だろうと悟ったokakaと支配人は、潔く自分達の本名を名乗る事にした。

 

「okaka改め、岡島一城だ」

 

「支配人改め、暁零。よろしく頼むよ、鳴海のおやっさん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、山中では…

 

 

 

 

 

 

「ウ、ウル…? どうしちゃったの? お~い?」

 

「……」

 

「んん、この身体もなかなかに快適だ…♪」

 

突然ディアーリーズの口調や服装が変わり、ハルトは慎重に声をかけ、ハルカはあまりの変わり具合に口を開けたまま呆然としている。そしてディアーリーズはハルカを見た途端、即座に彼女を自分の傍へと抱き寄せる。

 

「あぁ、これは実に麗しい。今はそなたが私の姫だ…………あぁ、そこの家臣。その娘はそなたが運んでおけ」

 

「か、家臣? …何か性格変わってるし、服装もさっきまでと違うし、一体何が起こってんだ…?」

 

「そなたのような美人に出会えて、私は光栄だ。さぁ姫、私と一緒にお茶でも飲もうではないか」

 

「……」

 

しかし、ハルカはディアーリーズの予想とは異なる反応を見せた。彼女は即座にディアーリーズの腕の中から抜け出し、ディアーリーズを睨み付ける。

 

「む、どうした?」

 

「やめなさい。私が好きなのはウルだけ、ウルの身体に乗り移ってるあなたじゃないわ。正体を見せなさい」

 

「! …プリンスである私にそんな口を聞く女は久しぶりだ、面白い」

 

「!? うぉっとと!」

 

ハルカの言動に面白そうな顔をした後、ディアーリーズの全身から大量の砂が零れ落ち、白鳥のような意匠を持ったイマジン―――ジークが出現。ジークが離れた事でディアーリーズはその場に倒れ、ハルトが慌てて彼の身体を受け止める。

 

「まずは自己紹介といこう。私の名はジークだ、そなたの名前を教えて欲しい」

 

「…ハルカよ。あなたが乗り移ってたのがウルで、そのウルを抱えてるのがハルト」

 

「うい、よろしく鳥ちゃん!」

 

「…それで、アンタは見たところイマジンのようね」

 

「うむ、その通りだ」

 

「ジーク、あなたはこの世界に来てから長いのかしら? この世界の事について、もし知っている事があったら教えて欲しいの」

 

「知っている事か……済まないが、私もこの世界に来てからまだ数日しか経っていない。ショッカーとかいう連中が何やら街で騒がしくやっているようだが…」

 

「(この世界にショッカーがいるのは間違いないわね)…ジーク、私達はそのショッカーを追ってこの世界にやって来たの。何か黒い恰好をした集団を見たりしなかった?」

 

「黒い集団……つい先程、この道の少し先にある炭鉱だったか? そこで何やら、黒い戦士が妙な集団に襲われているのなら見たが」

 

「「黒い戦士?」」

 

ジークの告げる“黒い戦士”に、ハルカとハルトは首を傾げる。

 

「…ハルト」

 

「OK、テレポートで行けばすぐだ……あ、そうだ鳥ちゃん。この子とウルを一緒に運ぶの面倒だから、ちょいとウルに憑いといてくれない?」

 

「何故この私が……と言おうと思ったが、その少年の身体はなかなかに快適だ。良いだろう」

 

ジークは再びディアーリーズの身体に憑依し、それによりWディアーリーズとして再び目を覚ます。それを見たハルトはテレポートリングを嵌めて、その場にいた全員がテレポートする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ジークが言った炭鉱では…

 

 

 

 

 

 

 

「フッ!!」

 

「ハァッ!!」

 

ショッカーによって開発された兵士“ショッカーライダー”が六体。専用バイク“ショッカーサイクロン”に乗りながら、とある戦士と戦闘中だった。

 

その戦士こそが…

 

「ッ…!!」

 

ハートのような複眼を持ち、蟷螂の特徴を持ち合わせた黒い戦士―――仮面ライダーカリスだ。カリスは厄介そうな口調でショッカーライダー達と対峙し、弓型の武器“醒弓カリスアロー”を構え直す。

 

「答えろ、お前達は何者だ…!!」

 

「デヤァ!!」

 

「!? く…!!」

 

ショッカーライダー7号(以下SR7号)は指先から爆撃を放ち、カリスはそれを横に転がって回避。カリスはベルトに付いている装置“カリスラウザー”を取り外し、カリスアローにセット。一枚のカードを取り出してカリスラウザーにスラッシュする。

 

≪TORNADO≫

 

「おぉっ!!」

 

「!? ぐわぁっ!!」

 

「ぎゃあ!?」

 

カリスアローから放たれる風の矢が、バイクに乗っていたショッカーライダー達を連続で狙撃し、狙撃されたショッカーライダー達がバイクから落下する。

 

「おのれ!!」

 

「ッ…!!」

 

バイクから落ちた8号は即座に起き上がってカリスに殴りかかり、カリスはカリスアローでそのパンチを防いで掴み合いになる。しかしやはり多勢に無勢なのか、ショッカーライダー達の方が戦況的には優勢だった。

 

「ここで仕留めさせて貰うぞ、仮面ライダーカリス!!」

 

「く…!?」

 

その時…

 

 

 

 

 

 

≪コネクト・プリーズ≫

 

 

 

 

 

 

「!? ガァッ!!」

 

飛んで来た無数の銃弾が、カリスと掴み合いになっていたSR8号を吹き飛ばした。

 

「そこの旦那達! 大人数で一人を襲うってのは、流石にどうかと思うよ?」

 

「な、何だ貴様……ゴフッ!?」

 

「く、また仮面ライダーか…ぐぇえ!?」

 

テレポートの魔法で駆けつけたウィザードはSR9号をウィザーソードガンで斬りつけ、更には殴りかかって来た10号をヘッドロックで絞め上げる。

 

「フンッ!! …ん? アレは…」

 

バイクに乗っていたSR12号を回し蹴りで蹴り落とした後、カリスはウィザードの存在に気付く。

 

「よっ蟷螂ちゃん、加勢させて貰うぜ! いくらアンタが強くても、こんな状況じゃ面倒だろうしな!」

 

「…良いだろう。まずはコイツ等を倒す」

 

≪BIO≫

 

「!? おぁっ!!」

 

「OK、そうこなくっちゃね……さぁ、ド派手なショータイムだ!!」

 

≪ビッグ・プリーズ≫

 

「な、デカ……おぶぅ!?」

 

カリスアローから伸びた蔓がSR7号を捕らえ、そのままカリスの目の前まで引き寄せられてからカリスに殴り飛ばされる。ウィザードはビッグ魔法で右手を巨大化させ、SR8号をビンタで薙ぎ払う。

 

「なるほど。仮面ライダーカリス、ね…」

 

そんな彼等から少し離れた位置では、ハルカが興味深そうに彼等の戦いを眺めていた。保護した少女は近くの壁に寝かせてあり、その周囲には起動したカンドロイド逹が護衛役を担っている。ちなみにWディアーリーズは「散歩の時間だ」と言って何処かに散歩しに行ってしまっている。

 

(仮面ライダーカリス……その正体はマンティスアンデッド、固体名“カリス”の姿を借りたジョーカーアンデッド……あら? そう言えばさっき見た青い怪人も、ジョーカーアンデッドに姿が似ていたわね。でもジョーカーは一体しかいない筈……どういうことかしら…?)

 

スマートフォン型通信デバイスの画像を見ながら、ハルカは不思議そうに思考を張り巡らせる。通信デバイスの画像には、ジョーカーアンデッドの姿や戦闘力などのデータが映し出されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪FUSION≫

 

カリスラウザーにカードがスラッシュされ、カリスアローのAPが再チャージされる。そんな中、ウィザードに攻撃されたSR7号が指を鳴らし、何処からか三体の怪物が飛び出す。

 

「行け!!」

 

「「「シャァァァァァァァァァッ!!」」」

 

「ん? 何だ…どわぁっ!?」

 

「ッ……奴等…!!」

 

飛び出して来たのは不死生物“アンデッド”だった。シュモクザメ型のハンマーヘッドアンデッド、ラクダ型のキャメルアンデッド、ムカデ型のセンチピードアンデッドの三体はウィザードを攻撃し、ウィザードは体勢を立て直す為にカリスと背中合わせになる。

 

「痛ってぇ~……おいおい、何だコイツ等? ファントムでも、ヤミーでも、インベスでもなさそうだが…」

 

「コイツ等はアンデッドだ。元は俺が使っているカードに封印されていたんだが……面倒な事に、俺がこの世界に来た時に、封印から解放されてしまったようだ」

 

「あらら、そりゃドンマイと言ったところだねぇ……けどその感じだと、封印する手段はあるって事でしょ? なら俺とアンタでまたボコってやりゃ良いだけの話だ。そうだろう?」

 

「…確かにな」

 

「うし! そうと決まりゃ、やる事は一つだ!!」

 

≪フレイム・ドラゴン! ボー・ボー・ボーボーボー!≫

 

ウィザードはフレイムスタイルからフレイムドラゴンへとチェンジ。カリスもカリスアローを構え直し、アンデッドやショッカーライダー達を迎え撃つ。

 

≪DRILL≫

 

「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

「ギシャァァァァァァァァァァッ!?」

 

まずはカリスがシェルドリルを発動し、錐揉み回転によるキックがセンチピードアンデッドに炸裂。センチピードアンデッドは爆発して倒れた後にベルトのバックルが割れ、そこにカリスがラウズカードを投げつける事でセンチピードアンデッドをラウズカードに封印。ラウズカードがカリスの手元に戻って行く。

 

「おぉ、流石!! そんじゃ俺も…」

 

≪キャモナ・スラッシュ・シェイクハンズ…≫

 

「行きますかねぇ!!」

 

≪フレイムドラゴン・スラッシュストライク! ボーボーボー! ボーボーボー!≫

 

ウィザードは手に持っていた二本のウィザーソードガンにそれぞれ指輪を翳し、二本共に炎を纏わせる。彼はそのままウィザーソードガンを×字にクロスさせる。

 

「どぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「グゥゥゥゥゥゥゥゥッ!?」

 

「「ぐぉわぁっ!?」」

 

ウィザードの飛ばした炎の斬撃がキャメルアンデッドを斬り裂き、キャメルアンデッドの爆発に他のショッカーライダー達が吹き飛ばされる。キャメルアンデッドが倒れると、そこに飛来したラウズカードがキャメルアンデッドのボディを一気に吸収していき、再封印が完了する。

 

「よし……次はアイツだ」

 

「おし、俺に任せときな…!!」

 

≪ハリケーン・ドラゴン! ビュービュー・ビュービュービュビュー!≫

 

「そしてもう一丁!!」

 

≪チョーイイネ・スペシャル! サイコー!≫

 

「グゥゥゥゥゥゥゥ…ガァッ!!」

 

キャメルアンデッドの封印されたラウズカードをカリスが手に取った後、今度はハンマーヘッドアンデッドに狙いが定まる。ウィザードはフレイムドラゴンからハリケーンドラゴンに変わり、更には背中にドラゴンの翼を生やしたまま上空に舞い上がる。そうはさせまいとハンマーヘッドアンデッドも高く飛び上がるが、それはカリスにとっても同じ事。

 

「させんっ!!」

 

「グガァ!?」

 

「「「ぬぐぉっ!?」」」

 

カリスアローから放たれた銃撃は空中のハンマーヘッドアンデッドを撃墜し、更にはカリスの妨害をしようとしていたショッカーライダー達をも怯ませる。

 

「OK、ナイス蟷螂ちゃん!!」

 

≪ルパッチマジックタッチゴー! サンダー・プリーズ!≫

 

「うぉぉぉぉぉぉぉらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「ギシャ!? シャァァァァァァァァガァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!??」

 

「「「「「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!?」」」」」

 

空高く飛んでいたウィザードは、ハンマーヘッドアンデッドの周囲を猛スピードで飛び回り、巨大な竜巻を発生させる。逃げようとしたハンマーヘッドアンデッドはそのまま宙に浮かび上がって行き、上空まで来たところで発生した落雷に連続で撃たれ続ける。更にその落雷は地上のショッカーライダー達にも降り注いでいた。

 

「ギシャ、シャ……シャ―――」

 

「…これで三匹目」

 

黒焦げになったハンマーヘッドアンデッドは地上に落下し、バックルが割れる。そこにカリスがラウズカードを投げつけ、無事に再封印が完了したラウズカードをカリスがキャッチする。

 

「おのれぇっ!!」

 

アンデッド逹を封印された事で怒ったSR12号が、その場から大きくライダージャンプ。そのままライダーキックでウィザードを撃墜しようとするが…

 

≪ディフェンド・プリーズ!≫

 

「な…!?」

 

「残念、そう来るんじゃないかと思ってたぜ!!」

 

≪チョーイイネ・キックストライク! サイコー!≫

 

「グ、ギャァァァァァァァァァァァァッ!!?」

 

それすらも、ウィザードにとっては想定内だった。即座に張られた風の防御壁でSR12号のライダーキックが防がれ、その直後にウィザードのストライクウィザードがSR12号のボディに叩き込まれる。SR12号が呆気なく爆散するのを見て、SR11号が舌打ちする。

 

「チッ!! ならば人質を取って…」

 

≪タカカン!≫

 

≪タコカン!≫

 

≪クジャクカン!≫

 

≪プテラカン!≫

 

「!? ぐぉ、のわぁっ!?」

 

そんなSR11号の行動を、無数のカンドロイド逹が一斉に妨害。SR11号が振り返ると、そこには眠っている少女を守るように仁王立ちしているハルカの姿があった。

 

「ぐ、貴様ぁ…!!」

 

「あら、戦る気かしら? 良いわよ。ちょうど旧世代の改造人間にも興味があったし、相手してあげる」

 

ハルカは不敵な笑みを浮かべながら、懐から取り出したロストドライバーを腰に装着。服のポケットからは『H』の文字が描かれた“ヒートメモリ”を取り出し、ハルカはそれに軽くキスをしてからスイッチを押す。

 

≪ヒート!≫

 

「さて、自分で戦うのは久しぶりね……変身」

 

≪ヒート!≫

 

「!? ぐぉぉぉぉぉぉ…!!」

 

ヒートメモリをメモリスロットに挿し込み、そのまま横に倒す。ハルカの全身が赤い熱風に包まれていき、その熱風はSR11号にもダメージを与える。

 

「…!?」

 

熱風が晴れると、そこには全身が赤色の熱き戦士“仮面ライダーヒート”の姿があった。姿は仮面ライダージョーカーに酷似しているものの、そのボディラインは女性のように細く、胸元は変身した上からでもハッキリ分かるくらいの膨らみがある。

 

「ん~、調子は良好。完璧ね……さて」

 

ヒートはその場で背伸びをしてから、SR11号を指でチョイチョイと誘う。

 

「さ、たっぷり戦いましょう。私を退屈させないでね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃…

 

 

 

 

 

 

(やれやれ、思ってた以上に面倒な事になってやがるな…)

 

刃は今、とある山の頂上に建設されている巨城“ショッカーキャッスル”の門前まで到着していた。okaka達やディアーリーズ達の知らないところで彼は山の頂上に見えたこの城を発見し、わざわざ一人で城の目の前までやって来ていたのだ。しかし敵組織の拠点を見つけたにも関わらず、未だ侵入しないでいるのには理由があった。

 

「…奴等、面倒な結界を張ってくれやがったな。俺の攻撃でも壊せねぇとか、どうなってんだ一体…」

 

刃は舌打ちしながら、城全体に張られている結界をガンと蹴りつける。彼は先程から何度もこの結界を破壊するべくジョーカーやクリムゾン、千鳥などに変身していたのだが、どのライダーシステムを使っても、この結界を破る事が出来ずにいた。

 

(結界を解除する為の鍵がどっかにあるのか? …だとしたらものすげぇ面倒な話だな…)

 

刃は小さく溜め息をつき……後ろを振り向かないまま、いつもの丁寧口調に戻る。

 

「出て来なさい。隠れて私を見張っているのは、既に分かっています」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ、気付いてたんだ。バレないように頑張ったんだけどな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数秒後、刃の下に返事が聞こえて来た。振り向いた刃の視線は、大木の後ろからひょこっと姿を現した青年を正確に捉えていた。

 

「その結界はまだ壊せないよ。少なくとも、結界を維持している装置を破壊しない限りは」

 

「…それ以前に、あなたは何者ですか」

 

「ん、俺か?」

 

刃が怪しむ中、青年は気軽に名乗ってみせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は野上幸太郎。簡単に言うなら、新しい電王ってところだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ショッカーワールドに導かれし戦士達は、、着々と邂逅を果たしていくのだった。

 


 
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