傭兵団とBFFのリンクス達
SIDE キリヤ
「襲撃?」
「あぁ、BFFの重要施設スフィアを襲撃……防衛部隊を排除しスフィアを奪え。 これが俺達が言われた任務だ」
俺の言葉に傭兵団団長のハーヴェイがミッションの説明をしてくる。
「スフィア……確か南極にあるコジマ施設でしたね。ですが何故その場所を襲撃など?」
疑問に思ったのかリリィがハーヴェイに質問する。
「さぁな、オーメルの連中の考えてる事なんざ分からんが、依頼された任務はこなす。それが俺達の役目だ………」
ハーヴェイはそう言い俺とリリィを見る。
「任務の参加は自由だ、見送るも良し。参加するも良し……って聞く意味無かったな」
俺達を見てハーヴェイは苦笑いを浮かべる。
「当たり前だ、久しぶりのミッションだ。腕が鳴るぜ!!」
俺は手を叩いて気合を入れる。
「全く、キリヤは…………」
横でリリィがやれやれといった感じで呆れている。
「話は決まったな。出撃は3時間後、それまでに準備をしておけ」
「「了解!!」」
ハーヴェイの言葉に俺とリリィは敬礼して応える。
……作戦開始時間前……
「さて、今回は二手に分かれて襲撃を行う。俺とリリィは施設の制圧、キリヤはスフィア防衛部隊の陽動と排除だ」
ハーヴェイはミッションの役割を決めてるが………
「何故ですか!!私とキリヤが何で別々なんですか!!」
「嫌………陽動にそこまで必要ないだ「ロキに何かあったらどうするんです!!」……お、おぅ」
………とまぁこんな感じでリリィがハーヴェイに文句言ってる。
ハーヴェイが狼狽えるなんて珍しいな………
「安心しろよリリィ。気をつける奴はサイレントアバランチだけ、後はヘリだけだ。 俺だけで問題ないさ」
リリィを宥める様に話す。
「しかし……」
「ハーヴェイやリリィが素早くスフィアを制圧してくれればその分俺が戦う必要は無くなる。 その為の陽動って事だ、頼む」
手を合わせてお願いする。
「直ぐに終わらせます。良いですね?ハーヴェイ」
リリィはハーヴェイにジト目で聞くと。
「あ、あぁ。素早く制圧する………頼むぞキリヤ」
威圧されながらも答えるハーヴェイ。 すまんねと心の中で謝っておく。
「作戦開始!!ネクストは出撃して」
ロザリィなら作戦開始の通信が入る。
「さて、行きますかね。雨燕……出る!!」
「ハーヴェイだ。ジャッジメント行くぞ!!」
「リリィ・マーケージ・・・・行きます!!」
作戦開始と同時に俺達は出撃する。
作戦領域付近
「さて、ここからは別行動だ。頼んだぞキリヤ」
「すぐに終わらせて援護に来ます!!それまで堕ちないでくださいね」
ハーヴェイとリリィは施設の制圧の為に進路を変える。 俺は敵の陽動と排除の為にOBを使い敵陣のど真ん中まで一気に突っ込む。
『敵襲!!やはり情報通りだ。各機、敵ネクストの排除にあたれ!!』
『馬鹿め!!たった一機で来るとはな。蜂の巣にしてやる!!』
敵さんはどうやら襲撃を予測していたようだが………
「悪いが、排除させて貰うぜ!!先ずは………」
雨燕のライフルをヘリに向けて発射、先ずは一つ。
「次!!」
QBと通常ブーストでサイレントアバランチのノーマルに接近、背後に回った所で。
「プレゼントだ!ありがたく受け取りな!」
プラズマキャノンを撃ち込む。サイレントアバランチの大口径スナイパーキャノンは近付けば当たらない……だからこそ一気に接近して叩く。
『クソ!!狙いが……距離が近過ぎる!』
『ヘリ部隊!!何やってやがる!! 』
「さてさて、一気に終わらせますか」
OBを数回に分けて吹かして接近した瞬間に俺の機体のPAが圧縮された瞬間、大爆発が起る。
PAを圧縮、放出する新しい武装AA【アサルトアーマー】だ。
これによってサイレントアバランチは全滅、ヘリ部隊もチェインガンとライフルで風穴を開けて堕とす。
「っし、 陽動はこれくらいで良いかな? リリィ達を待ちますか「キリヤー、聞こえる?」………んだよロザリィ」
リリィとハーヴェイを待とうと思った所にロザリィから通信が入る。
「ハーヴェイ達から連絡よ、もう直ぐ施設を制圧出来るみたい。後、そっちに高速で向かってる機体があるわ………恐らく敵の増援ね。報酬の値上げ交渉してみるから………そいつヤっちゃって♪」
報酬の値上げする為に敵の増援倒せって………
「金の亡者………「何か言った?」……いーや何にも。んで、増援って今更かよ………まぁいいや」
俺は敵増援が向かって来てる方角に機体を向ける。
上空から高速で向かっ来てる。恐らくネクストのOBだろう。
『サイレントアバランチは全滅か………まぁ、ネクスト相手じゃ厳しかったかな? ………さて、第二ラウンドと行こうぜ?オーギルのリンクス』
敵リンクスから通信が入り俺の前に着地する。あの機体………WG【ホワイト・グリント】………だが頭はオーメルの新型機体のライールに変更され腕もBFFの新型に変わってカラーも赤と黒のツートンに変わっている。
「……出来れば見逃してくれると有難いんだが………」
俺は敵リンクスに話し掛ける。
『お互いリンクス。んでお前さん達はオーメルから、俺たちはBFFから依頼された。つまり………』
WGモドキは両手を俺に向けて。
『逃す訳にゃ……行かないねぇ』
発砲して来た。
「だよな!!チキショウ!!』
すかさずQBで回避、チェインガンを撃ち込むが。
『おっと……あぶねぇな。 そら!!』
OBで回避しそう言いつつ背中のミサイルを撃ってくる。 回避………と思った瞬間、ミサイルが分裂して2.3発直撃する。
「!?新型の分裂ミサイルかよ!!何だあのWGモドキ!!」
『此処を襲撃したのは間違いだったな。今頃お前の仲間達はリリウムが相手してる筈さ』
リリウム…BFFの新しい女帝、リリウム・ウォルコットか!? BFFも本気かよ・・・・
そう思った時……
『キリヤ!!聞こえるか? 敵ネクストが待ち伏せしてやがった。そっちにもネクストが居るってロザリィから聞いたが……』
ハーヴェイからの通信だ。
「現在進行形で戦闘中!!こいつ、かなり出来る!!」
ハーヴェイに返しながらライフルとチェインガンを交互に撃ち込む、 WGモドキもミサイルからライフルに変更して射撃戦をしてくる。
『仕方ない、施設の制圧は諦める。今からそっちの援護に……』
『させません。貴方方には、此処で果てて頂きます。それが王大人の意思です』
ハーヴェイ達が戦ってるリンクスからの声が聞こえる。 女………しかも若い。
「そっちはそっちで撤退できる時にしてくれ。俺もすぐに撤退する」
『悪いが……逃がさんよ』
分裂ミサイルと高速ミサイルを連続で撃ってくるWGモドキ。だがな
「同じ攻撃は一回見りゃ避けれるんだよ!!」
ギリギリまでミサイルを引きつけて反対側にQB、 プラズマキャノンでミサイルを破壊し、チェインガンをWGモドキに当てる。
チェインガンが被弾したWGモドキはブースターを吹かしホバリングした状態で俺を見下ろしている。
『へぇ、やるな。 久しぶりだぜ、リリウム以外の強い奴との戦闘は』
QBて付かず離れずの距離を取ってた敵が接近して来る。
(近付いて来たらAAで……)
そう思いながらAAを充填し始め、距離に入った時。
「今だ!!」
AAを放出。 大爆発を起こす…………が。
『なるほど、考えてた事は同じって訳か………』
相手もAAでAAを相殺してきた。
それからまた距離を取り射撃戦の繰り広げる。
弾が無くなったプラズマキャノンをパージ。 相手もミサイルをパージして、OBて接近して来る。もう一度AAを使う気か。
お互いAAを充填し始め放出。爆発が起こり、徐々に視界が見えてくると。
「………」
『………』
お互いのライフルがコクピットに向けられていた。
『……お前、強いな。出来たら今度は味方で会いたいもんだ』
敵リンクスからの通信に。
「賛成だな。アンタが味方だったら頼もしそうだ」
俺も答える。すると
『……リリウム、悪い。機体がおかしい……迎え頼むわ』
WGモドキがライフルを降ろし片膝を付けてしゃがむ。
「?」
その行動を疑問に思っていると。
『今の内に退くなら退きな。 機体の調子がおかしいんだよなぁ』
恐らく俺たちを逃がすための嘘だろうが………
「今はアンタの行動に感謝するよ。出来れば今度は仲間で戦いたいな」
『奇遇だな、俺もだ』
俺達はお互いに話し終わると。
OBで離脱した。作戦は失敗だが、オーメルの奴らも情報が無かったんだ、少しくらいは報酬貰ってやる。
BFFリンクスSIDE
『レイ、ご無事ですか?そちらに向かいます。それと、敵ネクストを逃してしましました』
『頼む、俺も逃しちまったから気にすんなよ。王のジジイに何言われるか分からんがな……』
『王大人に聞かれたら怒られますよ?』
『構やしねぇよ。 さて、あのリンクス……もう一回会いそうな気がするな……』
『レイ?』
『ん? あぁ、スマンスマン。もう直ぐ来るか?』
『見えました………戻りましょう。レイ』
『あぁ』
BFF側のネクスト二機はそう呟きながら施設へ戻って行った。
BFFリンクスSIDE OUT
キリヤSIDE
「……これはまた、随分派手にやったなぁ。坊主」
基地に戻った俺たちに整備主任のルーク・ファルト。通称ファットマンが俺に言う。
「敵のリンクスが予想以上に強かったからな。派手にやっちまった……」
俺は自分の機体を見上げる。装甲は所々欠け、ブースターは焼け付き寸前だった。
「まぁ、機体自体は直せるから問題ないが………お前さんは替えは効かん。自分の身体を大切にしな」
ファットマンはそう言うと部下に機体の整備と調整を命じてる。
「お疲れさん、キリヤ。予想外の敵さんのせいで作戦は失敗しちまったが、スフィアの防衛部隊にダメージを与えたお陰で報酬が貰えたぞ」
ハーヴェイが俺に言ってくる。
「アタシとしては、もっとお金欲しいんだけどね」
腕を後ろに回しながら近づいてくるロザリィ。
「まぁ、あのリンクスは強かった。出来れば次は会いたくないな」
「まぁ、今回は仕方ないさ。
だが、次は失敗出来ない………俺達はクライアントからの報酬で飯を食えてるんだからな」
「分かってるさ。だが、あのリンクスともう一度会いそうな気がするんだ………」
「それは勘か?」
「まぁ、そんな気がするだけさ」
キリヤとレイ。2人のリンクスが再び会う事になるとは…………まだ誰も予想していなかった…………
Tweet |
|
|
3
|
0
|
追加するフォルダを選択
今回は違うリンクス達の話。
設定通り書けてるか不安