No.766638

九番目の熾天使・外伝 ~vsショッカー残党編~

竜神丸さん

レッツゴー・ショッカーワールド

2015-03-24 14:40:55 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1637   閲覧ユーザー数:1004

これは、とある任務の話…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――!? 団長、今何て…」

 

「む、聞こえなかったか?」

 

楽園(エデン)の団長室にて、okakaはクライシスから衝撃の一言を告げられていた。

 

「大ショッカーの残党が動き出してる…!?」

 

「あぁ。君達には即刻、その残党を殲滅しに向かって欲しい」

 

彼はげんぶのメンバー候補調査に向かった際、二人で共に大ショッカーと敵対した事がある(この時は彼等だけでなく、竜神丸や世界の破壊者、とあるコソ泥も一緒に戦ったのだが)。その時は無事に大ショッカーを撃破する事に成功したのだが、まさかその大ショッカーの残党が生き延びていたなど、okakaからすればとてもじゃないが驚きを隠せるような事ではなかった。

 

「しかも今回の件は、少しばかり妙な事になっていてな」

 

「妙な事?」

 

「とある一つの世界に、あらゆる次元世界から色々な物が引き寄せられつつある」

 

「色々な物、ですか…」

 

「あぁ。それに街や村、山などの地形、そしてその世界の住人達……そういった物達が、一つの世界に次々と引き寄せられ、取り込まれていっている」

 

「!? それって一体…」

 

「今のところ、原因はまだ不明だ。だが一通り調べてみたところ、その取り込まれた次元世界は怪人が存在している世界、仮面ライダーが存在している世界などがほとんどで、我々の知る魔法が存在している世界は含まれていないようだ。つまりだ……もう分かるな? 私が今から言おうとしている事は」

 

「…ライダーシステムだけで戦え、ですね?」

 

「理解が早くて助かるよ」

 

それを聞いて、okakaは思わず溜め息をつかざるを得なかった。実は前回の大ショッカー戦でも、ライダーシステム以外の能力や兵器は使用を禁じられていたのだ。今回もまた同じ条件で戦わなければならないと分かり、これから先の苦労を考えて溜め息をついてしまうのは仕方の無い事である。

 

「お前達は既に何度かこういった任務をこなしていっているだろう? 言っておくが、今更お前達に拒否権など存在せんぞ」

 

「それはもう分かり切ってる事です……となると、今回同行するメンバーは…」

 

「あぁ、ライダーシステムを有しているメンバーだけを連れて行け。ちなみに中には既に別の任務に向かってるメンバーもいるだろうからな。もし同行出来そうなメンバーが一人もいなかった場合は……まぁ、その時は私の方から同行者を寄越すさ」

 

「際ですか……分かりました、任務に向かいます」

 

つまり、同行出来るメンバーが少ない場合は諦めてその人数だけで向かえ、という事である。最近は団長の人使いも若干だが荒くなってきてるんじゃないかと、思わずそう考えざるを得ないokakaなのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、ひとまず同行出来そうなメンバーを当たって行ったokakaだったが…

 

 

 

 

 

 

 

「げんぶさんなら、既に他の任務に向かってる最中ですが」

 

「はぁ、駄目か…」

 

げんぶは既に別の任務に向かっていた為、残念ながら今回は同行不可能である事が竜神丸の口から告げられた。こういった任務には縁があるだろうと思っていたokakaは仕方ないと思いつつ、次は竜神丸に同行出来ないかどうかを尋ねたのだが…

 

「私ですか? 残念ですが、私も調査任務で忙しいので」

 

「あぁそうかい…」

 

竜神丸にも断られてしまい、幸先の悪いスタートを切ってしまうokakaだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、断るメンバーばかりでないのも確かで…

 

 

 

 

 

 

 

 

「大ショッカーの残党か……分かった、俺も向かうとしよう。どうせ今日の食事は他のスタッフに任せる事になってたからな。ユイとジンバも一緒に行くけど良いか?」

 

「サンキュー、助かるぜ」

 

支配人とユイ、この二人は同行する事を許可してくれた。ひとまずは協力者が出来た事にokakaも一安心し、次に誰か同行出来そうなメンバーがいないか支配人に問いかけてみる。

 

「なら刃の奴はどうだ? アイツもクリムゾンの能力が使えるし、確かロストドライバーも使ってた筈だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「分かりました。私もそれに同行しましょう」

 

「おう、頼むぜ刃」

 

結果、この日に任務が無くて退屈そうにしていた刃も同行する事になった。協力者がジンバを入れて四人に増えた事を素直に喜ぶokakaだったが、そんな彼に対して刃は気になっていた事を問いかける。

 

「ところでokakaさん……ZEROの野郎はいねぇだろうな?」

 

「あぁ~……安心しろ。アイツを連れて行くのは俺としても不安だからな」

 

「OK、それなら問題ない」

 

どんだけZEROと仲悪いんだよコイツ。いきなり口調が乱暴になった挙句、ZEROが同行しない事を聞いて満足そうにしている刃の表情を見て、okakaは苦笑いせざるを得ないのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に…

 

 

 

 

 

 

 

「わ、分かりました……僕も向かいます…」

 

「おう、ありがたいんだが……昨日は色々忙しかったようだな」

 

「い、言わないで下さい…」

 

ディアーリーズもまた、任務に同行してくれるようだ。しかしokakaの言葉通り、彼は昨日までディアラヴァーズの皆さんと仲良くお楽しみだった(・・・・・・・)ようで彼の顔は微妙にやつれており、今は精力剤を飲んで回復中のようだ。

 

「取り敢えず、ハルトさんも一緒に連れて行きます」

 

「よし、これで協力者は六人か。ひとまずはこの人数で行くか…」

 

「六人じゃないわ、七人よ」

 

その時、二人の背後から聞こえない筈の女性の声が聞こえて来た。その声を聞いたディアーリーズはピシッと動きが凍りつき、まるで壊れたロボットのようにギギギと首を後ろへと向けて行く。

 

「あら、どうしたのウル?」

 

「ハルカザン……ナズェココニイルンディス…?」

 

白衣に身を包んだ紫髪の女性―――ハルカがそのふくよかな胸を張った状態で立っているのを見て、ディアーリーズは引き攣った笑みを浮かべる。

 

「台詞が変な感じになってるのは何故かしらね。そんなに私の事が嫌いかしら?」

 

「いや、嫌いって訳じゃないですけど…」

 

「なら別に良いじゃない。それにアンタ、他の娘達とお楽しみ(・・・・)だったそうじゃない? 人が研究で忙しくしてるのに、仲間外れなんてあんまりだと思わない?」

 

「う……そ、それは…」

 

「せっかくだから私も連れて行きなさいよ。私を仲間外れにした事を、悪く思ってるのならね」

 

「…はぁ。分かりました、ハルカさんも一緒に来て下さい」

 

「そうこなくっちゃ……という訳でokaka、私もその任務に同行するわ。文句は言わせないわよ」

 

「ははは……まぁ今回の件については、人手が多い方が助かるしな。ご協力よろしく」

 

「ふぁぁ……ん? 何やってんだ?」

 

ハルカの同行も許可するokaka。ちょうどそこに通りかかったハルトはまだ今回の任務について何も聞かされていない為、ハルカの楽しそうな表情を見て首を傾げる。

 

 

 

 

 

 

okaka、支配人、ユイ、ジンバ、刃、ディア、ハルカ、ハルト。

 

 

 

 

 

 

結果としてこの八人のメンバーが集結し、今回の任務へと向かう事になるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――で、その色んな物が取り込まれた世界―――だっけ? そこにはどうやって行くんだ?」

 

「オーライナーに乗って行けば問題ないさ。全員、乗ってくれ」

 

「ふぅん、随分と立派な列車ね…」

 

支配人が呼び出した時の列車―――オーライナーに次々と乗り込んでいくメンバー達。全員が後部車両へと乗り込んだ後、コックピットに移動した支配人はベルトを腰に装着し、ライダーパスをベルトに翳す。

 

「変身」

 

≪Cavalry Form≫

 

支配人は仮面ライダー王騎(オウキ)へと変身。コックピットにセットされているバイク―――マシングラーネのキーボックスにライダーパスを差し込んでからマシングラーネに搭乗し、オーライナーを起動させる。

 

「さぁて、向かうとするかね」

 

王騎の操縦するオーライナーは線路の上を走り出し、空へと昇って行くかのように時空の彼方へと消え去って行くのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある世界、とある街中…

 

 

 

 

 

 

 

「キャァァァァァァッ!?」

 

「ば、化け物だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

「ギャーッハッハッハッハァ!! 逃がしはしねぇぞ、人間共ォ…!!」

 

「「「「「イィーッ!!」」」」」

 

街の住民達が逃げ惑う中、アームズ・ドーパントは下品な笑い声を上げながら左腕の機関銃を乱射し、更には手下のショッカー戦闘員達を率いて暴れ回っていた。アームズ・ドーパントの繰り出す射撃で建物が次々と破壊されていき、街は阿鼻叫喚となっている。

 

「ゲートを探し出せぇ!! 我等が大首領様に、より多くのゲートを献上するのだぁっ!!」

 

そんな時だ。

 

「イーッ!?」

 

「「「「「!?」」」」」

 

一体のショッカー戦闘員が、白スーツに白い帽子を被った男によって殴り倒された。それに気付いたショッカー戦闘員達が男に襲い掛かろうとするも、男はショッカー戦闘員達の繰り出す攻撃を巧みにかわし、一体には裏拳を炸裂させ、別の一体には華麗なシンバルキックを炸裂させる。

 

「ぬぅ、何だテメェは!!」

 

「おいおい……名前を聞く時は、まず自分から名乗るものだ。親から教わらなかったか?」

 

「はぁ? ふざけてんのかゴラァ!!」

 

「ふ…!」

 

「んな、うごぁっ!?」

 

アームズ・ドーパントは機関銃を乱射するも、男はそれすらも前転で回避し、アームズ・ドーパントの腹部を蹴りつけてから再び立ち上がる。

 

「随分とまぁ、血気盛んな奴だ。注意されたくらいで逆ギレするとは…」

 

「ぐ、テメェ…!!」

 

「それから……お前に一つ教えてやろう」

 

男は被っていた帽子のつばを掴み、帽子の下からその目を露わにする。その目は微塵も恐れを抱いておらず、それどころかとてつもなく威厳の篭った目をしていた。

 

「撃って良いのは、撃たれる覚悟がある奴だけだぜ…?」

 

「アァン!? テメェ、何様のつもりだぁ…!!」

 

「俺か? 俺は…」

 

男は赤いベルト―――ロストドライバーを腰に装着する。

 

「!? テメェ、まさか…」

 

アームズ・ドーパントが驚愕する中、男は一本のガイアメモリを取り出す。それは、頭蓋骨を模したような形をした『S』の文字が描かれた“スカルメモリ”だった。

 

≪スカル!≫

 

帽子を左手に取った男は、スカルメモリを起動してからロストドライバーのメモリスロットに挿し込む。

 

「鳴海荘吉。ただのしがない探偵さ……お前達のような、街を泣かせる悪党を成敗する為のな」

 

≪スカル!≫

 

「変身…」

 

そしてメモリスロットを倒し、男―――鳴海荘吉(なるみそうきち)は黒いボディと髑髏頭が特徴の戦士“仮面ライダースカル”への変身を完了。左手に持っていた帽子を髑髏頭に深く被り直す。

 

「か、仮面ライダーだとぉ!?」

 

アームズ・ドーパントは先程までの余裕が消え失せ、ショッカー戦闘員共々後ずさる。スカルはアームズ・ドーパント逹を右手で指差し、そして言い放つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、お前の罪を……数えろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、とある山の中では…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あぁ…ぁ…」

 

「クッハッハッハッハ……もう逃がさんぞ、小娘」

 

「「「ググググググ…」」」

 

トンネル前にて、一人の少女が怪人達によって追い詰められていた。少女を追い詰めているのはファントムであるミノタウロス、そして三体のグールがミノタウロスの後ろに控えている。

 

「お前は貴重なゲートだ。我等が大首領様に、丁重に捧げるとしよう…」

 

「「「グググッ」」」

 

「い、いや、離して…!!」

 

ミノタウロスの指示で、グールが少女を無理やり連行しようとする。少女は必死に抵抗するが、力の弱い彼女と怪物であるグール達とでは力の差は歴然だった。

 

(嫌だ……嫌だよ……お父さん、お母さん…!!)

 

これから先、自分に待っているのは碌でもない末路。少女は自分の運命を呪いながら、恐怖のあまり必死に目を瞑ろうとした……その時だった。

 

 

 

 

-ズバンッ!!-

 

 

 

 

「「「ググッ!?」」」

 

「な、何だ!!」

 

(…え?)

 

少女を連行しようとしていたグール達を、一本の斬撃が纏めて斬り倒した。突然の事態にミノタウロスが慌てふためき、目を瞑っていた少女は何が起こったのか分からず、恐る恐るその目を開ける。そんな彼女が、一番最初に目にしたのは……二本の長い触角を生やし、そして右手に一本の剣を構えた青色の怪人だった。

 

「だ、誰…?」

 

「……」

 

青色の怪人は何も答えず、少女を庇うかのようにミノタウロス逹と対峙する。見た目は両者共に、恐ろしい怪物である事には違いない。それにも関わらず…

 

(あぁ……あったかい…)

 

目の前にいる青色の怪人に対し、少女は少なからず頼もしさを感じ取っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここはショッカーワールド。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ショッカーが作り出した、地獄のような世界である。

 


 
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