~光牙side~
「………………」
ドーモ=皆さん。光牙デス。
前回、学園に入学した僕は席に案内され、今は授業が始まるまでの休み時間です。
……しかしこの状況、どうにかならないもんですかね。
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
「「「「「「「「…………」」」」」」」」
ベーオ1よりどっかにいるか分かんないけどCP(コマンドポスト)。報告いたします。現在、この一年一組の女子の視線の全てが、僕に向かって絶賛照射中であります。しかも教室の外には他の学年らしき生徒も確認され、それもです。
物理的な効果があるなら僕は全身蜂の巣か大火傷状態ですよ……。
しかも、僕の席は何の因果か真ん中の列の一番前というド注目を浴びる場所。
……はっきり言おう。辛いし鬱陶しい事この上ないです!
「(想像以上にキツイんですがこれは……)」
僕が周囲にいる女子を見れば、目を合わせた途端に相手はビックリした様な表情になり、離れていったり、近くの女子と何やら話している。他の所も似たようなもの。
まあ男性操縦者というある意味“異端”が来たのだからこれが当然かもしれないな。僕はどちらかと言えば元から異端だけど。
……いやでもね。言いたいことあるなら言って。遠巻きに見られながらの視線集中砲火はマジで辛いんだから!
「(ヒットポイントがゼロにされるわ……)」
そんな事を考えていると、隣からの声が耳に入って来た。
「あ、あの〜」
「ん?」
声がした方を見ると、茶色い髪の女子がいるではないか。
「私、谷本慶子っていいます。滝沢君の隣の席なんだけど」
「あぁどうも」
隣の席の人だったのか。自己紹介しなきゃ。
「滝沢光牙です。よろしく」
「う、うん。よろしくね!」
そう言って挨拶を交わす。よし、少しは気持ちが楽になった……。
――ドドドドドドドドドドド……!
ん? なんかジョジョみたいな効果音が聞こえてくるぞ。
空耳? と思い振り向くと――
『『『『『滝沢君!!!!』』』』』
「ファッ!?」
なんか女子の大群がこっちに詰めかけてきたではないか!!
「ちょ、きゃぁぁぁぁぁぁ!?」
「ドワォォォォォォォォォ!?」
僕と谷本さんは向かってくる女子の大群に飲み込まれる。大勢の中でもみくちゃにされ抗えず、翻弄され、踏まれ、やがて息が出来なくなっていった……。
IS ゲッターを継ぐ者
完
「――いや死んでねぇよ!?」
なんだよこれ!?
なんか降りてきたタイトルコールと完の文字を殴り壊した。こんなんで終わるかこの小説!!
「う〜〜〜」
僕の隣にいる谷本さんは顔を赤くし唸ってる。
真実はこうだ。女子が詰めかけた(谷本さんが声をかけて、一斉に声をかけにきた)時に僕は咄嗟に谷本さんを抱え、教室の中を大ジャンプして隅っこに着地したんだ。
それで一息ついたかと思ったけど、僕は谷本さんが顔を赤くしているのに気付き、その態勢が俗に言う『お姫様だっこ』だというのに気付いて慌てて下ろしたんだけど、それをバッチリ他のクラスメイトに見られてしまってて……。
一通り自己紹介された後、ニヤニヤされながら見られている今に至る。
「だ〜〜」
机に突っ伏し、唸らずにはいられない。なんだこの公開処刑みたいなのは。というか初日から何目立ってんだよもう……。
既におっくうになりかけてきたその時。
「ちょっと、よろしくて?}
谷本さんの席とは反対の方から声が聞こえ、顔を上げると、金髪の女子が立っていた。
……いや、だから誰?
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第六話です。