No.764480

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第578話

2015-03-15 00:06:05 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1468   閲覧ユーザー数:1371

 

~エルベ離宮~

 

「あ……っ!貴方達は……!」

「………”特務支援課”。それに”闘神の息子”も。」

「この人達がみんなの話に時々出て来た”特務支援課”………」

ロイド達の登場にエリオットは声をあげ、フィーの呟いた言葉を聞いたゲルドは目を丸くしてロイド達を見つめた。

 

「いい加減、その呼び名は止めろっつーの。」

「フフ、久しぶり……という訳でもないわね。」

「”Ⅶ組”の皆さんも警備担当として呼ばれたんですか?」

フィーの言葉にランディは疲れた表情で答え、エリィは苦笑しながらアリサ達を見つめ、ティオは目を丸くして尋ねた。

「ええ、そんな所よ。そういうアンタたちもかしら?」

「はい。そう言えばエイドスさんが今回の会談に公式な立場で参加しましたけど、やっぱり皆さんがあの人を説得したからですか?」

サラ教官に尋ねられたロイドは答えた後ある事を思い出して尋ねた。

 

「はい。ユミルに女神様がいるという情報を教えてくれた皆様のおかげです。」

「あのふざけた女神の居場所の情報を提供してくれた事には感謝している。」

「……まあ、この会談に出席してもらう際の”試練”を受けさせられたがな。」

「しかも、それ以外にも色々と条件を呑む羽目になったしな……」

エリスはロイド達に会釈をし、ユーシスは静かな表情で答え、ガイウスは苦笑しながら答え、マキアスは疲れた表情で呟いた。

「”試練”ってまさか……」

「ヴァイスさん達が皆さんに受けさせたような”試練”ですか?」

ガイウスの答えを聞いてある事を察したエリィは驚き、ティオは目を丸くして尋ねた。

 

「そうだよ~。しかも君達の元”仲間”とも戦って苦労して勝ったんだからね~。」

「俺達の元”仲間”ってまさか……!」

「ワジとも戦ったのかよ!?」

ミリアムの答えを聞いたロイドは驚き、ランディは信じられない表情で尋ねた。

「他にはエイドス殿の父親であるアドル殿と先祖にあたるナユタ……どちらも相当な使い手だった。」

「え……あの二人とも戦ったのですか……!?」

「す、凄いわね……二人ともかなりの使い手なのに。」

ラウラの答えを聞いたティオとエリィはそれぞれ驚きの表情でアリサ達を見つめていた。

 

「それにしても焦りのあまり、あんな行動を取ってあのハチャメチャ女神達を怒らせたリィンには笑ったわよね~♪」

「サ、サラ教官……」

「へ……」

「エイドス様達を怒らせるって……一体どういう行動をしたのかしら?」

からかいの表情をしているサラ教官の言葉を聞いたエマが冷や汗をかいている中、ロイドは呆け、エリィは不思議そうな表情で尋ねた。

 

「………エイドス達が露店風呂に入っている所をあの男が突撃したのよ。」

「ええっ!?」

「何ィッ!?」

「エ、エイドス様達が入浴している所に突撃って……」

「………とんでもないです。」

呆れた表情をしているセリーヌの答えを聞いたロイドは驚き、ランディは厳しい表情で声をあげ、エリィは表情を引き攣らせ、ティオはジト目で呟いた。

 

「まあその後に”女神の裁き”とやらを受けたようだがな。」

「しかも女神様達に説教までされていたよね、リィン……」

「まあ、あれは仕方ないだろう。」

ユーシスは静かな笑みを浮かべ、苦笑するエリオットの言葉にマキアスは呆れた表情で頷き

「むしろ兄様には足りないくらいでしたね。」

「そうよね……!私達があれだけ説教したのに全然懲りていないし……!」

「ま、まあまあ……話によるとお兄様は物理的な裁きまでも受けたのですから、エイドス様達の入浴姿を見てしまったという罪に対する償いはしたと思いますわよ?」

「そ、そうですよ。あれに懲りてリィンさんももう2度としないと思いますよ?…………恐らくですが。」

顔に青筋を立てているエリスとアリサにセレーネとエマは苦笑しながら諌めていた。

 

「ぶ、”物理的な裁き”って……」

「ま、まあ普通に考えて女性が入浴している所を突撃したのだから、そのくらいの罰はあっても仕方ないわよね。」

「へっ、ざまあみろ!リア充野郎が!ようやく女神からの天罰を受けたようだな!」

「そういう意味での天罰ではないのですが。」

一方エイドス達がリィンにやった事を察したロイドは表情を引き攣らせ、エリィは大量の冷や汗をかいて苦笑し、得意げに声をあげるランディにティオは呆れた表情で指摘した。

 

「あ。そう言えばロイドさんとエリィさんに一つ言い忘れていた事があったわ。」

「へ。」

「わ、私とロイドに?」

アリサの言葉を聞いたロイドは呆け、エリィは戸惑いの表情をした。

「婚約おめでとう。エリィさんがつけているその指輪が婚約指輪なのよね?」

「なあああああああっ!?」

「ど、どどどどうして、その事を……!?」

アリサの言葉を聞いた瞬間ロイドと共に顔を真っ赤にしたエリィは混乱しながらも咄嗟に指輪を付けている手を隠して尋ねた。

「アハハ……えっと、ロイドさん達のかつての仲間の方―――ワジさんからお二人の関係を教えてもらったんです。」

「ちなみにあんた達が”一線”を超えた関係である事も教えてくれたわよ~?」

「「ワジ(君)ッ!!」」

苦笑するセレーネと口元をニヤニヤさせるサラ教官の言葉を聞いた瞬間この場にはいないワジを思い浮かべたロイドとエリィは声を上げ、その様子を見ていたその場にいる多くの者達は冷や汗をかき

「ったく、相変わらず趣味が悪いな……」

「ワジさんがリィンさん達に二人の婚約等を面白おかしく教えている様子が目に浮かびますね。」

ランディは疲れた表情で溜息を吐き、ティオはジト目で呟いた。

 

「クスクス………えっと、”キーア”っていう娘はいないの?その娘にお礼を言おうと思っていたのだけど……」

「え……キーアに”お礼”、ですか?」

「というか貴女は前の”特別模擬戦”の時には見かけませんでしたが……」

ゲルドの質問を聞いたロイドは目を丸くし、見覚えのないゲルドに気付いたティオは不思議そうな表情をした。そしてアリサ達はゲルドの事情を説明した。

 

「ええっ!?じゃ、じゃあケルディック焼き討ちの未来を予知してプリネさん達に教えたのは貴女の事だったの!?」

「未来を見る力―――”予知能力”ってどんだけチートなんだよ……って、そうだ!ゲルドちゃんだったか?その予知能力とやらで俺の未来の奥さんもわかるか!?」

事情を聞き終えたエリィは驚き、ランディは疲れた表情で呟いた後ある事に気付いて真剣な表情で尋ねた。

「おい、ランディ……」

「図々し過ぎです。」

ランディの行動にロイドとティオはそれぞれ呆れた。

 

「……………………!えっと、ランディさん以外の特務支援課の人達は少しの間だけ私の近くに来てもらえるかしら?」

ランディをジッと見つめていたゲルドはロイド達に声を掛け

「?はい。」

「えっと、ランディさんが結婚する相手の名前は………………」

ゲルドは自分に近づいてきたロイドとエリィ、ティオに小声である答えを口にした。

 

「ええっ!?あ、あの人が!?」

「ですがあの人なら納得ですね。」

「フフ、そうね。」

ゲルドの答えを聞いたロイドは驚き、ティオとエリィは微笑ましそうにランディを見つめ

「えっと、ゲルド……もしかして……」

「ランディさんの未来の伴侶をロイドさん達にだけ教えたのか?」

ロイド達の様子を見て何かを察したエリオットは冷や汗をかき、ガイウスは苦笑しながら尋ねた。

 

「うん。本人には言わないようにってちゃんと念押しはしたわ。」

「何っ!?おいロイド、お嬢、ティオすけ!俺の奥さんは一体誰だ!?ヒントでもいいから教えてくれ!」

ゲルドの答えを聞いて驚いたランディは真剣な表情でロイド達に尋ねたが

「え、えっと、それは……」

「フフ、ヒントを言ったら答えになってしまうから、言う訳にはいかないわ。」

「そうですね。ランディさんがその人と結婚した時にネタバレしてあげますよ。」

「畜生~!そんな言われ方をしたら余計気になるじゃねえか~!」

ロイド達はそれぞれ答えを誤魔化し、ロイド達の答えにランディは悔しそうな表情で声をあげた。

 

 


 
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