絡繰人間7号の自爆による爆発、及び爆風から命からがら生き延びることに成功した一刀と少女
ところが、少女の口から出てきた衝撃の内容に一刀は思わず絶句と驚愕に支配される
そして、遂に
物語が進み出すっ!!!
第一章‘新たなる来襲’
一節 情報共有、そして……
一刀「………………」
ゴオッッ!!
??R「………………」
ゴオッッ!!
今、一刀と少女は成都の城へ戻るべく全力の『龍走』をして空中を飛行していた
2人の間に会話はなく沈黙が訪れている
2人の耳に聞こえているのは風を斬る音のみ
しかし、頭の中では先程少女から伝えられた『衝撃の事実』しか考えていなかった
だが、ここで遂に少女が口火をきる
??R「あ、あのぉ…………?」
一刀「ん?何だい?」
一刀は『龍走』をしながら首を曲げて少女を見る
??R「私が先程の内容を皆様に話しても、信じて頂けるでしょうか………?」
一刀「あぁ〜………やっぱり心配?」
??R「はい…………自信がないです………」
少女は頭を垂れて、しょぼくれる
一刀「う~ん……まぁ、確かにね………
俺も最初は半信半疑だったけど………でも、信じるよ」
??R「……………」
少女は顔を上げて一刀を見る
一刀「まずは話そう
そして信じてもらえるように説得しよう」
一刀は微笑んで少女を勇気づける
??R「………………はいっ!!!」
少女は笑顔で頷く
一刀「うん、いい顔になったね」
一刀も笑顔で頷いた
一刀と少女は再び前を向き、成都の城を目指した
暫くすると成都の城が見えてきた
一刀と少女は少し離れたところで大陸に降り立ち、走り出す
一刀「通るよ門番さん!!!ご苦労様っ!!!」
門番A「こ、これは御遣い様!!!
どうぞお通り下さい!!!」
複数いた門番は一刀の通過に慌てふためき、バラバラにだが敬礼をする
少女もその後に続く
??R「お疲れ様です!!!失礼します!!!」
一刀と少女は早々と走り去って行った
………………
………………………
因みに
門番A「…………あの女性は誰だ?」
門番C「分からんが、御遣い様の後をついて行くとなると御遣い様のお知り合いだろう」
門番D「もしかして、新しい后様とか?」
門番全員「「「あ、ありそうだ……………」」」
門番達は他愛もない会話をしていたようだ
……………
……………………
場面は戻って一刀と少女は城下町を走っていた
え?何故『龍走』で飛んで城に行かないのかって?
実は管理者達が住みついてまだ半年しか経っていないうえ、重鎮達は『龍走』や『空走』が出来ていてもあくまで人間
それなのに城下町をブンブン飛んでいたら流石にマズイ為、まだ説明していないのだ
一刀「確かこの辺りで絡繰人間と遭遇したんだよな…………」
??R「こんな街の真ん中でですか……………?
下手をすればこの街そのものが無くなるところでしたよ」
一刀「判断に誤りはなかったな、そう考えると」
と、そこへ
愛紗「っ!!!あの御姿は!!?ご主人様ーーーーーーっ!!!」
凪「隊長ーーーーーーっ!!!」
道で民達を落ち着かせていた愛紗や凪、翠達が駈けつけてきた
一刀「皆、無事か!!?」
真桜「そりゃ、こっちの台詞やで隊長!!!」
愛紗「真桜の言うとおりです!!!お怪我はありませんか!!?
あの輩は何処へ!!?」
星「主、何があったのか説明して戴きたい」
次々と一刀に問い詰めていく愛紗達
だが、一刀は凛として
一刀「落ち着いてくれ!!!一先ず、重鎮達全員を玉座の間に集めてくれ!!!
一刻を争う!!!大至急だ!!!」
この一言で一蹴した
愛紗「ぎょ、玉座の間ですね!!?」
翠「それから説明してくれんのか!!?」
一刀「勿論だ!!!頼む、皆!!!」
一刀はその場にいた全員を見る
全員「「「「御意っ!!!」」」」
一刀「よし!!!俺達は先に城へ向かう
行こう!!!」
??R「はいっ!!!」
一刀は少女と共に城に向かおうとする
愛紗「お、お待ち下さい!!!」
愛紗は慌てて一刀の袖を握る
一刀「え??何?」
一刀はキョトンとして振り向く
愛紗「ご主人様のお側にいるその者は何者ですか!!?説明して戴きたいっ!!!」
愛紗は少女に指を指す
少女はワタワタと慌てふためく
??R「えっと!!あの……その………!!!」
一刀はそれを手で制して
一刀「それも玉座の間で必ず説明するから………
今は時間が惜しいんだ」
一刀の真剣な眼差しで愛紗は渋々頷く
一刀「ゴメンな、愛紗……………」
一刀は愛紗の頭を撫でながら謝る
愛紗「い、いえ…………〃〃」
愛紗を頬を赤く染める
一刀はすぐさま城の方角を向いて
一刀「それじゃ、頼む!!」
走り去って行った
??R「申し訳ありません!!!お願い致します!!!」
少女も頭を下げて、その場から去って行った
……………
………………………
星「ふむ、主は愛紗だけ依怙贔屓をして行ってしまったな」
翠「全くだよ…………」
真桜「って、そんな悠長な事言ってる場合じゃないですやん!!!」
凪「そ、そうです!!!早く集合しましょう!!!」
沙和「そうなの〜!!!」
その場いた重鎮達も急いで走り出した
それから暫くしてからの玉座の間
話を聞きつけた大陸の重鎮達全員は玉座の間に集まっていた
勿論のこと、重鎮達は集合してから次々と一刀を質問攻めにした事は言うまでもない
なので、そこは省略する
因みに少女はこの場にはいない
華琳「全員集まったわよ、一刀」
華琳は一度、振り向いて玉座の間全体を見渡してから、玉座に座っている一刀に言う
一刀「………………」
一刀は無言で頷いてから玉座から立ち上がる
表情は真剣そものだ
一刀「皆に集まってもらったのは他でもない
先程の地震と警邏中に巻起こった騒動についての事を話しておきたくてね」
全員は無言で頷く
今までにない緊張感が玉座の間に訪れる
一刀「先程、警邏中に妙な輩が俺を炙り出す為に騒動を起こしていたんだ」
蒲公英「ご主人様を探していたの?」
蒲公英は首を傾げて聞き返す
一刀「あぁ………そこまではよかったんだが、その輩は『龍走』や『気力破』、挙句の果てには『体気吸収』まで行ったんだ」
一刀は淡々と話していく
秋蘭「なんと…………気の技をか?」
一刀「あぁ、そこで城下町に被害が出ないように、俺はその男を誘導して遠く離れた荒野へ移動したんだ」
于吉「なる程、だから気に動きがあったんですね………」
于吉は腕を組みながら頷く
一刀「その後、戦闘を始めたんだが手合わせをする前から気づいていたんだけど、かなり手強かった」
春蘭「一刀でもそいつは強かったという事か?」
春蘭の質問に一刀は無言で頷く
一刀「実力は俺とほぼ五分五分………
一進一退の戦闘が続いたんだが、奴は遂に本気を出してきて形勢は完全に奴にまわってしまったんだ
それにより、俺は押されてしまってかなり厳しい状況になったんだ」
重鎮達は一刀を凝視すると、あちこちに傷や血がこびりついているのに気づく
『龍走』をしている間に自ら『癒療』を行い回復していたのたが、完治するには時間が足りなかったようだ
思春「つまり、それらの傷はその者につけられたということか………」
思春は目つきを鋭くして呟く
それは確実に一刀を傷つけた事への憤りに感じとれる
一刀「うん、けどその後『鷹狼虎龍』を発動して形勢逆転を成し遂げ、倒す事に成功した
だけど、最期に奴は俺を道連れにしようと自爆してきたんだ」
冥琳「それが先程の爆発と地震の正体か…………」
冥琳は眼鏡を掛け直し、腕を組んで唸る
一刀「あぁ……………そして、俺を襲った奴の名は『絡繰人間7号』………
とてつもない科学力で構成された人型の兵器だ」
愛紗「絡繰………人間………」
一刀の口から遂に『絡繰人間』という単語が放たれた
全員「「「「…………………」」」」
そして、その単語が出た瞬間に全員の目が一人の人間に集中する
真桜「…………………な、何ですかいな?」
言わずと知れた大陸の発明王、又の名を『三国志のエジソン』こと真桜だった
沙和「絡繰と言ったら真桜ちゃんしかいないの〜」
凪「おい、真桜…………事と返答次第じゃ絶対に許されない事だぞ?」
一部分の武将は鋭い目つきをして、僅かにだが得物を構える
最も慕っていた部下の一人が開発した絡繰が一国の主を襲撃………
斬首10回でも免れない程の重罪だ
それが例え誤動作であったとしても
真桜「ちょっ!!?待って下さいよ!!!!
流石にウチでも隊長と五分に闘える程の絡繰を造れる訳ないやないですか!!!
しかも、それ人型で気をも操る程のモンでしょう!!?
ウチにそこまでの知識と腕は残念ながらないで!!?」
真桜はかなり慌てて弁解する
明命「た、確かにそうですね………」
桔梗「ですがな…………疑いたくはないが、左慈や于吉から聞いたという線はないですかな?」
桔梗のその発言に左慈は溜息をつきながら言う
左慈「んなもん聞かれたこともねぇし、言ったこともねぇ」
于吉「申し訳ありませんが、もしそれを言ったならば歴史の流れが変わってしまいます
私達否定穏便派は過激派と違い、自ら外史を滅ぼすようなことは致しません」
于吉も真剣な表情で言う
一刀「勿論、俺も真桜はやってないと考えている
なにせ絡繰人間の構造は、この時代の人間には製造不可能の知識が関わっているからね」
真桜はホッとするが、自分にない技術力と言われて何とも言えない表情となる
華琳「じゃあ、誰が一体どういう理由で一刀を襲撃させるのよ?
私達では製造不可能の兵器を差し向けるなんて簡単に出来る事ではないわ」
卑弥呼「ご主人様の話を聞く限り、高度な科学技術と冷徹で残酷極まりない手口を備えた者のようじゃ」
一刀「このままの状況だと訳がわからない
そこでだ……………ここで重要参考人に登場してもらう」
一刀の発言に全員が眉を顰める
鈴々「にゃ?重要参考人って何なのだ?」
猪々子「ちょっとアタイ達には理解でないなぁ〜」
華雄「………………??」
一刀「まぁ、取り敢えず呼ぶよ………来てくれ!!!」
一刀は玉座の間から声を張り上げる
すると、玉座の間の正面扉が開き一人の女性が入室する
??R「……ど、どうも……………」
そう、一刀と共に絡繰人間7号を撃破したあの少女だ
華琳「………………誰?」
華琳は目つきを鋭くして言い
愛紗「あっ!!?貴様は先程の………!!?」
愛紗は指を指して声を上げる
少女は皆の前を汗をかき、ビクビクしながら歩き一刀の前に立つ
??R「………………」
少女の緊張はピークに達している
春蘭の怒声を諸に喰らってしまえば、それこそ泣き出してしまいそうな感じだ
一刀「……………大丈夫だから、力を抜いて……」
一刀は腕を伸ばし、少女の手を取って横に立たせる
愛紗「なっ!!?ご、ご主人様!!!」
愛紗は恐らく嫉妬であろう、一刀を睨みつける
愛紗だけではなく、ヤキモチ焼き全員が睨みつける
一刀「皆、今から説明するから話を聞いてくれっ!!!」
一刀の大きな声に玉座の間には再び沈黙が訪れる
一刀「さっきは説明を省いたが、彼女は俺と一緒に絡繰人間と戦ってくれた人なんだ
この子が駆けつけてくれなかったら、今頃死んでいたのは俺の方だったかもしれない…………」
朱里「はわわ………そうだったのでしゅか…………」
朱里は少女に驚きの眼差しを向ける
穏「でも、どちら様ですか〜?」
冥琳「確かに、一刀の為に駆けつけてくれたまではよかったのだが、駆けつけたということは事情を知っているのだろう?」
桂花「しかも…………誰かに似ているのよね」
軍師達は少女を凝視する
??R「……あ、あうぅぅ…………」
少女は凝視されてモジモジする
一刀はその様子を見て
一刀「……………最初は俺が話そう」
遂に口を開く
一刀「皆、心して聞いて欲しい……」
ゆっくりとそれは語られていった……
一刀「彼女の名は…………」
一刀「黄叙………璃々ちゃんだよ」
……終……
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一刀と少女は絡繰人間7号の自爆から咄嗟の判断により、九死に一生を得ることができた
その後、一刀は少女から衝撃的カミングアウトを聞かされ絶句してしまう
果たして何を聞かされたのか?
そして、この少女の正体とは……………?