No.763399

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第575話

2015-03-10 00:02:54 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1923   閲覧ユーザー数:1775

 

~鳳翼館~

 

「エ、エエエエ、エイドスさん!?何故今すぐに殿下と俺が結婚する必要があるのですか!?」

(アハハハハハッ!まさかこんな展開になるとは私も予想外よ♪)

(ふふふ、”そういう空気”を読む事に関しては天才的かと。)

(クスクス、確かにそうね。)

(どうやらアルフィン皇女に関しましては未婚の状態で子供を産むという不埒過ぎる事態には陥らなくてすむようですね。―――最も他の女性はわかりませんが。)

逸早く我に返ったリィンは混乱した様子でエイドスに尋ね、その様子を見守っていたベルフェゴール達が興味深そうに事態を見守っている中、アルティナはジト目で呟いた。

「私が公の場に出席した上、エレボニア帝国の味方をするのですから、三国の皇族との結婚の件で情状酌量を頼む提案者であるエレボニア帝国には”証拠”として”既成事実”を作ってもらう為に二人には結婚してもらうべきだと思いましたので♪」

「しょ、”証拠”の為にリィンとアルフィン殿下が結婚って……」

「め、滅茶苦茶だ……!」

エイドスの答えを聞いたエリオットは表情を引き攣らせ、マキアスは疲れた表情をした。

 

「しかもあの顔、絶対に楽しんでいるね。」

「こっちの反応がわかっていて、あんな発言をしたんでしょうね。」

「え、えっと……祝い事には違いないのですから、仕方ないかと。」

ジト目で呟いたフィーとセリーヌにセレーネは冷や汗をかきながら必死に言葉を選びながら答えた。

「リィンと殿下の件は救済条約を守る為にもいつかは実行する事は理解しているが、幾ら何でも性急すぎると思うのだが……」

「確か教会が決めた結婚に必要な最低年齢は16歳からの為、17歳のリィンはともかくまだ15歳の殿下では不可能だぞ。」

ラウラは困った表情で二人を見つめ、ユーシスは呆れた表情で呟いた。

 

「あ、それなら七耀教会が崇めている私の”勅命”という事で、”特例”扱いすれば全然問題ないですよ♪何でしたらアルテリアに行った時に結婚に必要な最低年齢を下げるように勅命しますよ?」

「ブッ!?」

「エ、エイドスさん!”特例扱い”は別に構わないと思うのですが、御身自身が七耀教会の規則を変えるような事を言ってしまえば冗談で済まなくなるのですが……!?」

「どうか御考え直し下さい……!」

ユーシスの指摘に対して笑顔で提案したエイドスのとんでもない発言にケビンは吹き出し、リースとルフィナは表情を青褪めさせてエイドスを諌めようとし

「ハッハッハッハ!確かに崇めている存在であり、教皇すらも比べ物にならないくらいの遥かに高い地位を持つ”空の女神”直々の勅命とあらば我々はそれに従うしかないな!」

「アハハハハハッ!確かにそうだね♪フフ、それにしても女神直々に結婚を命じられたカップルなんて君達が歴史上初だと思うよ?」

「おいコラ、ワジ!笑い事やないやろうが!?」

「アインも呑気に笑っていないでエイドスさんを諌めてよ!」

腹を抱えて大声で笑うセルナート総長とワジにケビンとルフィナはそれぞれ疲れた表情で指摘した。

 

「エ、エイドス……女神としての特権を存分に使っているね。」

「ア、アハハ……ケビンさん達七耀教会の人々は御愁傷様としか言いようがないですね。」

「ううっ、一体何があってあんな性格になったのかしら……?私の時代のエイドスはあんな娘じゃないのに……」

ケビン達の様子を表情を引き攣らせているアドルとエレナと共に見つめていたフィーナは頭を抱え

「この様子だとエイドス、”空の女神”の特権を存分に使って世界中を騒がせると思うの。」

「ノ、ノイ。それ、冗談になっていないよ……?」

「ううっ、あんな滅茶苦茶な性格をしている娘と私達が同列扱いされないといいのだけど……」

ノイの推測を聞いたナユタは冷や汗をかき、クレハは疲れた表情で呟いた。

 

「あ、どうしよう……?私、二人の結婚のお祝いの品物や言葉を用意していないわ……」

「ゲルドさん……今気にするべき所はそこですか……?」

本気で悩み始めたゲルドに気付いたエマは疲れた表情で指摘し

「は、はわわわわわわわっ!?」

「な、ななななななななっ!?」

「!!!!!!??????」

「え、えっと……皆さん、落ち着いて下さい。お気持ちはわかりますが、皆さんもいつかはリィン様と結婚する立場ですし、アルフィン皇女御自身もリィンさんが自分と結婚しても何人娶っても受け入れると以前仰っていたでしょう?」

トワやアリサ、エリスは混乱した様子でリィンとアルフィン皇女を見つめ、混乱しているアリサ達をメサイアは冷や汗をかいて苦笑しながら諌めようとし

「フフッ……いや~、まさかあたしが受け持っている生徒から在学中に結婚するとんでもない生徒が現れるとはね~?言葉通りまさに”女神の巡り合わせ”ね♪」

「全く持ってその通りですね♪リィン君の女運はまさに神がかっているよ♪」

「ったく、非常識にも程があるだろう……」

サラ教官とアンゼリカは口元をニヤニヤさせ、トヴァルは疲れた表情で溜息を吐いた。

 

「ですがよく考えてみればエイドスさんの仰っている事も理にはかなっています。リィンさんと殿下が今結婚する事でメンフィルとクロスベルにエレボニア帝国は本気で三国の皇族による結婚を望んでいる事を証明できる上、”戦争回避条約”の”救済条約”を執行した事にもなる為、現在は一応エレボニア帝国は存在している事になりますから、厳しいとは思いますがその件も理由にして情状酌量を求める事ができる可能性もありますし……」

「あ、確かに言われてみればそうだね~。後は二人の気持ち次第じゃないかな~?ニシシ♪」

「フフッ、少なくても殿下の方は大丈夫だろうな……」

冷や汗をかいて苦笑するクレア大尉の推測を聞いて納得したミリアムはからかいの表情で二人を見つめ、ガイウスは静かな笑みを浮かべてアルフィン皇女を見つめた。

 

「フッ、女神直々の勅命とあらば受け入れるしかないね♪」

「うふふ、そうですわね♪と言う訳で不束者ですがよろしくお願いします、リィンさ―――いえ、あ・な・た♪」

オリヴァルト皇子と共に笑顔になったアルフィン皇女はリィンにウインクをし

「………………」

リィンは石化したかのように固まっていた。

 

「あ、どうせならさ。”灰色の騎士人形”の乗り手である彼とアルフィン皇女以外の女性とも近い内結婚するように勅命したらどうだい♪そしたら貴女の勅命によってアルフィン皇女に抜け駆けされた彼女達も安心できるだろうし♪」

「フフ、それは良い提案だね♪」

「おいコラ、ワジ!状況を悪化させるような事を提案するなや!?」

「ア、アンちゃんもそこで同意しないでよ!?」

それぞれ口元をニヤニヤさせるワジとアンゼリカにケビンとトワはそれぞれ疲れた表情で指摘した。

 

「クスクス、確かに言われてみれば抜け駆けされたアリサさん達が可哀想ですね。リィンさん、貴方は現在学生との事ですが、卒業はいつですか?」

「え、えっと……色々な事情があって今年度限りで退学して、プリネさん達の元でシュバルツァー家の跡継ぎ兼領主としての仕事を学ぶ事になっていますが……」

エイドスに問いかけられたリィンは猛烈に嫌な予感を感じながら答え

「それじゃあ士官学院退学後はアルフィン皇女同様結婚式は結婚した後で構いませんのでアリサさん達とも籍を入れてください♪これはさっきの条件同様私が会談に参加してエレボニア帝国の為に意見をする条件の一つです♪」

「…………………………」

エイドスの答えを聞くと石化したかのように固まり、その場にいる全員は再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせた!

 

「はわわわわわわわっ!?という事はリィン君が退学したら、わ、私達もリィン君のお、奥さん……!?」

「………………」

「め、女神様の勅命とあらば仕方ありませんね……」

「確かに嬉しいですけど、そんなついでみたいに私達の結婚を提案しないで下さい~!」

一方我に返ったトワは慌て、エマはリィン同様石化したかのように固まり、エリスは頬を赤らめて嬉しそうな表情をし、アリサは疲れた表情で指摘し

「フフ、皆さんもよかったですね。わたくし達だけ抜け駆けした形になりましたから、これで公平な立場ですね。」

「あ、あの………そんな呑気な事を言っている場合ではないと思うのですが……」

微笑んでいるセレーネにメサイアは表情を引き攣らせて指摘した。

 

「いや~、今の話だとアンタもリィンの退学後にリィンと籍を入れる事になるわよね~?」

「ニシシ♪ねえねえクレア~、結婚式はいつ~?」

「サラさん!ミリアムちゃん!」

口元をニヤニヤさせるサラ教官とミリアムにからかわれたクレア大尉は顔を真っ赤にして声を上げた。

「ア、アンタねえ!?いい加減にしなさいよ!?そんな非常識な事がまかり通ると本気で思っているの!?」

その時セリーヌが疲れた表情で声を上げてエイドスに指摘し

「え、何をおかしなことを言っているんですか?だって私はゼムリア大陸の人々が崇め続けて来た女神―――”空の女神”ですから、そんな非常識な事も通って当然でしょう?神の言葉は絶対服従が基本ですし♪」

エイドスの答えを聞いたその場にいる全員が大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

 

「た、確かに言っている事は間違っていないけど……」

「ま、前に会った時は自分が”空の女神”である事を滅茶苦茶否定していたのに……」

「”こんなの”が”空の女神”だなんて今でも信じられないね。」

「それにこんな厚かまし過ぎる女神、どこを探してもいないだろうな。」

「?どうしてエイドスの事をそこまで悪く言うのかしら?エイドスはアリサ達の為に提案してくれているのに。」

「フム……ゲルドの指摘は間違ってはいないのだが……」

「フフ……それでリィン、どうするんだ?」

我に返ったエリオットとマキアスは疲れた表情をし、フィーとユーシスは呆れた表情で呟き、不思議そうな表情で首を傾げているゲルドの疑問を聞いたラウラは困った表情をし、ガイウスは苦笑しながらリィンに問いかけた。

 

「う”……あ、あの……エイドスさん、冗談ですよね……?」

ガイウスに話を振られたリィンは大量の冷や汗をかきながらエイドスに懇願するかのような表情で尋ねたが

「あら……その様子ですとまだ増やして欲しいのですか?結婚で足りないのでしたら、後残っているのは子供を作ってもらう事くらいしか――――」

「わ、わかりました!その条件を守りますからこれ以上増やすのは止めてください!」

エイドスが更に状況を悪化させようとした事に気付いて慌てた様子で答えた。

 

「フッ、言質は取ったよ、リィン君♪君とは今日から義兄弟の関係だね♪」

「うふふ、前言撤回はできませんわよ、あ・な・た♪」

「あ”…………」

そしてオリヴァルト皇子とアルフィン皇女の言葉を聞いた瞬間リィンはもう逃げられない事に気付いて表情を青褪めさせ

「ちなみに私は半年は現代にいますから誤魔化す事はできませんからね♪」

「ううっ、何でこんな事に……」

エイドスの言葉を聞き、止めを刺されたかのように肩を落として呟いた。その後エイドスの提案によりリィンとアルフィン皇女の簡易的な結婚式が挙げられる事になり、リィンとアルフィン皇女はアリサ達や事情を聞かされたシュバルツァー男爵夫妻が見守っている中、結婚をしようとしていた。

 

 

 

と言う訳でやりたい放題のエイドスのせいでリィンは学院退学後全員と籍を入れる事にww


 
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