No.76287

追悼する

さん

五分小説です。
読みやすいように書いております。
読んでくださったらうれしいです。

とりあえずお悔みです。

2009-05-30 00:33:04 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:929   閲覧ユーザー数:895

「先生の口癖は、『だいじょうぶ。』でした。どんなことでも、『大丈夫、大丈夫。』と言って、嫌な顔一つせずにやっていました。そんな先生が僕は大好きでした。でも一つ、先生に言いたいことがあります。先生は病気のことも『大丈夫だ。』と言ってたのに、全然大丈夫じゃなかったじゃないですか。」

 

僕らの中で生き続けているということは、絶対にない。

いつかは絶対に、全て忘れてしまう。

薄情なようだけれども仕方がないと思う。

何かを忘れないと、人は生きられない。

忘れない奴は馬鹿だし、無駄に不幸だ。

 

死んだ人間のことをとやかく言っても仕方がないじゃないか。

その仕方がないことをやっても無駄なだけだ。

その無駄なことをやって楽しいですか。

そんなことするぐらいなら、勉強していた方がましじゃないですか。

暗い話は嫌いなんです、僕は。

 

けれどもこれで、この人のために泣くのは最後だ。

そう感じたら、涙が一粒落ちてきた。

それだけだ。

それで最後だ。

 


 
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