さらさらさら
柔らかな日差しの中、一刀は愛娘の鞘花と共に小川へと散歩に来ていた。
「ねえととさま。さや、おひるねしたい」
「ん、じゃあお城に帰ろうか?」
「うんう、ここでおひるねする。ねえととさま、こもりうたをうたって」
「子守歌?鞘花はもう赤ちゃんじゃないだろ」
「だってさや、ととさまのこもりうたがだいすきなんだもん♪」
「でも、帰らないとかかさまが心配するぞ?」
「ううっ、グスッ」
「うっ……し、仕方ないな。鞘花は本当に甘えん坊だな」
「えへへ、あまえんぼうでいいもん、ナデナデもして」
「はいはい、まったく」
ナデナデ
「えへへ」
♪さ~らさら、さ~らさら、
小川のせせらぎ、
ちゅ~んちゅん、ちゅ~んちゅん、
小鳥が歌う、
ひゅ~うひゅう、ひゅ~うひゅう、
そよ風ふいて、
き~らきら、き~らきら、
木漏れ日光る、
森の木陰でぼくたちは、
仲良く一緒にあそんでる、
動物たちも駆け回る、
に~こにこ、に~こにこ、
みんなは笑顔、
ぽ~かぽか、ぽ~かぽか、
暖かい日ざし、
な~でなで、な~でなで、
大きなおてて、
す~やすや、す~やすや、
おひるねしてる、
さ~らさら、さ~らさら、
小川のせせらぎ、
さ~らさら、さ~らさら、
せせらぎのこもりうた~♪
くうくう、くうくう
「やっぱり此処にいたのね」
鞘花が一刀の膝で眠りについた頃、桂花が溜息を吐きながらやって来た。
「ああ、何か用事があるのか?」
「お昼寝の時間なのに城にいないから、探しに来たのよ」
「ごめん、帰ろうと思ったけど」
「どうせ、鞘花が此処でお昼寝したいって駄々を捏ねたんでしょ」
「あの目をされると断れなくてさ」
「ああ、あの目はねぇ~、それより今の歌は?」
「鞘花がねだるから作ってみたんだ」
「そう、じゃあ今度は風の子供にも聞かせてあげなさい」
「ふ、風の子供?それって…」
「ええ。今、城で風が大はしゃぎしてるわよ。華琳様は複雑そうな顔をしてたけどね」
「はははは……」
「しばらく寝むらせてもらえないだろうから覚悟しとくのね」
「は、ははははは……はぁ…」
くうくう、くうくう
(ここはあたたかい、ととさまがいて、かかさまがいて、さやはとてもしあわせ)
さらさらさら
小川はまるで子守唄を歌うかの様にせせらぎを奏でていた。
~Fin~
(`・ω・)これにて桂花シリーズはとりあえず終わり。
次からは別の恋姫達のお話です。
まあ、桂花にはあと二つほど別パターンがあるけどそれはまた別の機会に。
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まずは読んで見て下さい。
2015/04/5/加筆修正をしました。