「あー。ごめんなぁ唯ちゃんに和美ちゃん。今日はもう店じまいや」
「「えー、そんなぁ…」」
お好み焼きとたこ焼きの店『みおつくし』の店主、天満橋シンシアは申し訳なさそうに言った。
その言葉を聞きがっくりうなだれるのは北城唯と今河和美。楽しみにしていただけにショックは大きいだろう。
「しょうがないね…じゃあ隣のパン屋に行こう和美ちゃん」
「そうね、店じまいじゃ仕方ないわね…」
「すまんなぁ、また今度来たってやー」
さて、唯・和美コンビがやってきたのはすぐ隣にあるパン屋『ル・シャトン』。
「至善の策が尽きたなら次善の策よ。あそこのカレーパンをたっぷりいただいちゃうんだから!」
「そうそう、あのパン屋さんって結構美味しいのよね…あ!?」
二人が驚いたのも無理はなかった。
飯田橋美亜は扉に「CLOSED」の看板をかけていたところだったのだ。
「お、ミーアさん、今って…」
「あー、ごめんね二人とも。今日はもう閉店なの」
と、ミーアもなんだか申し訳なさそうである。
「そんなぁ…せっかくカレーパン楽しみにしてたのに…」
「しょうがないわ…次行こう唯ちゃん」
「うん…」
で、今度は『鬼斬島田』。
「え、今日はもう閉店だよ」
と、島田貞興も申し訳なさそうにで唯・和美に話しかける。
「ええ~~~!?ここも閉店なのぉ!?」
「うん、なんかその…今日の分はないんだ。ごめんね」
「「そ、そんなぁぁぁ~~~~…」」
…『きつね屋』。
「ってなことがあったのよ…あたしたちが来た頃には軒並み閉店で…」
「一体どうしちゃったのかしら…」
と、ため息をつきながらうどんを食べている唯・和美に、店番をしていた柚子が声をかける。
「うーん…まあそういう日もあるわよ。さ、食べて食べて。つらいことは忘れましょ」
…その頃。
「ふー、どーにか行ったみたいやね。ミーア、作戦成功やな」
「あんなバカ食い二人に荒らされちゃたまんないからね…ねえ貞興くん?」
「あ、どうも。こちらもなんとか回避できました」
「よっしゃ!ほなら営業再開や!気張っていくで!!」
「「おーっ!!」」
…と、意気込む三人だったが。
「なるほど、そういうことだったのね…」
「こうなれば一気に突撃して大逆襲よ!残らず全部食べつくしてやるんだから!ねえ唯ちゃん!」
「そうね!あたしたちを敵に回したことを後悔させてあげましょう和美ちゃん!!」
…嗚呼、こうして今日もこの二人組が嵐を巻き起こすのであった…。
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食うか食われるか、それは駆け引きを越えた何か。
■出演
唯:http://www.tinami.com/view/742179
和美:http://www.tinami.com/view/743015
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