No.760397

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第560話

2015-02-24 00:01:15 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1998   閲覧ユーザー数:1820

 

~鳳翼館~

 

「ハハ……どうやらエイドスには多くの仲間達がいたようだね。ちょっとだけ羨ましいな……」

「アドルさんはたった一人で数々の苦難を超えてきましたものね。」

「フフ、でも今のアドルさんには私達や”影の国”で”絆”を結んだ多くの仲間達がいますけどね。」

エイドス達の様子を微笑ましそうに見つめていたアドルの言葉を聞いたフィーナはある事を思い出し、エレナは微笑みながらアドルを見つめた。

 

「えっと、貴方達は一体……?」

「……そっちの翼の女性は感じる霊圧からして”女神”ね。エイドスと容姿が似ているって事はエイドスの”母親”かしら?」

「セ、セリーヌ。」

アドル達の事が気になったリィンは不思議そうな表情をし、フィーナを見つめて呟いたセリーヌの問いかけを聞いたエマは冷や汗をかいた。

 

「何だと!?」

「め、めめめめめ、女神様のお母さん!?」

「確かにそっくりと言ってもおかしくないくらい似ているな……」

「うん。それにとても親娘とは思えないくらい若いし。」

セリーヌの問いかけを聞いたユーシスとエリオットは驚き、ガイウスとゲルドはフィーナとエイドスを見比べていた。

 

「フフ……―――初めまして。私の名はフィーナ・クリスティン。アドルさんの妻の一人でエイドスの産みの母親になります。」

「ええっ!?ほ、本当に女神様のお母様なのですか!?」

「うふふ、まさに”女神の巡り会わせ”ですわね♪」

フィーナの自己紹介を聞いたエリスが驚いている中、アルフィン皇女は微笑んでいた。

(母親の方は見た感じまともそうね……)

(それに父親の方もまともに見えるよな……?一体何があってあんな性格になったんだ?)

(お、お二人とも。本人に聞こえたら不味いですよ?)

サラ教官とトヴァルの小声の会話を聞いたクレア大尉は冷や汗をかいて指摘した。

 

「め、女神様の母親がいるって事は当然父親もいるって事だから……」

「あ、あの。貴方が女神様の父親なのですか……?」

一方ある事に気付いたマキアスとアリサは信じられない表情でアドルを見つめ

「ハハ、そうなるね。―――僕の名前はアドル・クリスティン。”冒険家”さ。」

「”冒険家”………ですか?」

「何それ。」

「”冒険家”という言葉からして冒険者と何らかの関わりがあると思うが……」

アドルの自己紹介を聞いたセレーネとフィーは不思議そうな表情をし、ラウラは考え込んだ。

 

「”アドル・クリスティン”……?あ―――――ッ!もしかして”赤毛の冒険家の冒険日誌”の主人公!?」

「そ、そう言えばエイドスさんの父親に当たる方はあの娯楽小説の主人公だったな……」

「ふえええっ!?という事はあの小説って、実際にあった話だったの!?」

「………そう言えば”フィーナ”という名前の女神が数あるあの小説の中でも確か一番最初のあたりに出て来ていたな………」

ある事を思い出したミリアムは声をあげ、リィンは冷や汗をかき、トワが驚いている中アンゼリカは考え込みながらフィーナを見つめた。

 

「フフ、その通り♪彼女―――フィーナ君はアドル君の最初の冒険の部隊で出会った”現地妻”さ♪」

「まあ……うふふ、貴方も罪深い男性なのですわね♪」

「ちょっ、オリビエさん!?誤解を招くような事を言わないでくれ!」

オリヴァルト皇子の説明を聞いてからかいの表情で見つめるアルフィン皇女の様子を見たアドルは慌てた様子で指摘したが

「誤解もなにもその通りですよね?」

「そうですね。エステルさんから聞いた話だと今まで寄った場所やこれから寄る場所で多くの女性達を射止めておきながら、責任を取っていないそうですからね。」

「………………」

苦笑しているフィーナと呆れた表情をしているエレナの言葉に石化したかのように固まっていた。

 

「そ、そう言えばあの小説で出てくるヒロインのほとんどが最後は主人公を見送るって形で終わっていたよね……?」

「リィンや特務支援課のリーダーより罪深い男ね~?」

「あの……何でそこで俺やロイドさんが出てくるんですか……?」

エリオットが冷や汗をかきながらアドルを見つめている中、口元をニヤニヤさせているサラ教官にリィンが疲れた表情で指摘した。

 

「ちなみにそちらの彼女―――エレナ君は”影の国”で彼と再会して、”影の国”から帰還する時にそのまま彼について行ったそうだよ。」

「ええっ!?」

「という事は貴女もかの小説に出て来たヒロインを務めていた方なのですか?」

オリヴァルト皇子の説明を聞いたアリサは驚きの表情でエレナを見つめ、ラウラは不思議そうな表情で尋ねた。

「フフ、小説の内容ではどうなっているか知りませんが私がアドルさんの妻である事は本当の話ですよ。―――エレナ・ストダート・クリスティン。それが私の名前です。」

「”エレナ”……ああっ!確かあの小説のシリーズの途中で主人公と再会して結ばれたヒロインもその名前だったぞ!?」

「オレも少しだけだが覚えている。確か小説では主人公が今まで出会った女性の中で最も強い女性だとも書いてあったな……」

エレナの自己紹介を聞いたマキアスは驚き、ガイウスは静かな表情で考え込みながら呟いた。

 

「……アドルさん?今の話、どういう事ですか?どうして未来のアドルさんが書いた小説に私の事が誤解されるような人物像として書かれているのですか??」

「う”っ……!そ、その……えっと……ほら……エレナ、僕が苦労して訪れた危険な場所に現れた事が何度かあったじゃないか。た、多分それで君の事を心が強い女性だと思って、未来の僕はそんな風に書いたんだと思うよ……?」

ガイウスの話を聞いた瞬間膨大な威圧を纏って自分を見つめて微笑んできたエレナにアドルは冷や汗を滝のように流しながら必死に言い訳をした。

「あれー?でも冒険の最中で戦ってきたどんな強敵よりも妻のエレナが一番怖かったみたいな事が書いてあったような気がするけど。」

「ミ、ミリアムちゃん。」

「状況を更に悪化させてどうする。」

ミリアムの言葉を聞いたクレア大尉は冷や汗をかき、ユーシスは呆れた表情で指摘し

「フフ、後で色々と聞かせてもらいますからね?」

「………………」

膨大な威圧を纏って微笑むエレナに見つめられたアドルは冷や汗を滝のように流しながら固まっていた。

「もう、お父様ったら……」

「冒険日誌に普通、妻が怖いなんて事を書きますか?」

アドルの様子を見守っていたエイドスとフィーナは呆れた表情で溜息を吐いた。

 

「え、えっと……そちらのお二方と妖精?の方もエイドスさんの親族なのでしょうか?」

するとその時空気を変える為に話を変えようとしたエマがナユタ達を見つめて尋ねた。

 


 
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