No.759943 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~soranoさん 2015-02-22 00:32:16 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:1709 閲覧ユーザー数:1580 |
~鳳翼館~
「―――”星杯騎士団”、ですか?」
ケビン達の身分を知ったリィンは不思議そうな表情でケビン達を見回した。
「”星杯騎士団”。古代遺物(アーティファクト)その調査・回収を担当する七耀教会のいわゆる”裏組織”さ。メンバーは非公開ながらかなりの凄腕が選ばれるらしいとの事だよ。」
「し、七耀教会にそのような組織があったなんて……」
「神父やシスターの方が戦うなんて、この目で見てもちょっと信じられないですね……」
「……けど話の通り相当な使い手だらけだね。」
「うむ………特にそちらのシスターの方は尋常ならざる使い手なのだろうな。」
オリヴァルト皇子の説明を聞いたアルフィン皇女は驚き、エリスは信じられない表情でケビン達を見つめ、フィーと共にケビン達を見つめていたラウラは真剣な表情で女性を見つめた。
「あら……」
「へぇ?総長の強さを見抜くなんてさすがは”光の剣匠”の娘って所かな。」
ラウラの言葉にルフィナは目を丸くし、ワジは興味ありげな表情をしていた。
「フフ……―――”星杯騎士団”総長にして”守護騎士(ドミニオン)”第一位――――”紅耀石(カーネリア)”アイン・セルナートだ。」
女性―――セルナート総長はリィン達を興味ありげな表情で見回しながら自己紹介をした。
「”紅耀石(カーネリア)”?確か以前サラさんが言っていた………」
「そ、”紅耀石(カーネリア)”の君ってのは彼女の事よ。ついでに説明すると娯楽小説の”カーネリア”の主役のモデルとなった人物よ。」
不思議そうな表情をしているゲルドにサラ教官は頷いた後説明し
「ええっ!?あ、あの娯楽小説に出てくるヒロイン―――”カーネリア”のモデルを務めた方がそちらの方なんですか……!?」
「………前々から疑問に思っていたけどあんた達の存在がバレるかもしれないのに、よくあの小説の存在を見逃しているわよね?」
説明を聞いたエリスは驚き、セリーヌは呆れた表情でセルナート総長を見つめた。
「まあ、あれくらい芝居がかかった内容ならかえって良い目くらましやって事で見逃しているんや。ヒロインが死んだとかいうのも適当な攪乱情報になっとるし。」
「………それに”実物”を知れば、あの小説に出てくるヒロインと大違いって事はわかるだろ?」
「―――少なくてもあの小説のヒロインはこんな物は吸わないだろうな。」
ケビンとトヴァルの説明に続くように煙草を吸った後にすぐに煙を吐いたセルナート総長を見たリィン達は冷や汗をかいて脱力した。
「ううっ、最近今まで持っていた空想の人物のイメージが壊され続けているような気がするわ……しかも揃いも揃って七耀教会の関係者ばかりだし。」
「ア、アハハ……」
疲れた表情で呟いたアリサの言葉にセレーネは苦笑し
「め、滅茶苦茶だ……ん?”守護騎士(ドミニオン)”って言えば確か……!」
「ミリアムちゃんが言っていた七耀教会の裏組織を纏めている方でしたね………」
「しかも”総長”という事は”星杯騎士団”とやらのトップか。」
ある事に気付いたマキアスとエマは驚きの表情でセルナート総長を見つめ、ユーシスは静かな表情で呟き
「ほう?我々の情報も掴んでいるとはさすがは情報局と言った所か。」
「アハハ~、レクターから聞いていたけど本当に君も”守護騎士”なんだね~。」
セルナート総長に視線を向けられたミリアムは興味ありげな表情でワジを見つめた。
「フフ、僕の存在はケビン程ではないけど秘匿されていたからね。」
「……まさか”特務支援課”にまで”守護騎士”が紛れ込んでいたとはね。」
「ええっ!?と、”特務支援課”って事は……!」
「貴方も以前はロイドさん達と同じ”特務支援課”に所属していたのですか?」
真剣な表情でワジを見つめるサラ教官の言葉を聞いたアリサは驚き、ガイウスは不思議そうな表情で尋ねた。
「ああ。―――”守護騎士(ドミニオン)”第九位”蒼の聖典”ワジ・ヘミスフィア。君達と会う日を楽しみにしていたよ。―――特に”灰色の騎士人形”の操縦者である君とね♪」
「え……お、俺ですか?一体何故……」
「フフ、”守護の剣聖”や”姫君の中の姫君(プリンセスオブプリンセス)”達からロイドより凄い状況になっている事を聞いていたから、是非会いたかったんだよ♪」
「ロ、ロイドさんより凄い状況ってどういう意味ですか?」
ワジの言葉を不思議に思ったエリオットは戸惑いの表情で尋ねた。
「やだなあ、そんなの勿論色々とロイドと共通する部分がある上、ロイド同様ハーレムを築いている事に決まっているじゃないか♪それもロイドと同じ”天然”でね。」
「ハア……ヘミスフィア卿がこんな性格になったのもアイン。まさか貴女のせいじゃないでしょうね?」
「フッ、それは偏見というものだぞ、ルフィナ。」
そしてワジの答えを聞いたリィン達は冷や汗をかいて脱力し、ジト目のルフィナに見つめられたセルナート総長は口元に笑みを浮かべて答えた。
「ねえねえ。ちなみに特務支援課のリーダーは何人の女の子と付き合っているの?」
「ミ、ミリアムちゃん。」
ミリアムの質問を聞いたクレア大尉は冷や汗をかき
「ロイドかい?現時点ではえ~と…………8人だね。まあ、そこに加えて二人程後で加わると思われる娘もいるけどねぇ?」
「は、8人!?」
「ハッハッハッハッ!リィン君と良い勝負をしているじゃないか!」
「というかリィンの方が数では勝ってるんじゃない?」
「フフ、確かにそうだな。」
「……あの男もリィンと同じ罪深い男だったのか。」
ワジの答えを聞いたマキアスは驚き、オリヴァルト皇子は声を上げて笑い、ジト目のフィーの言葉にガイウスは苦笑しながら頷き、ラウラは真剣な表情で呟いた。
「うふふ、ちなみにそちらの方の正妻はもう決まっているのですか♪」
「ひ、姫様!?」
からかいの表情をしているアルフィン皇女の質問を聞いたエリスは慌て
「フフ、ロイドの正妻なら多分エリィになると思うよ。彼女がロイドから告白されてロイドの1番目の恋人になった女性の上、ロイドからプロポーズされた後に貰った婚約指輪を肌身離さず身につけているし。」
「ええっ!?」
「プ、プロポーズですか……」
「まあ……今度会う事があれば祝福をする必要がありますわね♪」
「エリィ?一体誰の事?」
「エリィさんはマクダエル議長の孫娘で特務支援課のサブリーダーを務めている人よ。」
ワジの説明を聞いたリィンは驚き、エマは顔を赤らめ、セレーネは微笑み、不思議そうな表情をしているゲルドにアリサが説明した。
「そう言えば今日会った時指輪みたいな物を付けていたよな?」
「フフ、男の度胸としては特務支援課のリーダーには勝てなかったようねぇ?」
「う”っ……」
ある事を思い出したトヴァルは苦笑し、口元をニヤニヤさせているサラ教官に見つめられたリィンは唸り声を上げて冷や汗をかいた。
「ああそうそう。ちなみにエリィ以外でロイドが付き合っている女性の中で君達も知っていると思うとんでもない有名人もいるよ♪」
「俺達も知っている有名人だと?誰の事だ?」
ワジの言葉を不思議に思ったユーシスはワジに尋ねた。
「”アルカンシェル”の新人アーティスト、リーシャ・マオって名前、聞いた事がないかい?」
「ア、アルカンシェルのリーシャ・マオだって!?」
「リーシャ・マオと言えばあの”炎の舞姫”イリア・プラティエと並ぶ程の人気を誇るトップスターですけど……ええっ!?ま、まさかあのリーシャ・マオがロイドさんの……!?」
ワジの問いかけにマキアスと共に驚いたエリオットは信じられない表情で尋ねた。
「フフ、ご想像通り彼女もロイドのハーレムの一員だよ♪」
そして笑顔で答えたワジの言葉にリィン達は大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせ
「クッ、まさかあのリーシャ・マオが他の男のものになっているなんて……!まあ、リィン君も負けていないよねぇ?何せリィン君の場合はアルフィン皇女殿下どころか”氷の乙女(アイスメイデン)”を落としているものねぇ?」
「うふふ、その通りですわね♪」
「ア、アンゼリカ先輩!?殿下!?」
「ア、アンちゃん……誰も勝負なんてしていないよ……」
「そこで何故私が出てくるんですか……」
悔しがった後口元をニヤニヤさせるアンゼリカの言葉に同意するアルフィン皇女の様子にリィンは慌て、トワとクレア大尉は疲れた表情で呟いた。
「いや~、マジでロイド君より凄い子やな~。」
「クク、自分が信頼している部下どころか自国の皇女まで落とした奴の事を知った”鉄血宰相”がもし生きていたら、どのような反応をしていたのであろうな。」
リィン達の様子をケビンは苦笑しながら見つめ、セルナート総長は口元に笑みを浮かべながら見つめ
「………ケビンがあの二人みたいな罪深い男性にならなくてよかったわ。」
「というかヘタレなケビンじゃ絶対無理だと思う。」
「おい、リース。聞こえとるで。どういう意味やねん、それは。」
疲れた表情をしたルフィナの言葉に答えたリースの話を聞いたケビンは疲れた表情で指摘した。
「アドルさんより酷い男性が二人もいるなんて……」
「むしろもっといるんじゃないんですか?」
「同感なの。」
「そして私達のような被害者は一体何人いるんでしょうね?」
「本当に”天然”程厄介なものはありませんね……」
(な、何でそこで僕が出てくるんだよ………)
(クレハとノイもそこでどうして僕を睨むんだよ……)
一方フィーナ達に視線を向けられていたアドルとナユタはそれぞれ疲れた表情をしていた。
ロイドとエリィの仲がワジによってネタバレされまくりですww二人が知ったらどんな反応をするやらww後皆さんが気になっている”副長”はここでは正体を明かしません。副長が正体を明かすのは終章の予定です
Tweet |
|
|
2
|
1
|
追加するフォルダを選択
第557話