No.75778

真・恋姫†無双~江東の花嫁~(序)

minazukiさん

真・恋姫†無双のSSです。
主に「呉」が中心になっております。
オリジナルキャラはその時々によって出る場合も出ない場合もありますのでご了承ください。

2009-05-26 23:37:33 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:55252   閲覧ユーザー数:39672

 

(序)

 

 夜空に浮かぶ月はどれほど年月が過ぎようとも変わらない。

 

 その月明かりを水面に浮かぶ小さな舟に座る老女が見上げていた。

 

 老いを感じさせながらも褐色の肌とその中に輝く瞳は美しく燐としていた。

 

 数十年前、彼女は『小覇王』と呼ばれその名を天下に示していた。

 

 彼女の母が築いた礎を大きく育て、長きに及ぶ乱世が収めると妹に国を任せて、あっさりと隠居してしまったがそれに対して何も後悔するものはなかった。

 

 ただ愛する人の傍にいたい。

 

 親友と妹、優れた家臣達。

 

 酒を酌み交わしては笑みの耐えることのなかった日々。

 

 そんな中で愛する人の子を宿し、慈しみ、そして今ではたくさんの孫達まで授かった。

 

 乱世とは違った多彩な日々。

 

 その中で彼女は一人の女性として幸せだと感じた。

 

 いつまでも続く幸せ。

 

 そう思っていたこともあった。

 

 猪口に酒を注ぎ、ゆっくりと口に添えていく。

 

 何十年と飲み続ける酒の味はいつしか思い出の味でしかしなかった。

 

「今日も月は綺麗よ・・・・・・・一刀」

 

 愛する人の名前を口にして再び静かに猪口に酒を注いで口にする。

 

 姓は孫 名は策 字は伯符 真名は雪蓮。

 

 かつて天の御遣いと呼ばれた青年、北郷一刀と共に幾多の困難を乗り越えた女傑の物語。

(座談)

 

水無月:というわけで本日から始まりました。「真・恋姫†無双」SS「江東の花嫁」です。できる限り末永くよろしくお願いいたします。(ペコ)

 

雪蓮 :いきなりヨボヨボのお婆さんってどういうことかしら?(顔は笑っているのに目が笑ってない)

 

水無月:だって~そのほうが始めやすかったんですよ。(滝汗)

 

雪蓮 :ふ~ん。(酒を飲みつつ冷ややか視線)

 

水無月:ほ、ほら、次からは今の姿だし問題なし!

 

雪蓮 :そう。まぁ見ている人に物を投げつけられないように気をつけなさい。

 

水無月:努力します。(タブン)

 

 
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