No.755929

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第531話

2015-02-04 09:37:33 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1649   閲覧ユーザー数:1544

 

~グランセル城・1階広間~

 

「え…………」

「……それは一体どういう事でしょうか?」

アリシア女王の答えを聞いたプリシラ皇妃は呆け、オリヴァルト皇子は真剣な表情で尋ねた。

「その……実はメンフィルとクロスベルはエレボニアが滅亡を阻止する為に、リィンさんとアルフィン殿下達の婚約を理由に情状酌量を求める事まで想定しているんです。」

「ええっ!?そ、その……もしかしてリベール王国もその件について何か言い含められているのでしょうか……?」

「………………」

クローディア姫の答えを聞いて驚いたセドリック皇子は表情を青褪めさせ、ユーゲント三世は重々しい様子を纏って答えを待っていた。

 

「……私達リベールはメンフィルとクロスベルよりエレボニア皇族の方と”有角の若獅子”の皆さんに”試練”を受けて頂き、その”試練”を無事越える事ができれば貴国の嘆願を受けて頂きたいという要請をされ、その要請に私達は承諾しました。」

「し、”試練”ですか……?」

「という事は皇族の方々とこちらにいる学生達がその”試練”を乗り越えれば、貴国は私達の嘆願に応えて頂き、メンフィルとクロスベルは貴国の仲介に応えて頂けるのでしょうか?」

アリシア女王の話を聞いたプリシラ皇妃は戸惑い、ある事に気付いたレクター少尉は真剣な表情で尋ねた。

「はい。なお、アルノール家の方々に関しては代表者として一人でいいそうです。ただし、あくまで私達リベールの仲介に応えるだけで、リィンさん達との婚姻の件を理由に情状酌量を認める事に関しましてはその際の貴国の交渉次第と言い含められております。」

「……それでその”試練”とやらは一体どんな内容なのだ?」

クローディア姫の答えを聞いたユーゲント三世は表情を引き締めて尋ねた。

「エレボニアの滅亡を阻止する”意志”と”覚悟”を示してもらう為にメンフィル、クロスベル、そしてリベールが手配したある人物と戦って頂きます。そしてその人物に勝利、もしくはその戦いで私達が十分と判定できる程の”意志”と”覚悟”が証明できれば、貴国の嘆願に応える事になっています。」

「ええっ!?それじゃあリィンさん達も……!」

「……ちなみに何故二国がエレボニアの存亡をかけた試練に学生である彼らに受けさせる事にしたのか、理由は伺っていないのでしょうか?」

アリシア女王の答えを聞いたアルフィン皇女は驚き、レクター少尉は戸惑いの表情で尋ねた。

 

「ヴァイスハイト陛下から”Ⅶ組”の皆さんに対する”詫び”代わりだと伺っております。」

「え……」

「私達に対する”詫び”ですか?」

「なにそれ。」

「一体何に対する”詫び”なのでしょうか?」

クローディア姫の答えを聞いたエマは呆け、ラウラとフィーは不思議そうな表情をし、トワは戸惑いの表情で尋ねた。

 

「詳しい話は伺っておりませんが、かつて”Ⅶ組”の皆さんの成長に関わった者として皆さんの”大切な約束”を知らなかったとは言え土足で踏み込み、台無しにした”詫び”だと仰っておりました。」

「それってもしかして………」

「オルディーネの件か……」

(”黄金の戦王”だったかしら……随分と”器”が大きい皇帝みたいね。学生の”約束”を台無しにしただけでそんな機会(チャンス)まで与えるんだから。)

(ええ……でも私達にとっては願っても無い展開ね。)

アリシア女王の話を聞いたゲルドは目を丸くし、アンゼリカは複雑そうな表情をし、セリーヌの小声にエマは静かな表情で頷いた。

 

「父上、”試練”の内容を考えますと”アルノール家”の代表者は私が適任かと思いますので、恐れながら私がアルノール家の代表者として士官学院の皆と共に”試練”に挑まさせて頂いてもよろしいでしょうか?」

「うむ、元よりお前に頼むつもりだった。――――エレボニアの命運はお前に託す。」

「お願いします、オリヴァルト殿下……」

「兄上……僕達は兄上が無事”試練”を乗り越えられる事、信じています……!」

「お兄様……どうかご武運を……!皆さん、皆さんの御力、後少しだけお貸しください……!」

オリヴァルト皇子に視線を向けられたユーゲント三世は頷き、プリシラ皇妃達と共にオリヴァルト皇子に応援の言葉を送ったアルフィン皇女はラウラ達を見回して頭を下げ

「はいっ!!」

アルフィン皇女の嘆願に対し、ラウラ達は力強く答えた。

 

「私達やユーゲント陛下達は先に王都内にある”グランアリーナ”に向かいますので、準備を整えたら”グランアリーナ”まで来てください。そこに係の者達が皆さんの”試練”の相手の所まで案内する手筈になっております。オリヴァルト殿下、”グランアリーナ”までの送迎の車は必要でしょうか?」

「いえ……久しぶりのグランセルゆえ、この足で歩いて向かいたいので必要ありません。それに自らこの足で歩いてグランアリーナに向かうのはエステル君達と共に”武術大会”に挑んだ日々も思い出しますので。」

「フフ、そう言えばそんな事もありましたね。――――わかりました。それでは私達はグランアリーナでお待ちしておりますね。」

アリシア女王の言葉に対して答えたオリヴァルト皇子の話を聞いたクローディア姫は微笑み

「女王陛下、恐れながら殿下達の”試練”のお相手を務める方の情報等を教えて頂く事はできませんか?」

レクター少尉はアリシア女王にある事を尋ねた。

 

「そのくらいでしたら構いません。――――”剣聖の後継者”。その方が殿下達の対戦相手になります。」

「ふええええっ!?け、”剣聖”ってまさか……!」

「リベールの”英雄”―――”剣聖”カシウス・ブライト。」

「やれやれ、参ったね………”剣聖”が相手だと私達では分が悪すぎるよ………」

「さすがにその子達が”剣聖”に勝つなんて、無茶だと思うのだけど。」

「いや、女王陛下は”剣聖の後継者”と仰ったからカシウス卿ではないだろう。」

「”剣聖の後継者”……言葉から推測するとカシウス准将の後継者のように聞こえますが……」

アリシア女王の答えを聞いたトワは驚いた後表情を青褪めさせ、フィーは真剣な表情で呟き、アンゼリカは疲れた表情をし、セリーヌは呆れた表情で呟き、ラウラとエマは真剣な表情で考え込んだ。

「フム……何人か心当たりはいるが、恐らく”彼”だろうね。確かに厳しい戦いになりそうだが、当時の彼と戦ったエステル君達……いや、当時のエステル君達以上の実力をつけた君達と私なら勝機はあるかもしれないね。」

「オリヴァルト皇子はその人の事を知っているの?」

静かな笑みを浮かべて呟いたオリヴァルト皇子の言葉が気になったゲルドは不思議そうな表情で尋ねた。

「まあね。――――――入念な準備をしてから、覚悟を決めてグランアリーナに向かおう。」

その後準備を整えたオリヴァルト皇子達はグランアリーナに向かい、係の者達に案内され、アリーナに到着した。

 

 

 

 

今回の話でリベールでの試練の相手が誰なのかわかった方もいるかなと思いますww


 
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