No.755419

恋姫外史終章・いつまでも一刀最終話

アキナスさん

またいつか・・・・・・

2015-02-02 00:26:51 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:4636   閲覧ユーザー数:3674

王位争奪戦から一年が経った。

 

将たちもほとんどが記憶を取り戻し(戻っていないのは桂花と風)互いに協力し合いながら国は安定の兆しを見せていた。

 

そして、一刀は現在・・・・・・

 

 

 

 

 

 

「おめでと~~!」

 

結婚式の真っ最中だった。

 

「お幸せに~~!!」

 

各所から喝采と拍手が聞こえてくる。

 

「う~~、何か落ち着かねえな~~」

 

一刀は着慣れない正装をして、苦笑いを浮かべていた。

 

そして、一刀に寄り添う伴侶は・・・・・・

 

なんと白蓮だった。

 

さて、それではこの結婚式の事情について語っておくとしよう・・・・・・

 

始まりは、国の重要人物たちが集まっていた場で一刀が唐突に呟いた一言だった。

 

「そろそろ結婚でもすっかな・・・・・・」

 

この発言に麗羽やシャオと言った面々が目の色を変えたのは言うまでも無い。

 

「当然、正妻はわたくしですよね?娘までいるのですから」

 

「一刀の正妻はシャオに決まってるでしょ!」

 

「いや、ここは私のように付き合いの長い者がなるべきだろう。前の外史では・・・・・・」

 

「それを言うなら一番付き合い長いのはちぃ達なんだけど!?」

 

「おや?あいどるは引退ですか~~?」

 

「うぐ・・・・・・」

 

風の切り返しに押し黙る地和。

 

「まあ、俺がいた所では結婚や出産した後も活動続けてた人いたけどな。ママドルとか言って」

 

「・・・そう言われると、方向性などを変えればやっていけるかも・・・・・・」

 

一刀の一言に、人和のメガネがキラリと光った。

 

「じゃあお姉ちゃんも一刀の正妻に立候補~~♪」

 

「わ、私も立候補します!」

 

天和の宣言の直後、桃香も机を叩いて宣言した。

 

「ちょっと、会議中・・・・・・」

 

「「「「部外者は黙っててください!!」」」」

 

一応、王であるはずの華琳に対し、争いを続けている者達は一喝した。

 

しかし、次の華琳の台詞で場は一時静寂に包まれる事になる。

 

「・・・・・・なら、部外者でなくなればいいのかしら?」

 

「「「「・・・・・・え?」」」」

 

一瞬にしてその場が静まり返った。

 

数秒後、最初に言葉を発したのは麗羽だった。

 

「じょ、冗談ですわよね?華琳さん?」

 

「私もいつか子を為さなければならない身。なら出来るだけいい男を伴侶にした方がいいわよね?さて、この国で一刀以上にいい男がいるかしら?」

 

「「「「・・・・・・」」」」

 

騒いでいた者達はみな、冷や汗を掻いていた。

 

華琳が本気だと分かったからだ。

 

「い、いくら華琳さんでもそれは認められません!」

 

「なら、力づくで来る?桃香?争いを嫌うあなたが」

 

「はう!?」

 

華琳の切り返しに黙らされてしまう桃香。

 

他の者たちも異論を唱えようとしたところで、一刀が口を挟んだ。

 

「そもそも、正妻は他の妻たちより何か上なのか?」

 

「当然でしょう?側にいられる時間も増えるでしょうし、一番愛されているという事なのですから」

 

「でも、正妻として迎え入れられて不遇の目に合った女って、結構多いよな?」

 

「「「「・・・・・・」」」」

 

「というか、俺は好き放題する男だからな。俺の正妻になるってことは、俺の行動のとばっちりを一番受けるってことだぞ?それに、俺は正妻とか側妾とかで接し方変えるつもりもないし・・・それでもなりたいのか?」

 

「「「「・・・・・・」」」」

 

一刀の言葉に、熱くなっていた場は逆に冷めた感じになってしまった。

 

 

 

 

「あ、そういえば俺が最初に嫁に貰うって言ったのは白蓮だったよな?」

 

 

 

 

「・・・・・・へ?」

 

 

 

 

呆けた声を出した白蓮に全員の視線が集まった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

と、いう訳で今に至る。

 

白蓮以外の立候補者は拍手しつつ、これ以降にあるであろう自分と一刀との結婚式の順番を話し合っているようだ。

 

「嬉しいか?」

 

「・・・・・・あんな言い方されて嬉しいと思うか?」

 

一刀の発言に頬を膨らませる白蓮。

 

「まあ、そうだよな」

 

「・・・でも、この服は結構いいな」

 

白蓮は自分の着ている服に目を落とす。

 

それは、純白のウエディングドレス。

 

「そうだろ?腕のいい職人総動員して作らせたからな・・・しかし、俺のはそこまで気合入れなくても良かったんだが・・・・・・」

 

「いいじゃないか。というか、私の着てるのに合わせるならそれくらい出来のいい服でないと」

 

「まあ・・・な。それにしても、真名が白蓮だからか?白が良く映えてるなあ」

 

「そ、そうか?」

 

率直な褒め言葉に頬を染める白蓮。

 

「何だ照れてんのか?嬉しくないとか言ってたくせに」

 

「誰のせいだよ。でもまあ、結婚式っていうのは乙女の夢だからな。あんな言い方されなければ普通に喜んでたよ」

 

「悪かったよ・・・いや、本当に俺が悪いな。誰が一番好きだからとか言って決めなかった優柔不断な俺が悪い・・・・・・みんな一番好きだなんて都合のいい逃げだよな・・・・・・」

 

珍しく反省している一刀。

 

白蓮は一息つくと、一刀を肘でつついた。

 

「結婚式の主役がそんな浮かない顔するなよ。私のこと好きなんだろ?」

 

「当然だ。いくら俺でも好きでもない女と式あげたりしねえよ」

 

「なら、もういいさ」

 

「・・・白蓮」

 

「何だ?」

 

「すまん。それと、ありがとよ」

 

「・・・ん」

 

腕を組み、バージンロードを歩く二人。

 

そして、式は進み・・・・・・

 

 

 

 

 

 

一刀と白蓮は、牧師服を着た干吉を前に愛の誓いを行っていた。

 

「貴方は生涯、この女性を愛する事を誓いますか?」

 

「誓います」

 

「貴女は生涯、この男性を愛する事を誓いますか?」

 

「はい。誓います」

 

「それでは、誓いの口付けを・・・・・・」

 

互いに向かい合い、見つめあう一刀と白蓮。

 

「ん~~、やっぱりこういうの見せられるのは悔しいな」

 

「小蓮さん。同感ですけど、私達もすぐ白蓮さんに同じ気持ちを味あわせる事になるんですから」

 

「・・・・・・」

 

「複雑やなあ華雄」

 

「まあ、麗羽のいう事ももっともだ。と、自分を納得させることにする」

 

華雄に同意する他の面々。

 

そうこうしている間に、一刀と白蓮は口付けをしていた。

 

「これで二人はめでたく夫婦に・・・・・・」

 

そこまで干吉が言った時だった。

 

「待てーい!!」

 

式場の扉がぶち破られ、不審者達が中に入ってきた。

 

その不審者とは・・・・・・

 

「何だ及川じゃねえか」

 

「ちゃう!ワイはしっとマスクスーパー1や!」

 

もてない男の希望の戦士、しっとマスクスーパー1としっと団・漢だった。

 

「結婚なんて認めへん!一人だけ幸せになるやなんて・・・・・・ワイとしっと団団員が断じて許さんで!!」

 

「・・・・・・」

 

「怨敵死すべし!」

 

そう言ったのは、初代しっとマスク。

 

更にその背中からひょっこりと出てくる人影。

 

「もてない男達の希望の戦士!しっとマスク2号参上!」

 

それはいつのまにかこの外史にやってきていたしっとマスク2号だった。

 

「「「もてない男達の無念を背負い、貴様を断罪する!!」」」

 

三人のしっとマスクが集い、決めポーズを取る。

 

が、その直後、

 

「「「「「人の恋路を邪魔する奴は!馬に蹴られて地獄に落ちろ!!」」」」」

 

その場にいた女達の一撃によって彼らは星になった。

 

「何しにきたんだか・・・・・・」

 

 

こうして一度目の結婚式は終わった

 

 

 

しかし、後に行われる全ての結婚式に彼らが乱入してくることを

 

 

 

一刀たちはまだ

 

 

 

知らない・・・・・・

 

 

 

 

 

その夜

 

 

 

 

「なあ、一刀」

 

「ん?」

 

寝台で一刀の腕に抱かれながら、白蓮は一刀に語りかけた。

 

「これからまだ結婚式が続くけど、終わったらお前どうするんだ?」

 

「そうだな・・・歌の道に進んで数え役萬シスターズや美羽たちと人気を競うのもいいし・・・私塾を開いてみるのもありかなと思ってる」

 

「私塾?」

 

「この国の舵取りを担う強き男達を育てる塾!その名も漢塾!」

 

「女は駄目なのか?」

 

「いや、男達が基本弱すぎるから、パワーバランス取ろうと思って。そしたら俺塾長。白蓮は副塾長な」

 

「・・・やっぱり私も巻き込まれるんだな」

 

「嫌か?」

 

「・・・・・・慣れたよ」

 

「まあ、先の事だ。ふああ・・・・・・もう一眠りするか。おやすみ・・・・・・」

 

「私も寝るよ。おやすみ・・・・・・」

 

 

 

 

寄り添いながら眠る二人

 

 

 

 

これから彼らはどんな外史を紡いでいくのか

 

 

 

 

それを語るのは

 

 

 

 

またの機会とすることにしよう・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

恋しい想い胸に溢るる

 

 

 

 

この身の中心から萌え出ずる

 

 

 

 

恋しい想いあなたに捧ぐ

 

 

 

 

天に向かって

 

 

 

 

花咲くように

 

 

 

 

あなたを想い笑顔溢るる

 

 

 

 

この身の全てに咲き誇る

 

 

 

 

あなたを想い東雲見ゆる

 

 

 

 

明けの光を

 

 

 

 

言祝ぐように

 

 

 

 

見果てぬ夢を

 

 

 

 

思い描いて・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北郷一刀

 

 

 

 

彼の人生を記した本がある

 

 

 

 

 

彼自身が執筆した

 

 

 

 

 

そのタイトルは・・・・・・

 

 

 

 

恋姫外史終章

 

 

 

 

 

いつまでも一刀

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうも、アキナスです。

 

ようやくこの外史も終わりを迎える事が出来ました。

 

投稿を始めて約4年。

 

更新スピードがどんどん遅くなっていく中、最後までお付き合いくださった皆様には感謝の言葉もございません。

 

読んでくださった方、支援してくださった方、コメントしてくださった方、応援してくださった方、お気に入り登録してくださった方、本当にありがとうございました。

 

さて、またいつ投稿できるかも分かりませんが、次に何を書くか。

 

書きかけで終わったものを書こうとも思っているのですが、一つ書きたいと思っている新しいのがあるんです。

 

それの予告編を出して終わりとさせていただきたいと思います。

 

 

それでは皆様

 

 

また会う日まで・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日、大陸に流星が落ちた

 

 

 

 

それは、黄巾の乱が始まる何年も前

 

 

 

その墜落地点にいた少年、北郷一刀

 

 

 

彼を最初に見つけたのは、当時一刀と同じ歳だった修行中の華陀であった

 

 

 

 

一刀はその独特の医術に興味を持ち、華陀と共にゴットヴェイドーを学び始める

 

 

 

 

そして・・・・・・

 

 

 

 

恋姫外史医伝・華陀と一刀 ゴットヴェイドーの光と影

 

 

 

 

二人の医師が乱世を駆ける・・・・・・

 

 

 

 

 

 


 
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