No.755140

艦隊 真・恋姫無双 28話目

いたさん

上手く説明できたか……少し心配。 2/2 桂花と春蘭の台詞追加しました。

2015-02-01 00:16:51 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1855   閲覧ユーザー数:1609

【 一触即発 の件 】

 

〖 揚州 丹揚郡 建業 街中 にて 〗

 

祭「───お前達かぁ! 人々の通行の妨げになっていた、迷惑な輩と云うのは!?」

 

『─────!』

 

三人は、祭の姿を確認したが……喧嘩を続ける!!

 

風「………ツーン! 風は悪くありませーん! このメンマが悪いのですー!! このメンマが、風の云う事を認めないのが悪いんでぇーすッ!!」

 

星「何を云うか! お前が私の主張する事を、素直に聞かないからではないか! だから、態度が目立つ割に、胸が控えめなのだ!!」

 

星、風「「 ぐぎぎぎぎぎ────ッ! 」」

 

祭「えぇ──い! やかましいぃわぁッ!! この者達を捕らえて、牢屋で一晩、頭を冷やさせてやれぇいいい!!」

 

兵「────はっ!!」

 

稟「────申し訳ありません! 私も仲間の一人であり、この喧嘩を止めれなかった責もあります。 だから、同罪ですので……一緒に反省させて頂きませんか!?」

 

祭「ほぅ……若い者にしては、見上げた心意気よ! この者には、待遇を良くして同室に入れておけッ!!」

 

兵「────はいッ!!」

 

こうして、哀れ……と云うか自業自得の三人は、城内の牢に放り込まれた。

 

★☆☆

 

〖 揚州 丹揚郡 建業 城内 にて 〗

 

────数刻後

 

……

………

…………

 

カッーン! カッーン! カッーン! カッ!

 

炎の灯りが揺らぎ、地下に降りてきた足音が……ようやく止まる。

 

??「ふむ……報告を受けて、まさかと思い来てみれば……」

 

光が届かない暗闇の中で、一人の将が牢屋を見つめた。 

 

言わずもがな、今日の騒動の元である、三人が収容されている所である。

 

暗闇の中で、真っ白い服を着た者、頭に不思議な造形の人形を置く者、眼鏡を置いて、他の二人と違い身体に掛ける布を被る者が、見てとれた。

 

更に、よく見ようと歩を進めると……牢屋の中から声が響いた!!

 

星「フッ……一介の騒動を起こした旅人相手に、孫呉の『大都督』様自ら、わざわざ足を運んでくれるとは……非常に光栄だな!」

 

冥琳「────! 何故、私だと……気付いた!?」 

 

風「………やっぱり、風の策が功を奏したようですねー?」

 

稟「……孫呉の軍師を束ねる者として……あらゆる情報は、貴女の下へ集まる。 そして、孫呉の独立を企てている貴女としては、玉石混交の情報を仕分け、役に立ちそうなモノを探す。 重要な報告、貴重な人材とかをね?」

 

唖然とする冥琳だが……すぐさま気を取り直し、言葉を発する。

 

冥琳「………流石は、『魏の三軍師』に並べられる知将だけあるな! 私の性格を知り……まんまと此処へ……おびき寄せられたか……」

 

星「この子龍の槍捌きを持ってすれば、あの程度の包囲網など、簡単に打ち破ってみせよう!! だが、敢えて捕らえられたのは……孫呉で名高い大都督に用があるためだ!」

 

風「風の策に引っかかるようでは、まだまだ甘いですねー!」

 

冥琳「フッ───そう思うか? 逆に……お前達の尻尾を掴ませる為……策に掛かる振りをしていたら!?」

 

『────────!?』

 

冥琳の言葉に───息を呑む三人!!

 

冥琳「───思春! 降りて来いッ!!」

 

思春「─────はっ!!」

 

──────────!

 

冥琳の傍に───黄泉への導き手である『甘寧』が降り立った!!

 

稟「くっ………やりますね! まさか……天井に潜んでいたなんて!!」

 

思春「…………これで、形勢は我ら孫呉に傾いた! 覚悟しろッ!!」

 

─────────

 

牢屋の中で身体を起こし、冥琳を注視する三人!

 

─────────

 

その三人の視線を、余裕で受け止める冥琳と思春!

 

─────────

 

双方の間に高まる緊迫感!!

 

 

そして──────!

 

 

 

 

冥琳「………く……くく……」

 

 

星「………ぷ……はは……」

 

 

風「………クスッ!」

 

 

稟「────ふふっ!」

 

 

思春「─────フッ!」

 

 

『ハ──ッハハハハハッ!!!』

 

………場違いな……賑やかに笑う声が───何重にも響き渡った!!

 

 

◆◇◆

 

【 漢中へ! の件 】

 

〖 益州 成都 紫苑屋敷 にて 〗

 

 

《 一刀達が何進達と同行し、数日後……… 》

 

 

赤城「一航戦赤城! ふて寝しますッ!! ─────い、痛ぁ、痛ぁいいいッ!! 耳は止めてぇ! 引っ張らないでぇ────ッ!?」

 

加賀「誰が? 何をする気なの? ────赤城さん?」

 

赤城「加賀さん! 私達は、一航戦は……一刀提督の護衛を外されました!! これは正しく、『一航戦なんて大食いの役立たず』の意味だと暗に言っていると思うの!? だから……私は抗議するために────!!」

 

加賀「その物ズバリを体現してどうするの……? それに、あの娘達に行かせた理由も、私達が外された理由も……正式に聞いているわ!」

 

赤城「……………?」

 

加賀「私達空母は、何かと入渠すると時間が掛かる。 そのため、数人の艦娘は、漢中鎮守府の船渠に入る事を、義務付けられているの。 私も赤城さんも艦載機の整備もあるから、一番手で行く事になったのよ!」

 

赤城「それなら、あの護衛の人数は!?」

 

加賀「空母水鬼に対抗するためもあるけど……経験を積ませて改二に出来るレベルへ近付ける事が主な理由よ。 今のままでは、戦闘をしても負けは必須。 ならば、少しでも勝利の確率を上げる事を、努力しないといけないわ!」

 

赤城「でも……納得できません! 私達だって……一刀提督の傍に居たかったのに………!!」

 

加賀「それに───この案件は、左慈と于吉、一刀提督の考えを元にした方針! 鎮守府の資材備蓄も儘ならない……今の現状を踏まえた作戦なの。 私も……納得できない所もある! だけど、公私を混ぜて過ぎてもいけない!」

 

赤城「───そう言えば、于吉さんと左慈さんは? 空母水鬼の居場所を探りに行ったまま、見当たらないのですが?」

 

─────!

 

左慈「俺達なら……此処にいる! 漢中鎮守府の様子を見ていたんだ!」

 

于吉「左慈が……私を離してくれなかったんですよ! もぅ、あんなに激しく攻めるから、身体が壊れるかもと……////////」

 

『────────!?』───ザッ!

 

左慈「于吉! 変な言い方は止めろぉおおおッ! お前らも距離を取るな!! この馬鹿が、空母水鬼に攻めようと云うのを、力尽くで止めただけだ!! お前達の考えている関係じゃねぇえええ────ッ!!」

 

加賀「───で、此処に来たのは?」

 

于吉「お察ししていると思いますが、船渠の案内をしに来たんですよ! 北郷達に従う艦娘達には、左慈が氣を使って回復してありますが、あくまで応急処置。 帰ってきたら皆にも入って貰います!」

 

赤城「───え!? じゃ……その間の秘書艦役は、私と加賀さんが務める事に!?」

 

左慈「まぁ……そうなる可能性が高いな!」

 

赤城「加賀さん! グズグズしている暇はありません! 直ぐに鎮守府に行って修復処理をして来ましょう!」

 

加賀「………では、留守の者に伝えておきましょう! まだ、この地に残る艦娘達にも声を掛け、二回目の時と交代するよう話をしておきます!」

 

ーーーーー

 

こうして、赤城、加賀達は──漢中鎮守府へ向かった。

 

 

◆◇◆

 

【 白蓮の活躍 の件 】

 

〖 幽州 啄郡 城内 にて 〗

 

白蓮「────兵より連絡がきた! 北部の村で盗賊が現れたそうだ! 愛紗、鈴々!! 兵を引き連れて行ってくれ!!」

 

愛紗「───はっ!! 鈴々、行くぞぉおおおッ!!」

 

鈴々「戦なのだぁ───ッ!!」

 

ーーー  

 

彼女は、幽州啄郡大守 『公孫賛伯珪』……ちなみに『姓が公孫、名が賛、字が伯珪』と読む。 真名は『白蓮』と云う桃香の親友! 

 

簡単な説明であるが……皆から『普通』と云われるが、政治や統率力、武力は及第点をいく『万能』の人。 ただ、及第点を越える……それ以上のモノが無い為、器用貧乏で収まる不遇の人でもある。

 

ーーー  

 

桃香「白蓮ちゃん凄いね! 愛紗ちゃんや鈴々ちゃんを纏めて、村の襲撃に対応するし、私に勉強教えながら政務を行うなんてぇ! 尊敬しちゃうよぉ!」

 

白蓮「………あのなぁ……何度でも云うが、これは普段の努力と皆の働きのお陰に過ぎないんだよ! 愛紗達と従う兵達が一緒懸命に賊を倒し、下の文官がより良い統治を目指す! 私の仕事は、その者達の働きに応えるだけだ!!」

 

★☆☆

 

桃香達一行は、路銀稼ぎをしながら働き、益州を目指す旅を続けていた。 

 

しかし……やはりと云うか……当然と云うか……鈴々の食費の費用維持、桃香達の人助けもあり、益州行きどころか、隣の州に渡る事さえ困難になる。 

 

そのため……愛紗は思案した。

 

 

★ーー★ーー★ーー★ーー★

 

私達だけで益州へ向かう事は無理だ。 

 

それに……無事に到着できても、私達の今までの経験では、ご主人様の役に立たないばかりか、足を引っ張らざる得ない! 

 

ならば……『白蓮殿』の下に仕官しよう!! 

 

白蓮殿なら、桃香様に政務の経験を実地で積ませる事ができるし、私達も経験や路銀を稼ぎやすい! 

 

それに、大守となれば、洛陽にまで出掛ける事が多いと聞いている! 私達を、洛陽まで連れて行ってくれる事も可能な筈だ!!

 

★ーー★ーー★ーー★ーー★

 

 

そんな事で、桃香に提案したら……アッサリ受け入れられる。

 

『そうだったね! 此処は白蓮ちゃんの赴任先だった!』と宣い、鈴々は『………スッカリ忘れていたのだー!』と笑っていた。

 

だが……一つだけ……愛紗が考えていなかった事がある。

 

白蓮の居城に到着して、桃香が名乗り出ると……大守である白蓮が直接出迎え、一言述べたのだ。

 

『………待ってたよ、桃香! 関雲長と張翼徳も! 私の所に仕官に来てくれたんだろう!?』

 

白蓮にも……記憶があったのだ。 普通に………。

 

 

★★☆

 

 

白蓮「……桃香は人が良すぎる。 人助けも大事だが……自分達の事も大事にしろ! でないと、桃香や愛紗達が悲しむぞ!?」

 

桃香「そ、そんな事……ないもん!! 皆が仲良く出来る世界を作るには、まず私達が動かないと!!」

 

白蓮「その事には、私も同意する! 分からない奴には、まずは手本を見せて実行を促す。 それが先人たる者の役目! しかし……桃香の人助けは『奉仕』が多すぎるぞ! 自分達の大事な勤労を無駄にしているんだ!!」

 

桃香「ひ、ひど~い! 白蓮ちゃん!! 世の中には私達の力を必要とする人達は沢山居るんだよ!? それなのに……見返りを寄越せなんて……私には出来ないよぉおおおッ!!?」

 

白蓮「じゃあ、例え話だ! 桃香達に『100』の金がある! 困った者が『50

』貸してくれと頼んだ。 その場合……桃香は貸すよな?」

 

桃香「当然だよッ!」

 

白蓮「後になり、その者が『30』だけ工面して返してくれた。 だけど、お前は、生活が苦しいから……なんたらで受け取らない場合が多い。 ────そうだよな?」

 

桃香「そうだよ! 無理に用意して物を貰ったら……その人、また困っちゃうもんッ!!」

 

白蓮「ここからが問題だ。 もし、別の者が『70』貸してくれと……頼まれた時、桃香は見捨てるのか?」

 

桃香「───────!?」

 

白蓮「桃香が『30』受け取れば……問題はなかった。 だけど、受け取らなかったから不足を生じた! ………違うか?」 

 

桃香「う……うん。 だけど……私が工面すれば……!」

 

白蓮「よく考えろぉ!! 自分達の物まで渡して、生活出来ると思うのか?  お前が良くても、妹達に不憫を掛けさせたいのか!」

 

桃香「…………………シュン!」 

 

白蓮「今は亡き盧植先生も……桃香の天然さを心配していたんだ! だから、その才能を愛でてはいたが、上に向かうのは無理だろうと惜しがっていたんだよ! 人に騙されて、自滅するだろうって!?」

 

桃香「うぅぅ……先生ぃいい!」

 

白蓮「先生の代わりが……私が語るのも傍ら痛いが……敢えて云わせて貰う! 奉仕では無く……仕事として扱って欲しいんだ!! 桃香の力が発揮できる仕事に────ッ!!」

 

桃香「でも、それじゃ……行動を縛られて、助けれる人が少なく……」

 

白蓮「少し意地悪が過ぎたか? さっきのは例えだ! 金銭の貸しが出来なければ、別の事で助ければいい! 人手が足りなければ人手を、知恵が足りなければ知恵を! 物事を多方面に考えて、実行すればいいんだよ!」

 

桃香「…………………」

 

白蓮「まぁ………お前のやっていた事は、無駄じゃない! 世の中で一番大事な『信頼』を手に入れているんだ! それに、お前が使われる人物じゃなく、使う立場になれ! そうすれば……ある程度は、自由にできる!!」 

 

桃香「…………白蓮ちゃん」

 

白蓮「………だから、私も……こうやって力に成ろうと、待っていたんだからな! 少しずつ頑張ろう! ──なぁ、桃香?」

 

桃香「あ、ありがとう! ………ありがとう!!」

 

ーーーー  ーーーー  ーーーー

 

こうして、桃香達は……白蓮の下で更なる力を蓄える事に力を尽くす。

 

─────自分達の目指す未来の為に!!

 

 

◆◇◆

 

【 桂花 合流 の件 】

 

〖 兗州 陳留郡 陳留城 謁見の間 にて 〗

 

玉座には……覇気を放つ『華琳』、その左右には忠義の将『春蘭』『秋蘭』が並び立つ。 そして、下には『荀文若(真名 桂花)』が……片膝を付いて礼をとっていた。

 

華琳「貴女が『王佐の才』を持つと云われる荀文若ね。 噂は前々より聞いているわ! 貴女のような才女が私の下に来てくれるのなら、我が軍は更なる飛躍を約束されたも同然! 大いに期待しているわ!!」

 

桂花「───はっ! 有り難き幸せ!!」

 

華琳「でも……貴女が麗羽……いえ、袁紹の下より去ってきたと云うけど、どうして私の下に来たの? 貴女のような『王佐の才』を持つ者が、袁紹より領地、兵数、家格も下がる……この曹孟徳に仕えようとするのかしら?」

 

桂花「……はっ! 私の目からして……領地、兵数、家格など……考えの基準には入りません! 曹孟徳様の器と袁紹の器を比べた結果、孟徳の器が……遥かに大きいと思われた次第であります!!」

 

華琳「だけど……挙げた物は、政治にも戦場にも……今の世に重要度が高い物ばかり! これで勝敗は──決まったも同じよ!?」

 

桂花「私は───そうは思えません! 何故なら、挙げた物は所詮、空に浮かぶ月のような物。 満ちても……次第に欠けるのが定め! 特に……器が合わぬ者が持てば、素直に移り変わりが出てくる事でしょう!」

 

秋蘭「………では、孟徳様には……その資格があると?」

 

桂花「───御意で御座います!」

 

華琳「うふふっ! 面白いわね! ────では、最後に聞こう! 袁紹の大軍に対して……勝てる自信は、どこから出る!? 先に挙げた物は……全て袁紹の手持ちが上! その中で、貴女が見出した勝機は!?」

 

桂花「………私と云う知謀の士が加わる事! そして、孟徳様に器に引き寄せられる臣下達の力! そして───かの天の御遣いが、この軍に加わる可能性が高い事! これが……荀文若の結論で御座います!!」

 

華琳「それは───どう云う事!?」

 

秋蘭「──────?」

 

春蘭「──────!!!!」

 

桂花「私は、天の御遣いを……待ち続けていました! 我が『主』に頼まれた……最後の願いを果たす為に!!」

 

華琳「……………ふ~ん、麗羽では無い『主』ね? ………いいわ、そこまで云うのなら、我が軍に加わって貰う! 但し、此処に居るからには、主は私だと覚えておきなさい!! ────良いわね!?」

 

桂花「───はっ!」

 

 

★☆☆

 

〖 桂花の部屋 〗

 

 

桂花「……………ふぅ」

 

ドンッ! ドンッ! ドンッ!

 

桂花「誰よ! 『のっく』なら静かにやりなさい!」

 

───ガチャ ダダダダダダッ! 

 

春蘭「うおぉおおおお───ッ!! 桂花、桂花、桂花ぁ──ッ!!」

 

桂花「ちょっ!? ひ、人がまだ許可して無いのに、真名を連呼するなんて、死にたいの!? それとも、今度は本当に頭が筋肉になったの!?」

 

春蘭「やはりぃ桂花だぁ───ッ!? 良かった! 良かったぁあああッ!」

 

桂花「………春蘭……貴女には記憶があるね? やっと……ぐすっ……やっと会えたわ!!」

 

春蘭「桂花! 教えてくれ!! 華琳様や秋蘭には、何故……北郷の記憶が無いんだ! それに、北郷は……天に帰った後どうなったんだ!? ……私は……あの場所で……早く世を去る事になり……その後の話を知らん!!」

 

桂花「…………そう。 やはり……記憶は無かったのね」

 

春蘭「………け、桂花?」

 

桂花「…………一刀が天に帰って数十年後、春蘭を皮切りに……仲間達が次々に亡くなっていたわ。 皆が皆……死ぬ間際に……一刀へ『お帰りなさい』と迎えたかった……と言い残して逝ったわ。 そして、私と華琳様が残り……」

 

春蘭「……………………」

 

桂花「華琳様が……先に倒れられ……私に頼んだのよ。 『一刀に出会えたら、皆の分を含めて、言葉を掛けてあげて……!』と。 だけど……私も、その数年後には、世を去る事になったわ………」

 

春蘭「ぐぅ──! 華琳様ぁあああ………!!」

 

桂花「華琳様は、誰よりも強く、誰よりも深く……一刀の帰りを待っていたのよ。 夜遅くまで、窓を眺めていては、溜め息を付いていらしたわ!」

 

春蘭「華琳さまぁぁあああ────ッ!」

 

桂花「………だから……私は一刀に出会い、曹魏に来て貰うの! 亡き前の世界の主『華琳』様との約束を果たす為に!!」

 

春蘭「───だが! 華琳様や秋蘭は……全然……私の話を信じてくれないのだ!!」

 

桂花「それは……私だって、記憶が無ければ信じられないわよ……」クスッ!

 

春蘭「なっ!? ────は、早くも裏切るのかぁ!?!?」

 

桂花「まぁ……脳筋の頭脳なら、そこまでが精一杯だと思うわ! 私が少しずつ信用を積み重ねながら聞いていくから、安心していいわよ!!」

 

春蘭「………桂花! お前がこっちに来たのは、もしかして……袁紹……

麗羽達に記憶が無かった為か?」

 

桂花「────どうして、そう思うの?」

 

春蘭「いや、北郷の記憶が無いから……居づらくて……こっちに来たのかなと思ってな? それとも、早く……北郷に会いたかったのか?」

 

桂花「……あのねぇ……記憶が麗羽達が持っていたら、官渡の戦いも華琳様の飛躍も無かったのよ? そうなれば、私が麗羽の下に残り、情報操作して自滅を図らせるわ! そうすれば、華琳様が早く大陸を統一できるでしょう?」

 

春蘭「………あぁ……なるほど?」

 

桂花「もぉッ! 分かってないのに生返事しないで!! 早い話が、私が居ても居なくても、関係無かった! なら、華琳様のお側で働いた方がいいじゃない!! そのくらい考えなさいッ!! ───馬鹿ぁ!! 脳筋!!」

 

春蘭「な、何をほざく!! 人が……し、心配してやれば────!!」

 

桂花「人の心配より、自分の心配しなさい! 全く……昔と……昔とぉ……全然変わらないんだからぁあああッ! 何十年経つと思うの!? こんな喧嘩ぁあ、やりあう事なんてぇ! 二度と無いと思っていたのにぃいいい──!!」

 

春蘭「桂花……………」

 

桂花「やっと……仲間に逢えたのに、なんで喧嘩しなきゃなんないのよ!」

 

春蘭「す、すまん………!」

 

その城内の一室は、夜遅くまで……騒がしがったそうである。

 

 

 

ーーーーーー

ーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

この世界の登場人物も……少しずつ賑やかに、シリアスへコミカルへ話が移って参ります。 一話一話が、作者の妄想を即効で形にした物です。

 

矛盾点が多いとは思いますが、楽しんでいただければ、幸いです!

 

 


 
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