No.752479

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第500話(外伝終了)

2015-01-19 17:11:05 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1392   閲覧ユーザー数:1260

~オルキスタワー・屋上~

 

「…………………………」

一連の流れを見ていたロイドは呆け

「ついに始まってしまったわね……」

「はい……」

エリィとティオは疲れた表情で呟いた。

 

「…………あんな兵器が猛威を振るえば二大国は焦土と化すぞ…………」

「さすがにそこまではしませんよね…………?」

ツァイトの言葉を聞いたセシルは不安そうな表情でヴァイスに尋ね

「安心しろ。町や都市等にあの兵器を使う予定はない。民達にまで被害が出てしまうしな。」

(これがかつてのメルキアの”覇王”………)

ヴァイスの答えを聞いたロカは複雑そうな表情でヴァイスを見つめた。

 

「―――で、貴方達はどうするのかしら?あの”大樹”に行くつもりなのでしょう?」

その時エルファティシアは静かな表情でロイド達を見つめて尋ね

「…………ええ。あそこにはキーアがいます。何としても取り戻さないと。」

「俺は叔父貴と決着を付ける必要があるしな。」

「私も……同じです。」

「ま、僕もいい加減ヴァルドと決着をつけてあげないとね。」

尋ねられたロイドは答え、ロイドに続くようにランディ、リーシャ、ワジはそれぞれ答えた。その時誰かのエニグマが鳴りはじめた。

 

「っと、僕か。……―――ああ、ケビンか。…………」

「………先程の話を聞く限りクロスベルの復興はヴァイスハイト陛下ではなく、貴女達がするのですか?」

ワジが通信を開始している中ルフィナは真剣な表情でエルファティシア達を見つめて尋ね

「ええ、そうよ。ロイド達にも説明したと思うけど、私はかつて”王”を務めたから大丈夫よ♪」

「まあ、それを言ったらこの私とてかつては王族。領地の経営、復興など簡単すぎるわ。」

「私もかつては”女王”を務めた者……………必ずやこの地に住む人々の心を一人でも多く癒し……荒れたこの地を復興させるつもりです。」

「同じく私も我が王―――エルファティシア様の跡を継いだ者。協力し合ってこの地を復興させるつもりです。」

尋ねられたエルファティシアは答え、エルファティシアに続くようにフェルアノ、マルギレッタ、メイメイが答えた。

 

「ええっ!?」

「王族に”女王”が三人って…………」

「しかもその方達全員が、”将”扱いだなんて…………」

「つくづくヴァイスさんの人脈の凄さを思い知らされますね…………さすがは元王族ですね。」

エルファティシア達の答えを聞いたロイドは驚き、ランディは冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、エリゼは信じられない表情になり、ティオは疲れた表情でヴァイスを見つめ

「別に王族は関係していないぞ?」

「フフ、確かにそうですね。」

「皆さん…………戦争中のさまざまな事情によって……ご主人様の仲間となられましたから……」

ヴァイスの言葉にリ・アネスは苦笑しながら頷き、ミスティは微笑みながら答えた。

 

「―――少々名残惜しいですが皆さんとはここでお別れですね。」

「え……」

「そう言えばエリゼさんはクロスベル解放まで協力して頂く事になっていましたね……」

「ええ、現時点でエリゼお姉さんの”特殊任務”は無事完遂した事になるわ。」

エリゼの申し出を聞いたエリィは呆け、ティオは複雑そうな表情でエリゼを見つめ、レンは静かな表情で答え

「エリゼさんはこの後リフィア殿下の元に戻るのかしら?」

セシルは不思議そうな表情でエリゼに尋ねた。

 

「はい。セシル様の仰る通り私はこの後リフィア殿下達に合流し、エレボニア帝国侵攻時にリフィア殿下のお世話係兼緊急の護衛役として従軍する事になっていますので。………肝心のキーアさんの奪還までご協力できず申し訳ございません。」

「そんな!短い間でしたがエリゼさんには凄くお世話になりました。今まで協力して頂き、本当にありがとうございました。」

「クロスベルが解放できたのはエリゼさんの協力のお蔭でもあります。どうか私達の事は気になさらないで下さい。」

「お気をつけて。」

「ま、その”神機”があるから大丈夫だと思うけどあんま無茶すんじゃねえぞ。」

「まあ僕達には”空の女神”やその一族達に”ブレイサーロード”達、後は”嵐の剣神”達という超反則な助っ人がたくさんいるお蔭で”剣聖”である君が抜けても全然問題ないから、マジでこっちの事は気にしなくていいよ。」

「ワ、ワジ君!?エリゼさんに失礼でしょう!?え、えっと、あの……今までありがとうございました!」

ロイド達はそれぞれエリゼに別れの言葉を告げ

「はい。―――それでは私はこれで失礼します。皆さんがキーアさんを無事取り戻せる事を心からお祈りしております。――――ヴァイスリッター、私を中に。」

「承知―――」

エリゼはロイド達に会釈をした後ヴァイスリッターの中に入ってヴァイスリッターを操縦し、その場から飛び去って行った!

 

(そう言えば”騎神”のパーツや武器はⅦ組が探している”ゼムリアストーン”でできているんだったわね…………うふふ、良い事を思いついちゃったわ♪後でセティお姉さん達かユイドラにいるウィルお兄さんに連絡して神機―――いえ、ヴァイスリッターの”太刀”の作成を頼もうっと。オルディーネの残骸と武器がオルディーネを壊したヴァイスリッターの得物になっちゃった事を知った”C”や”蒼の深淵”の反応が今から楽しみね♪敵にはショックを与えて、エリゼお姉さんをパワーアップさせたらリフィアお姉様やエリゼお姉さんの為にもなるから一石三鳥ね♪)

ヴァイスリッターを見送った後オルディーネの残骸やダブルセイバーに視線を向けて何かを思いついたレンは小悪魔な笑みを浮かべた。

「……局長―――いえ、ヴァイスハイト陛下。オルキスタワー攻略に協力したレクター少尉並びにキリカ補佐官が貴方に面会を求めていますがどうしますか?」

「レクターさん達がですか!?」

「……恐らく”交渉”してそれぞれの国を守る為でしょうね。」

「あ…………」

「…………」

セルゲイの申し出を聞いたロイドは驚き、ルフィナの推測を聞いたティオは呆け、エリィは複雑そうな表情で黙り込んだ。

 

「――――いいだろう。どうせエレボニア帝国侵攻まではまだ時間はあるし、オルキスタワー攻略を手伝ったのだからそのくらいの要請には応えてやらねばな。―――フェルアノ、お前にもリセルやアルと共に同伴してもらうぞ。」

「ええ、いいわよ。フフ、異世界の外交官達はこの私と貴方相手にどう立ち向かって行くのか楽しみね。」

セルゲイの問いかけに答えたヴァイスに視線を向けられたフェルアノは妖艶な笑みを浮かべ

「ア、アハハ……容赦ないですね、ヴァイス様……」

「ルイーネ殿と同等の交渉術を持つフェルアノ殿を同伴させる時点で、手加減はしない証拠ですね……」

その様子を見ていたマルギレッタとリ・アネスは冷や汗をかいて苦笑し

「ええっ!?」

「あ、あのルイーネ一佐と同等の交渉術を持っているのですか!?」

「さ、さすが元王族の方ですね……」

(スタイル抜群の美女なのに、おっかね~……まるでルファディエル姐さんみたいじゃねえか……)

(さすがにあの人程ではないと思うのですが……”勝てない戦”に挑むレクターさん達は御愁傷様ですね。)

リ・アネスの言葉を聞いたロイドやノエルは驚き、エリィは冷や汗をかいて苦笑し、ランディとティオは疲れた表情で小声で呟いた。

 

「二大国侵攻の件が終わるまではエルファティシア達と連携する必要がありそうだな…………――――もう一度確認するが、やはりお前達はあそこに行くのか?」

「ええ、もはや警察の仕事とは言えないかもしれません……ですが、キーアと全ての真実があそこで待っている以上、俺には放っておけません。」

「……私もです。ベルを止めないと…………」

「まあ、ここまで来たら一蓮托生は当然かと。」

「叔父貴たちも手ぐすねひいて待ってるみてぇだしな。」

「あたしも……付きあわせてください!」

「ま、メルカバを提供するんだし、僕も付きあわせてもらうよ。ああ、それと…………ケビン達やエステル達も手伝ってくれるってさ。」

「……私も”彼女”と決着を付ける必要があります。私自身のけじめのために……」

「……マクレインとイアン先生の両名については詳しい事情聴取の必要もあります。私も同行するつもりです。」

「私は”軍神(マーズテリア)”の神官戦士として彼らに最後まで付き合います。幼子を自らの欲望の為に利用する愚か者達は見逃せません。」

「私は”空の女神”の要請を受けて時代を越えて現代に来たのですから、ケビン達と一緒に最後まで”特務支援課”の皆さんに付き合うつもりです。」

「……私もアリオスさんからガイさんの事について聞く必要がありますから、ロイド達に着いて行きます。」

「……当然私も力を貸す。何せ女神自身も力を貸しているのだしな……」

「……私達ディオン姉妹も当然力を貸すつもりです。」

「だって、あたし達も”特務支援課”の一員なんだから!」

「必ずやキーアさんを奪還してみます……!」

「キーアも勿論ロイド達と一緒に行く……!それがキーアのロイド達への”贖罪”であり……”恩返し”でもあるんだから……!」

セルゲイに見つめられたロイド達はそれぞれ決意の表情で答えた。

 

「クク……止めても無駄そうだな。――――市内とタワーの方は任せておけ。エルファティシア達と連携を取って、クロスベルを復興するつもりだ。お前達はお前達で納得できるまでやって来い。『特務支援課』として……何よりもお前達自身として!」

そしてセルゲイは口元に笑みを浮かべて呟いた後ロイド達を見つめて呟いた後号令をかけ

「はい……!」

セルゲイの号令にロイド達はそれぞれ答えた!

 

こうして……ディーター大統領の独裁によって支配されていたクロスベルは解放され……”六銃士”とその仲間達によって”クロスベル帝国”が建国された……!

 

 

これにてクロスベル篇は終わりです。そしてレンちゃんが何やらとんでもない事を考えていますwwちなみにヴァイスリッター(エリゼ)の騎神戦は今のところ後1回予定しています!なおその騎神戦は終章のラストダンジョン突入前の準備期間あたりの予定です。誰が神機に”挑む”のでしょうね~(ガタガタブルブル)


 
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