No.750895

真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第四十九話

ZSANさん

とある日の出来事

2015-01-12 15:41:42 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:3568   閲覧ユーザー数:3070

~一刀視点~

禅譲が終わりこの世界で生きて行く決意も皆に示した

大和朝廷が本格的に動き出す

まず、しなくてはならなかったのが各城主の整理だ

大和も旧呉、曹操、沙羅(劉埼・真名は預かり済)の全ての所で領内の安定を優先していた

その為、褒められない政を行っていた城主もそのままになっている

それを全て交替させる

無論、反発も出た 特に呉の豪族は反乱寸前までいった

だが、既に統一国家となった大和に勝てる見込みも無く、またある程度の財産の所有は認めた

ただ、これからその領土の統治が出来なくなるが

その為、表面的には無事に交替させられた

そして蓮華を行政監察官に任命して、その後悪政を行えば罰する様に法を改正した

その城主達を統括する州牧も任命した(荊州は朝廷直轄地として任命せず)

その州牧も任期を決め、中央とのやり取りを頻繁にさせる

効率は悪くなるが、腐敗防止の為の措置だ

州牧として任期を問題なく治めれば、中央に戻り、それなりの官職に就く可能性もある

全ては本人の能力と人間性次第だ

州牧の任期制は江戸時代の天領の治め方を参考にした

 

これらを全てこなした後でなければ、新たな政策が始められないので早急に行った

その為、忙しさは並では無かった

特に文官の仕事は爆発的に増えた

旧呉や華琳、沙羅の陣営の文官達だけでなく、華琳や沙羅、桃香らも仕事に加わっている

更に本来武官だが文官の仕事も出来る紫苑や秋蘭達にも内政の仕事をして貰っている

 

こうして少しずつ国家として動き始める事が出来るようになった

そんなある日の事

その日は雲が濃く、間もなく雨が降るのは確実だった

「これは、もうすぐ雨が降るな

 それも雷雨だ」

俺がそう呟くと

「陛下は天候も予測できるのですか?

 雨なら兎も角、雷雨とまで言い切るとは」

偶然聞いていた愛紗が訊いてくるが

「訳有で雷雨だけは予測がうまくなったんだ」

愛紗は訳が解らない顔をしていたが、俺は執務室に戻り政務を再開した

 

その夜、予測通り雷雨となった

今、俺の居室には鞘華がいる

だが、決して甘い雰囲気では無く、鞘華は涙目になっている

そう、鞘華は昔から雷が大の苦手なのだ

その為、俺も”鞘姉”が心配で雷雨の予測がうまくなった

そして今、二人共寝台に座っているが鞘華は俺の腕に涙目でしがみ付いていた

「もう、やだよ~」

雷が光り、音が鳴るたびに身をこわばらせる

傍から見ると微笑ましいが、本人は堪らないだろう

「俺が隣にいるから」

そう慰めるのが精一杯だった

そんな時、扉の外から声がした

「一刀お兄ちゃ~ん、璃々だよ

 入っても良い?」

意外な人物が来たので扉を開けてあげると、紫苑も一緒にいた(鞘華はその間も俺にしがみついていた)

「どうしたの、璃々ちゃん?」

俺が訊いてみると

「お母さん、ちゃんと自分で言わないと」

と言って、紫苑を俺の方に押し出す

紫苑は言いづらそうにしていたが、その時雷が近くに落ちたらしく、強い光と大きな音がした

すると、俺に鞘華だけでなく紫苑も抱き付いてきた

暗がりで分かりづらかったが、よく見ると紫苑も泣きそうな顔をしていた

「え~と、つまり紫苑も雷が怖いの?」

俺が訊くと紫苑は恥ずかしそうに

「はい、昔から少々苦手でして」

「少々じゃないでしょ

 雷が鳴るとずっと璃々に抱き付いているんだから」

璃々ちゃんの補足で大の苦手だと判明

そして、更に

「一刀お兄ちゃん、お母さんと一緒に寝てあげて

 そうじゃないとお母さん、雷が怖くて寝られないよ」

紫苑にも可愛いところがある物だと思い承知した

だが考えてみれば既に鞘華がいる

と云っても、俺の寝台は大人4、5人が同時に寝れる程の大きさは有る

以前、鞘華が

「一刀はこれから一人で寝られることが無いだろうから大きい方が良いでしょ」

と言って、大きめの寝台を用意してくれたのだ

その為、俺は両腕を鞘華と紫苑に抱きかかえられたまま寝る事になった

以前にも有ったが二人の胸がそれぞれの腕に押し付けられている

しかし、璃々ちゃんもいるし、怯えた二人を抱く事も出来ないので生殺し状態で夜を過ごした

 

余談ながらこの夜の話が璃々ちゃんより皆に伝わると家臣に雷が苦手な者がかなり増えた

~あとがき~

 

州牧の任期制は文中にも書いた通り江戸時代の制度を参考にしました

金山奉行とか長崎奉行とか代官と言った物の制度です

あれも確か任期制だったと記憶しています

間違いであれば申し訳ありません

 

雷の話は「萌将伝」の焼き直しみたいなものです

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 


 
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