~華琳視点~
「華琳様、江夏に放っていた斥候が戻りました
ただその報告が少し妙でして・・・」
歯切れの悪い桂花に報告を促すと
「はい、それが劉埼陣営は江夏を放棄 江夏には将、兵が一人もいません」
「なんですって?」
どういう事?劉埼の元には優秀な軍師を抱えた劉備がいる
無血開城しなくても時間稼ぎなら出来ない事も無い
その間に大和や孫呉に救援を求めればいい
そうれなのに何故?
「水軍の船は焼き払われていたのか?」
江夏を攻めた最大の目的を訊くと
「それは全くされていません
単純に将と兵が逃亡した そんな感じのようです」
ますますわからないわ
「取り敢えず江夏を占拠する」
この戦い一筋縄ではいきそうにないわね
でも、それこそ望むところ
~桃香視点~
「一刀さんの命令通りにしたけど、本当によかったのかな?」
曹操さんが80万の軍勢で進軍して来たとの報を受けた直後、一刀さんから襄陽へ撤退しろとの命令が来た
確かに私達の兵数は5万 勝ち目はない
そして、水軍の船は焼き払わ無くても良い そう付け加えられていた
つまり水軍の船を只で曹操さんにあげる事になる
何を考えているのかさっぱり分からない
「朱里ちゃん、一刀さん何を考えているんだろう」
「一刀さんの考えは推測できますが、確信は有りません
ですから、今は襄陽へ急ぎましょう」
私達が襄陽に着くと、関羽さんが出迎えてくれた
「劉備殿、無事で何よりです
早速ですが、明日 私達と共に一刀様と合流する為に出発していただきます
その後の事は一刀様に合流してから、直接訊いてください
取り敢えずは、兵に休息を取って貰いましょう」
関羽さんはそれだけ説明すると部屋に案内してくれた
翌日、襄陽の兵5万と私達の兵5万の合計10万の軍勢は襄陽を出立した
~雪蓮視点~
「雪蓮、一刀から連絡が来たぞ」
冥琳から一刀の書状を受け取り一読して、冥琳に渡す
「成る程、曹操に餌をさらす訳か
そして、その決戦をこの地で行う腹か
どうする、雪蓮?」
分かってて訊いてるわよね~
「当然、出陣するわ
妹の婚儀を邪魔された礼もしないとね」
私達も出陣する
決戦の地『赤壁』へ
~一刀視点~
10万の兵を率いて成都を出立して、襄陽からの軍との予定合流地点に到着した
愛紗達と合流すると、予定通り桃香達もいた
「お久しぶりです ところで訊きたい事があるんですが・・・」
桃香の質問を遮って
「それは行軍しながらにしよう
先ずは、軍を再編して赤壁へ向かう」
「そこが決戦の地ですか」
朱里は察したようだな
流石、諸葛亮孔明
赤壁へ向かう途中質問を多数された
その1
「曹操さんに江夏を無血開城してよかったんですか?
時間稼ぎ位なら出来たかもしれないのに・・・」
「華琳はそれを防ぐ為にも80万なんて出鱈目な数で攻めて来たんだ
時間稼ぎをしても、俺達が到着する前に落とされるよ」
その2
「水軍の船を焼き払わないなんて、只で曹操さんにあげるような事何でするんですか?」
「彼方に此方の思惑に乗って貰う為さ
水軍の船を手に入れて俺、雪蓮と云う餌をさらせば、彼女は間違いなく赤壁に来る」
その3
「曹操さんが直接、呉を直接攻める可能性は・・・」
「無いね そんな事をすれば曹操は決戦から逃げて領土を掠め取った卑怯者として笑い者だ
そうなれば呉の領土だけでなく、本拠地の統治も難しくなる
それに、あの誇り高い華琳がそんな恥知らずな事をする訳が無い」
その4
「でも、60万位を決戦に向けて残りを呉の制圧に向ける可能性も・・・」
「それならそれでいいさ 決戦で勝てばその制圧部隊も後で蹴散らせば済む」
その5
「鞘華さんは居ないんですか?」
「鞘華は今は成都に居るよ 理由は言わないけどね」
その6
「あの~孫権さんがすごく怖いんですけど~」
「頼もしいと思って、諦めてくれ」
そして赤壁に到着して孫呉と合流した
~華琳視点~
水軍を手に入れた時、一刀と孫策が合流したとの連絡が入った
場所は赤壁
「そこで決戦を行おうと言ってるのね
ならば、その誘いに乗ってやるわ」
私の命令に稟が
「お待ちください わざわざ敵の思惑に乗る必要は有りません
直接、呉を攻めるべきです」
異論を述べてくるが
「決戦から逃げて領土を掠め取る事に何の意味がある
相手を正面から破ってこその覇道
決戦から逃げれば卑怯者のそしりを受け、後世までの笑い者となるだけだ」
「しかし・・・」
「くどい!
赤壁に向けて出陣する!」
私達は赤壁に向けて出陣する
3日後に赤壁に到着して、大和、孫呉連合軍の対岸に陣を構える
さあ、雌雄を決する決戦を始めましょう
~あとがき~
今回は決戦直前までです
江夏から赤壁に華琳がわざわざ行く理由を説明しましたが、納得していただけたでしょうか
次回から赤壁の戦いです
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
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「あの戦い」に向けて