No.747052

真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第三十七話

ZSANさん

益州の一刀達に2つの報せが届く

2014-12-30 15:28:21 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:3729   閲覧ユーザー数:3247

 

~華琳視点~

「呂布を逃がしたのは痛い誤算ね

 霞と賈詡を手に入れられたのは良かったけどね

 まあ、被害が少なかったので問題は無いわね」

「はい、董卓軍は武将が呂布と霞の2人以外にはこれと言った人物が居ません

 汜水関で華雄が戦死していなかったらもっと苦戦していたかもしれません」

桂花の話を聞いていた霞が声を上げる

「何を言っとるんや

 華琳の所の情報収集力も大したことないな~」

霞の言葉に稟が

「では、他にも有為な武将が居たのですか?」

「ああ、高順がな」

霞の口から出た名前に心当たりはない

「霞、その高順とはどんな武将なの?」

「高順はな、見た目は背の高いちょっときつめの美人や

 体型も良くて腰は細いのに、胸や尻はかなりの重量感があるで」

霞の話を聞いていた桂花が

「見た目じゃなくて、能力を聞いているのよ!」

と食ってかかる 霞は分かって言ってるんでしょうけどね

「分かっとるわ~ そんなに固いと良い男が見つからへんで

 話を戻すけど高順の武は華雄よりもちょっと下かもしれん

 でも鍛錬では五分やった 相手の隙を突くのがうまいんや

 ただし、うちが高順を買っているのはそこやない

 部隊指揮がうまいんや

 呂布が部隊指揮を殆どせんで、活躍しとるんで目立たんけどな

 汜水関で華雄が戦死した後、一部隊を任そうと思うとったけど連合では後方に下げられたからな

 今回は呂布の力を最大限活用するには今のままがええ、ちゅう賈詡の意見で呂布の副官やったけどな」

霞の言葉通りなら惜しい人物をもう一人逃がした事になるわね

しかし、逃がした者より次の作戦の遂行が重要

「次は涼州を攻めるわ

 各人、準備を進めよ!」

~一刀視点~

「一刀さん、天水方面の情報が入りました

 天水に曹操が攻め入り、曹操が勝利

 董卓、賈詡、張遼は曹操に投降したようです」

華琳がまた強大になったか あれ?一人抜けてないか

「呂布はどうしたんだ?」

「逃走したみたいですね

 行き先は不明です」

「分かった、引き続き情報の収集を頼む」

 

「北郷様、此処より北東約3里に200人程の部隊を発見

 賊なのかどうかは不明です」

兵の報告に鞘華が

「放置は出来ないわ

 私が行くわ 一刀は体調がまだ完全じゃないから今回は待機して居て」

そう、俺はまだ完全に回復していない

毒は殆ど問題ないくらいに回復したが、その間に落ちた体力が戻っていない

それと応急的に血を出す為に切り裂かれた傷がまだ癒えていない

外科手術の様に綺麗に切ったのではなく、血を出す為に切り裂いたのだ

その為、回復が遅れていた

直ぐに出撃できる兵1万を率いて鞘華が出撃した

 

~鞘華視点~

兵を率いて出撃して、件の部隊を発見した

「あの部隊を包囲する

 包囲したら命令があるまで待機

 決して命令があるまで攻撃を仕掛けるな」

指示を出して包囲が完了すると私が前に進み出る

すると向こうからも一人の女性が進み出て来る

「我等に貴公達と戦う意思は有りません

 話を聞いていただきたい」

~一刀視点~

鞘華が調査に向かった部隊を連れて戻って来た

それは呂布の部隊で副官の高順と軍師の陳宮もいて、その3人と話をする

と言っても話は殆ど高順がしたのだが

「つまり、君達は曹操から逃げれたものの糧食が尽きて殆どの兵は離散

 そして、これ以上は限界なので糧食を分けて欲しいと

 纏めると、こんな話か」

俺が聞いた話を端的に纏める

「間違いありません

 ただ、私達は糧食が無くとも略奪などは一切しておりません

 そのような事を考えた者は斬り捨てました

 だから、私達は益州の害になる行為はしておりません」

高順の言葉に俺は

「この城に有る兵糧を始めとする財物は全て益州の民から税として集めたものだ

 それを何の見返りも無く、はいそうですかと分ける事は出来ない」

と答えた 冷たい様だが為政者としては当然の判断だ

「無論、只でとは考えていません

 代わりに私のこの体を北郷殿に提供します」

「「「なに~」」」

周りにいた皆が声を上げる

「私の体では不十分でしょうか?」

高順が食らいついてくるが問題はそこでは無い

「ちょっと待ってくれ

 高順は魅力的な女性だが、なんでそんな発想になったんだ?」

俺の質問に

「董卓軍の軍師の賈詡と云う者がおります

 その賈詡が主君の董卓に北郷殿の事を報告していたのを聞いていました

 その報告通りならこれが最適かと思いまして・・・」

「その内容を教えてくれる?」

「言ってもよろしいのですか?」

俺は無言で頷く

「その、好色太守と」

「その賈詡ってもしかして、釣り目、眼鏡の小柄な女性?」

「はい、ご存知でしたか」

涼州に行った時、俺達を門前払いしたあいつだな

会ったら一度、じっくりと問い詰めてやろう

 

「高順、その交渉は置いておくとして糧食を分けてもその後どうするんだ

 当てがないなら問題を先送りにしただけにしかならないぞ」

「・・・」

高順が押し黙ってしまうと

「それなら、此処で働けばいい」

呂布が口を開いた

その後は簡単だった

高順も陳宮も

「恋殿がそう言うのでしたら」

と即座に了承

俺達も呂布が味方になるのは心強いので受け入れた

そして真名の恋(呂布)、音々音(陳宮)、炎(ほむら・高順)も預かった

 

新たな仲間が加わった俺達の所に突如、蒲公英がやって来た

「一刀お兄様、涼州に曹操が攻めて来た

 何とか時間を稼いでいるけど負けるのは時間の問題なの

 援軍をお願い」

いつも天真爛漫な蒲公英が焦っている

これは深刻なんだろう

「鞘華、桔梗、恋、炎、音々 兵5万を連れて涼州へ向かえ

 曹操を打ち破れ!」

「御意!」

「一刀お兄様、ありがとう」

~翠視点~

「くそ、蒲公英、一刀、鞘華、まだなのか」

戦況は劣勢

騎馬隊の待ち伏せなどで時間を稼いでいたがどんどん押し込まれていった

終には騎馬が主力なのに籠城戦を選択せざるを得なかった

正直言って、このままなら5日と持たないだろう

 

~鞘華視点~

5万となると流石に行軍速度は遅くなるけど少なければ役にたたない

可能な限り急ぎ、城が見えるところまで来ると、正に城攻めが行われている最中だった

「曹操軍を撃退する

 全軍、突撃~!」

この奇襲は大成功だった

天水での無念を晴らすべく恋とその副官 炎の指揮する部隊が敵を薙ぎ払って行く

改めて味方になってくれて良かったと思う

私も敵を倒すべく突き進んでいく

「以前、私達をいたぶってくれた その礼をさせて貰うわ!」

上に立つ者は私怨で動いてはならない

だが、今回は結果として私怨”も”晴らす為に戦う

 

曹操軍は私達の奇襲で浮足立ち、撤退

態勢を立て直す為だろうが、取り敢えずは勝利だ

 

「助かったよ、鞘華

 蒲公英もよく北郷達を呼んで来てくれた」

城に入ると翠がお礼を言ってくる

「でも、あの華琳の事だから態勢を立て直してまた来るよ

 だから、どうせなら長安まで攻め取らない?」

私は翠に提案した

~あとがき~

 

恋は一刀の陣営に着きました

 

この外史の高順は女性です

詠の所為で一刀を「好色太守」と思い込んで体を提供しようとしましたが・・間違ってるのかな?

 

翠の援軍に鞘華(一刀)達が動きました

今回は体調が回復しきっていない一刀が留守番です

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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