No.746719

寂しがりやな覇王と御使いの兄34話

あなたまさん

黄巾党完結ー長かった
2016/4/17編集

2014-12-29 02:20:20 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:10839   閲覧ユーザー数:7750

伝令「も、もうしあげます!黄巾党の別働隊が、袁術様の本陣を強襲!本陣を奪われてなるものかと、袁術様自ら軍を率いてご出陣されました!」

 

亞莎「えぇー!!すぐに美羽さまの救援に向かいたいですが、紫苑さんはまだ戻られてません。七乃さんは武力がありませんし…私が戻れればいいのですが…」

 

袁術軍最強の将である紫苑と、客将である孫策は、襲撃前の戦闘で軍を率いて戦っており、今すぐ袁術救援に向かう事は出来ない。亞莎も現在、襲撃してきた黄巾党を相手に、軍を指揮している身であり、これまたすぐに向かう事は難しい

 

亞莎「あ、華雄さんは待機組みで、本陣付近に布陣しています。華雄さんに美羽さま救援に向かってもらいましょう」

 

主君である美羽救援のメドが立ったと、ホッとした表情を浮かべるが、伝令の一言で安堵は崩れ去る

 

伝令「申し上げ難いのですが・・・華雄様は、孫策様に負けるか!と仰り、無断で前線に攻め上がってまして……まだご帰還されてないのです」

 

亞莎「また華雄さん暴走ですか!?あぅ・・・これは本当に不味いです。ここで軍を引き返し、美羽さま救援に動いたりしたら、曹操さん方面を含め、戦線が崩壊してしまいますし…」

 

曹操軍、袁術軍共に、予備兵力などの余力が無く、ぎりぎりの状態で戦線を維持している状況下で、どこか一角でも崩れれば全体が崩壊しかねない。しかも、当てにしようとしていた華雄の暴走で、目下の敵に対する指揮にも集中する事が出来ないでいる。

早急に強襲部隊を撃破するか、一か八かで戦線放棄し救援に向かうか…悩んでいる亞莎の下に、事態を打開する知らせを持った伝令が現れる

 

伝令「曹操軍より伝令!満寵様、牛金様を筆頭とした曹家親衛隊を、袁術様救援に派遣した。袁術軍の各将は対峙している敵軍撃破に専念するようにとのお言葉です!」

 

あと一手が足りなかったこの状況で、伝令がもたらした情報は亞莎に希望を与えた。曹家親衛隊の話は、美羽と七乃から聞いており、その実力は疑う余地がない。華雄の暴走で、一時は動揺していた亞莎だったが、親衛隊出陣の報を聞き、冷静さを取り戻した。

 

亞莎「解りました。曹操様に、ご好意感謝いたします。とお伝え下さい」

 

伝令「呂蒙様のお言葉、必ず曹操様にお伝えいたします。ご武運を」

 

(これで美羽さまの方は大丈夫。まずは・・・目の前の敵を倒して、同じように前線で戦っている曹操軍と合流するのが一番)

 

亞莎「みなさん聞いてください!美羽さまの安全は確保されました。押し寄せてくる敵軍を撃退し、曹操軍と合流を目指します!私に遅れずに付いて来てください!」

 

後顧の憂いが無くなり、亞莎を先頭とする袁術軍は八陣の一つである『鋒矢』を敷き一点突破を開始する。鋒矢は”前方”の突破力こそ高いものの、横からの攻撃に弱いという弱点も存在する。黄巾党の軍勢を突破できずに包囲されれば、亞莎率いる袁術軍は全滅する可能性も低くは無い。

 

それでも亞莎は迷わず『鋒矢』を選択した。黄巾党の数が自軍より勝っているのは最初から計算済み、数の不利を覆す圧倒的な武を持つ存在。それがこの戦場に到着すれば、戦況を一気にひっくり返す事が出来る

 

(一刀様と師匠達はすぐ来てくださいます。それまで戦線を維持し、持ちこたえるのが私の役目・・・必ず曹操様と美羽さまを護ってみせます!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、本陣から兵を率いて出陣した美羽は少数ながらも果敢に攻め込み、黄巾党を押し返す事に成功していたが、後から後から群がってくる黄巾兵を前に、次第に戦況は悪くなっていた

 

(押し返した時に引いておくべきじゃったかの?しかし、ここで妾が引けば本陣の七乃が危うくなる・・・ここは踏ん張り所なのじゃ!)

 

自軍の士気を高めるために、群がる黄巾兵を倒していた美羽は大量の返り血を浴び、腕や足にも細かい切り傷を作っていた。傷つきながらも戦う主君の姿を間近で見ていた兵士達は、愛する主君が雑兵に傷つけられている事に激怒し、かなりの劣勢でありながらも、かなり高い士気を保っていた。

 

そんな美羽の下に、華琳から援軍を任された曹家親衛隊の満寵・牛金が救援として戦場に乱入を開始した

 

満寵「袁術様ー!袁術様ー!ご無事ですか!」

 

美羽「満寵!妾はここなのじゃ!」

 

満寵「袁術様!ご無事でなりよ・・・袁術様、そのお傷は」

 

美羽「これか?これは…囲まれた時にちょっと斬られてしまっての。でも、出血もしておらぬし別状はないから安心を」

 

そこまで言ったところで、美羽は自分の周りに満寵が居ない事に気が付く。

美羽はあれ?と周りを見渡してみると、いつの間にか周囲に群がっていた黄巾兵がすべて地に伏せていた

 

満寵「貴方達、親衛隊の存在意義を言いなさい」

 

「我等曹家親衛隊は、曹操様及び、袁術様をどんな危機からも御守りする!」

 

満寵「奴らは袁術様に傷をつけた。我等の取るべき行動はなんだ」

 

「曹仁様より託された宝を傷つける者は…何人たりとも生かしてなるものか!」

 

曹家親衛隊の本来の目的は、一刀及び華琳の護衛なのだが、小さい頃から見守り続けている美羽も護衛の対象となっている。身分の違いはあれど、親衛隊は親の居ない美羽を自分達の娘のように愛し、教育を施してきた。

美羽もそんな親衛隊の事を心から信頼し、時には父と呼び、甘える事もあった。

 

 

美羽「父上達!民の平穏を脅かす、不届き者を懲らしめるのじゃ!」

 

そんな美羽を傷つけられ、こんな台詞を聞いたこの親バカ親衛隊が大人しくしていられるはずもなく

 

満寵「必ずや…その命を遂行してみせます……行け!」

 

弓から放たれた矢の如く、一斉に黄巾党へと攻撃を開始する。圧倒的な数で押しつぶそうとする黄巾党への恐れは全くなく、むしろ次から次へとやってくる黄巾党を嬉しそうに倒す始末。

これには数で勝る黄巾党も、戦闘狂と化した親衛隊と直接戦闘を避け始めるが、自軍の指揮に専念出来るようになった袁術軍と親衛隊の挟撃を受ける事となる。

 

自軍が優位だと思っていた立場から一転、狩る側から狩られる立場へと落ちた軍は脆い

いくら精強を誇ろうが、混乱を沈める事が出来る将が居なければ、数で勝ろうが軍は崩壊の一途を辿る。

 

曹家親衛隊の助力を得た袁術軍は、本陣を強襲してきた黄巾党の一部隊撃破に成功!

美羽はこのまま軍を率いて転戦するか、一旦本陣へと帰還するべきかの思想に入る。自軍本陣前の敵を討ったと言えど、あくまで黄巾党の”一部隊”。

第二、第三の襲撃がまた押し寄せてくるかもしれない・・・その可能性を考慮すれば、美羽は本陣から離れられない。

 

でも、いまだ本陣へと戻ってこない亞莎と紫苑の事も気になる。

 

転戦か本陣帰還か・・・

 

悩む美羽の下に、待ちに待った吉報がもたらされる

 

 

 

 

 

『呂珂軍及び劉備軍の到着』

 

 

この報を聞いた美羽は、すぐに亞莎、紫苑の救援に動くと決断した

 

美羽「みなの働きで、本陣に押し寄せてきた黄巾党を撃破する事に成功したのじゃ。それに加え、呂珂軍と劉備軍が戦場に到着した・・・今こそ黄巾党を打ち倒し、民が平穏に暮らせる世を取り戻すのじゃ!みな、再び妾に力を貸してたも!」

 

 

たくさんの視線を浴びながらも、臆する事なく堂々とした姿。

一刀や華琳の後ろを付いていくだけだった少女の面影は無く、立派に名門・袁家を背負って立つ君主として成長していた。

 

 

そんな姿を目の当たりにした兵士達は一斉に『ウオオオオオオ!』と雄たけびを上げる

先ほどまでの激戦で疲れも溜まっているが、早く戦いたくてウズウズしている者ばかり。

 

美羽はそんな頼もしい兵士に背後を護られながら再び戦場に身を投じる

 

 

 

姉である華琳の心を癒すためにも、兄である一刀の願いを果たすためにも

 

 

 

美羽「妾は…一刀にい様が教えてくれた戦のない平穏な世が見たい……黄巾党!覚悟するのじゃ!」

 

 

 

桂花「華琳様、親衛隊が袁術軍と合流、本陣強襲部隊の撃破に成功したとの報告が入りました」

 

華琳「よかった…親衛隊が側に控えてれば、美羽の身が危険に晒される事もないわ」

 

桂花「はい、あの親衛隊を倒すのは骨ですから。合流した親衛隊は袁術を護衛しながら、戦線を押し上げています」

 

華琳「呂蒙も春蘭達と合流したみたいだし…桂花、私達も出るわよ」

 

桂花「御意、お供いたします」

 

春蘭、秋蘭と呂蒙の合流

心配の種であった美羽の安全確保

そして待ちに待った呂珂、劉備軍の到着

 

奇襲を受け、劣勢に陥っていた状況は覆した。今度はこちらが黄巾党を仕留める・・・

華琳の号令を受けた曹操軍の兵士達は一斉に乱戦へと飛び込む

 

号令を出す華琳の姿は・・・先ほどの弱弱しい姿と違い、稟とした佇まいへと変わっていた

 

 

 

 

 

 

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一刀「ヒゲ、もう一度聞くが、あそこに張3姉妹はいないんだな?」

 

ヒゲ「へい。なぜかあっしらの記憶が沸いてから、地位を利用して3姉妹を探したのですが、お姿がありません。それと程遠志と呼んでくだせえ」

 

風「風達同様に、なぜ”ヒゲ”さん達の記憶が戻ったのか解りませんが・・・むむむ、これでまた3姉妹の行方が掴めないのです」

 

ヒゲ「あの程遠志と」

 

稟「そうですね。ヒゲ殿を信じるのならば、早急に見つけ出さなければ……彼女達の影響力は馬鹿に出来ません」

 

ヒゲ「ですから・・・程遠志と」

 

恋「・・・・ヒゲ?」

 

ヒゲ「もうヒゲでいいです。」

 

ヒゲは何度も程遠志と呼んでもらうように訂正を続けるが、無垢な恋にも程遠志と呼んでもらず、とうとうヒゲでいいと折れてしまった。

ションボリしている兄貴分の心境を察してか、ちびとデクがヒゲの肩にポンと手を置き

 

チビ「今度からヒゲ兄貴と呼ばせていただきやす!」

 

デク「改めてよろしくなんだな、ヒゲ兄貴」

 

信頼していた子分からもヒゲと呼ばれた事にショックを受け、白目で倒れこむも……誰もヒゲに駆け寄らず、話しを続ける

 

一刀「さて、春蘭と秋蘭は亞莎と合流、美羽も親衛隊と合流したか。そうなると、一番手薄な所は華琳の軍か」

 

凪「隊長、我ら3名が華琳様救援に向かおうと思います」

 

曹操軍救援に名乗りを挙げたのは凪だ。

もちろん、3人と言うのは凪・真桜・沙和の三羽烏であり、真桜と沙和も救援を命じてくれと、視線で訴えていた

 

今は一刀の配下として力を振るっているが、華琳から受けた恩を忘れた事は一度も無い。

華琳が覚えてなくても、絶対に護ってみせる・・・と闘志を漲らせている

 

一刀「解った、華琳は凪達に任せる。頼んだぞ」

 

はい!任せろなの!任せんとき!

 

3人はすぐさま手勢を率いて曹操軍目掛けて進軍を開始。

ばらばらに返事をしていった3人に苦笑しつつも、あいつなら大丈夫だ・・・と心配は一切しなかった

 

一刀「稟はヒゲ・|波才《ちび》・|鄧茂《デク》を率いて春蘭達が踏ん張っている前線へと向い、亞莎を補佐するんだ」

 

稟「解りました。すぐに向かいます」

 

一刀「美羽の所には俺が行く。親衛隊がたるんでないか、調査する必要があるからな」

 

風「おぉぅ、お兄さんが悪い笑顔になってるのです。これは風をあられもない姿にして、調教しているのを妄想しているに違いないのです」

 

(そんな悪い顔してるのか…それにしても、風を調教か・・・不思議っ子を緊縛したり、放置プレイで楽しむのもいいかもしれない)

 

戦場にも関わらず、種馬はどこでも種馬だった

 

明命「一刀様、お味方も戦闘を開始しましたが、私達はこのままですか?」

 

一刀「ごめんごめん、恋と明命は俺に続け。指示はその都度出すけど、奴らに情けは無用だ。徹底的に叩き潰せ」

 

明命の声でやっと妄想の世界から帰還した一刀は、風からの痛い視線を浴びつつも、威風堂々と一刀は恋と明命に命を下す。

 

風「お兄さん、戻ってきたら…お兄さんの性癖と妄想話をしっかり吐いてもらいます」

 

一刀「は、はい・・・」

 

威風堂々の采配は気のせいだった

 

 

 

 

 

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牛金「おい満寵…あそこ見てみろ」

 

満寵「あれは……もの凄く悪い笑顔を浮かべている・・・・・・曹仁様ですね」

 

牛金「曹仁様が悪い顔をしている時は……俺達の動きが悪くないか調査する時の顔だな」

 

満寵「貴方達奮起しなさい!”調査”がやってまいります!」

 

『調査』

この言葉を聞いた親衛隊達は、一気にシーンと静まり返り、先ほど以上に声を荒げながら、敵対する黄巾党を次々斬り捨てる。

一刀は抜き打ちのつもりだが、親衛隊達は表情からの行動パターンを把握しており、この場で遅れを取れば地獄が待っている……それを回避する為に、親衛隊は手を休めない。否、休む事が出来ないのだ

 

美羽「んん?満寵に牛金よ、何かあったのかえ?みな涙目になりながら戦っておるぞ?」

 

満寵「聞かないで下さい。いま私達は……生と死の境目なのです」

 

美羽「そ…そうなのか。その・・・頑張るのじゃぞ?」

 

事情は解らないが、満寵達からの様子を見て、この事案には触れない方がいいと美羽は判断した。

『君主、危うきに近寄らず』世話焼きが好きな美羽だが、親衛隊も大変なのじゃなっと呟くだけで

 

 

 

 

 

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孫策「ふぅ、あらかた片付いたわね」

 

周喩「あぁ、呂珂・劉備軍が現れてから怒涛の勢いだったからな。それにしても・・・」

 

黄蓋「呂珂という小僧は、噂以上の人物かもしれんのお」

 

周喩「遠目からだったが、あれは危険だ。我ら呉の再興の障害になるかもしれん」

 

孫策は美羽の客将として一軍を預かる身。本陣が奇襲を受ける前から最前線で戦い、黄巾党の獣を屠っている。呂珂・劉備の援軍到着後も、親友の周瑜、親の孫堅から仕える黄蓋と戦場を縦横無尽に暴れ周り、真っ赤な衣装を更に血で染めていた

 

孫策「ちょっと会ってくるから、冥琳あとよろしくねー!」

 

周喩「あ、こら雪蓮!」

 

黄蓋「やれやれ、また策殿の悪い癖がでよって」

 

周喩「何事もなければいいのですが・・・」

 

小覇王・江東の麒麟児の異名をとり、孫呉の礎を築いた英雄・孫伯符

その能力はこの世でも充分に発揮され、武力・統率力は群を抜く。本人のやる気に大きく左右されるが、知略・政治面においても能力は非凡である

 

そんな孫伯符の最大の武器・・・未来予知とも言えるほどの正確性を持つ、本人曰く”勘”

その勘に周瑜、黄蓋などは振り回されているが、勘の的中率・本人の天真爛漫さでなんだかんだ許してしまう。

 

今回も孫策が勘に従って行動した結果…孫策は自分の今後に大きな影響を与える人物・呂珂と出会いを果たす。

 

 

一刀「終ったか」

 

恋「にぃに。ただいま」

 

一刀「お帰り、恋。怪我はないか?」

 

呂珂軍・劉備軍・曹操軍・袁術軍の四方向から攻められ、黄巾党は激しく抵抗するも、あっという間に軍は瓦解。

生き残った黄巾兵はなんとか包囲網の隙を付いて逃走を試みるも、桂花・風・稟・亞莎といった謀将達がそんな隙を与える事はない。戦場を離脱できないと悟った黄巾兵は包囲する軍へと特攻するも、各軍の弓部隊が放つ矢の雨を浴び、全身いたる所に矢が刺さり、黄巾党は全滅。

 

やっと平和の世が戻ると歓喜する兵士達だが、一刀と恋の表情は変わらない。それどころか、先ほどよりも緊張感が増している

 

一刀「お前達は先に帰還してくれ。俺達は少し残る」

 

兵士達が陣へと向かっていくのを確かめ、一刀は物陰に隠れている人物へ話しかける

 

一刀「さて、何の用かな?江東の虎の娘、孫策さん?」

 

孫策「あら?ばれてたの?」

 

言い当てられた孫策は特に動揺している様子もなく、ひょっこり顔を出すが、孫策からは今にも襲い掛かってきそな獰猛な笑みを浮かべている。それに反応した恋が一刀を護る為に前へ躍り出る

 

一刀「大丈夫だよ恋。それで、俺に何の用だ」

 

孫策「単刀直入に聞くわ。あなた何者?」

 

一刀「すまん、どういう意味だ?」

 

孫策「ごめんごめん、ちょっと簡略すぎたわ。えっと、あなたが黒山賊討伐をしてから、色々情報を集めさせてもらったの。それでも貴方の素性が解らなかったから、こうして直接聞きに来たの♪」

 

一刀「来たの♪じゃないから。俺の素性が知りたいだけなら、そんな戦闘する気満々で来ないだろ?本当の事を言え」

 

孫策は知りたかったのは本当なのに。と言いつつも、愛用の南海覇王を取り出し、一刀目掛けて襲い掛かる。

孫策の本当の目的は一刀の実力を見極めるためと、戦闘狂モードで戦闘欲求が治まらず、大陸中で噂になっている一刀と戦う為にやってきていた。

 

殺る気満々の孫策に対し、一刀は全く動かない

孫策が一刀目掛けて南海覇王を振り下ろした瞬間、ガキ!と鉄同士がぶつかる鈍い音が鳴り響き、南海覇王が半分に折られた

 

孫策「うそ・・・南海覇王が折られた…?」

 

恋「にぃにを斬ろうとしたな・・・お前殺す」

 

圧倒的強さから化物と言われ続けてきた自分を、家族として迎い入れて一刀に攻撃を傷つけようとした

この行為は恋の怒りを買い、南海覇王を折られ呆然としている孫策を斬ろうとするが、一刀に制止され渋々引き下がる

 

一刀「孫策さん、その能力は自己強化する反面、理性を無くす諸刃だ。あまり使い続けると狂喜に飲まれて自我が保てなくなる。あまり使わないことだね」

 

孫策「流石に今回は危なかったし、忠告受け止めさせてもらうわ。それと……悪かったわね」

 

(今の孫策からは禍々しい気配が感じられない。これが孫策本来の姿なのかもしれない)

 

一刀「あ、孫策さんに聞きたい事があるんだった」

 

孫策「あなたが私に?今回迷惑かけたし、応えられる範囲であれば構わないわよ」

 

一刀は以前の経験から、孫策が何を目的として美羽の下に居るのかを知っている。その一方で、孫策は一刀とは初対面であり、お互いの事情は知らないと思っている。それゆえに、私に聞きたい事ってなんだ?と首をかしげながら、一刀の言葉を待っていた

 

一刀「孫家再興を目指すのは自由だけど、もう少し視野を広く持って行動してみな」

 

(な!?なんで呂珂がその事を知ってるの!?この事は私達、孫呉の人間しか知らないハズなのに!)

 

孫策は『なんで貴方がその事を知っているの!』と聞くつもりでいたが、予想外の質問に動揺し言葉が詰まってしまう。

そんな固まってしまっている孫策に向け、周瑜さんと黄蓋さんによろしく伝えておいてねと言うと、一刀は恋を伴って自軍の待つ陣へと歩み始める

 

完全に姿が見えなくなって、孫策はようやく口を開く事が出来た

 

孫策「冥琳と祭の存在も把握してるのね。それにしても・・・視野を広く持て・・・か」

 

忠告を送るからには、何かしら意図があるはず。孫策は周瑜達に怒られるだろうな~と思いつつ、一刀の言い放った意味を考えながら陣へと戻って行った

 

 

 

 

 

 

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凪「隊長!お帰りなさい!」

 

明命「戻られるのをお待ちしておりました!」

 

一刀が自軍へと戻ると、凪・明命の出迎えを受ける。なんで戻って来たのかが解ったのかを2人に聞くと、それぐら出来なくては隊長の部下は務まりません!と鼻息を荒くしながら凪が答えた。

 

稟「凪達の忠誠心も、ここまで来ると病気ですね」

 

風「それには同意ですが、稟ちゃんもある意味人の事言えませんよ~?」

 

稟「わ、私の事は今いいでしょう!!それよりも一刀殿!お戻りが遅かったですが、何か問題でもありましたか?」

 

風「稟ちゃんの変態性は後で問い詰めるとして、風も気になりますね」

 

(孫策さんに斬りかかられたとか言ったら、絶対凪と明命が飛び出して行っちゃうと思うし……なんて誤魔化すべきか)

 

一刀が言い訳を考えていると、後ろに居た恋が『にぃに…孫策に斬られそうになった』と呟いてしまった

 

一刀「不味い、真桜!手段は問わん、二人を止めろ!」

 

真桜は懐からある物を取り出し、駆け出そうとする凪と明命に向けて投げつける。それに反応した凪と明命は上手くキャッチし、それを見た瞬間……ボン!と音が聞こえそな程、顔を真っ赤にして動きが止まった

 

一刀「止まってくれたか……真桜は2人に何を投げたんだ?」

 

沙和「隊長~これなの!」

 

沙和から受け取った例のブツは、真桜が再び作ったカメラの写真。その写真に写っていた内容とは…鍛錬後に上半身の汗を流す写真が収められていた

 

一刀「いつの間に俺の上半身裸の写真を撮ったんだよ」

 

真桜「隊長でもそれは企業秘密や」

 

風「そうですよお兄さん、乙女の秘密を暴こうとするのはいくらお兄さんでも、デリカシーがないのです」

 

一刀「元凶はお前かー!そして、なんでデリカシーなんて言葉知ってるの!?」

 

戦疲れなんのその、この面子が揃うと場は閉まらない・・・

そんな楽しそう?な雰囲気に誘われたように劉備、袁術、曹操が数人の部下を引き連れやって来ていた

 

劉備「呂珂さん~お邪魔しますよ。相変らず楽しそう・・・って、なんで仮面なんか付けてるんですか?」

 

風「お兄さんは乙女の秘密を暴こうとしたので、ちょっとお仕置きで仮面を付けて辱めてるのです」

 

風の説明を聞き、入ってきてた女性全員からジトーと蔑む目線が向けられる。

その中には当然、桂花も入っており、あぁ・・・今度覚悟しないとな…と一刀は仮面の下で泣いていた

 

劉備「あ!そういえば紹介がまだでした。真っ直ぐな髪の毛の子が袁術ちゃんで、髪がくるくるしてる方が曹操ちゃんです!」

 

袁術「真っ直ぐな髪が妾で、くるくる?が華琳姉さまかの?」

 

曹操「貴方ね、もうちょっとましな紹介の仕方があるでしょう…劉備に呂珂、今回の救援感謝するわ」

 

一刀「こちらこそ、遅くなってしまってすみません。曹操さんや袁術さん達が奮戦してくれたおかげで、黄巾党も鎮圧出来ました」

 

劉備「みんなが頑張って戦った結果です!今夜は飲み明かしましょう!」

 

 

長く続いていた大反乱、黄巾党の乱は集結した。

将から末端の兵まで全員が集結した事に喜び、陣営のくくりなど関係なくどこもかしこもお祭り騒ぎ。

そんなお祭り騒ぎの中、華琳と美羽は少し離れたところで月見酒を楽しんでいた

 

華琳「やっと終ったわね」

 

美羽「そうじゃな、少しは民達が安心して生活できればいいのじゃが」

 

華琳「腐敗した漢王朝か…元凶の十常侍共がいる限り、それも難しそうね。でも、力を付けて腐敗する都を一掃してみせるわ」

 

美羽「一刀にぃ様を失ってから、華琳姉さまが以前身に纏っていた覇気が無くなったと心配しておったが、持ち返したようで安心したのじゃ!」

 

華琳「妹分の美羽が前を向いて歩んでるんだもの。姉である私がいつまでも腑抜けてられないもの。ありがと、美羽」

 

華琳や美羽を心配し、周囲に潜んでいた配下の将達はひっそりと盛り上がる宴会へと戻って行く。

あの場に留まり続けるのは無粋なのと、主である華琳が立ち直った事が嬉しく、酒を浴びるほど飲みたい気分に駆られていた・・・・

 

 

 

翌朝、黄巾党討伐の使命を終えた各陣営は、別れの挨拶を済ませ帰還する

 

劉備は幽州

 

曹操は陳留

 

袁術は南陽

 

一刀は天水

 

 

前に前に歩み続ける美羽の頑張りを肌で感じ、華琳はとうとう長い眠りから目を覚ます

長く心配をかけた夏侯姉妹の為にも、これからは陳留の統治に精を出そうとするも・・・・

 

 

 

 

 

更なる事件が華琳を襲う

 

 

 

 

 

 

 

やっと黄巾党が終った。予定からだいぶずれ込んじゃいました。

 

 

忠犬に愛紗加える描写いれたけど、どうですかね?

これで忠犬レンジャー結成まであと1人・・・忠犬が看板になってる気もしますがw

 

孫策矯正イベントでした~

 

あとヒゲが程遠志 デクが鄧茂 チビが波才ですwヒゲ2連ちゃんですみませんでした!

 

 

ようやく拠点に移りますよお~

 

 

予告!

 

 

 

拠点話は12/31日大晦日からの0:00になったら投稿するで!

 

夜勤明けとか知らないぬ!読んでくれている方々に感謝とお年玉変わりに、だだ甘な拠点を

 

提供したいと思ってます!(桂花と美羽はネタ考案中ですが;;)

 

 

 

ヒゲ   デク    チビ    

武力70  武力74   武力54

知力45  知力32   知力67

政治40  政治28   政治62

統率72  統率61   統率65

 

 

噛ませ犬だった3人だしこんなもんかな?

あと書いてないのあったら教えてくださいましー

 

 

 

でわでわーアディオース!

 


 
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