No.74662

真・恋姫†無双 ~私とあの人の愛した世界~ 序章

セインさん

初投稿ものです。

魏ルートアフター+オリ主物です。

2009-05-20 21:41:35 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:8492   閲覧ユーザー数:6543

 

前略、お母様へ

 

私はもう駄目かもしれません。

 

この身に命を授かって幾星霜・・・

 

これが私の最後かと思うと、涙が溢れて止まりません。

 

兄さんは既に旅立ち、今頃綺麗なお花畑で今は亡きお婆様に会っている頃でしょう。

 

娘の先立つ不幸をお許しください・・・。

 

そして、一葉叔母様にはこう伝えてください。

 

『兄さんは立派だった』と・・・。

 

 

(・・・謝罪終わり・・・っと)

 

私はそこまで考えた後、改めて今の状況を把握する。

 

 

・・・まず、臭いが酷い・・・。

 

物凄く刺激のある臭いが、鼻を刺激する・・・。

 

生まれて初めて嗅いだ臭いだ・・・。

 

あまりに強烈な臭いなので、先ほどから目が痛くて開く事が出来ない。

 

何をどうすれば、このような臭いが出来上がるのか・・・。

 

肉が腐っても、このような腐臭はしないだろう。

 

きっと蠅も寄って来ない。

 

 

??「・・から、わら・・・・・・・に・・・・いる・・・!」

??「・・や、・・・・ほう・決ま・て・・と・・・・・・・・!」

 

 

・・・逃げ道は無し・・・。

 

背中に当たる壁の感触・・・。

 

目の前には『彼女達』がいる。

 

前に逃げるのは論外だし、左右のどちらに逃げたとしてもすぐに捕まってしまう・・・。

 

 

??「話・解らな・ヤツ・ゃ!」

??「それ・貴様・・う!」

 

 

・・・誰かの助けは入らない・・・。

 

誰かが助けてくれるのなら、すでに助けてもらっている。

 

そもそも、このような事態に陥った瞬間から、周りにいた人間全員が私たちから離れていった・・・。

 

『四面楚歌』の意味を理解してしまった瞬間だった。

 

声を出そうにも、喉がやられて使い物にならない。

 

遠くから楽しそうな騒ぎ声が聞こえるが、今ではそこまでが地球と冥王星よりも遠く感じる。

 

最後の望みとしては、『彼女達の後ろで倒れているであろう(視界を失う前まではそうだった)兄が起き上がって助けてくれる』という展開だが・・・。

 

(口から泡吹いて倒れているのでは、期待は出来ないわね。)

 

そこまで考え、私は状況確認をやめた。

 

(・・・何を無駄な事をしてるんだろ。)

 

この状況を打開する一手が無い事など、すでに解りきっていた。

 

状況確認は、目と鼻の先にある危機から考えを逸らせるだけの・・・逃避だった。

 

運命は変えられず、現実とは非常なり。

 

(・・・なるようにしかならないか・・・。)

 

私は覚悟を決めて、痛む目をゆっくり開けた。

 

 

目の前で二人の美女が言い争っている。

 

一人の女性は、艶やかな長い黒髪が眼を惹く。

 

もう一人の女性は、左目の眼帯が特徴だ。

 

二人に共通して言える事は、顔が真っ赤で目は虚ろ、先ほどから口論をしているが呂律は回っていない。

 

・・・要するに二人は『酔っぱらっていた』。酒臭い。

 

二人は手にそれぞれの作った『料理』が乗った皿を持っていた。

 

その『料理』は時折蠢いたり、「シャギャァァァ!」と甲高い雄たけびを上げている。

 

自分の周りの床や壁が溶けているが、それは『料理』が吐いた溶解液による被害だ。

 

ふと、彼女たちより向こうで倒れている、我が敬愛する兄(と言っても従兄だが)へと眼を向ける。

 

・・・兄(従兄)は先程と同じように、白目を剥き、口から泡を吐いて倒れている。

 

変わった所があるとすれば、私が目を閉じる前は多少体が痙攣していたのだが、今はピクリとも動いていない。

 

今頃兄(くどい様だが、従兄)の魂は、雲の上の花畑にいるだろう。願わくば、川は渡らないでいてほしい。

 

 

その時、

 

??「こうなったら、一夜もたべるのりゃ!」

 

??「ろうらな!」

 

二人はそう言ってこちらを向いた。

 

終焉の鐘が鳴り、終末の時が迫ってきた。

 

そろそろ、この二人の女性の正体を話しておこう。

 

長い髪の女性の名を『関羽』、眼帯をした女性の名を『夏侯惇』という。

(ちなみに親しい人間にしか呼ばせない『真名』と言うものがあり、関羽は『愛紗』、夏侯惇は『春蘭』と言うらしい)

 

正真正銘バリバリの『三国志』の猛将である。私の知っている『三国志』とは違い、二人とも女性だが。

 

愛紗「さあ!ろちらの料理が旨いか!」

 

春蘭「食べ比べるのりゃ!」

 

二人は呂律の回らないが外れた声で少し、また少しとにじり寄ってくる。

 

私は観念して、

 

「わかりました!食べます!食べますから!」

 

と言うしか道は無かった。

 

 

二人の酔っぱらいが作った『料理』を目の前にして、

 

 

 

 

(ゴメンね、兄さん。私も今からそっちに行くよ。)

 

 

 

 

 

 

私は倒れている兄(何度も言うが従兄)『北郷 一刀』へ心でそう謝罪し、

 

 

 

 

 

 

私こと『北郷 一夜(ほんごう かずよ)』は人生最後にして最大の試練に立ち向かっていった。

 

あとがき

 

 

はじめまして、セインと申すものです。

 

この度は私の初投稿作品をお読みくださって、ありがとうございます。

(・・・というか、初投稿どころか初執筆作品です。小説家レベル1です。)

 

 

この話は「魏アフターだけじゃ何番煎じか分からないから、オリジナルの主人公も付けてしまえ!」という考えで作り上げたものです。

 

 

今回はまだ序章で、まだまだ続きがあります。

組みあがっている構成では、シリアスバトルではなくギャグコメディを目指しています。

 

・・・書いてみて思いましたが、この表現力の無さ・・・。

早くも挫折してしまいそうです。

 

 

しかし、このシリーズを終わらせるまではガンバって書いてみたいと思っています。

 

 

社会人の為、不定期更新になると思いますが、応援ヨロシクお願いします。

 

 
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