No.744238

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第433話

2014-12-18 09:15:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1567   閲覧ユーザー数:1470

~双龍橋~

 

「行け!!”灰色の騎士人形”を討ち取り、我らがアルバレア公に捧げるのだ!!」

「「イエス・サー!!」」

シュピーゲルの指示によって闘志を高めたヘクトルとドラッケンはヴァリマールへと向かい

「フフ、後ろががら空きでしてよ!瞬迅槍!!」

「うおっ!?な、何だ、貴様は!?」

ルチアに騎乗したシグルーンはシュピーゲルの背後から強襲した。

 

「隊長!?」

「翼がある馬にのる騎士だと!?クソッ、生意気な……!」

シュピーゲルの様子に気付いた2体の機甲兵達はシュピーゲルを助けようとしたが

「お前達の相手は俺だ!ハァァァァ……業炎撃!!」

「ぐあっ!?」

「クッ、小僧が……!」

ヴァリマールからの背後の奇襲を受け、再びヴァリマールとの戦闘を開始した。

 

「撃ち落してくれるっ!」

シグルーンと対峙したシュピーゲルは騎兵槍(ランス)に見立てた巨大な槍でシグルーンを攻撃した。

「ルチア!」

「ブルル!」

しかしシグルーンを乗せたルチアは繰り出される攻撃を急降下して回避すると共にシュピーゲルの股下を通って一瞬でシュピーゲルの背後へと回り

「旋月槍!!」

「ガッ!?」

ルチアがシュピーゲルの頭の部分まで近づくとシグルーンは首筋の部分に聖槍による強烈な一撃を叩き込み

「三散華!秋沙雨!!」

「グッ……!?」

一撃を叩き込んだ部分に技を放って集中攻撃をした!

「ク、クソ……ッ!」

背後からの奇襲を受けたシュピーゲルは方向転換をして反撃をしたが、巨大な機体の為、方向転換はすぐにできず、方向転換した頃にはシグルーンを乗せたルチアはシュピーゲルと距離を取っていた。

 

「き、機甲兵相手に生身で圧倒しているよ……」

「……まあ、”蒼の騎神”とも生身で互角以上に渡り合ったサフィナ元帥や生身で”蒼の騎神”の腕を破壊したエフラム殿下達の件があるから、”今更”かもしれないが……」

「実際にこの目で見るとやはり驚きますわよね……」

「……それに天馬の手綱さばきも見事だ。ノルドの民でもあれ程の馬の手綱さばきはできないと思う。」

生身で機甲兵相手に圧倒的な強さで渡り合うシグルーンの戦いを見ていたエリオットとマキアスは表情を引き攣らせ、セレーネは苦笑し、ガイウスは真剣な表情でシグルーンを見つめ

「フン、あたしなら地上からでも一体くらい余裕で相手できるわよ。」

「条件は同じでも結局はあの騎士の方が速く仕留めると思うけど。」

「なんですって~?」

「サ、サラ教官。戦闘中ですよ?」

ジト目でフィーを睨むサラ教官の様子を見たエマは疲れた表情で指摘した。

 

「……さすがはメンフィルの天馬騎士の中でも一、二の実力を争う使い手と言った所か。そう言えばユーシスも天馬(ペガサス)に似た聖獣と契約しているが……中将に空中戦の指導をしてもらったらどうだ?シグルーン中将程の乗り手に教えてもらえる機会は滅多にないと思うぞ?」

「今は”協力者”だから頼んだら教えてくれると思うよ~?実際、エリスだけじゃなくボク達の訓練とかもみてくれるし。」

「……ああ。作戦が完了してから、指導を頼むつもりだ。」

ラウラとミリアムの指摘を聞いたユーシスは静かな表情で頷き、今後の戦いの為にシグルーンの戦いを集中して見ていた。

 

「セイッ!」

「ぐおおおおおっ!?しまった、視界が……!」

シグルーンが振るった槍によって両目の部分が破壊され、両目が破壊された事による視界のセンサーが破壊され、何も見えなくなってしまった機甲兵は混乱し

「止めですわ!活伸槍――――円舞!!」

その隙を逃さないかのように光の闘気を纏った槍を構えたシグルーンは足の関節部分に集中攻撃をした。すると関節部分は破壊され―――

「ば、馬鹿な……!?」

関節部分が破壊された事によってバランスを失った機甲兵は地面に倒れて戦闘不能になった!

 

「ハァァァァ……!」

ヴァリマールとの戦闘を開始したヘクトルは溜めの動作をしたが

「させるか!一の型―――閃光斬!!」

「グアッ!?」

ヴァリマールによる閃光の速さの斬撃を受けて中断した。

「このっ!」

「グッ!?」

その時棍棒のような巨大な武器を両手に持ったドラッケンがヴァリマールを攻撃し

「ハアッ!!」

「クッ!?」

ヴァリマールが怯んだ隙を逃さないかのようにヘクトルは剛腕をヴァリマールに叩きつけた。

 

「今助けます、兄様!女神よ……!」

「ありがとう、エリス!」

するとその時ヴァリマールとARCUSで繋がっていたエリスは自分のクラフトを騎神専用のアーツとして放つ『ホーリースコール』でヴァリマールが受けたダメージを回復した。

「私に変わって、エリス。」

「はい!」

「―――頑張って、リィン。」

その時エリスと交代したゲルドはヴァリマールと自分のARCUSをリンクさせて自分の思念を送り

「!これは……!」

ゲルドの思念を受け取ったヴァリマールの中にいるリィンは目の前の機甲兵達の次の攻撃が脳裏に映って驚いた。

 

「喰らえっ!!」

その時ドラッケンが2連続攻撃を仕掛けたが

「甘い!―――ハアッ!」

「グアッ!?」

ゲルドの予知能力を受け取ったヴァリマールは回避した後反撃し

「潰れろっ!!」

「遅い!――――セイッ!!」

「馬鹿なっ!?」

ヘクトルの突進攻撃も回避した後反撃をしてヘクトルを怯ませた。

 

「反撃よ、リィン!」

「ああ!―――ロードフレア!!」

「ぐおおおおっ!?」

そしてアリサとリンクを結んだヴァリマールはアーツを発動してヘクトルを怯ませ

「そこだっ!三の型――――天衝斬!!」

「ガアッ!?」

続けて剣でX(エックス)に斬りつけた後斬り上げを行ってヘクトルの体勢を崩し

「止めだっ!」

「グッ!?そ、そんな馬鹿な……!?」

止めに剣をヘクトルに叩きつけ、ダメージに耐えきれなかったヘクトルは戦闘不能になり、地面に膝をついた。

 

「後1体残っているわ!油断しないでっ!」

「クソッ!?よくもやってくれたな……!喰らえっ!」

「グッ!?」

セリーヌが警告したその時残っていたドラッケンが強烈な一撃をヴァリマールに叩きつけてダメージを与えたが

「まだまだだっ!さあ、かかってこい!」

すぐに立ち直ったヴァリマールはクラフト――残月を発動し、迎撃の構えをした。

「小僧が!舐めるな――――ッ!!」

ヴァリマールの挑発に乗ったドラッケンは左右の腕に持つ武器を次々と振り下ろしたがヴァリマールは全てを回避し

「ハアッ!!」

「グウッ!?」

反撃に薙ぎ払い攻撃を叩きつけて怯ませた。

 

「チャンスよ!一気に決めちゃいなさい!」

「ああ!エリス!」

「はい、兄様!」

「「神技――――月光剣!!」」

セリーヌの助言を聞いたリィンは神秘的な光を纏った剣で強烈な一撃をドラッケンに叩きつけ

「ぐあああああっ!?お、おのれ………!」

騎神と”準契約者”の協力技(コンビクラフト)である強烈な一撃を受けてしまったドラッケンはダメージに耐えられず、戦闘不能になって地面に膝をついた!

 

「フフ、どうやら援護は不要だったようですわね。」

戦闘を終えたシグルーンは2体を無力化し終えたヴァリマールを見て微笑みながら感心していた。

「よし―――!」

「やった……!」

「さっそく突入するわよ!リィン、先導をお願い!」

「了解しました!」

そしてヴァリマールは砦内へと侵入し、ヴァリマールに続くようにアリサ達も砦内に侵入した!

 

一方その様子を遠くからフードを被った男が見守っていた。

「フフ……突入できたようですね。まあ、念の為に保険をかけておくとしましょうか。」

ヴァリマール達の様子を見守ったフードの男はどこかへと去って行った。

 

こうしてリィン達は双龍橋内部に入り込み―――混乱する守備兵達を後目に砦の本体へ潜入したのだった。

 

 

 

 

 


 
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