No.744124

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第431話

2014-12-17 18:03:23 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1724   閲覧ユーザー数:1592

 

その後各地を回って依頼の消化や学院生との合流を果たしていたリィン達はトワから来た連絡―――行方がわからなかったⅦ組の家族の所在がわかった為、それを聞く為にカレイジャスに一端戻った。

 

~カレイジャス・ブリッジ~

 

リィン達がブリッジに現れると待機メンバーも集まっていた。

「あ、リィン君達……!」

「……お帰りなさい、皆さん。」

リィン達をトワとアルフィン皇女は暗い表情で迎えた。

 

「ただいま、戻りました。」

「みんな、どうしたんだ?浮かない顔をしているようだが……」

「えっと……その……」

ガイウスの疑問にセレーネは答えを濁し

「一言で言うならゲルドさんの”予言”が当たったというべきですわ。」

「……うん。私の”見えた”通りになったみたい。」

シグルーンとゲルドは静かな表情で答えた。

 

「え…………と言う事はまさかアリサさんかエリオットさん……どちらかの家族がゲルドさんの予言通り……!?」

二人の答えを聞いたエリスは血相を変え

「……………………」

「エリオット?まさかフィオナさんが……!」

辛そうな表情で黙り込んでいるエリオットに気付いて何かを察したリィンは真剣な表情でエリオットを見つめた。

 

「その、実は……行方がわかったのはフィオナ・クレイグさんなの。」

「エリオットの姉上か……!」

トワの答えを聞いたラウラは帝都で出会ったフィオナを思い出し

「連絡が取れなくなっていたと聞きましたが……一体どちらに?ゲルドの”予言”通りと言う事はまさか……」

リィンは真剣な表情でトワを見つめた。

 

「うん、ケルディックのプリネちゃん達から入って来た情報なんだけど……昨日、帝都から”双龍橋”に列車で移動したみたいなの。それも……無理矢理連れてこられる形で。」

「まさか―――!?」

「人質というわけか……!?」

「まー、間違いないだろうねー。クレアの推測通りガレリア要塞方面にいる”第四機甲師団”を牽制するためにさらってきたんじゃないかな。」

「…………姉さん……」

ミリアムの推測を聞いたエリオットは心配そうな表情で呟いた。

 

「家族を人質にとるとは……さすがに卑劣すぎるだろう。」

「貴族連合はどこまで卑劣になれば気がすむのでしょうか?」

ガイウスとエリスは厳しい表情をし

「……そうでしょうか?”灰の騎神”の操縦者であるリィンさんを貴族連合に引き入れる為にエリスさんとアルフィン皇女を誘拐し、更には再びユミルを襲撃してユミルに手を出さない代わりにパンダグリュエルに来るように脅迫して誘導したのですから、”今更”かと思いますが。」

「……確かにその通りね。」

静かな表情で呟いたシグルーンの言葉をサラ教官は頷いた。

 

「どうやら貴族連合というよりはクロイツェン領邦軍の独断みたいでね。貴族連合の将軍達の意向を無視して独断でやったみたいなんだ。」

「恐らく………ユミルに猟兵が送りこまれた時と同じだと思います。」

「あ…………」

(……やはり、アルバレア公ですか。)

ジョルジュとアルフィン皇女の話を聞いたリィンは辛そうな表情でユーシスを見つめ、リィンの身体の中にいるアルティナは真剣な表情をし

「俺の父―――アルバレア公が貴族連合の主導権を握るためにやったというわけだ。……阿呆が……」

静かな表情で答えたユーシスは厳しい表情をした。

 

「ユーシス……」

「……ユーシスのお父さんがやったのね……」

ユーシスの様子をガイウスとゲルドは心配そうな表情で見つめ

「で、でも……姉さんを人質にしても父さんは絶対に降伏しないと思う。どんなに辛くても、絶対に……軍人としての決断をするはず……このままじゃ……」

エリオットは不安そうな表情で推測した。

 

「ああ……フィオナさんの身が危ない。―――みんな。俺達で何とかしてみよう。」

「え……」

「ええ……そうね。」

「はい……いくら戦争とはいえ、このようなことは許されません。」

「相手に勝つために民間人にまで危害を加えるなんて間違っていますわ……!」

リィンの言葉にエリオットが呆けている中、アリサやエマ、セレーネは頷き

「身内の愚行……何としても止めてみせよう。」

ユーシスは決意の表情で言った。

 

「で、でも……」

「―――それじゃあ君達はこの一件に介入するのね?”正規軍と貴族連合の争い”に。」

「………………」

サラ教官の問いかけに続くようにシグルーンは静かな表情でリィン達を見回した。

「いえ――――あくまでエリオットのお姉さんを助け出すだけです。」

「必要以上に攻撃せず、正規軍と連携しなければ……」

「一応、大義名分は立つ筈。」

「ノルドの監視塔の妨害装置を止めた時と同じだねー。」

「まあ、かなり苦しいのは承知ですが……」

「私も”協力者”として、皆さんのお役に立てるように全力で協力致します……!」

「私も。私自身の為にもみんなについて行くと決めたんだから。」

「みんな……」

仲間達の答えを聞いたエリオットは目を丸くして仲間達を見回した。

 

「フフ、それがわかってるならあたしも反対しないわ。フィオナさんはあたしの友達でもあるし……そもそも遊撃士協会には”規約”ってのがあってね。その第一項である”民間人の安全を守る”ためにはどんな無茶もOKなのよね~。」

「そ、それは凄いですね……」

「フフッ、遊撃士協会にとっては”切り札”ともいえる抜け道ですわね。」

「まったく、焚き付ける気マンマンじゃない。」

サラ教官の話を聞いたエマは驚き、シグルーンは微笑み、セリーヌは呆れた。

 

「ふふっ……それじゃあ―――決まりだね!」

「君達がその気なら僕達も肚を括るだけさ。」

「わたくしも……皆さんの行動の正当性を保証させていただきますわ!」

「ありがとうございます!」

「みんな……本当にありがとう……!……姉さん……絶対に助けてみせるから……!」

心強い仲間達に感謝したエリオットは決意の表情で姉を必ず助ける決意をした。

 

その後、会議室に集まったリィン達はフィオナの救出作戦の案を練った。その結果―――”双龍橋”の西側から騎神をもって裏側の守りを突破し……混乱の隙を突いて突入部隊が砦に潜入するという段取りとなった。

 

そして翌日―――――

 

 


 
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