~連合軍~
虎牢関の戦いの3日目、連合軍は虎牢関が異様に静かな事に気が付いた
弱小勢力である劉備軍を袁紹が偵察に出させたところもぬけの殻だったことが判明した
これにより劉備軍が虎牢関を落としたという戦功を得た
連合軍は虎牢関を抜け、洛陽に向かう
連合軍はこの道中で北郷軍の伏兵があると読んでいたが何もなく洛陽に到着した
(一体、どういう事 虎牢関を2日で放棄する理由がどこにあるの?
それに洛陽で最後の決戦を挑むにしても途中でなんの手出しもしてこないなんて
北郷達は一体何を考えているの)
曹操はこの状態を疑問に思っていた
洛陽に到着した連合軍はここで北郷軍が籠城戦を仕掛けてくると考えたが城壁に兵は1人もいない
隠れているのではなく存在しない
まさかここももぬけの殻ではと袁紹が短絡的に考えたのが正解
だが洛陽に入った連合軍は整備された町並みの洛陽を目の当たりにした
「これは、暴政をしていたようにはとても思えないわね」
「予想はしていた事とはいえな~」
「やはり麗羽の嫉妬による作り話だった訳ね」
「そんな、じゃあ北郷さんは・・・」
諸侯は様々な事を言っていたが
「皆さん、何を言ってるんですの
この人の少なさこそが北郷が洛陽で暴政を行っていた証拠ですわ!」
袁紹が諸侯に大声で言い放つと同時に
「その件については私が説明しましょう」
一人の文官風の人物が話しかけて来た
「貴方は党錮の禁で追放された清流派の・・・」
袁紹はこの人物に見覚えがあった
皮肉な事にこの人物の身元を袁紹が保証した為、この人物の証言が連合軍に衝撃を与えることになった
その人物は一刀達が行った洛陽の復興、そして洛陽からの撤退、多数の民が北郷達に追従した事を説明した
そして劉協陛下が同行した事までは説明したが一刀達の目的地は伏せておいた
最後に
「貴方達連合軍が攻めてこなければ洛陽は平穏無事だったのです!」
と言い放ち、踵を返して戻って行った
これを聞いて諸侯たちは袁紹を糾弾する
だが曹操と劉備はそれに加わらなかった
「桂花、風、北郷達がどこに逃げたか分かるかしら?」
「単純に考えれば長安なのですが・・・」
「それだと連合軍との最終決戦場が洛陽から長安に変るだけですね~
袁紹さんは北郷さん達が長安に逃げたと知ったら間違いなく長安を攻めるでしょうから~」
桂花、風共に結論が出なかった そこへ稟が
「華琳様、荊州を南下する大軍団を目撃したとの商人の情報が入りました」
この報告に
「成る程~、連合軍を振り切った後、益州に入るつもりですね~」
「そう、益州は内乱が起きてますから制圧して新たな本拠地にして益州で再起するつもりでしょう」
風と桂花の考えが一致した
「此方の兵糧が尽きる前に追い付く必要があるわね
我等は独自で北郷軍の追撃に掛かる
麗羽にはあの糾弾大会が終わったらこの事を教えてあげなさい」
曹操は一刀達の追撃に出る
その頃劉備も同じ結論に達していた
「何としても追いつこう そして北郷さんと話し合ってみたい」
曹操は北郷軍の優秀な人材を得る為、劉備は一刀達と話し合う為
目的はまるで違う2つの部隊が北郷軍の追撃を開始した
~一刀視点~
虎牢関を放棄した俺達は静里達と合流した
「一刀様、鞘華様、申し訳ありません
民は説得したのですが同行すると言って聞き入れてくれませんでした
おかげで行軍速度を上げる事も出来ません
兵糧は大部分の人はそれなりに用意しているのですが、長期間となった場合は・・・
その為、虎牢関にも追加の兵糧が送れなくなってしましいました」
静里が心底申し訳なさそうに言う
「静里の所為じゃないさ
追いつかれない事を祈って進もう」
連合軍を振り切れる目測の8割ほど経過した所で後方から軍勢が迫って来るのを確認した
この状態では全ての民を守る事は不可能だ
追撃部隊が民を見逃してくれる事を願うしかない
それと
「俺とそこの5人、劉協陛下を護衛するぞ!」
~華琳視点~
「見えたわね
全兵に通達!民間人に絶対に危害を加えるな これを犯した者は斬首とする!
後ろについている劉備軍にも伝えなさい」
さあ北郷 観念しなさい
~桃香視点~
「桃香様、曹操さんから民間人には絶対に危害を加えないようにと通達が来ました」
伝令の報告に
「そんなの当然でしょ
朱里ちゃん、私達の兵にも通達して
絶対に民間人に危害は加えないようにって」
~一刀視点~
攻撃を仕掛けて来たのは曹操軍だった
俺達は騎兵だがそれは向こうも同じ
劉協陛下を護衛しつつ進むのだが敵が多すぎる
いや、此方が少なすぎるのか
虎牢関から合流した兵は禁軍が中心の為、離脱者が続出
俺達も無理強いは出来ずに結局1万しか此方に兵はいない
敵は少なく見ても3万
しかも兵の練度が高い
勝ち目はない そう言っても過言ではない
俺も鞘姉や愛紗、星、静里、葵と散り散りになってしまう
「く、陛下をお連れして先に行け
俺はこいつらを倒したら直ぐに行く」
陛下を護衛している俺達に向かって来る敵を10人程倒すと直ぐに陛下を追う
だが護衛の兵達が倒されている
1、2、3、4人 あと一人と陛下はどこだ
急ぎ進むと10人程の敵にに取り囲まれた陛下と護衛の兵を見つけた
俺が見つけると同時に、護衛の兵は倒されてしまう
だがその兵が命懸けで作ってくれた時間のおかげで俺が間に合った
周りの敵を一気に倒して陛下を救出する
問題はこの後、鞘姉達が無事だとしても合流するには敵陣の中央を突破しなければならない
それも劉協陛下と共に
「陛下、俺の馬に一緒に乗って下さい
曹操軍を中央突破します!」
「分かりました 私の命運を一刀に託します」
劉協陛下を俺の前に乗せる
後ろだと後方から攻撃された時に対応出来ないからだ
「必ず陛下を守り、曹操軍を突破して見せる!」
俺は曹操軍の真っ只中に突撃した
~あとがき~
分かる人には分かる戦いですね
趙雲が一刀に、劉禅が劉協に配置換えになっています
次回はこの戦いの後篇です
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
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益州へ向かう一刀達は逃げ切れるのか