No.742230 司馬日記外伝 頑張れ郝昭さんhujisaiさん 2014-12-07 22:43:20 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:10859 閲覧ユーザー数:7192 |
「あ、いたいた郝昭さーん」
「これは孫策様、私に何か?」
「今日の三国競技会の新人戦決勝だけど、悪いけどうちの公績(凌統)不戦敗でお願い」
「む、何かお有りだったのでしょうか?」
「風邪よ風邪。高熱出しちゃって、本人黙って出ようとしたんだけど一刀にバレて強制退場。一刀、そういうとこだけ厳しいからね」
「そうですか…延期でも私は構わないのですが」
「私も事務局、あの司馬懿さん?曹真さん?ちょっと忘れちゃったんだけど聞いてみたんだけどね、日程が滅茶苦茶押してて無理なんですって。それと一刀から賞品貰うなら、今夜空いてるはずだから貰っておいてって」
「…一刀様から賞品?」
「まーたまた、真面目な顔してとぼけちゃって!優勝者は一刀と一晩(すこすこすこすこ)するんでしょ?知ってんだから」
「なっ…!?」
「だからもぉ公績もフラフラな癖に泣いて暴れちゃって。ま、折角だから…」
「ああ居た、雪蓮!一刀を呼んでくる筈じゃなかったのか、早くあの母娘喧嘩を止めさせろ」
「あ、ゴメン冥琳呼んでるから、じゃあねーおめでとー!今度私と戦ろうねー!」
「あ、孫策様…!」
「居るか仲達!」
「どうした、そんなに慌てて」
「居たか良かった、すまんがちょっと会議室に来てくれ!」
「多少であれば構わんが…」
「大変な事になってしまった」
「何があった」
「既に知っている事だろうが、これを見てくれ」
---------------------------
【三国競技会案内】表面
(新人個人武芸の部)
決勝:郝昭(魏)対凌統(呉) 7月*日開催
…
(団体模擬演習の部)
…
…
優勝者には金一封、又は同等の武具・図書、又は一刀様との懇親の時間を授与します(※1)
---------------------------
「無欲に戦っているうちに、遂に…遂に私も、女の晴れ舞台に立つ事になってしまった」
「そうか。私も事務局の一員なので(決勝に出ると)聞いてはいた、目出度い事だ。全力を尽くすといい」
「そこで相談なのだが」
「なんだ」
「その全力の尽くし方が分からん」
「?伯道ならば今まで通りで良いだろう」
「いやいやいやそんな訳があるか、私は初めてなんだぞ!」
「(決勝のような舞台は)そういえばそうか」
「そこでこの道では先輩たる仲達に要領を教授願いたい」
「今更私が伯道に教える事など無いだろう?」
「謙遜するな、些細な事でもいい、お前が初めての頃を思い出してくれないか!?」
「む…(さしもの伯道でも、衆人の前での決勝を前に緊張しているのか…)そうだな、頭を整理するにはまずは理論からだ」
「理論などあるのか!?」
「無論だ。皆が今まで何百何千と繰り返してきたことだ、必然そこには理論が生まれる。伯道が今更驚く事ではないだろう」
「何千だと!?そんなにも繰り返しているのか!?」
「?詳しい方だと思っていたが、意外と(戦の)歴史には疎いのだな」
「…仕方がないだろう、何しろ実戦経験が無いしそういった事を教えてくれる者も無いのだからな。それでその…理論とはどういったことなのだ」
「まあ常識的なことだ。一人に対し複数で当たれ、奇襲は不意を衝けなどだ」
「(一刀様)一人に複数が基本なのか!?それに奇襲などして無礼ではないのか!?」
「…?複数で当たるなど今更どの書物にも載っていることだ。それに(戦に)無礼も何もないだろう、その一度を逃せば次(の攻撃機会)等無いと思うべきだ」
「書物にも載っているのか!?」
「生協(の軍略書棚)にいくらでも置いてあるぞ、見たことは無いか?」
「…(生協のアダルトコーナーで)その…ちらっとくらいは、見たことはあるが…ほんのちらっとだ、しっかり読むなどしたことが無い」
「ではまず基本的なところを数冊購入し、予め予習しておくといい」
「よ、予習か…あまり時間は無い、お勧めの著者など教えてもらえないか」
「そうだな…初心者ならば公達様の(軍略)書がお勧めだな。ああ見えてこっちの道にも秀でていらっしゃる」
「公達様の(SM指南)書か!?あれが初心者向けなのか!?」
「あれぐらいは常識だ。私も基本に帰る時はあの書を参考にしている」
「あれが常識、基本…私は田舎暮らしが長かった所為か、かなりお前に差をつけられてしまっていたようだな…精進しよう」
「なに、伯道であれば直ぐに私など超えていくだろう」
「それはそれで不安なのだが…」
「その後実戦なのだが、相手の出方次第で対応を変えるべきだな、今一度案内を見せてみろ」
「うむ、これだ」
「(相手は凌統殿か…未だ若く、母御に似て血の気が多いと聞く)そうだな。まず相対したら、挑発するのもひとつの手だ」
「挑発!?まてまて仲達私は何しろ初めてなのだ、そんな…挑発だなどどうしたらいいかわからん」
「そうか。まあやり方は人それぞれで色々あるのだが…入庁の頃からここ(度胸)には自信があったろう、ここ(度胸)があるところを見せてやればいい。余り下品にはならんようにな」
「こ、ここ(胸)か…これ(胸)ならまあ…お前とそれ程変わらん、恥じない程度はあるとは思うが…しかも上品にとは…」
「熱くなって固さが見えればしめたものだ」
「硬さ!?やっぱり熱くて硬くなるのか!?」
「それは伯道の挑発の腕前次第だ。それよりもその様子では伯道の方が固くなってしまわないか心配だ」
「う…仲達、私はお前を秘密を守れる親友と信じて言うんだが…最近私は、そのときの事を想像するだけでその…か、硬くなってしまうのだ、私の体はおかしいのだろうか」
「それは不味いな」
「やはりそうなのか…」
「精神面からの由来ではあるだろうが、事前に体操をしたり十分に揉みほぐしておくなどすると良いのではないか?」
「揉っ!?」
「?」
「今更かも知れんが、お前の口からそういった事を聞くことがあるとは思わなかった…都の女はやはり違うな」
「まあこちらにいると(事務も武技も)色々出来ないといけないからな。伯道もじきに慣れる」
「そうか。それで…その…か、硬くなってしまったら、仲達お前も…その…揉む、とかそういう事をするのか?」
「そうだな。今の(事務)仕事柄、凝って固くなってしまうこともあるからな。寝る前によくしている」
「そ、そうか…私だけではなかったのだな、少しほっとするが…こう、親友のそういう生々しい話を聞くと少し照れてしまうな」
「?偶に叔達に(肩とか)揉んでもらうこともあるな」
「妹御にだと!?」
「私がしてやることも有る。叔達は文書局という仕事柄もあるがかなり固くなってる事があるな」
「文書局とは一体何をする部署なんだ!?それにお前達はそういう間柄だったのか!?」
「?まあ姉妹だからな。うちに限らず特に姉妹仲が険悪でなければよくある話だと思うが」
「都の姉妹は大概がそうだというのは本当だったのだな…まあいい参考になった、お前の言うとおりにやってみる」
「伯道の役に立てればなによりだ。武運を祈る」
「ああ、女を見せてくる」
裏面
(※1)但し後宮関係者に限ります
---------------------------
庁内食堂で昼食を摂って執務室へ帰る途中、白い布のようなものを抱えた女が目に付いた。
女は視線に気づいたのか、こちらを見るとよたよたと私の方へ歩いて来た。
昼過ぎなのに寝起きなのか髪は少し乱れ、元は端正と思われる顔に怒りを見せようとしているようだがしまり無く口元が緩んでいる。
「仲達!」
「…どうした」
声を聞いてようやく、それが伯道だと認識出来た。
「…一刀様からお前を恨むなと言われている!だから、貴様には感謝だけをしよう!」
そう言いながらばっと広げた白い布には、中央付近の一部が朱色の斑点で染められている。
その斑点が何かと理解するよりも早く、嗅ぎ覚えのある、私を狂わせる、愛しい方の御熱情の薫りを感じ取ってばっと一歩飛び退きながら鼻に手拭いを当てる。
伯道の赤い顔とこの敷き布。そういうことか。
「そうか、おめでとう伯道。その敷き布はよく干して大事にするといい」
「む。…貴様には言いたい事は色々あるが…今は何も考えられん!いずれ一杯奢って貰うからな、覚悟しておけ!」
「よく分からんが、いずれ祝い酒を御馳走しよう。今日はよく眠るといい」
「無茶を言うな、眠れるわけが無いだろう」
緩みを隠し切れない口元で訳の分からない怒り方をしながら、またひょこひょことした足取りで彼女は去っていった。
そういえば競技会の決勝の結果はどうだったのだろうか、聞き忘れてしまった。
――――媚薬も同然の一刀様の御芳香の余韻を深呼吸で鎮めながら執務室へ帰ると、妙に賑やかだった。
「初めてなのに一緒に来てくれないかなんて言いに来て、びっくりしたけど折角だから一人で行きなさいって断ったの。でもちょっと心配になって部屋に行ったら、部屋で一刀様、一刀様って言いながら自分で胸一生懸命揉んでて、頭飛んじゃってるような目つきになって少しぼーっとしてたかと思うと『これくらいでいいか…』って謎な事呟いてから一刀様の部屋に行ったのよ、もう私心配で心配で」
「うん、で楓(曹真)が会議行っちゃうけどあたしに時間ある?って言うから交代で今度私が見に行って。処女のクセにいっちょ前に発情した感じの伯道が一刀様のお部屋来たと思ったら、『う…うっふーん』とか言いながら胸突き出してくねくねすんのよ!一刀様とか目が点で!もぉあたし隠れてんのに声出して笑っちゃいそうなの必死にこらえて!たらね、あの子もう一度『うっ…うっふーん』って言いながら乳首チラ見せするのよ!もうあたし窒息して笑い死ぬかって!一刀様も一体どうしたらいいのか分かんない感じであれね、あれ多分伯道がガチで誘ってきてるのかその気は無いけど何か騙されて来たのか判断つかなくて固まってたんだと思うな私。まそれは置いといて、一刀様何も言えずにいたら伯道『か、硬くなったでしょうか…?』って聞くの!残念だけどそれ硬くなったんじゃなくって固まっちゃっただけだからって突っ込みたいのマジであたしこらえて!そしたらなんかちょっと間があって、で一刀様もう傷つけてもしょうがないやって腹括ったみたいで『ごめん、どうしてこうなったのかマジで分からないからなにがあったのか教えて』って一刀様伯道に聞いたの。そしたら流石に自分の誘い方がおかしかったっつーか、兎に角全然誘えてないの理解したみたいでもぉ伯道号泣!号泣!超マジ泣き!まぁ一刀様も泣く女あやし慣れてるから大丈夫だろうなーって思ったけど暫くは泣いてるだろうからそこで私帰ってきた」
「伯済(郭淮)帰ってきた後、あ、なんか泣き声聞こえなくなったなーって思ったから今度あたしが前室に隠れて見に行ったら、いきなり四つん這いで後ろ手に廻して『縛って下さい、出来ましたら優しくして頂けると』とか言い出すし!処女なのにどこの公達様なのとか思ったけどもう一刀様ホント女の扱い慣れてるわね。引きもせずそれは誤解だからねってそっと伯道持参の縄を棚にやり!あとはいつもの一刀様劇場よ」
「あれ?彩(張郃)、一回だけ見て帰ってきたの?私結構遅くまで残業してたと思うけど貴女帰ってこなかったじゃない」
「ん?いや伯道二回したら寝ちゃってたから。こそっと一刀様にお疲れ様ですーって言って『御掃除』して差し上げてたら元気になっちゃったんで、ま、ちょっと隣の部屋行って御掃除料払ってもらっちゃったりみたいな?」
「なにそれ彩ずるい!」
「え、でも一刀様『起きて居なかったらかわいそうだから』って言われて一回だけよ!?」
「私一応、先輩筋だけど伯道に遠慮して邪魔しなかったわよ?」
「邪魔してないしてない!ちゃんと伯道の分残してるわよ友達だし!」
「あっそれ一応本当だったわよね。詠さんが朝『ったく覚えたての体力系は、三度も四度も元気な事ね』って舌打ちしてたから!きゃははははは」
「あんまり笑っちゃ可哀想よ…」
―――――伯道が一刀様の御寵愛を賜ったのは喜ばしい事だ。しかしいつだったか、稟様に友人は選ぶようにと言われたのをかみ締めざるを得ない、ある平日の午後であった。
Tweet |
|
|
49
|
4
|
追加するフォルダを選択
とある武官と文官の話です。
いつも皆様の御笑覧、コメント有難う御座います。