No.74221

真・恋姫無双外伝~覇王の願い~帰還編vol.9『起点』

真・恋姫無双(魏ED)アフターです。
いよいよあの御二方の登場です!
今回、このSSの中でやりたかったのが
・左慈&干吉の復活
・一刀を左慈や干吉の立場に持っていく

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2009-05-18 00:26:53 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:17223   閲覧ユーザー数:14297

 

深い水の底から浮かび上がるような感覚。

 

真っ暗な視界はやがて白へと変わり、まぶたを上げることで鮮明な色彩を捕らえる。

 

――――ズキ

 

【一刀】「・・・・・っ・・・う・・・・・」

 

体の痛みで目を覚ます。

 

【一刀】「ん・・・・どこだ・・・・」

 

目を開けて辺りを見渡す。

 

見覚えのある荒野。その向こうにそびえる山。

 

手に残るザラっとした砂の感触で夢でないことを自覚する。

 

【一刀】「・・・・・・帰ってこれたのかな。」

 

体についた砂を払いながら立ち上がる。

 

【一刀】「しかし・・・・・具体的にどうしろってんだよ・・・」

 

そう。俺はまだ何も聞いちゃいない。

 

外史を破壊しろだの言っていたが、どうやって終端を起こすのか。

 

まぁ、なんとかなるか・・・とため息をついた時。

 

 

【?????】「うっふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん!!」

 

【???】「ぬはぁぁあぁぁぁ!!」

 

 

 

【一刀】「・・・・・・・・へ?」

 

獣かそれ以上の何かの雄たけびが聞こえた気がして振り向くと――――

 

肩の両側を風・・・・・・いや、かなり湿度を持った突風が突き抜けた。

 

【一刀】「な・・・・・なに?・・」

 

【?????】「んん!!この爽やかでそれでいて男の色気あふれる香りはぁ・・・」

 

突風がおさまったと思ったら、今度は後ろから声が聞こえてきた。

 

でも・・・・なぜだろう。俺は今ものすごく振り向いてはいけない気がする。

 

【???】「ぬぅ・・・貂蝉よ!まさか、この者がお主のゴシュジンサマだというのか」

 

・・・・・・逃げよう。

 

もう堪とかそんなレベルじゃなかった。本能、又は魂からそう訴えている。

 

走り出そうとしたとき―――――

 

 

 

【貂蝉】「ご主人様ぁぁっ会いたかったわん!!(ガシッ)」

 

【一刀】「うわああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 

気づいたときは俺の体が浮き上がっていた。

 

抱きしめr・・・・・持ち上げられていた。

 

 

【???】「ほう。だぁりんほどではないが、なかなか良きオノコであるな。」

 

 

 

――――――――――――――――。

 

 

 

 

 

 

疲れた・・・・・・。

 

【一刀】「・・・・・・はぁ。」

 

【貂蝉】「あらん、ずいぶんとお疲れみたいね。ご主人様」

 

誰のせいだと・・・・・・。

 

というか――

 

【一刀】「ええと・・・・・誰?」

 

【貂蝉】「ぬぁんですってぇ!ワタシの事をわすれちゃったの!!・・・・・・あんなに愛し合った仲なのに・・・」

 

【一刀】「いや、悪いけどそれだけは無いって断言できる。」

 

【???】「がはははは。貂蝉よ、ここはお主の知っている外史ではないのだ。仕方あるまい。」

 

外史・・・・・・

 

この人たちも外史とかそういうのを知っているのか。

 

【貂蝉】「むぅ・・・・・仕方ないわねん。けれどご主人様、それでもこの貂蝉の愛は変わらないから安心してねん。」

 

ウインクを混ぜて貂蝉という人――人といって良いのかは置いといて――が話しかけてきた。

 

ていうか、貂蝉って・・・・・・今更だが、俺の三国志のイメージが崩れ去った上に風化して飛んでいきそうだ。

 

【???】「それよりも貂蝉。この良きオノコに私のことも紹介せんか。」

 

【貂蝉】「そうねぇ。ご主人様、こっちは卑弥呼と言ってねん。ワタシの古い知り合いなのよ。」

 

【一刀】「卑弥呼ぉぉ!?」

 

【卑弥呼】「うむ」

 

 

なんか、もう・・・・好きにしてください。

 

 

 

【貂蝉】「ところで、ご主人様。あんまりここで長居するのも良くないと思うのよねん。」

 

【一刀】「どうして?・・・・ていうか、そのご主人様ってやめてくれない?」

 

【卑弥呼】「私達は少々追われていてな。その追っ手にそろそろ追いつかれるやもしれん。」

 

と、話ているうちに遠くのほうで砂塵があがっているのが見えた。

 

【貂蝉】「ご主人様はご主人様だからしょうがないのねん。ほらぁ、それより早くにげるわよん」

 

【一刀】「って、おい。なんで俺まで・・・・・ってちょおおおおおおおおお」

 

離れようと後ずさった時。

 

一瞬で貂蝉が間合いをつめてきた―――――

 

と思ったら、すでに抱えられ空中を飛んでいた。

 

【貂蝉】「暴れたりしゃべったりしてると舌噛んじゃうからじっとしててねん」

 

そう言いながら超人的跳躍を繰り替えす貂蝉と卑弥呼。

 

【一刀】「・・・・・・・・気持ち悪い・・・・。」

 

乗り物酔いとかはあまりしないほうだったと思うけど、これはそんなもんじゃない。

 

乗り物そのものに原因があるのだ。

 

 

 

2,30分ほど跳び続け、ようやくおろしてもらえる頃には体力も限界にちかかった。

 

【一刀】「はぁ・・・はぁ・・・・」

 

【貂蝉】「この辺りまで来れば、さすがに大丈夫かしら・・・」

 

【卑弥呼】「そうだな。少し休むとしよう。」

 

そういうわりに元気そうな二人。

 

【貂蝉】「ところで、ご主人様ったらなんであんな所にいたの?」

 

【一刀】「・・・・え?」

 

【卑弥呼】「そうだな。どの街からも少しかかるような場所だ。そんなところに一人で出歩くなど、危険極まりないぞ」

 

【一刀】「いや・・・・」

 

話してもいいものか。

 

少しなやむ。

 

でも、この二人は外史のことを知っていたし、なにより俺のことも知っていた。

 

【一刀】「・・・・・・・俺は・・・・少し前まで別の世界にいたんだ―――――。」

 

 

 

 

【貂蝉】「なるほどねぇ。そういうことになってたのねん。」

 

俺はここまでの経緯を二人に話した。

 

やはり、と言っていいのか、二人はある程度知っているらしく、あっさり納得していた。

 

【卑弥呼】「たしかにこの外史は少々大きいが、まさかそれほどとはな・・・。」

 

【貂蝉】「なら、あそこに行ってみましょうか。」

 

【一刀】「あそこ?」

 

【貂蝉】「この世界を支えている場所・・・・要するに意思の力が密集しているところね。」

 

 

 

 

 

 

そのまま二人についていく。

 

【卑弥呼】「この世界にはいくつかあるのだが・・・・一番ちかいところがたしかこの先にあったはずだ。」

 

そう言って卑弥呼が指をさしたのは森だった。

 

こっちについたのが昼ごろだったのだが、さすがに日も暮れ始めていた。

 

そんな中の暗い森の中を進む。

 

先頭を貂蝉が進んでいるのだが、なんというか・・・・

 

その光景は戦車も真っ青なものだった。

 

 

 

【貂蝉】「さぁて、ついたわよん。」

 

【一刀】「ここって・・・・・」

 

 

サラサラと流れる水の音が響き渡る。

 

夕方といっても、森の中ではほとんど夜と変わらなかったが

 

俺は知っていた。この場所を。

 

 

【貂蝉】「意思の力の強い場所・・・・ここがこの外史を膨らませている中心ね。」

 

【卑弥呼】「ふむ・・・間違いないな。」

 

【貂蝉】「まあ、でも――意思の力なんて言っちゃってるけど、要はご主人様の想いが強い場所ってことなのよねん。」

 

【一刀】「俺の想い・・・・・」

 

【貂蝉】「ご主人様ってば、お外でなんて大胆なんだからん♪」

 

 

――――――ぶ!

 

 

【一刀】「ちょ・・・え?!想いって――――っ!」

 

【卑弥呼】「なんと!」

 

【一刀】「なっ!・・・」

 

何言ってるんだか・・・・いや、たしかにここは華琳と初めてした・・・いやそうじゃなくて!

 

【貂蝉】「他の場所は、許昌の建物の中とか街の中とかが多かったりするんだけど・・・・?後そうねぇ・・・・・・」

 

【一刀】「・・・・・・・・」

 

じゃあ、何か。

 

その意思の力が外史を膨らませてるってことは、

 

今こうやって俺が世界をどうこう悩んでるのも全部――――

 

 

【貂蝉】「ご主人様が女の子とヤりまくっちゃったせいかもねぇ。んもうっ!妬けちゃうわん」

 

【一刀】「・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

なんだろう、急にじいちゃんに会いたくなったよ。

 

 

 

 


 
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