「さて、アンタを実際に客将として受け入れるのは月が承諾したからいいわ。でも貴方は実際に何ができるの」
部屋を詠の私室なのか客室として使ってるのかは分からない場所に移ってからのこれだ
あまり大っぴらに話す事ではないと本人も分かっているのだろう
「俺に対した力はない、軍師・文官・武官どれも対した物ではない。真似事だ」
実際に客将といえど手を抜くことは出来ないのだ。
「真似事って言ったって、それはどの程度なのよ。軍師や文官だったら私が判断できるし、武官って言ったって
将軍から部隊長程度まであるでしょ」
その通りだ、武や智これは主観で語ることは不可能だ。比べる人間がいて初めて評価される物であるからだ。
「自分では分からん、だが文官に関しては悪くはないとの評価はもらったことがある」
そう悪くはない、華琳は俺の知識を軍略よりも政に使おうという考えだった
俺の少ない知識から捻り出した物を桂花や風、稟が形にしてくれた。
懐かしい、まだ分かれて数日程度で懐かしいと思えるのは・・・・心が冷めたからか
「悪くはない・・・ね。誰が言ったのかは分からないけど期待させてもらうわ」
「そうしてもらおう」
「じゃあ、今日はいいわ。部屋へ案内するわ誰かさんの手荒い歓迎のせいで疲れただろうしね」
「いや、ありがたい申し出だが練兵場へ連れて行ってくれ」
へえ、っと少し詠の口角が上がったように見えた
「そんなに華雄と霞が気になる、アンタは霞の事を知ってたみたいだしね」
鋭い、流石は軍師というだけはあるか。
「馬術で有名なだけだ、他意はない」
「そっ、じゃあついて来て」
素っ気ない返事だ対した興味は無いのだろう、彼女にとって俺という存在はまだ認めるべき相手ではないという事か
練兵場では先ほどの宣言通りに華雄と霞が仕合いをしていた。
金属同士がぶつかる音が心地良い
こちらの気配を感じてか、二人がこちらを向く
「ほぅ、詠だけだと思っていたが貴殿もついてきたのか。なんだ、手合わせでもするか」
華雄は霞と仕合いをしていたはずだが、大して息は切れておらずゆっくり肩を上下に揺らしているだけである
「では少しだけ手合わせ願おう、張遼が見えないが何処へ行った」
審判を頼もうとしていた当の本人はこうなる事を予見していたのか、端の方にそそくさと移動し
何やら敷物と皿を持ってきている
そういう事か・・・霞は霞という事か
「相変わらず酒が好きだな張遼、ほどほどにな」
俺が声を掛けると、何やら少しだけ驚いた顔をしていたが余り気にしても仕方ないのか
飲み始めてしまった。肴は俺達のようだ
「私がするわよ、審判」
詠も少し霞の酒癖には呆れた雰囲気を感じる、いつもの事だと
「そうか、では頼んだぞ賈駆」
「怪我だけはさせないでよね、明日は私がコキ使うんだから」
俺の意思はここでは反映されないようだ、この世界の女性はやはり強い
「では、構え」
こうして将軍クラスと戦うのは、何度目であろう。
春蘭、君との特訓の成果・・・・見せるよ
「始め」
やっとあの兄ちゃんと華雄の仕合い始まったわ、急いで準備した甲斐があったで、にしても
「不思議な兄ちゃんやなぁ」
ウチは初めて会ったと思ったんやけど、あの兄ちゃんはウチの事知ってるみたいやった
まぁでもここの武人は確かに数では多くないから有名になってても不思議じゃぁない。
でもあの兄ちゃんは少し違った、なんていうかなー。
あれやあれ、せや。10年ぶりにあった友に会ったような感じ
わからんかなー、あの向こうは覚えてるけどーってやつ
"え、霞じゃない。やっぱりそうだー"こんな事が最近あったしな、最初ウチは誰が話しかけてきたか分からんかったわ
まぁ誰かは言わん、ウチもあんな太眉の知り合いなんかおらんと思ってたしな
でも知り合いやったら、話かけてくるはずや。やのにあの兄ちゃんはそれを隠しとる
まぁそれはそれや、こんな事ずーっと考えてたら酒がまずなるし。そろそろ仕合いも佳境に入る
「兄ちゃん、アンタ誰なんや」
声は仕合いによってかき消される
どうも(´・ω・)
心理描写ってやっぱり難しいよね('A`)あと霞の関西弁ですが。原作と似てない部分も多々あるでしょうがそこはご勘弁願います
私が関西人であるので、自分が使うような関西弁になってしまうので困ったものです。
最初の方は最初でセリフばかりで描写少なくてすみません。もっとうまく書けるようになりたいです
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第八話 霞に映る色