「わかりました、しかし私にその力があるのか分かりません。間違えそうになった時は叱ってください。間違ってしまった時は叩いてください。それを私は貴方に、仲間に望む事です」
董卓・・・最初は甘い印象を受けたが話す内に強さを感じさせる部分がある
反董卓連合などという物さえなければ、華琳や劉備、孫策と同じように群雄割拠の時代に名を残していただろう。
そう感じさせられた。
「分かった、天の遣いではないが俺の力程度でいいのなら力を貸そう」
何時までいるかは分からないがな。そう補足をしようと思った。しかし無粋だと思ったので心の内に留めておいた。
「はい、よろしくお願いしますね」
今まで張り詰めていた空気から解放された笑みか、仲間が増える喜びの笑みかは分からないが
今日初めて彼女の笑顔を見た気がする
「あー、ウチそろそろ喋ってもええか」
後ろから霞の声が聞こえ振り返るとにやついた表情で賈駆、董卓と流れた視線は俺に定まる
「ウチの名前は自己紹介いらんやろうけどな、流石に真名はなぁ。霞やよろしゅうな兄ちゃん」
まだ気を遣っているのか、後に続くであろう他の者への配慮か分からないが俺の名前はまだ言及されないようだ
「董卓様が認めたのであれば認めざるを得まい。華雄だ、真名は貴殿を認めてからとさせてもらおう」
「かーっ、華雄はお堅いなぁ、アンタも分かってるんちゃうん、この兄ちゃん結構出来るって事」
横から霞が華雄を囃し立て華雄がそれに突っかかるのもここでは日常なのだろう
「違っ、私は張遼と違ってだな軽い女じゃないって事だ」
あまり良い返しとは言えないがこの言ってやったぞ張遼、どうだ。と言わんばかりの表情
霞の方を見てもにやけた表情のままだ、まだ茶化すようだ。
「へぇ、誰かさんと違ってウチの目は節穴じゃないしなぁ。こーゆうもんは早い方がええんよ」
ゆらゆらと炎が見える錯覚を覚えさせられる程の怒りを露わにしている華雄に対し
霞はゆらゆらと・・・尻尾が見える。相変わらず霞は猫っぽいな、気まぐれの気分屋だ
「張遼・・・あとで練兵場に来い、絶対だぞ」
華雄はそれだけ言い残すと走って出て行ってしまった
「にしし、やっぱ華雄はおもろいなぁ。じゃぁそーゆう事でな、詠、月っち」
せめてこの空気をなんとかしていけ霞。止める間も無く華雄に続いて霞も出て行ってしまった。
「霞さんは相変わらず華雄さんと仲がいいね詠ちゃん」
「あれは仲がいいっていうよりおちょくってんのよ霞は」
久しぶりに聞いた賈駆の声は少し疲れ気味だが、俺が先ほどの賈駆の介入を止めたので結果がどうなるか分かっていないために出た気苦労から来るものだろう
「私は詠よ、軍師をしているわ。よろしくね」
「私は月と申します、よろしくお願いしますね。改めて、お名前をお伺いしてもよろしいですか」
ついに来た、北郷一刀など間違っても言えない。名などそもそも考えていない、ここまで事が早く進むとは思ってもみなかったからだ
あぁ・・・風・・・日輪を支えるって言ってたな君は。ならば俺は・・・
「月詠、それ以外の名は無い」
「偽名・・・じゃないわよね」
詠がそう疑うのも無理はない事実、生来の名前では無いのだから
「昔の名は捨てた、それだけだ」
事情は人それぞれにある、これ以上に詠は深く詮索はしてこなかった
「そう、じゃぁよろしくね月詠」
「よろしくお願いします月詠さん」
「あぁ、よろしく頼む月、詠」
いや名前はやっつけとかじゃないんですよ?(´・ω・`)
漢√で月と詠が陣営にいるとかでもないですよ!?
あれですよ月詠って実際に読みは違いますが確か神話とかの天照大神とかの対になってる感じですよね。確か
イザナギやらイザナミやらのアレですよアレ。間違ってても知りません
やっつけじゃないんだからね!ツクヨミって呼んでよね!///
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第七話 月詠