たった数日別れただけたった
なのに、何年も離れていたような感覚に陥る
羅馬に一緒に行く約束…果たせなかったな
「初めまして、張文遠殿。」
初めて会うのだ、こちらはともかく
向こうが俺を知るわけがない
「へぇ、この兄ちゃんすごいな」
俺は名前を呼んだだけだ、それだけで何故に評価を得たのか理解が出来ない
「何がすごいのかは分からないが、このように話し込んでいいのか」
霞ははにかんで当たり前の様に話しだした
「だって兄ちゃんウチが名乗らんでも名前当ててくれたやろ。しかも張遼じゃのぉて、それが嬉しゅうてなぁ」
失敗した。出会えた事が嬉しくて初対面であることを失念していた。
「で、この兄ちゃん呼んで何するん」
呆れた顔をした賈駆が青筋を立てていつ。彼女はとても怒りやすいのだろうか。
「だ・か・ら、それを今から説明するのにアンタが腰を折ったのよ…」
しかしその青筋も話している途中からすぐに消えむしろ落ち込んでいる
「あー、それはすまんな、堪忍してーな」
春蘭に少しだけ似ていると思ったのは秘密だ
遠巻きにとのやり取りを眺め微笑んでいた董卓が、さて。と気を取り直したのが見える
「では改めて本題に入ります、旅の方、貴方は天の御遣いですか?」
心臓を捕まれた気がした、気づかれるのが早すぎる
落ち着いて探らねば飲まれる、そう思わされるには充分だった
「なぜ、そう思った?」
「では、理由は幾つかありますがまず一つ目から説明させていただきますね」
「その貴方が腰に下げている剣ですが、この大陸ではそのような細い曲刀は見たことがありません」
「まだそれだけでは信憑性に欠けると思うが?」
董卓はにこやかに笑みをこぼした
「では二つ目を、貴方が先ほど商人に売り払ったとされる馬と衣類ですが、あの服はなんでしょうか?あのような純白に煌めく服はどのように説明されますか?」
「あの服は羅馬で入手したものだ、別に不思議ではなかろうさ」
それらしい理由を並べ答えていくが、董卓の笑みが崩れる事がない
そして、この答えを言い切った時に横の軍師、賈駆までもが口元を手で覆い思慮に耽り出した……ように見せかけ笑っている
下手を打った訳ではない
まだローマなどはシルクロードを通しての交流は一切ないはず。二人が笑っている理由にはならない
あぁそうか。俺はまんまと罠に嵌まった訳だな…賈駆よ
「では、三つ目の理由ですが…これは理由にはならないとは思いますが。私は貴方が御遣い様であってほしいという、只の願望です」
二人は確信しているのだろう、俺か御遣いであると、貴方は御遣いか。と聞かれた時に一蹴するか御遣いという存在を知らない振りをすれば良かったのだ
迷いなく入手場所を名言している事が、異常なのだ。
罠と感じさせない話術、恐らく賈駆が仕込んだ物であろう。
素晴らしいとは思った、この才能を
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡c⌒っ゚Д゚)っ
ページ切り替えって出来るだけ等間隔でしたほうがいいんですかね。
メモ丁で下書きはしているので、文字数とか気にしてないんですよね。
適当にポコポコ挟んでるだけなので・・・やはり見づらいんですかね?('A`)
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第五話 天の御遣い