拠点:秋蘭 「重来の時まで」
兗州を離れた私が向かった方向は西側だった。特に目的地があるというわけではなかった。北と南と東は各々の事情で騒がしかったし、静かな所で過ごしたいと思った私は、比較的乱世の渦から疎外されている西側に足を運んだのだった。華琳さまとの仲の悪い馬騰が治める西涼を避けたかった私は長安より巴蜀に入る狭道に乗った。そして辿り着いたのは、黄巾の乱が起きるのと同じ頃西で立ち上がった道教の教えを施す五斗米道の総本山、漢中だった。
民たちが苦しんだ時期、黄巾党の始まりが民たちを歌と踊りなどの遊戯で集めたのだとすれば、五斗米道の目的は、飢えた彼らの腹を満たしてあげることにあったと言えた。
五斗米道の名前は、入教に米五斗を貢がせる事から派生したという。戦乱の時代に一人につき米五斗という量はとんでもない量だった。男性一人が半年は食べていける量の米を信者たちから集めたと言うが、実際の所戦乱の時代行き場を失った人たちはただで受け入れる反面、その分裕福な信者が入教しようとする時はそれ以上の貢物を要求したという。
とにかく五斗米道はこんな風に集めた米で人々を食わせた。無論、ただ入教で入る米だけでは彼らを全部食べさせることは出来ない。そのため五斗米道は彼らに道教の教えを施す一方、その労働力を使い農地を開墾し、その収穫物が、彼らを全部食わせて、朝廷への貢物を貢いだ後でも余り、穀物倉庫を毎年建て増やさないとならないぐらいだとされていた。
他の地域で黄巾の乱が起きている頃、西側が静かだったのはこの五斗米道があったからという。
戦から程遠く離れていて、農事にだけ力を注ぐこの場所が、静かな回顧の時を過ごそうとした私にとって最適の場所に見えた。だから最初は普通の平民を装って漢中に入った。
漢中に入っても必ず五斗米道に入らなければならないというわけではなかった。言った通りに、入教には入教費が必要だった。
集めていたお金で漢中で住居を確保してから十日ぐらいは特に何をすることもなくただ街を出歩きながら過ごした。
漢中に来て十一日目の日、五斗米道からの者たちが朝早く私の元に訪れた。
「教祖がお探しになっています」
漢中は事実上五斗米道の支配下にあった。にも関わらず地域を治める集団の幹部、官僚などが見せる高圧的な態度を取らない様子を不思議に思った私は快く彼らに付いていった。そしてそこで五斗米道の教祖、張魯殿に出会った。
「教えてくれればもっと早くお迎えに行ってたのね」
教祖張魯殿は教祖という職に似合わない素朴で動きやすそうな服装で私を迎えた。服装もそうだったが、こちらに対しての態度もとても軽いもので、それでも礼儀は弁えていた。
「私がここに訪れたのは外交的な目的ではありませんでした。曹操さまは…」
「あー、わかってるのね。こちらからもだいたいの状況は調べさせてもらったのね」
放逐されたとは言え、こんな短時間でこんな僻地にまでその情報が届いてるとは思わなかった私は横の随行員から巻物をもらう様子に驚いた。
「夏侯妙才、曹孟徳の将にして親戚。半年ほど前に反董卓連合の途中で何らかの理由で陳留に送還された。連合軍が解散した直後曹操軍での謀反に巻き込まれたけどそれまでの武功に免じて斬首はされず放逐された、と」
詳細はやや違っていたが、客観的な視線としてはとても詳しい情報だった。
「最初は曹操軍からの偵察かと警戒させてたのね。曹操が司隷を手に入れた勢いで西に来るだろうという噂もあったし…でも調べて見たらそうではないみたいね」
「私は自由の身。ここに居ることは曹操さまとは関係ありません」
「別にあたしもそうだと思って招いたわけではないのね。でも、どうして他でもなく、うちに来たのか。その理由は聞かせてほしいのね」
「私は…」
私が答えようとした時、突然鐘の音が鳴った。普段の癖で敵襲なのかと私は警戒したが、
「おお、もう時間なのね」
「はい?何の時間だと言うのですか?」
「朝食時間に決まってるのね。話は食事の後に聞くね」
そう言った張魯殿は拍手を二度して随行員を呼び寄せた。
「いつもの所にもう一人分食事を用意してほしいのね。お客と一緒にお食事するのね」
「かしこまりました」
随行員が去った後呆気取られている私に張魯殿は言った。
「うちの教は一日三食は何があっても時間を守ってさせてるのね。朝早く呼ばせちゃったから一緒に食事するのね」
「いえ…私は朝食は取らない派で…」
「何言ってるのね。朝食は一日の始まりの狼煙なのね。朝食を取らないと老化も早く来て女性なんて朝食を取る人より十年も早くシワ出来始めるのね。五斗米道に伝わる古記事に書いてあるのね」
さすがにシワの話にはビクッとした。
「ほら、早く来るね。朝早く人を呼んでおいて空腹にさせたと言ったら五斗米道の恥なのね」
そして私はそれ以上何を言う間もなく他の侍女たちに案内されながら張魯殿の後についた。
案内された場所は大勢の人が騒ぐ大型の食堂だった。少なくとも三千人は受容出来そうな食堂に、人たちがびっしりと集まって食事をしていた。
「これは一体…」
「今日畑で働く人たちなのね。共同耕作する畑で働く人たちの食事は教団から出すのね」
「これだけの数をですか」
「共同耕作地で働く人たちは益州や涼州から何も持たずに来た人たちが多いのね。本来の規則は米五斗をもらわなきゃならないけどこんな無一文で生きるためにやってくる人たちが増えてきたら共同耕作地で三年間働いたら入教させてくれてるのね。その代わりに宿食はこちらから提供するし、入教した後では年に一石の米と二石の雑穀を給料として渡してるのね」
「…一体どれだけの規模を共同耕作しているのですか」
「うーんと…去年の収穫は配給分除くとだいたい十五万石ぐらいだったのね」
「なっ」
「あ、それに個人の耕作地を持ってる人たちから税ももらうものを合わせると二十万石ぐらいなのね」
後に知った事だが、教団の収入は、漢中の人口より半分以上の人口を持つ陳留の二倍に至った。毎年蔵を新調するという噂が戯言ではないということだった。
「一体どうすればあんな量の収穫が…」
「まあ、そういう話はご飯を食べた後にするのね。あたしはお腹が減ると頭がよく回らないのね」
「あ…失礼した」
共同食堂と言っても、食べる場所はさすがに教祖と一般信者と違っていて、奥側の扉を開くと、素朴でもそれなりに優雅な部屋に二人分の食事が置かれていた。
「働いてくれた信者たちの労苦に感謝を込めて…頂きますのね」
「…頂きます」
席に座り、張魯殿に倣って食卓の前にお辞儀をすると、私と張魯殿の前に置かれたおかずの内容が違うのに気づいた。私の前にある食事は普通の大きさの茶碗に橋、そしておかずは素朴な山菜炒めと蒸した豚肉らしきものが置かれてあった。反面張魯殿の前には空っぽの器がひとつあったのだが、茶碗と呼ぶには私が持っているものの数倍の大きさだった。そしてその横にはお汁と、その前に醤油が小さな皿にたんまりとあるだけだった。
「……あの、座り場所が逆だったのでは?」
この状況で少なくとも私に考えられたのはそれだった。
「ん?あ、違うのね。あたしはもともとこういう食性なのね」
と言いながら、張魯殿は横においてあった御櫃を開けた。湯気と共に普通の男十人は食べれそうな量のご飯が見えた。
「妙才殿は農事はやったことがないのね?」
「はい?あ、はい」
「じゃあ、少食だろうし、食べれる量だけ持っていけばいいね。でも……一度茶碗で口につけたご飯を一粒でも残すことは、例えお客と言っさても許さないのね」
まるでご飯を残す人が自分の親を殺すよりも許せない仇とでも言いそうな顔で言う張魯殿の前に私は無言で頭を縦に振って自分の分のご飯を茶碗に移した。
「それだけでいいのね?やっぱり中原の人たちは小食なのね。ま、いいのね。では頂くのね」
そう言って張魯殿がお櫃の残ったご飯を全部自分の前の大きな器に移すとその大きな器にご飯は大盛りで盛られた。
「それじゃあ、頂きますなのね」
そう言った張魯殿は箸の代わりに匙、それも普段我々が炒飯などを食べる時に使う奥側のある蓮華みたいなものではなく、奥は浅い代わりに横に広い、まるで飯杓子みたいな形の大匙でご飯を食べ始めた。口いっぱいに雑穀のご飯だけの頬張り、たまに横の味噌汁や醤油をちょっと飲むだけで、本当にご飯だけで美味しそうに食事をしていた。その様子をしばらくみていた私もふと気を戻して自分のご飯を食べ始めた。あんな人を前にしては、ご飯はおろか食卓の前のおかずの切ったネギの切れ端すらも残せなかった。
私が食事を終えた頃、顔を上げるといつの間に張魯殿がそれだけあったご飯を食べ終わり、私の食べる様子を見つめていた。張魯殿の器には彼女が言った通りご飯粒一つたりとも残っていなかった。
「少食だけど、食べる様に気品があるのね。しかも皿は洗ったばかりのやつみたいに真っ白やし、うちの人たちもこんなに綺麗に食べれる人はなかなか居ないのね」
「は、はぁ…」
「よし、採用とするのね」
「はい?」
いきなり採用と言う張魯殿の話を聞いて私はびっくりした。
「わ、私はあなたに仕えるとは…」
「でもどこに居ようと仕事は必要なのね?」
「それは…」
「働かずに飯を食っても美味しくないのね。曹操軍に居たほどの人材ならぜひともあたしたちの所に欲しかったけど、曹操の罠かどうか判らないから試してみたのね。でも、ご飯の大切さを判る人なら信頼できるのね」
「ありがたいお言葉ですが、あなたに仕えることは出来ません」
「何でなのね?」
「私は死んでも曹操さまの将。今は出来ずとも、いつか必ず華琳さまの元に帰るつもりです。ですからそれまでに二君に仕える不忠は犯したくありません」
「……」
張魯殿は食卓に両手を置いて私に顔を近づけた。
「あなた程の忠臣は曹操はどうして放逐したのね?」
「……」
厳密に言って、私が放逐されたわけではなかった。私が黙っていれば、残ることも出来ただろう。でも、私は華琳さまの元を離れた。
今まで私が華琳さまに尽くして来たその忠誠心に間違いがあるなら、これから私はどうするべきか、それをじっくり考える時間が必要だったのだ。でも、それを言い訳にぐーたらな生活を過ごすというのも、また論外だった。
「なら、こうするのね。うちに客将として働いて欲しいのね。漢中を守る五斗米道の兵士たちを鍛えて欲しいのね」
「兵士…教団に常備軍がいるのですか」
「漢中は守りやすい地形だけど、その潤さ故にいつも周りから狙われるのね。自分たちで守らなければ誰も守ってはくれないのね」
張魯殿は目を閉じて真剣な顔をしながら言った。
「五斗米道は本来あたしの父親が建てた教団なのね。元々は不老長生のために鍛錬をする教団だったのね。でも父が亡くなった後、あたしが次代教祖になった時、あたしは長く生きることには興味がなかったのね。天下の人たちはその日に食すものがなくて飢え死んでいっているのに、あたしたちだけが仙人になっても何の意味なかったのね。だからあたしは教団の人たちを連れて漢中に我が教団の教えを施し、人々を集めて農業を始めたのね。もうここは二十万越えの人々を抱える、あたしの小さな理想国家なのね。日々の糧食に飢えていて悲しんでいた人の居ない、皆が腹いっぱい食べられるような国が作りたかったのね」
陳留でも貧民は居た。一日三食が食べられない人はどの都市にもあった。州が凶作だと、軍で救恤を施しても飢え死ぬ人たちが居た。それだけ張魯殿が言う理想は難しいものだった。だがここ漢中の様子を見ると、張魯殿の理想は既にこの漢中では達成できたように見えた。
「漢中以外の所まで、教団を広げたいとは思わないのですか」
「思わないわけがないのね。でも…これがあたしの限界なのね」
「はい?」
「二十万の信者、漢中という場所。この条件が揃ってこの理想は達成されているのね。でもこれ以上人が増えたり、漢中と言う場所を出て行くと、あたしの理想を叶うことが出来ないのね」
自分の限界を語る張魯殿の顔は悲しい目をしていた。
「皆が教祖のあたしに頼るけど、あたしの夢を叶うには、あたしだけの力じゃどうにも足りないのね。だからあたしは思ったのね。あたしの理想を叶うためには教団なんて言う境界に縛られてはならないのね。教祖という立場に囚われてはならないのね」
「…それで私の力を」
「なのね。そして、ひいては曹操殿の力を…」
「……」
「五斗米道の軍は守るためのものなのね。他の所を力で攻めて教団のものにするなんてことはあたしの理想に反するのね。中原の曹操殿の名はここまでの届いてるのね。もし曹操殿がこの天下の覇者になる英雄というのなら、あたしはその人と共に、あたしの理想を叶えてみたいのね」
張魯殿の夢は天下を自分の手に入れることを前提にするものではなかった。むしろそんなことをすると張魯殿の本来の理想を叶うことはより難しくなる。他の戦や、政治などは他に信じられる人に託す方が張魯殿には楽というわけだった。
謂わば今私は張魯殿にとって曹操という人物を評価する鏡とあると同時にいつか華琳さまに直接会うための人脈というわけだった。
「どうなのね?あたしの願いを聞いてくれるのね?」
「解りました」
いつか華琳さまもこの西に向かわれるだろう。その時が来るまで、ここで時を待っているのも悪くない。そう思った私は、張魯殿の客将となって時を待っていたのだった。
・・・
・・
・
「その時がこんなに早く訪れるとは思いませんでした」
五丈原で半分焼かれた小屋の中で、私は華琳さまから来た手紙を華琳さまの前に見せながら言った。十日前に突然来た曹操軍からの間者が持ってきたこの手紙の内容はごく簡潔な内容だっただった。
『私達は今長安に居るわ。五丈原にて司馬懿と戦うつもりよ。私のために戦う気がまだあるのなら来て頂戴』
それだけだった。私の居場所を知っていたことも驚いたが、何の条件もなく、ただ来いと言われた私はその短い文を何度も何度も読み返した。
「あなたが来ないかもしれないとも思っていたわ。今まであなたは自分がどこに居るかも、何をしているかも私に伝えたことがなかったから、まだ私の前に現れる準備が出来てないと思っているのかもしれなかったし」
「いついかなる時でも、主に呼ばれたなら来るしかありません」
「じゃあ、やっぱり本当はまだ来たくなかったの?」
「そんなことはありません。ただ、こんな早くまた会えるとは思いませんでした」
と言っても、もう半年が過ぎていた。西涼は河北や徐州、中原を制覇した後になるだろうとばかり思っていた私にはとても早い再会だった。
「それで、張魯からの支援ももらったって?」
「はい、張魯殿から借りた五斗米道の親衛隊三百が、そこの元直と共に、五丈原の消火作業に頑張ってくれました」
私の居ない間新しく入ったという徐元直はあそこで北郷の横で頭を撫でられていた。あれは流流が妬いているかもしれないな。
「馬騰の親衛隊は、あなた一人で?」
「いえ、親衛隊の中で特に奇襲、暗殺に特化されて訓練した者たち十数人と共に動きました」
「たった十数人で西涼の馬騰の精鋭三百を被害なしで倒したと?」
「敵は馬騰の乱心で動揺しきっていました。簡単な事でした」
五斗米道の親衛隊は、教団に伝わる修業をして素早く動いて、遠くまで見ることが出来た。張魯殿曰く、先代教祖が長生法と言って修練を重ねると不老不死になると言ったという秘法だそうだったが、先代教祖が死んだのを見ると、やはり不老不死というのはでたらめな話らしい。だが、縮地法や、開眼法と言われる秘法は確かに効果のあるものだった。私も彼らの中から身体を素早く動かす秘法を学んで、馬騰の親衛隊を処理する時に使っていた。
「私から離れている間、ずいぶんと逞しくなったようね」
「もったいないお言葉です」
「真っ当な評価をしているまでよ。春蘭があなたの活躍を聞くと泣くかもしれないわね」
姉者…そういえば陳留を出る時にもちゃんと話も出来ずに出て行ってしまったな。
「ほら、一刀、あなたからも何か言ってあげなさい」
華琳さまは後ろに居た、両腕を振り回しながら迫ってくる皇帝陛下のてっぺんを押しつけている北郷に言った。
「…あ?ああ…そんなことより長安の救恤に米が必要なのだが漢中から調達出来ないか」
「いや、そんな話じゃなくて…」
華琳さまは顔を顰められたが、私は気にせず答えた。
「教祖の張魯殿に要請すれば良いはずだ。どれくらい必要なのだ」
「欲を言うと五万石…いや、欲を言えば十万ぐらいは欲しいな。少なくとも五万は要る」
「十万か…それぐらいなら問題なく調達できるだろう」
米十万石だと十万人が一年間食せる量だった。これだけの米を簡単に調達できるという軍は居ないだろう。
「話は聞いていたが、年に穀倉が三つずつ増えるという噂は本当のようだな」
北郷さえもそんな量の米をなんてことないように言う私に驚いたのだからどれだけすごいのかは言うまでもないということだった。ちなみにあの噂には語弊がある。少なくとも私が今年見ただけで穀倉が五つは建てていた。
「張魯…西涼の件が片付いたら一度会ってみたいわね」
「向こうからも華琳さまと話し合うことを願っています」
「ええ、だけど今は天水へ向かうことをまず考えるわ。馬騰の葬礼を終えた後、天水へ向かうわよ」
華琳さまは自ら馬騰の葬式をするために五丈原にしばらく軍を止めると仰った。北郷は馬鹿なことだと言ったが、華琳さまにとって馬騰という英雄はそれだけの意味を持つ人物だった。
そしてもう一人、
「華琳さま、司馬仲達についての話は本当だったのですか」
「本当だったわ。彼女に会って…最後に真名も譲りあった。もう逢えないけれど、彼女も確かに私のために働いた私の部下よ」
二度目失った司馬仲達。そして望んでいなかった悲惨な形で終わった馬騰との決戦。今回の戦争もまた、華琳さまの望むような結末とは程遠い終わりを迎えてしまっていた。
乱世の年月が重なるにつれ、華琳さまの苦悩もどんどん大きくなっていくばかり。私だって、いつまでも華琳さまの元を離れては居られないということだった。
「華琳さま」
まだ私があなたの前に立つに相応しいのかよく判りません。
ですが、
「この夏侯妙才、華琳さまの手足となり、これからもあなたに忠誠を誓います。華琳さまの目指す道がどんなものであっても、私はそれに従い、その道を立ちふさがる者たちからあなた様を守り、道を切り開きましょう。微弱ながら、どうかまた私をあなた様の軍に受け入れてください」
悩む時間がたっぷりありました。
だけど、やっぱりあなた様の側でなければ、あなた様のためでなければ、何をやっても意味がなかった。あなた様のために生きてこそ、この世で生きる理由を持つ。ですから、これからも私はあなたの忠臣として生きます。
「…家出は楽しかったのかしら、秋蘭」
「はい?」
「勘違いしてくれては困るわ。私はあなたの事を一度も手放したことはないわ。あなたが勝手に出て行っただけ。一度もあなたはうちの将でなかったことはなかったわ。だからそんな畏まった態度を取るのはよしなさい」
…ああ、そうだったのか。あなた様はそうやってずっと私を待っていてくださったのですね。
「お帰りなさい、秋蘭」
「…はい、ただいま戻りました、華琳さま」
<作者からの言葉>
ゴットヴェイドーーのネタ入れようとしたんですけど、もう降るすぎて誰も幸せにならないので省きました。個人的にもマジでつまらないネタでしたし。
裏で一刀と愛理と皇帝となんかやってますが、詳細は次回に話します。
道教で言う理想国家論、ってか老子の理想国家って小国寡民ってありますけど、二十万はきっと老子が言った寡民ではないと思うんだ。日本の戦国時代も確かこんだけ人口あれば普通に中規模だったと思いますし。
真一火さん>>忘れがちですが、恋姫†無双の設定でも真名は確かに大事ですね。戦国†恋姫だと違いましたが、
一丸さん>>これ以上のシリアス(と書いて長い話と読む)に耐えられなかった作者がはちきれただけです。
山県阿波守景勝さん>>劉備をどこまで進ませるかが悩みなんですよね。バランス的に。今曹操軍(一刀抜き)と劉備軍戦うと絶対曹操軍負けちまう。
kazoさん>>華琳は自分が犯した罪のあまりに自分の当時の考えを脳内から消してしまったかもしれませんね。一種の自己防御?それに後に蘇らせようとした点を考えると単に運が良かっただけかもしれません。
本郷 刃さん>>いろんなネタを回収出来て作者も嬉しいです。後は稟をなんとかすれば…ごふっ
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張魯のイラはいつもの所から
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