~鞘華視点~
「孫呉が江夏に進行してきました
数は凡そ2万 長沙の華雄様が援軍に向かっております
江夏では籠城をして援軍を待っております」
明らかにおかしい
雪蓮が攻めてくる兆候はなかった
国同士の交流は無い状態だったが雪蓮と険悪でもない
それに2万と言うのも少なすぎる
付け加えるなら長沙と同時に攻めた方が戦力の分散を図れるのにそれも無い
一体、どういう事?
「星、悪いけど急いで江夏に行って
霞は長沙へ 華雄が居なくなった隙を突かれないとも限らないから
兵は各1万を連れて行って
後は孫呉を追い払ったら華雄は長沙に戻って星は江夏に留まって
霞は華雄が長沙に戻ったら襄陽に帰還して
恋は襄陽に暫く留まっていて頂戴
その後の事はまた追って通達するわ」
「「御意」」
「(コク)」
江夏の残存兵力1万5千と援軍1万で撃退出来るはず
孫呉は何を考えているの・・・
~雪蓮視点~
蓮華が南郡制圧から帰還した
「姉様、南郡の制圧完了しました
穏を彼方に残して事後処理に当たらせております」
「ご苦労さん
これで蓮華の名も上がるでしょう
いっそのこと家督を譲っちゃおうか」
「姉様!」
私の冗談に過剰に反応するからからかわれるのにね~
でも、いずれは冗談じゃなくなるんだけどね
「雪蓮、大変だ
我らが取り込んだ豪族の一人 許貢が荊州の江夏に進行を仕掛けた!」
「何ですって!
誰がそんな命令をしたのよ」
「奴の独断だ
劉備との戦で呂布が襄陽に援軍で向ったので好機と考えたのだろう」
冥琳の言葉も苦悩に満ちている
当然だ 呂布が居なくてもそれは一時的
劉備を退ければ直ぐに戻ってくる
それまで籠城していれば済む話だ
それに、今荊州の一姫と戦っても勝ち目は薄い
最悪の事態ね
「兎に角、今はその戦いの結果を待つわよ」
5日後、許貢が撤退したとの報が来た
~華琳視点~
「華琳様、劉備の荊州進行は失敗
洛陽に帰還した劉備の兵は半数以下
更に張飛、鳳統、北郷一刀の三名は北郷一姫に捕縛された模様です
付け加えるなら関羽は負傷したとの事です」
やはり、鞘華が勝ったわね
張飛や鳳統まで捕えるとは予想外だったけど関羽と諸葛亮は残っているのね
「我等はこれより洛陽に進軍する
漢王朝と劉備に引導を渡し、新たな世を創り出す」
~桃香視点~
「桃香様、曹操が進軍してきました」
そんな、兵も兵糧も不足している今攻められたら・・・
考えあぐねていたら朱里ちゃんがやって来た
「桃香様、最後の進言をする為に参りました
もう、取るべき道は降伏しかありません
納得できないようですが貴女の我儘でこれ以上無益な死者を出さない方法は他にありません」
「朱里、貴様 桃香様の理想実現のための努力を我儘だと言うのか」
愛紗ちゃんが怒鳴る 私も同感
「今となっては、それは実現不可能な理想なのです
愛紗さんが曹操に降る条件として桃香様の助命を願い出るしかないでしょう」
もう実現不可能なんだ
分かってたけど認めたくなかった
「愛紗ちゃん、降伏の軍使をお願い」
「桃香様・・・」
悔し涙が止まらなかった
~華琳視点~
「降伏の条件として劉備の助命ね」
関羽の出した条件は想定内だがわざと考えるふりをする
「私と諸葛亮が曹操殿の臣下となり働きましょう
もっとも桃香様が生きている間は、ですが
更に曹操殿の趣味は有名です 私はそれに付き合う事は出来ません」
「あら、それは残念
まあ、降伏の条件は受け入れましょう
貴女にはこれから働いてもらうわよ」
~鞘華視点~
江夏を防衛したとの連絡が来た
先ずは一安心
だが孫呉の本心が解らない
それを知る為の行動を起こしましょう
「鞘華様、それは絶対に駄目です!」
静里が反対する
それはそうだろう
私が出した提案とは・・・
~あとがき~
孫呉の侵攻はこの外史では雪蓮に恭順していた豪族の一人許貢の独断でした
正史との差異は見逃してください
桃香の終焉です
ネタバレに近いですが桃香は今後の登場は殆どありません
そのつもりですが話が暴走して何かあるかもしれません
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
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思いもよらぬ孫呉の侵攻
しかし・・・・