No.736244

咎を受けし御使いの最後の旅~二人の御使いと二人の劉備~

ユウヤさん

やってしまった4連投
これで書き溜めストックを使い切りました。
何やってんだ?俺・・・
欲望に忠実すぎるだろう?これでも理性ある人間なんだぜ??
では本編どうぞ。

2014-11-09 23:40:44 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2676   閲覧ユーザー数:1982

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 咎を受けし御使いの最後の旅~二人の御使いと二人の劉備~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

汜水関撤退戦

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こちらは連合内部、袁紹の天幕内。

 

 袁紹「な、ななななんですの、あれは!」

 

 顔良「私にも分かりません!各陣営の兵の一部が突然・・・で、ですがそれが汜水関に向けて進軍を開始したんです。私達には見向きもせず。」

 

 袁紹「へ?そ・・・それは味方って事ですの?」

 

 顔良「い、いえ、そうも言えません!だって、あれは人では無いんですよ!?」

 

 袁紹「顔良さん、それでもワタクシ達には攻撃してこないんですのよね?」

 

 顔良「え?え、ええ。」

 

 袁紹「・・・で、でしたらこのまま進軍ですわ!あ、あの者たちの攻撃に便乗し、汜水関を落としますわよ!!!」

 

 顔良「し、しかし・・・」

 

 袁紹「このままワタクシ達が負けてもよろしいと言いますの!?」

 

 袁紹はここ二月の攻城戦の進展の無さに焦りを感じていた。故に人外がどうとか考える余裕も無かったのだ。

 

 顔良「わ、分かりました。全軍にそう通達します。」

 

 こうして、連合軍は人外と共に進軍を開始した。

 

 

 

 関羽軍陣営

 

 関羽「あのような妖共と共に進軍だと!?」

 

 諸葛亮「はわわ!これは・・・まずいでしゅ。あんな奴等と共闘など、風評どころの話ではありません。勝つことはできても・・・名声を得る等!」

 

 孫乾「愛紗様、朱里様、それでも選択肢はそう多くありません。あれを董卓軍が退ける力があるのか、無いのか、それ次第でしょう。」

 

 諸葛亮「ある様には見えないでしゅ。」

 

 孫乾「それでも・・・我等のような弱小勢力は選択肢度ほとんどありません。残るは逃げですが・・・それは信念を捨てるも同義でしょう。」

 

 関羽「やるしか・・・無いというのか。このようなことで得た勝利に何の意味がある!袁紹!!」

 

 それでも進軍せねばならない理由が彼女たちには有る。人材不足、風評不足、名声不足。それを補うために連合に参加したのだから。それでもこれは彼女達からしたらまったくの正反対の行動である。それを理解したうえでそれでも往かねばならないもどかしさは、彼女達からしたら正しく後には引けない状況の証明だと言える。

 

 関羽「全軍に通達、我等も我等の陣から出た妖共と共に進軍、汜水関を・・・攻める。」

 

 二人「「御意。」」

 

 

 

 曹操軍陣営

 

 華琳「状況を報告!」

 

 荀彧「そ、それが、我が軍の兵士の一部だけではなく、各陣営の兵士が妖に変貌。汜水関に向けて進軍を開始しました。私達には攻撃を加える意思は無いようですが・・・そ、それに袁紹から共に進軍し、汜水関を攻めろとの通達も!」

 

 華琳「そんなことできる訳ないでしょう!?そんな事をすれば勝利を収められても、民衆からの信は一気に失われるわ!」

 

 荀彧「しかし、此処で引け布も事実。引くのであれば華琳様の覇道を捨てることになりかねません!さらに及川隊は勝手に進軍を開始しました!!」

 

 華琳「な・・・まさか!?」

 

 荀彧「華琳様?」

 

 華琳「この現象の犯人は及川かもしれないわ・・・」

 

 荀彧「まさか!及川は天の御使いであって、妖術使いではありません!そんな事実があった日には・・・」

 

 華琳「どのみち私に示された道は少ないわね・・・桂花、少し時間をちょうだい。進軍の準備だけはしておいてちょうだい。」

 

 荀彧「・・・は。」

 

 荀彧が天幕から出てった後、華琳は頭を抱えた。

 

 華琳「どうしよう、どうしよう、どうしよう。一刀・・・どうしよう、私・・・間違っちゃった。どうしよう・・・」

 

 華琳は傍に居ない一刀にどうすればいいのかと問い続けた、答えなど帰ってこない事は分かっているのに。

 

 華琳「一刀ならどうするかしら・・・私なら進軍する。間違いなく・・・これすらも利用しようとする。でも・・・一刀は・・・」

 

 華琳は目を閉じ、一刀の姿を思い浮かべる。自分の目の前に一刀が居る。一刀は何て言う?どうする?そう思い浮かべる。

 

 一刀『駄目だ!そんな事は絶対しては駄目だ!!それは覇道ですらない!!』

 

 華琳はその言葉に誰もいない天幕内で叫ぶ。

 

 華琳「それでも私は私の道を往く!!」

 

 パチン!

 

 そう、叩かれた気がした。

 

 一刀『馬鹿か!そんなの華琳の道な訳ないだろう!!民の為に自分を犠牲にする子が、民をないがしろにする筈が無いんだ!!華琳、君は民の為なら・・・自分すら駒にするんだろう!なら道は一つだ!!』

 

 一刀ならこう言う、間違いなく。華琳は誰よりも北郷一刀を知っている。そう自負している。だからこそ・・・

 

 華琳「そう・・・そうよ、自分すら・・・駒として捨てる。なら・・・私の道は・・・」

 

 華琳は意を決し、天幕を出て叫ぶ。

 

 華琳「全軍撤退準備!我等は連合を抜ける!この戦いに覇も義も有りはしない!!春蘭、秋蘭、桂花、栄華、柳琳、華侖!すぐに撤退準備をなさい!!及川隊は勝手に進軍したのだから置いて行く!」

 

 全員「「「「「御意!」」」」」

 

 天幕の外でその言葉を待っていましたと言わんばかりに返事をした将達はそのまま部隊を纏め上げ、撤退を開始した。

 

 ただしかし、それを黙って見ている袁紹でも無かった。袁紹軍は25万、連合軍の半数を占める。その10万を華琳の討伐に向かわせたのだ。それに僅かの人外も追随した。それを待っていたと言わんばかりに・・・

 

 

 

 袁術軍陣営

 

 袁術「なんじゃと!?」

 

 張勲「そうなんですよ~。ま、私も勝ち馬に乗るのは賛成なんですけどね~」

 

 袁術「何を言っておる、七乃!!」

 

 張勲「え?」

 

 袁術「孫堅を此処に呼べい!急ぎでじゃ!!」

 

 張勲「は、は~い!!」

 

 張勲はいつもと違う袁術の様子に動揺しながらも、彼女の叫びに従わざるを得なかった。

 

 袁術「麗羽姉さま、何を考えておるのじゃ・・・どうして、そんな事を命令できるのじゃ!」

 

 袁術はそのまま自分の脇に有った机を叩くと、それは完全に砕け、粉々になった。

 

 張勲「お、お嬢様、お連れしました~」

 

 孫堅「で?何の用だい?私も自分の兵の一部が変わり果ててその混乱を収めるので手いっぱいなんだが?」

 

 袁術「分かっておる。お主は我が兵と張勲を連れて揚州へ引き上げい。そのままお主には揚州州牧、寿春太守の座をこの場を持って譲渡する。異論は認めぬ。よいな。」

 

 張勲「はいぃ!?」

 

 孫堅「・・・何の冗談だい?」

 

 袁術「冗談では無い。殿は妾と親衛隊が引き受ける。さっさと行くのじゃ。それとも・・・ここで孫呉独立の機会を逃すかの?」

 

 孫堅「な!?」

 

 袁術「時間が無い!おそらくあの人外は敵と認識すれば襲いかかってくるじゃろう!!誰かある!!」

 

 袁術兵「は!」

 

 袁術「あれを持てい。妾が出る。」

 

 袁術兵「へ?」

 

 袁術兵「2度は言わぬ!」

 

 袁術兵「は、は!!」

 

 そのまま袁術兵は簡易玉座の裏に回りその奥から大きな箱を4人がかりで運んできた。

 

 孫堅「それは?」

 

 袁術「武器じゃ。妾の・・・な。」

 

 張勲「な、何言ってるんですかお嬢様。大の大人4人が持ってきた物を・・・」

 

 そう言うと袁術はその箱に力任せに拳を突っ込んで取り出した。

 

 バギャァン!!

 

 二人「「な・・・」」

 

 袁術「行くのじゃ、孫堅。揚州の民と、七乃を頼む。」

 

 孫堅「・・・いいんだね?」

 

 袁術「うむ、行けぃ!!」

 

 孫堅「生きてまた会おう。お前の事を、少し知りたくなった。」

 

 袁術「いずれ機会があれば会う事も、語る事もあるじゃろう。それまで互いに・・・」

 

 孫堅「ああ、息災で・・・な。」

 

 孫堅は暴れる張勲を脇に抱え、袁術軍9万を率いて撤退を開始した。勿論その時に一部人外が反転、袁術軍にまで攻撃を加えようとした・・・が。

 

 袁術「させると思うてかぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ!!!!」

 

 ドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!

 

 彼女が振り下ろしたのは彼女の身長の倍はある刃を持った戦斧だった。面を見ると楕円の様で、卵の形と言った方がいいだろう。柄があるがそれを持った時彼女は斧の刃に隠れて見えなくなってしまうのではにかと言うほどだった。

 

 袁術「妾とて・・・紛いなりにも信念は有るのじゃ。妾とて民の安寧を望んでおる。じゃが・・・これで得られるわけなど無いのじゃ!!麗羽姉さま・・・覚悟・・・するのじゃああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」

 

 袁術はその雄叫びと共に、飛び出していった。その後ろからも袁術軍の親衛隊が続く、恐怖に震えながらも、あの我が儘姫が本当は武に通じ、民を重んじ、人を思いやる事が出来る者だと、孫堅とのやり取りを聞いてすぐに理解した故に、彼女の背を追い突撃する。

 

 

 

 

 

 華雄「でぇぇぇぇぇい!!!!!」

 

 ガリリリイィィィ

 

 華雄の渾身の一撃を受け止めるオーガの一体。その体躯は華雄の倍はあろうかと言う物なのだが、華雄はものともせず果敢に攻める。

 

 オーガ「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」

 

 反撃とばかりにオーガは何処から調達したであろう大きな棍棒を振り上げ、華雄に向けて振り下ろした。

 

 ゴォォォォオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!

 

 華雄「ぐ、うぅぅぅぅうぅううううああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

 華雄はそれをあろうことか真下で受け止め、はじき返したのだ。

 

 華雄「な、め、る、なああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

 華雄はそのまま金剛爆斧をオーガの足の指めがけて振り下ろす。

 

 ブシャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

 

 オーガ「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?!?!?」

 

 それはオーガの分厚い皮膚を切り裂き、その痛みに耐えかねてオーガは膝をつく。

 

 華雄「・・・??」

 

 華雄は今起こったことが信じられなかった。さっきから散々攻撃して通らなかった攻撃が通ったのだ。指の皮膚だから薄かった?そんな単純な話では無かった。

 

 キィィィィン

 

 華雄「なんだ・・・これは。」

 

 華雄の金剛爆斧の刃の部分に淡く、白いナニカが纏っていた。

 

 華雄「だが・・・今は考えるより動く!」

 

 華雄は察した。何がどうあれ、これで奴等に致命傷を与えられると。

 

 華雄「でぇぇぇぇぇぃいいいいいいいいい!!!!!」

 

 その戦斧を頭上で回転させ、敵を切り裂いて行く。周囲の兵もその姿に感化され、敵兵を次々と屠り抜いて行く。だが・・・

 

 トロル「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

 

 ゴブリンキング「ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

 オーク「ブフゥウウウウウウウウウウウウ!!!」

 

 大型の魔物三体が小型の魔物を多く引き連れ華雄めがけて突進してきたのだ。

 

 華雄「くぅ!!さすがにこれでは!!!」

 

 華雄の善戦むなしく、魔物の攻撃が華雄隊にまで及んでしまう。

 

 華雄「く、そぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

 トロク「グオォォォ!!!!!」

 

 華雄が気を取られた一瞬を付いて、トロルの一撃が華雄を襲った。

 

 華雄「が!?」

 

 華雄はそれを受け切れず、吹き飛ばされた。その勢いは止まる事を知らず、汜水関城壁まで吹き飛ばされた華雄はそのまま城壁へと激突した。

 

 ドオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!

 

 華雄「ぐ・・・は・・・ま、まだ・・・まだ・・・」

 

 かろうじて鋼気功で耐えて見せた華雄だが、その体は誰が見てもボロボロで、これ以上の戦闘は無理と判断するしかなかった。

 

 華雄「・・・す、まん、柊。やく、そくを・・・守れ・・・そうに、無い。」

 

 華雄が吹き飛ばされたことで汜水関までの進路が出来てしまった。そこにゴブリン、コボルト、ラット等の小型の魔物がなだれ込んでくる。

 

 華雄「だが・・・まだ通さん。通す訳にはいかん・・・この華雄、簡単に果てると思うなぁぁぁぁぁァァァァァァ!!!!!!!!」

 

 汜水関城門前で華雄の雄叫びが天へと響いた。

 

 ドォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!

 

 

 

 

 霞「・・・・??華雄?」

 

 霞はかすかに聞こえた華雄の雄叫びに反応していた。

 

 霞「・・・うざいわ。」

 

 ザァァァァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!

 

 霞は周囲の小型の魔物に足止めを食らっていた。そのうざったさから淡々と敵を倒す方針に切り替えたのだ。

 

 彼女が天龍偃月刀を振るう度に天麟は右へ左へと向きを変え、時に周囲に散乱し敵を切り裂いて行った。

 

 霞「さすがにでっかい方は傷一つ付かんけど・・・貴様等如きならウチでも屠れるみたいやな。」

 

 霞はそのまま小型の魔物を屠り続けていた。華雄の事も気になるが、此処を抜ける訳にもいかなかった。

 

 霞「関羽か。」

 

 関羽「貴様は・・・貴様も妖術使いか!?」

 

 霞「・・・そう思いたければ勝手に思っとき。今のウチは今手加減できるほど冷静やない。」

 

 関羽「・・・く。」

 

 霞「これ以上は無意味やと分かっとるんやったらさっさと引きぃ。撤退はウチが援護したる。どうやら連合を抜けようとした時点で奴等は襲ってくるみたいやからな。」

 

 関羽「一つだけ・・・いいか?」

 

 霞「なんや?」

 

 関羽「間諜は誰も帰ってこないのは、後ろめたいことがあるからではないのか?」

 

 霞「ちゃう、ウチの軍師は董卓の事だけを知られたくないだけや。あの子は可愛いからなぁ。利用しようとする輩が後を絶たないんや。せやから・・・洛陽は平和なんや。」

 

 関羽「その言葉・・・信じるぞ。」

 

 霞「ウチは張遼。関羽、今度会うた時には酒を飲み交わしたいものや。」

 

 関羽「・・・そうか、分かった。張遼殿、すまないが・・・」

 

 霞「ああ、行きぃ。」

 

 関羽「全軍反転!我等はこれ以上連合にくみすること叶わず!!この連合に正義は無い!!!撤退、撤退!!!!」

 

 霞「張遼隊!!!関羽軍の撤退を援護しぃ!!!人外は変わらずウチが蹴散らす!!!」

 

 張遼隊「「「「「は!!!」」」」」

 

 その後、張遼隊は霞を残し全滅、霞はそのまま汜水関へと撤退を開始した。

 

 霞「皆・・・すまん。」

 

 その足取りは決して軽い物では無い、だが立ち止まるわけにもいかない。まだ汜水関は落ちていない。ならばこそ、撤退し、生きて帰らねばならなかった。

 

 

 

 

 

 汜水関前、此処では華雄が死に体で戦線を維持していた。

 

 華雄「ヒュー、ヒュー。」

 

 だが、その呼吸は最早止まる寸前と言えた。

 

 華雄「ま・・・だ・・・」

 

 キィィィィィィィ・・・・ヒュゥゥゥン

 

 だが、彼女の意思とは裏腹に金剛爆斧を強化してくれていた物は力なく消えていった。

 

 華雄「まだぁぁぁ!!・・・ぐぅ・・・」

 

 それでも金剛爆斧を置こうとしない華雄だった。そこに一つの声が響いた。

 

 及川「すごいなぁ、さすが華雄や。どうや、ワイに降るっちゅうなら・・・助けてやってもええで?」

 

 華雄「だ・・・れだ。」

 

 及川「わいは及川や。天の御使いっちゅうのをやっとる。」

 

 華雄「貴様が・・・?く・・・くふふふ・・・はははははは・・・」

 

 司馬懿「何がおかしい!」

 

 華雄「何・・・あ奴の言っていたことがよく分かった・・・貴様等・・・気持ちの悪い物を纏っているな。」

 

 華雄は返答はこれだと言わんばかりに挑発を仕掛けてくる。

 

 及川「なんや、死にたがりかいな。それなら仕方ないわ。」

 

 及川が右手を上げ、魔物に攻撃の命を下した。その瞬間。

 

 霞「させるかあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

 ブワアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!

 

 霞の放った天麟が華雄を攻撃しようとしたオークの肉を切り裂いて血達磨にした。

 

 オーク「ぶおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?!?!?!?!?!?」

 

 及川「なんや!?」

 

 霞「華雄、引くで!」

 

 霞はそのまま華雄を抱えこみ、汜水関内へと駆けこんだ。それでもすぐに追いつかれてしまう距離だったのだが・・・

 

 袁術「でえええええええええええええええええええええええええええい!!!!!!」

 

 ドォォォォオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!

 

 霞「な!?」

 

 袁術「しっかり走るのじゃ!お主らにはまともな入り口など残してやらんのじゃ!!」

 

 袁術はそう言うと汜水関の城門をその戦斧を使って叩き壊していった。

 

 及川「クソが、逃すな、追うんや!!」

 

 瓦礫が落ちる中、及川のその叫び声だけが響いて来た。

 

 袁術「とにかく逃げるのじゃ。妾は袁術、お主らの味方じゃ。」

 

 霞「・・・ウチは張遼、こっちの気絶しとるのは華雄や。袁術、信じていいんやな?」

 

 袁術「うむ、信じられんかもしれんが妾はこれ以上連合には付きあい切れんのじゃ。」

 

 霞「分かった。ならこっちに来ぃ。馬が隠してある。」

 

 そう言って霞は張遼隊の厩舎の裏に有る崖の一つの仕掛けを操作して、中から馬が出て来た。

 

 霞「こいつは赤兎馬っちゅうんや。大変な暴れ馬で基本此処に閉じ込められ取る。せやけど・・・無理にでもこいつに乗っていくで。」

 

 袁術「うむ、分かったのじゃ。」

 

 こうして霞は赤兎馬にまたがり後ろに華雄を乗せて、前に袁術を乗せる形で走り出した。

 

 霞「頼むで・・・赤兎馬。ウチ等の命はお前と共に有るんやからな。」

 

 その言葉に仕方ないと言わんばかりに赤兎馬は走り出した。

 

 

 

 

 あとがき(その頃の虎牢関)

 

 

 一騎「・・・雪蓮、気が付いたか?」

 

 雪蓮「ええ・・・嫌な予感がするわ。」

 

 凪「隊長、汜水関方面でおぞましいほどの黒き氣が膨れ上がっています。」

 

 一騎「く・・・」

 

 風「お兄さん・・・」

 

 恋「一騎・・・往く?」

 

 一騎「駄目だ・・・最低でも・・・人外を確認するまでは人の戦に興じる。」

 

 ねね「一騎殿・・・」

 

 一刀「畜生!今度あいつ等が来たら・・・今度は俺も戦うぞ!絶対・・・殺してやる!!」

 

 一騎「ああ・・・・・・今度は手加減などしない・・・仏の顔も三度まで・・・なんて生易しいという事を思い知らせてやる。」

 

 怒りに燃える虎牢関勢。その怒りが爆発するまで、後わずか・・・

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
20
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択