No.736214

咎を受けし御使いの最後の旅~二人の御使いと二人の劉備~

ユウヤさん

どんどん投稿しちゃいましょう
というわけで本編どうぞ。

2014-11-09 22:24:03 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2328   閲覧ユーザー数:1765

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 咎を受けし御使いの最後の旅~二人の御使いと二人の劉備~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

連合集結、人ならざる者

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一騎達が軍議を開き進軍を開始したころ、汜水関が小さくも見て取れる平地に連合軍の合同の陣地が設置されていた。

 

 華琳「で・・・どう言う事か説明してもらおうかしら。及川。」

 

 だが、此処曹陣営はかなりピリピリしていた。

 

 及川「何を説明すればいいんや?」

 

 華琳「どうして司馬懿が居ないのかって聞いてるのよ!」

 

 及川「だから野暮用やって言うてるやろ?大丈夫や、ちゃんと合流するさかい。」

 

 華琳「・・・私に隠れて何をしようとしてるか分からないけど、下手な事はしない事ね。後悔しても知らないわよ?」

 

 及川「お~こわ。ほな、わいは部隊の取り纏めがあるから失礼するわ~。」

 

 そう言って及川はひらひらと手を振ってその場を後にした。

 

 華琳「・・・何をしようとしているの?一刀・・・貴方は今どこに居るのよ。」

 

 問題が上がっているのはどうやら曹陣営だけではないようだ。場所は変わって、袁術陣営。

 

 

 

 孫堅「で?雪蓮はどうしたって?」

 

 周瑜「はい、それが思い人に会いに行くから後は任せたと・・・馬を一頭連れて居なくなってしまって・・・」

 

 孫堅「あのバカ娘・・・何処に行ったかは分からないのかい?」

 

 周瑜「それが突然の事で・・・勘が鋭い奴で有りますから監視の目もうまくかいくぐったのもかと。」

 

 孫堅「・・・他には報告する事はあるかい?」

 

 周瑜「どうやら袁術が直前に接触していたようです。」

 

 孫堅「袁術が?そう言えばあの子はちょくちょく袁術と会っていたようだったね?まさか・・・」

 

 周瑜「あ奴に限ってそれは有りません!何か別の理由があるはずです・・・」

 

 孫堅「・・・仕方ない。今回の戦は雪蓮なしでやるよ。良いね?」

 

 周瑜「は!」

 

 孫堅と周瑜の話を要約すると、孫策が居なくなったという事だ。どう言う訳なのだろう。

 

 

 

 袁術「・・・うまく行けたようじゃの。」

 

 その様子をこっそりのぞく金髪の少女、袁術が呟く。

 

 袁術「雪蓮姉ぇ、頑張って主様に会うのじゃぞ。妾は・・・投げ出すわけにはいかないからの。」

 

 小さき少女は覚悟を決めた目でその場を後にした。

 

 

 

 こちらは関羽陣営。

 

 関羽「それで朱里よ。洛陽の様子は分からないのか?」

 

 諸葛亮「はい、愛紗さん。何度も間諜を放ちましたが一向に帰ってくる様子がありません。」

 

 関羽「そうか・・・どちらにしても我等は参加しなければならなかったからな。この戦に出なければ我等は弱小勢力として今後の時代に呑み込まれてしまうからな・・・」

 

 孫乾「愛紗様、そろそろ軍議に出ませんと。」

 

 関羽「ああ、そうだな。朱里、行こう。」

 

 諸葛亮「はい。」

 

 それぞれの思惑が交差する中。連合の軍議が今始まる。

 

 

 

 

 連合特設天幕

 

 

 袁紹「お~っほっほっほっほξξ゜⊿゜ )ξξ」

 

 天幕内では袁紹の高笑いが響き、全員頭を抱えていた。

 

 袁術「(相も変わらず耳障りな高笑いなのじゃ・・・じゃが)うはははははー!!(これも袁術の一つの姿じゃな)」

 

 張勲「よ、お嬢様!周りの空気をガン無視で高笑いをするその傍若無人振り。そこに痺れる憧れるぅ!!」

 

 袁術「うむ、もっと褒めるのじゃ~!(妾は泣いていいかもしれんの・・・)」

 

 加えて袁術の高笑い(演技)が響き、各諸侯の眉間には騒音による苛立ちからしわが寄っているのが分かる。

 

 華琳「それよりも・・・軍議は始めなくて良いのかしら?」

 

 袁紹「あら、もう始まっていますわよ?何言ってるのかしらこの小娘は。」

 

 華琳「(^^#)ピキ」

 

 袁術(ちょお!?麗羽姉さまそれはさすがに!!)

 

 孫堅「良いから始めな。それとも此処で・・・」

 

 袁紹「さ、さて皆さん。この連合に今必要な(ry」

 

 これ以降はほぼ以下同文なので皆は分かってもらえると思う。とにかく袁紹の馬鹿な演説と馬鹿な見栄が織りなす三文舞台が始まった訳です。なので各諸侯の思考をお楽しみください。

 

 袁術(ぐっじょぶなのじゃ!孫堅殿ぐっじょぶなのじゃ!!)

 

 心の中で親指を立てる袁術。その単語を何処で知ったか聞きたいです。

 

 華琳(なんだか・・・二回目だから大丈夫だと思ったけど余計にいら立ちが・・・及川に会ったら蹴飛ばしてやろうかしら・・・)

 

 八当たりの対象は及川らしい。及川に野心を抱かせる原因の一つだと思う。

 

 関羽(これが連合の実情か・・・朱里あたりならなんとか策を巡らせてくれるだろうが・・・終わった感があるのは気の所為か?)

 

 気の所為ではありません?

 

 孫堅(足並みがばらばら、戦力になりそうなのは本当にスズメの涙ほどか。これは厄介なことになって来たね。)

 

 この中でまともな思考は彼女だけだろうか?

 

 公孫賛「はぁ、もうどうにでもなれだなぁ・・・」

 

 ぼそっと一言。

 

 袁紹「白蓮さん、あなた先陣を切りなさい。愚痴を言ったバツですわ。」

 

 ズバッとお仕置き。

 

 公孫賛「そんな馬鹿な!?」

 

 全員(ご愁傷様)

 

 全員心中で合掌。

 

 そんな中で諸葛亮は考えていた。

 

 諸葛亮(これは好機です。白蓮さんの救援を名目にして前線で功績を上げれば私達の名声は上がる。これで名声はどうにかなります。)

 

 一人真面目に考える諸葛亮、なんと言うか不憫だと思うのは気の所為なのでしょうか?

 

 そんなこんなで軍議は終わり、総大将袁紹を筆頭に進軍を開始したのは軍議が始まって三日後の話だった。

 

 

 

 一騎「連合が動き出した?」

 

 虎牢関で詰めている一騎の元に柊からの伝令が到着していた。その内容は連合進軍開始の報告だった。

 

 一騎「やっとか。何やってるんだかな。」

 

 風「お兄さん、お兄さん、風はこの状況に不満がたらたらなのですよ。」

 

 一騎「いきなりなんだ?」

 

 風は一騎にすり寄ると腕をからませてきた。

 

 風「聞いた話だとお兄さんは他の世界で女の子をたくさん抱いたそうですね?ここで紫苑さんと星ちゃんを抱いたそうじゃないですか。」

 

 一騎「そう・・・なるな。」

 

 風「風は・・・何時抱いてくれるんですか?」

 

 一騎「・・・それは、いずれ。」

 

 風「風は3ヒロインの一人の筈なのに・・・」

 

 一騎「メタいのやめてもらえないかな!?」

 

 風「それでは・・・」

 

 そんな漫才を繰り広げる二人を2828しながら眺める周囲の兵、それを恨めしそうに睨む一騎だったがその目がすぐに変わり、関の外へと向けられた。

 

 一騎「・・・なんだ?この感じ・・・」

 

 風「どうしたんですか?お兄さん。」

 

 一騎「いや・・・気の所為だと思うが。」

 

 董卓兵「申し上げます!北門より孫策を名乗る者が沂水関の兵を連れて鄧艾様に面会を要請しております!」

 

 一騎「何!?」

 

 風「おやおや~。何やら嫌な感じがしますね~。」

 

 この時、柊と一騎の言い様の無い不安感は、的中する事になった。

 

 

 

 

 一騎「ここか?入るぞ。」

 

 一騎が訪れたのは副将級の兵が使う個室の一つだった。負傷兵なら医務室だと思っていたが、その姿を見た一騎は驚愕した。

 

 一騎「ら、雷厳!?どうした、その傷は!!」

 

 雷厳「か、一騎様・・・ご、ご報、告、申し上げます。沂水関に・・・い、異形の・・・者が・・・現在、鄧艾隊1000にて・・・防衛・・・長くは・・・持ちません・・・」

 

 一騎「孫策!何が有った!!君が此処に居る事は今はいい、どうしてこんな事が!?」

 

 孫策「私にも分からないのよ!沂水関周りで虎牢関を目指してたらいきなり奴等に襲われて!」

 

 雷厳「一騎様・・・に早急に・・・お知らせせねばと・・・戦線を・・・離れ・・・」

 

 一騎「雷厳、もういい、もうしゃべるな。」

 

 一騎の言葉に雷厳はそれでもと話し続けた。

 

 雷厳「私は・・・まだ、死にたく・・・一騎様・・・何処に?真っ暗で何も・・・見え・・・」

 

 そのまま雷厳の手は力なく地面へ落ちて行った。

 

 一騎「・・・ぁ・・・」

 

 孫策「っ!」

 

 一騎「・・・雷厳は良い奴だったんだ。結婚もして、子供もこれから生まれて来るってのに・・・どうしてこんな事になったんだ・・・異形に襲われた?それをどう報告すればいい・・・」

 

 一騎はそのまま雷厳の遺体を抱きかかえ外へと運んだ。

 

 一騎「誰かある!」

 

 董卓兵「はっ!」

 

 一騎「彼の遺体を彼の家族の元に。英雄の体にこれ以上傷一つ付けることまかりならん。」

 

 董卓兵「御意!」

 

 一騎は雷厳の遺体を兵に預け、そのまま風の所へ行こうとした。

 

 孫策「一刀!」

 

 一騎「・・・君は、北郷一刀を知っているんだね?すまん、本当は説明したいけど、今はそれどころじゃない。」

 

 孫策「私も・・・一緒に行くわ。行くんでしょう?沂水関に。」

 

 一騎「・・・分かった。」

 

 そのまま一騎は孫策を連れて風とねねが待機している執務室に向かって歩き出した。

 

 

 

 

 一騎「失礼する。」

 

 風「お兄さん、雷厳さんはなんだったのですか~?」

 

 一騎「雷厳は・・・死んだ。」

 

 風「・・・え?」

 

 一騎「沂水関に異形が出現したと報告をしてこと切れた。」

 

 一刀「そんな!あいつは結婚したばっかだろ!」

 

 一騎「ああ・・・これから沂水関に向かう。一刀、お前も付いて来い。」

 

 一刀「わ、分かった。」

 

 風「お兄さん、それは・・・」

 

 ねね「何を言っているのですか、一騎殿!その様な事をすれば此処の守りが・・・」

 

 一騎はねねの頭に手を乗せ優しく微笑んでこう発した。

 

 一騎「大丈夫、一日留守にするだけだ。それぐらいなら差異は無い。大丈夫だからな?」

 

 ねね「一騎殿・・・」

 

 風「凪ちゃん、付いて行ってもらえます?お兄さんが無茶しないように。」

 

 凪「はい。」

 

 そのまま一騎は関から外に出て魔方陣を展開させる。

 

 孫策「な、何なのこれ!?」

 

 凪「隊長・・・これは?」

 

 一刀「おいおい・・・冗談だろ?」

 

 一騎「さっさと行くぞ。」

 

 その陣がひときわ大きな輝きを放つと四人は光にのまれ消えて行った。

 

 

 

 

 沂水関、その城壁に兵が集まっていた。現在異形の敵は関から離れた所から沂水関を攻撃していた。だがそれは弓矢ではなく火球。鄧艾隊の精鋭がそれを盾で何とか防いでる状態だった。いや、此処まで抑えられていたこと自体が奇跡に等しかった。

 

 一騎「お前ら無事か!」

 

 董卓兵A「鄧艾様!?どうやってこちらに!」

 

 董卓軍の兵士の一人が一騎に気が付き駆け寄ってくる。

 

 一騎「それを説明している暇は無い!状況を説明しろ!!」

 

 董卓兵A「は、奴等は一度関まで押し寄せ、城壁に届く巨体の物は城壁の上の兵を薙ぎ払い、我らより背の低い者たちは口から火の球を噴き出し攻撃を・・・あれは何なのですか!?」

 

 兵の説明を受け、一騎は敵のいる方に目を向けた。その瞬間一騎の目があり得ない物を捕らえたのだ。

 

 一騎「・・・冗談じゃない・・・あんな物を・・・人の戦に持ち出すか!」

 

 一刀「嘘・・・だろ?なあ一騎、あれって・・・魔物・・・だよな?モンスター、だよな?あんなのが外史に存在するのか?」

 

 一刀も一騎に続いてそのおぞましき姿を見た瞬間、自分の知識に中にある、ゲームや物語の中の存在だと認識できるほどに、奴等は忠実にその姿を模していた。

 

 一騎「そんな訳ないだろう!・・・どうした、于吉。・・・ああ・・・・ああ・・・・・は・・・・・・?」

 

 精いっぱいの否定の言葉を叫ぶ一騎の元に于吉から連絡があった。その報告を聞いて居た一騎は少しずつ、そして確実に顔色を悪くしていった。

 

 一騎「・・・報告御苦労。」

 

 一騎は念話を切り、俯いて止まってしまう。

 

 一刀「一騎?」

 

 一騎「くくく・・・ふふふふふ・・・アハハハハハハハハハ」

 

 唐突に一騎の狂気ともとれる笑い声が関中に響いた。

 

 凪「た、隊長!?」

 

 一騎「藍、多重結界を張れ。」

 

 その一言に一騎の外套から藍が飛び出し、すぐさま結界を張る。

 

 藍「一騎様、博麗式四重結界設置完了です。この物量ですと一月持ちますが?」

 

 一騎「すぐに出る。準備だけしておいてくれ」

 

 藍「はい。」

 

 一刀「どういう・・・ことなんだ?」

 

 一騎「皆、聞いてくれ。一刀は覚えているか?星を襲っていた賊の事。」

 

 一刀「ああ・・・それがどうしたんだ?」

 

 一騎「あの妖術の発展型だ。あれは・・・元は人間だ。」

 

 一刀「え?・・・いやいや、冗談だろう?あの術は魂の作り替え・・・まさか!?」

 

 一騎「ああ、あれは魂ごと体まで作り変えてしまう術だ。于吉でもってしても外法と言わしめた術だよ。」

 

 一刀「そんな・・・」

 

 凪「あれが・・・元は人・・・」

 

 孫策「・・・嘘・・・でしょ?」

 

 それぞれが絶望の色を目に宿す中、一騎は続けた。

 

 一騎「これはいい機会だと思ってもいる。一刀、北郷一刀がどれだけの素質を内包した存在かを知る・・・な。」

 

 一刀「まさか・・・あれを倒せるって言うのか!?」

 

 一刀の言葉に一騎は頷く。そして振り向き言い放つ。

 

 一騎「見届けろ、そして刻みこめ。咎を受け、闇をその身に内包した人外のその姿を。」

 

 こうして、人外と人外の戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 あとがき(その頃、袁術軍では)

 

 袁術兵A「お、重い・・・」

 

 袁術兵B「分かってるから気を抜くなよ・・・袁術様からしっかり運んで来いってお達しなんだから。」

 

 袁術兵C「しかし・・・何が入ってるのかね?大の大人四人で運ぶ代物って・・・」

 

 袁術兵D「蜂蜜の詰め合わせとか?」

 

 3人「「「あはは、さすがにそれは無い・・・と良いなぁ!?」」」

 

 切実な願いだった。

 

 

 

 

 本当に何が入っているんですかね?

 


 
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