~鞘華視点~
「皆、今戻ったわ」
襄陽に帰って来て挨拶をする
その後,紫苑と沙羅を紹介する
みんなすぐに受け入れ真名を交換する
そして会議となる
「十日程襄陽に居なかったけど政務や街の様子はどう?」
やはり一番最初はこれだろう
「特に問題ないわ
アンタ達が戻ってこないと進められない物は、全部急を要さない物だからね
逆に日々の仕事は内政、軍事共に順調よ」
詠の言葉に安心する
「諸侯に間諜を出してる筈だけどそっちの情報は?」
「まだ、連合軍から月日があまり経ってないから大きな動きはないわね
ほとんどの諸侯が力を回復させようとしてるみたい
ただ、最新の情報だけど徐州が何か活発な動きを始めたみたいよ」
一君と劉備が?
「どんな動きを始めたの?」
「それが、徐州に赴任してから数日は全く動きが無かったけれど
その後、領内の城主を一気に力づくで恭順させたらしいわ
反発が出ても実利を優先させたのでしょうね
他にも、街の区割り、開墾や治水、徴兵なんかも活発に行っているらしいわ
ただ治安維持の様なの効果がすぐ見えない物は後回しになってるようね
早急に力をつける、そんな政策に見えるわ」
~北郷一刀視点~
~徐州に赴任して十日後の事~
今日の朝議での桃香の様子は変わりがない
相変わらず落ち込んだままだ
「・・・という事で進めたいと思いますがいかがでしょう
桃香様、ご主人様」
朱里の言葉に桃香は
「任せるよ」
聞いているのかも怪しい
これはもう動くしかないな
「桃香、決断してくれ
この徐州から桃香が出て行くか、桃香が出ていかないなら俺が出て行く
どっちにするか さあ、決めてくれ」
「ご主人様?」
桃香だけでなく愛紗、鈴々、朱里、雛理、全員が驚いている
「徐州に来てから桃香はまるで抜け殻だ
〈みんなが笑って暮らせる世の中を創りたい〉そう言ってたくせに何も自分で動こうとしない
そんな人間と行動を共に出来る訳がないだろう」
俺のそんな言葉に桃香は
「だって、私の理想は一姫さんに否定されちゃったんだよ
星ちゃんもそれで出て行っちゃったし」
やっぱり、だな
「一度誰かに否定されたら捨てるような理想なら初めから持つんじゃない!
桃香の理想は間違っていないが過程が抜けているのと現実との折り合いをどうつけるかが問題なんだ
その過程を示すためにも、問題を解決するためにも皆がいるんだ
星が出ていったのは失敗だったが、ならば見返してやればいい
少なくとも塞ぎこんでいるだけでは、何も意味が無い!」
これで駄目なら桃香を見限るしかないだろう
「ご主人様、一月だけ時間を頂戴
ご主人様の言う通りだね
私が為すべきことをやって見せる
だから私はそれを行動で示すわ
一月後にご主人様がまだ駄目だと判断したなら私がここから出て行く
皆はご主人様と頑張ってくれればいい
でも、ご主人様が良しと判断したならまた力を貸して」
「わかった でも、判断基準は厳しくするぞ」
と言って俺が笑うと皆、笑顔になった
これからが大変だがみんなでやって行こう
~現在~
かなり無理をしたから歪が出ているがそれはこれから改善していくしかないな
力がつけば外敵からも身を守れる
現在は小康状態だが、必ずこれから乱世が来る
その為に必要なことだ
いつか鞘姉とも戦うことがあるかもしれない
桃香の件で借りが出来たがその時は全力で当たる
不安材料は愛紗が逆恨みで鞘姉に関しては冷静さを欠いている事か
~鞘華視点~
劉備が変わったみたいね
一君、貴方の力なの?
まあいいわ
いずれ、力を合わせるのか、敵対するのかは分からない
でも、まだ先の話 今考える事ではない
「私達は荊州全体を発展させる政策をするわ
近いうちに武将の配置変更を発表する
誰かに江夏と長沙に行ってもらうけどそれは決まってから言うわ
今日の会議はこれまで」
皆が各自の仕事に向かう
そんな折、とんでもない凶報が入る
劉協陛下殺害される
~あとがき~
やっと桃香が変わりました
一刀がこの位言ってやっと動く位でしょう
愛紗は結構しつこいので逆恨みしたままです
劉協の一件でまた、諸侯に動きが出ます
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
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襄陽に帰還した鞘華達が聞いた情報