No.734672

真恋姫無双 舞い降りし剣姫 第二十三話

ZSANさん

江夏へ向かった鞘華達を待っていたのは

2014-11-02 23:03:07 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2586   閲覧ユーザー数:2382

~劉埼視点~

「長沙より早馬が届きました」

「内容は?」

「黄忠様は恭順し、州牧様はこちらに向かい出立した とのことです」

紫苑殿は恭順しましたか

ならば〈天の御遣い〉の名は虚名ではないのですね

 

~回想~

私が部屋で眠りに付こうとした時

「はっ」

天井から何者かが襲い掛かって来たので返り討ちにしました

私の武の腕は普通

ならばこの襲撃者の腕は大したことは無いのでしょう

だが問題は襲撃者の雇い主です

祭夫人しかいませんね

あの人は自分の子供の劉綜を父の後継者にしたがっています

先妻の娘である私が邪魔なのは明白

このまま殺されるのを待つよりは父に頼んで江夏の城主にしてもらいましょう

そうすれば祭夫人も命を狙いにくくなるでしょうから

~回想終了~

 

あの方が父の仇でなければ話は簡単に済んだのですが

仮定の話を考えても意味はありません

此方に参られてからの事

全てはそれからの事・・・

~鞘華視点~

江夏の城が見えてきた

「着いたら取り敢えず街の様子を見るわ」

長沙の時と同じだ

だが私にはそれよりも気になることがある

「ね~、私は酒宴の時何を言ったの?

 教えてよ~」

「「「私からはとても・・・」」」

三人とも笑いを堪えながらそんな事を言わないでよ!

 

江夏の街はさほど発展していない

悪政を行ってはいないと聞いていたのに

だが紫苑が

「仕方ありません

 ここは州の境目なので、このご時世 攻め込まれることを恐れて住民が流出してしまったのです」

私の考えを読んで説明してくれる

隣の州となると袁術かな

袁家ならあり得るか

それは兎も角、そんなに私の考えてる事って解り易いのかな?

 

「これでは街を見るより劉埼に会ったほうがよさそうね」

私達は城へ向かい劉埼と会うことにした

謁見の間に通されると劉埼が待っていた

 

身長は静里より低め

胸は私達より一回り小さそうだ

年は私と同じ位だろう

だが、どことなく大人びた年上のような顔立ちをしている

矛盾しているかもしれないがそんな感じがした

 

双方自己紹介をしてから

「まず、一姫様が祭夫人と祭帽を破ったおかげで私の命を狙うものが減りました

 そのことにお礼を申し上げます」

そういえば劉埼は劉表の先妻の娘

だから祭夫人が邪魔者として排除しようとしていたって話があったかな

でも、それで江夏の城主になるのってもっと後じゃなかったかな?

時間系列がこの世界は違うと割り切ろう

 

「お礼を言った舌の根も乾かぬうちですが、同時に貴方は私の父の仇です

 父を殺された娘が簡単に恭順するとお考えですか?

 まずは、それをお聞かせください」

成程、失念していた訳では無いけどそれを持ち出してくるとはね

「まず敵味方に分かれた時点で、誰であろうと容赦はしない

 そうでなくてはこれからの乱世、生き残れない

 その上で貴方の父は私に討ち取られてはならない人だったの?

 戦に出た以上、殺す覚悟も殺される覚悟もして当然

 ならば劉表にもその覚悟が有って当然

 更に自分の夫人やその弟に悪政をさせていた人

 これを念頭に置いたうえでの質問なの?」

劉埼は私の返答に言葉を詰まらせる

「では、父は殺されても仕方なかったと?」

「戦に出た以上戦死する可能性はあった、と言ってるの

 その可能性が当たって、相手が私だった そういうことよ」

劉埼は納得していないのか

「そんな説明で納得しろと?」

「納得できなくても現実は変わらない

 私は謝罪もしない

 あの戦いで戦死したのは劉表だけじゃないから

 私がするべきは謝罪でも貴方が納得する説明をすることでもない

 私が天命と信じる事を為す、それが私のするべきこと」

その後、私の信念を訊いて来た劉埼にそれを説明

「私の真名は沙羅

 真名を預けると共に北郷一姫様に忠誠を誓います」

劉埼こと沙羅が仲間になってくれた

その後沙羅に襄陽に来ることを打診すると

「私は武も知も普通にしか持っていません

 そんな私が襄陽に行っても・・・」

「何言ってるのよ、それは万能型って事でしょ

 武でも知でも役に立つってすごい事なんだから」

 

~某所にて~

「白蓮様、どうしました?」

「いや、どこかですごく良い事を言ってくれた人がいるような気がして」

~某所 終~

 

代理の城主は補佐官に任せた

だが長沙も同様だが一時的な処置だ

襄陽に戻ったら配置を考えて長沙にも江夏にも新たな城主を置くつもりだ

 

皆の気が緩んだその時、私の右肩に後ろから焼き火箸を押し当てられたような痛みと衝撃が走った

射られた矢が右肩を後ろから貫いたのだ

「劉表様の仇を討ったぞ!」

そう叫ぶ男の声が聞こえたのを最後に私の意識は途絶えた

~あとがき~

 

江夏の話は2話に分けました

 

オリキャラがまた増えました

これで5人目なので一度ちゃんと説明回を作った方がいいかもしれませんね

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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