No.734293

九番目の熾天使・外伝 -蒼の物語-  Extra STORY

Blazさん

一日遅れのハロウィンでの騒動編です。
久しぶりなので駄文ですが、よろしくです。

イメージソング
「only one No.1」 アニメ:デ・ジ・キャラットOPより

2014-11-01 17:15:52 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1049   閲覧ユーザー数:1014

Extra STORY 「Happy Halloween! みんな仲良く騒ぎましょうね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

= 10/30 =

 

 

とある世界で補給作業を行っていたクロガネ。

一旦元の世界に戻ろうと言う事で現在その為の用意として補給する事になっていたのだ。

次元空間を航行するのは約二日から三日。だが、それはあくまで予定に過ぎず、何時突くのかは基本バラバラなのだ。

その為、クロガネの補修作業もココで念入りに行われ、更に物資も出来る限り補給すると言う事だ。

 

 

 

 

その中。暇を持て余している女たちがラウンジで寛いでいた。

一人は鈴羽。現在睡眠中。

その隣でアルトが趣味でやっているギターの整備をしている。

そして、その反対側ではミィナがタブレットをいじって何か作業をする。

現在、彼女達はフリータイムを過ごしていたのだ。

 

ちなみに、Blazとニューは現在外で行われている補給作業を手伝っており、この場から席を外している。

 

 

そんな中、艦内時計をふと見上げたミィナは独り言の様に呟いたのだ。

 

 

「・・・そういえば、今日はハロウィンか・・・」

 

「ん?もうそんな時期かー・・・早いもんだな」

 

「まぁ。私達基本日にちって関係ないモンねー・・・」

 

「だよなぁ・・・にしてももう十月か・・・早いもんで後二ヶ月ぐらいで今年終わりだな」

 

「だねー・・・夏をもっとエンジョイしたかったよ・・・」

 

「そう言って籠もってた奴に言われたかねーよ」

 

「うぐっ・・・」

 

 

アルトの言葉にぐうの音も言えないミィナ。実際、今年の夏はクーラー天国に居た所為で夏風邪をこじらせていたのだ。それを聞いてBlaz『達』は丸五日は潰れたという。

基本インドアの彼女なので仕方ないといえば仕方ないのだろう。だが、もう少し外に出たら良いのにと言う意見には真っ向から反論したのだった。

 

 

「はぁ・・・今年も早いなぁ・・・ハロウィンって私達何もする事ないし・・・」

 

「いんや。あるぜ」

 

「へ?」

 

 

ミィナはアルトの言葉に目を丸くし、彼女の顔を見る。

当の本人は調整が終わったのかギターを軽く鳴らす。

しかし、どうやら不服だったらしく、また調整し始め、先程の話を続けた。

 

「ウチに居るあのチビッ子二人を思い出してみ」

 

「あーニューちゃんとアルフィミィちゃん!」

 

「あの二人がハロウィンの事を聞いてな。やりたいやりたいって言うから自主参加者を交えてハロウィンをするんだとさ」

 

「ハロウィンをって・・・お菓子略奪を?」

 

「そうはしねぇよ。ゲーム形式にするってゼンガーのおっさんが」

 

「・・・ゼンガー少佐、ノリノリだなぁ・・・」

 

「あの人、見かけによらず子供好きらしいからさ」

 

「へー・・・」

 

 

あのゼンガーが・・・とミィナは彼の上に肩車で乗るニューを想像する。

無愛想な彼の上に満面の笑みを浮かべて彼女が乗る。

 

其れを想像したミィナは直ぐに吹き出して笑った。

どうやら相当ツボに来たらしい。

 

 

「ぶっ・・・ははははははは!」

 

「オイオイ。それ想像しただけでって・・・」

 

「だ、だってそれ想像したらシュールで・・・フフフフフフフ・・・」

 

「・・・まぁシュールだわな」

 

 

 

「はー!やっぱオモシロ・・・けど、ハロウィンかぁ・・・子供の頃以来だなぁ・・・」

 

「子供って・・・アンタ今いくつだよ・・・」

 

「少なくともか・・・アルトよりかは年上でゼンガーたちよりかは年下よん♪」

 

「・・・・・・」

 

じゃあ幾つなんだよ、とアルトは苦い顔をしていたが、其れを見てもミィナは明るい表情を崩さずに懐かしそうな顔で思い出話を話し始めたのだ。

 

 

「・・・子供の時、妹と一緒にハロウィンの日に仮装して家を回ったんだ・・・色んな人の家に行って、いっぱいお菓子を貰って・・・」

 

「妹ってアンタ妹居るのか」

 

「居るよ。今は高校生。時々会ってるしね」

 

「へえ・・・妹・・・」

 

アルトの脳内には彼女と同じ容姿の妹を想像していた。

同じ髪で同じ見た目。全くの瓜二つを想像し、試しにイメージとして彼女を「お姉ちゃん!」と呼ぶのを想像するが余り良い物ではないと思い、思わず首を横に振る。

ソレを見て恐らくとミィナは彼女に対し補足を言う。

 

「別にそこまで私と瓜二つって訳じゃないからね・・・」

 

「あ、そうなのか・・・」

 

「まぁ髪の色と目の色は同じだけど、妹はお母さん似の顔つきだし、髪も私よりかは短いよ」

 

「へー・・・」

 

「だからって、また変なのを想像しないでよね」

 

「・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《パシュッ》

 

 

 

 

 

 

「にゅ~♪」

 

すると、ラウンジの自動ドアが開き、そこからニューが嬉しそうな声で入室する。

何時もの事だと思い、横目で見る二人だったが今日は違っている。

ニューが生きている服装が何時もの次元素体の服ではないのだ。

ポピュラーな魔法使いと言うとの第一印象の服装。

黒味のかかった紫の服装と三角の帽子をつけ、ダボダボの服を着たニューが居たのだ。

それにはミィナも可愛く見えて彼女を自分の膝の上に乗せて話し始めたのだ。

 

「あらら。ニューは魔女にでもなったの?」

 

「違うよー魔法使いだよー♪」

 

「そっか!じゃあどんな魔法を掛けてくれるのかな?」

 

「えっとねーえっとねー・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディアの『りあじゅう』を『ぼくめつ(殲滅)』する魔法ー♪」

 

 

「あーそれは早期に行わないとねー♪」

 

「おーい目ぇ笑ってないぞー」

 

目が笑っていないのは割愛するが、その後ディアを本気でそうしたのはここまでにしておこう。

 

その二人の姿を呆れ目で見ていたアルトの元に、あとからBlazが入室。

疲れた顔でミィナの隣のソファに腰掛けるのだった。

どうやらニューのことだったりで色々と疲れたらしく、ニューの姿を横目で確認すると「はぁ~・・・」と息を吐いたのだ。

 

 

「何かあったのか?」

 

「いや・・・唯疲れた・・・」

 

「何にだよ」

 

「いやぁ・・・ちとな・・・」

 

「・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《パシュッ》

 

 

 

「お!なんや、Blazさんこんなトコにおったんかいな!」

 

「んー」

 

 

「・・・って・・・」

 

 

「あ、はやてとアーマ」

 

 

更なる来訪者として、Blazの知る世界のはやてと彼女の使い魔であるアーマ。

その二人が顔を出し、彼らの元に集まったのだ。

元居る世界でも多忙な生活をしている彼女が何故ココに居るのか。

その理由はシンプルだ。

 

 

「約束通り、翠屋のお菓子持って来たで」

 

「おう。サンキューな」

 

「え!お菓子!?お菓子くれるの!?」

 

「誰がお前みたいな大食い女に菓子を速攻アストラルヒートされなきゃいけねーんだよ」

 

はやてがそう言い、自分のデバイスから持ってきた物を転送する。

それは彼女が住んでいた地球での菓子店、緑屋の菓子が入った箱だったのだ。

ソレを見てミィナが反応するのだが、速攻でBlazが割り込み彼女に対し静止を呼びかけた。

それにはミィナも子供の様な剥れた顔で、はやての隣に居たアーマは苦笑していた。

 

「まぁまぁ二人共・・・」

 

「ぶー・・・ケチ・・・」

 

「しゃーないってミィナ。コレはパーティ用のお菓子や。欲しいならまた今度二人で行こうな」

 

「・・・うん」

 

「行くのかよ・・・」

 

「事食に関しては抑止の無い子ですからね・・・」

 

 

「けど、そんなの使って何するんだ?」

 

「何でも、パーティで人気投票をしての景品って聞いてるけど?」

 

「景品?つか投票ってなんだよ?」

 

「あー・・・それはな・・・」

 

「ニューとアルフィミィの人気投票。どっちのコスが良いかっていうね。」

 

「あー・・・」と納得した声を出すアルト。

実際、この隊の中で見た目が幼いのは彼女達だ。

大方提案はゼンガーだろうと思うが、果たしてニューに勝ち目があるのかと思っていた。

当の本人は現在ミィナとはやての間で遊んで貰っており、緊張感の欠片もない。

彼女自身が行ったことでもない為、無関心と言うのも無理は無いだろう。

 

問題はもう一方。アルフィミィの方だが・・・

 

 

 

 

「ちなみに先程格納庫を除けば、アルフィミィが選挙紛いの広告活動を行っていましたし・・・」

 

「何処のアイドルだっつーの・・・」

 

「流石にアッチは熱入れすぎだろ・・・」

 

知能的に言えばアルフィミィの方が人としての知性は多いのは確かだ。

だからこそなのか、彼女はそんな事をしてでも勝ちたいという子供の様な気持ちと共に大人気ないことを行っていたのだ。

そんな彼女と無邪気なニュー。どちらが勝つかと考えれば意外とわからない物だ。

はやては今居るメンバーに対しどちらに入れるかと言う事を尋ねた。

 

「で。実際皆はどっちに票を入れるんや?」

 

「流石に私はニューに入れますかね・・・」

 

「私もかな。子供は子供らしくってね」

 

「アーマとミィナがニューちゃんにと。で、Blazさんとアルトちゃんはどっちや?」

 

 

「・・・その場で考える」

 

「同じく」

 

「・・・嫌な事先送りかいな」

 

流石に面倒な事はゴメンなのか、二人はその場では答えずに本番でどちらに入れるかにした。二人の性格からして仕方の無い事なのかもしれないのだが、正直ココで腹を割って決めてもらいたい物だ。

しかし、そこである事を思い出し、はやてはBlazに問いかけたのだ。

 

「そうや・・・Blazさんにとって嫌な事で思い出した」

 

「あ?俺にとって嫌な事?」

 

 

「そう。Blazさん、あの二人に連絡してないやろ」

 

「・・・あー・・・そういやな」

 

「そういやって・・・片や奥さんはご心配やで」

 

「・・・・・・」

 

 

「奥さん?」

 

「あー・・・あの二人の雰囲気からすればねー・・・」

 

「にゅ?」

 

 

「別にいいだろ。あいつ等そんなに新婚ホヤホヤって空気じゃなかったんだしよ・・・」

 

「だからって、あん時のお礼もなしってのはアカンやろ。近い内に言いに行きや」

 

「へーへー」

 

適当にあしらうBlazにはやてはため息を吐いて頭を抱える。

その二人とは以前訳あって共に居た仲間の事だ。

今はとある次元世界に居るのだが、彼等が巻き込まれたある事件以来会っていないのだ。

はやてとミィナは先に行ったというが、肝心のBlazは色々と用事が重なり、今の今まで行けなかったのだ。

もっとも、彼が行く気も無ければ行く事さえも忘れていたと言う事もあるのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《パシュッ!》

 

 

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

 

「ん?アクセルさん、どうしたんだよ?」

 

「っ・・・Blazか・・・丁度いい。少し手伝え」

 

そこに、唐突にアクセルが現れ、息を切らしていた彼はBlazを見るやそんな事を言ったのだ。一体どう言う事なのか。何があったのか。

状況が分からない彼・彼女達は代表してはやてが彼に状況の説明を尋ねたのだ。

 

「えーっと・・・アクセルさん、一体何がどういう・・・」

 

「・・・・・・一つ聞きたい。お前ら、どっちに票を入れる?」

 

「は?」

 

 

「票って・・・パーティでの?」

 

「そうだ」

 

はやての質問に質問で返すアクセル。そして彼が尋ねた投票でどちらに入れるのかと言う話に一行は顔を合わせていた。

一体どう言う事だ?と全く状況が掴めない彼等は、取り合えず自分達が入れようと思っている方の名前を口にした。

 

「どっちって・・・」

 

「アーマとミィナはニューに・・・」

 

「ッ!!しまった・・・・・・」

 

「は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうですの・・・皆さん、ニューに・・・」

 

 

 

 

 

 

突然聞こえる声に、その場に居た面々の殆どは戦慄する。

青ざめた顔に彼等はまさかと思い、息を飲む。

恐る恐るはやてがアクセルに尋ねるが、彼は唯一言そう言い、彼の言葉に偶然起きた鈴羽に対し、Blazが即時対応の準備を言うのだった。

 

「・・・まさかアクセルさん・・・」

 

「・・・ああ。例の如くだ・・・」

 

 

 

「ふにゃ?」←今起きた

 

「鈴羽。全力で逃げる用意しろ」

 

「オイオイマジかよ・・・」

 

 

「にゅ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刹那。

 

 

 

 

 

 

 

 

《ドゴオンッ!!》

 

 

 

 

突如ドアがあった場所が爆発。

其処から無数の緑のツルの様なものが姿を現し、ソレを見て彼等は思わず叫び驚いた。

無数のツル。それは他でもない、アルフィミィの仕業である。

当然、其処に居る全員は犯人が誰なのかは分かっていたが、流石にココまでの規模となると驚くしか出来ないのだ。

 

 

「「でたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

「え・・・何アレ?」←素のテンション

 

「いっぱいだー」

 

 

 

「なんつー数だよアレ・・・」

 

「相当力入ってるっつーか・・・なぁ・・・」

 

「あの子がたかがゲームでここまで躍起になるなんて・・・アクセル、貴方何か行ったんですか?」

 

「・・・・・・」

 

「その顔、アンタまさか・・・」

 

 

 

 

 

 

「・・・違う。俺は唯「後で決める」と・・・」

 

 

 

「結果Blazとアルトと同じって事ですか・・・」

 

 

戦慄するはやてとミィナ。

一方で鈴羽はイマイチ状況が掴めずにてんてこ舞い。

ニューは相変わらずのボケだった。

 

そして流石の大事さにBlazとアルトはとてもではないが言葉が思いつかなかった。

まさかココまで大事になるとはと思っていた彼等だが、その中でアーマがアクセルに尋ね、彼が原因の一つなのではないかと言う確信を突く。

結果、アクセルの所為らしくそれにはアーマも呆れるしかなかった。

 

 

 

 

 

「ふふふふふ・・・クロガネ隊のロリ担当は私だけで十分ですの・・・」

 

「それ今更言うか?」

 

「気にしては負けですの」

 

 

当の本人、アルフィミィは無数のツルの上に座っており、仮装・・・の様な物をしていた。

鬼の面などからして彼女の乗機であるペルゼイン・リヒカイトが元になっているのだろう。

その証拠に彼女の手には鬼のデザインがある鬼蓮華があったのだ。

 

今更の事に突っ込む彼等だが、そんな事はお構いなし。

アルフィミィはニューに投票するといったミィナ達とついでに(・・・・)Blaz達を襲い始めたのだ。

 

「それでは・・・悪い子にはオシオキですの~♪」

 

 

「ってウチもかいなアルフィミィちゃん!?」

 

「とんだとばっちりだね、はやて・・・」

 

 

「な事言ってねぇで逃げるぞ!!」

 

「言われなくてもッ!!」

 

Blaz達は一斉に逃走を開始。

流石にペルゼイン並みの大きさ(約21メートル)規模の相手に真っ向から立ち向かい気は無いと言う事で、それぞれ散り散りになって逃走を始めたのだ。

だが、其処は触手と言う事でスピードと捕獲力か尋常ではない。

 

触手たちは四方八方から分散して彼等に襲い掛かり、捕獲していったのだ。

 

 

「って私さっきまで寝てたんですけど!?」

 

「とばっちりは鈴羽ちゃんもかいな!?」

 

「つーか元はオメーだろうがッ!!」

 

 

 

「ちょっ、私運動系って専門外なんですけど!?」

 

「ウダウダ言うな!でねーと・・・」

 

 

 

 

《ずりゅっ》

 

 

「へっ・・・ちょっまっ・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「ミィナァ!?」

 

「ちっ・・・少しは運動しろとあれほど言ったぞ!!」

 

最初の確保者はミィナ。ツルに足を取られ、そのまま宙を舞ってアルフィミィの許に引き込まれていった。メンバーの中で最も運動能力が低い彼女が最初に捕まるとはココに居る面々では薄々勘付いていたのだろう。

触手から走りながら逃げるアクセルは掴まったミィナに対し、日ごろの彼女の生活に対して指摘をしたのだった。

 

 

そして。ミィナ確保から数秒後。

 

 

 

 

《ガッ!》

 

 

 

「アーン、アシヲクジキマシターってぎゃあああああああああああああああああああああ!!!」

 

 

「ああ・・・はやてもまた・・・」

 

「どーしてこー魔導師ってのは体力なしばっかなんだよ・・・」

 

棒読みで足をくじいたはやてはミィナ同様に足を掴まれて確保。何を言おうが結局彼女もミィナと同じくアルフィミィの所に引きずり込まれていったのだった。

それにはアーマもなんとも言えない顔であり、Blazは日ごろから思っていた事を思わず口に出していた。

ちなみに、彼女の同僚一名は体力には自信があるらしいが(本人談)

 

残るBlaz達はこのままでは全滅だと思い、残った全員にラウンジからの脱出を提案する。

このままではいずれ全員捕まるのは明白だ。だったらココから出て別の方法でどうにかしようと言う事だ。

 

だったのだが・・・

 

 

「仕方ねぇ!みんな、ココから出ろ!外で体制を・・・」

 

 

 

「ひーん!ゴメン捕まったー!!」

 

「申し訳ありませんBlaz・・・同じく・・・」

 

 

「・・・・・・」

 

「は・・・はええ・・・」

 

 

ものの見事にいつの間にか鈴羽とアーマも確保されてしまい、あまりのスピードにBlazは絶句した。

これで残るはBlazとアクセル、アルトの三人。

首謀者であるはやてとニューに投票するといったミィナとアーマは捕まり、ついでに鈴羽も捕まった。一応の目的は果たせたのか、アルフィミィは捕獲を中断し、彼女達を自分の許に集めた。

 

「あ、アルフィミィちゃん・・・その、投票の事は許してぇな。別に二人には悪気があった訳ではないんやし、それに元々言い出しっぺはウチやしさ・・・」

 

「それは駄目ですの。ついでにはやての所のロリも撲滅いたしますから」

 

「ヴィータとリィン完全とばっちりやかいかぁ!!」

 

「何を其処まで躍起になっているんだか・・・」

 

「って言うか私は無実なのにぃ・・・」

 

「ええっと・・・取り合えずさっきの話は取り消すからさ。だから・・・ね?」

 

 

 

 

 

 

 

「さっき?さっきとは何の事ですの?」

 

 

「へ?」

 

 

「私は始めからお二人の言葉には興味もありませんの。あるのはニューに投票すると言った事実だけですの」

 

 

「え・・・やったら何でこんな事・・・」

 

 

「決まっていますの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

九番目の熾天使シリーズのロリ枠に入るのは私だというのを証明いたしますの!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な事でこんな大事すなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」

 

 

「まさかの女王枠狙いの事とは・・・」

 

「流石にそれは難しいんじゃないかなぁ・・・」

 

「一応咲良とかも居るしねー・・・」

 

 

まさかの事にはやてが盛大にツッコミ、他の三人は呆れて物も言えなかった。

別にニュー達は枠を気に掛けた事もなく、特に意地を張って守ると言う事もしなかった。

其処を何故アルフィミィが狙うのかは色々と聞きたい事があるが、取り合えず彼女のしょーもない野望に誰もが呆れたのは事実だ。

 

だからなのか。アルフィミィがいよいよ彼女達に報復を仕掛ける。

 

 

「ですから、そんな訳で貴方たちにはオシオキですのー!」

 

「そんな訳ってどんな訳!?」

 

「別に私達無実なのに・・・」

 

 

 

「いやいやいや、そこは乗った皆もわる・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後。問答無用でアルフィミィが攻撃を開始。

はやての言い訳は空しく叫びの中に消えて行く事となった。

 

あまりの唐突さに何も言えない三人だったが、それ以上に現在彼等の前で行われていることにどうするべきかと対応に迫られていた。

人として助けるべきか。それとも欲望に従って観測するべきか。

 

 

「おおお・・・」

 

「こりゃぁ・・・」

 

「・・・誰かこれを止める奴は居らんのか・・・」

 

「いや、無理だろ流石に・・・って・・・そういやニューは?」

 

「ニュー?一緒に逃げてたんじゃねーのか?」

 

「俺に聞くな、Blaz。お前が保護者だろ」

 

「何時から俺が保護者に・・・まあいつの間にかそんな位置づけですがね・・・」

 

 

 

 

「ってもしもし其処のお三方ー!?」

 

「そんなにのんびりしてないでBlazも助けってひやんっ!?」

 

「ああ・・・鈴羽ちゃんの身体はええなぁ・・・」

 

「こんな時に何セクハラ発言をしているのですかはやて!!」

 

「逆に考えろアーマ・・・はやてだからそうなるってちょっアルフィミィちゃんそこはらめっ・・・」

 

 

 

 

「このカオスをどないせいっちゅーねん・・・」

 

「さぁ・・・」

 

 

 

遂にはキャラ崩壊覚悟でアクセルが本音をぶちまけ、アルトがそれをどうするべきかと考えた顔で前方で行われているプレイを見ていた。

状態からしてR-18一歩手前の状況で、それをあえてやっているのか、それとも前哨なのかアルフィミィはじっくりゆっくりと彼女達に触手を絡ませていたのだ。

逃げるがよしなのか、それとも救うがよしなのか。

それは誰にも分からない状況だったのだ。

 

だが、その中でBlazは何かを見つけ、偶然持って居た双眼鏡でその何かを確認する。

そして、ソレを見て思わず絶句したのだ。

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

「・・・Blaz?」

 

「何が見えた?」

 

 

「・・・ニューいた。」

 

「は?」

 

「今・・・触手をよじ登ってるっていうか・・・」

 

「はい!?ちょっと貸せ!」

 

 

彼の発言にアルトが双眼鏡を取り上げて彼の見ていた方に何が見えたのかを確認する。

最初に見えるのは緑色のツルの筋。それが筋肉の様に寄り集まっているが、その動きはまばらで、それだけでも生き物と見れるような動きをしていた。

だが、ニューの特徴である白い髪や彼女の服が見当たらない。

色からすれば一度で分かるほどの色の差がある服を着ているのだから直ぐに見つかると思っていたが、思いのほか見つからない。

 

だが、そう思いレンズを動かしていた時。ついにアルトはニューを見つけたのだが・・・

 

 

 

 

「あ!アイツ・・・」

 

「ああ・・・真っ直ぐアルフィミィの所に向かってる・・・」

 

 

 

 

 

「うんしょっ・・・うんしょっ・・・うにゅぅ・・・」

 

ニューは子供が遊具によじ登るように必死な顔でツルの上を登っていた。深い考えは無いのだろう。でなければこんな危険なことをする事はない。

唯一心にニューは登り、目的地に向っていた。

そう。アルフィミィとツルに弄ばれているはやて達が居る所へだ。

 

其方は其方でカオス極まりない状況であり、一歩間違えれば完全に自主規制の雨あられとなるだろう。

しかし、それを彼女が知ることも無い。先程までツルによじ登る事で一杯だったのだ。

 

 

 

「あ・・・あれ・・・ニューちゃん?」

 

 

 

 

「・・・!」

 

「ついたー!」

 

 

「着いたじゃなくて、ニュー!」

 

「あ、ミィナ何してるの?」

 

「いや、別に何しているって訳じゃなくて!!」

 

「もしかしてニューちゃん状況分かってない!?」

 

「かもしれない・・・」

 

 

本人が登り始めたのが捕獲の始まる少し前だとすれば、彼女がはやて達が確保されたという事を知らないというのも無理はない。

だが、それでも危険な状況だと言うのは分かる筈だと言いたいはやてだったが、彼女の性格からして余程の大事でもない限りはそう感じはしないのだ。

 

「ミィ何してるの?」

 

「何・・・と言われましても・・・」

 

「皆と遊んでいるの?ニューも遊ぶー♪」

 

「いや遊びでこんな事せーへんって!!」

 

 

「・・・ニュー。一つお聞きしてもいいですの?」

 

「にゅ?」

 

「ニューは投票に勝ちたいと思っていますの?」

 

「・・・とーひょー?」

 

「知らないのも無理ねーか。本人の預からぬ所で話がホイホイ進んでたんだ」

 

「・・・思えば確かにそうだはな。企画にしたってあのオッサン等が主軸なわけだし」

 

確かに。話自体はニューの知らない所で進んでいたので、それを今になって知っているかと聞かれてもニューは何のことだかさっぱりだろう。当然、ニューは頭に疑問符を浮かべて投票の意味を必死に考えている。

だが、ニューは目覚めてこの方投票と言う事を聞いた事もなければやった事もない。

彼女にとって投票自体の知識と言うのはまったく無いのだ。

 

それを改めて思い出したBlaz達はそれで話の沈静化に持ち込めないかと彼女に託していた。

 

 

 

 

 

 

「・・・ミィはその「とーひょー」に勝ちたいの?」

 

「そうですの」

 

「いやアルフィミィちゃん、流石にそれは大人気ないってあーヤメテー!!!」←触手再攻撃

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・。いいよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「・・・・・・え?」」」」」」」

 

 

「・・・いいんですの?」

 

「うん。いいよ。ニューはみんなとパーティしたいだけだし」

 

無垢な純粋さと言うべきなのか。ニューは投票について重く考えず、あっさりとアルフィミィに勝ちを譲ったのだ。投票自体は行われていないのに最初からこの状態だが、つまる所ニューは投票自体を棄権すると言う事にした。

それにはアルフィミィどころか他の全員も目を丸くしており、彼等は改めてニューの純粋さを知ったのだ。

 

で。結果アルフィミィは事を起こす理由が無くなったと言う事になったので・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・そうですの。なら一緒に楽しむんですの♪」

 

「おー♪」

 

 

 

「「「「「「「・・・・・・えええ!?」」」」」」」

 

 

アルフィミィはアッサリと放棄し、この騒動はまさかの結果で幕を閉じたのだった。

 

これには逃げていた三人も唖然としており、捕まった四人にしては結局捕獲の意味なしと言う事で恐怖だけを味合わされたのだ。

これには納得のいくいかないもあるだろうが、結果は彼女達の前に起こっているのが事実なのだ。

 

アルフィミィとニューが仲良く手を繋ぐ。それが答えなのだから・・・

 

 

 

「ははは・・・まぁ・・・終わりよければって奴か」

 

「・・・だな。全く・・・」

 

「後始末が大変な事になったねー・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後・・・

 

 

 

「俺を呼んだか!Blaz!!」←適当な壁を破って登場。

 

「おせーわ!!このロリコン似非侍!!」

 

 

 

 

「アルフィミィ。八神と星煌の二人は拘束しておけ」

 

「了解ですの、アクセル」

 

「いやなんでウチ等が!?」

 

 

「そりゃ事の発端は二人が原因でしょ・・・」

 

「私とばっちりなんですけど!?」

 

「言い訳は聞かん。お前ら二人は罰として接待として参加してもらうからな!」

 

「・・・一応参加はさせるのですね、アクセル・・・」

 

 

 

END

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ヴァルケンハイン。今年のハロウィン。私達呼ばれていたかしら?」

 

「・・・・・・呼ばれてませんね・・・」

 

「・・・・・・Blaz・・・覚えてらっしゃい・・・」

 

※前回のなのはEXでのハロウィン編では参加した姫様。

今回は諸事情で未参加で(ピチューン)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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