咎を受けし御使いの最後の旅~二人の御使いと二人の劉備~
今後の方針
凪「隊長・・・なんですよね。」
一騎「いや、だから、何時から居りましたでしょうか?」
凪「隊長たちが御帰還される8日ほど前に。ちょうど村では祝杯をあげておりましたが・・・何があったかは詳しくは知りませんが。」
それは樹と叢雲の婚約祝賀会の事でせう。
一騎「・・・・・・記憶があるのか?」
凪「はい・・・やはり、隊長なのですね・・・隊長・・・隊長!!」
感極まった凪は一騎に抱きつき涙を流す。しかし、さすがにそれを見ていて納得しかねているのは紫苑であった。
紫苑「むぅ、一騎さん浮気ですわね。」
一騎「ちょお!?それはシャレになっていないぞ紫苑!!」
凪「・・・隊長、不潔です。」
紫苑の嫉妬の言葉に過剰反応の一騎、それに悪乗りする凪。
一騎「凪さん!?と言うか説明しなくていいのか!?」
凪「隊長の事ですから・・・落したんですよね?」
紫苑「落されましたわ。」
そのたぐいまれなる連携に一騎は一矢報いるために動き出す。
一騎「はぁ、落しましたが何か?」
凪「え!?」
一騎の予想外の返答に凪は動揺を隠せなかった。
一騎「冗談抜きで・・・ね。」
そう言いながら紫苑に目配せをする一騎。それを見た紫苑は目をきらりと光らせて一騎の意図をくみ取った。
紫苑「そうなのですか?でしたらちゃんと夜のお相手でも・・・」
一騎「じゃあ今夜あたり凪を混ぜて・・・」
紫苑「あら、二人きりでは駄目ですか?あ、でも確かに・・・こんな可愛い子を愛でながらと言うのまた・・・」
一騎「だろう?なら今夜・・・」
紫苑「はい。」
とんとん拍子で夜の予定を決めて行く大人な二人組に凪はどうせ無理なのだろうと思いつつ聞きたい事を聞いてみる。
凪「あ、あの・・・私の意思は・・・」
二人「「無い(ですわね)」」
予想通りの返答に凪はうなだれるが、話をすりかえる様に切り返す。
凪「・・・か、感動の再会が台無しです隊長!」
一騎「それを君が言うか。凪、とにかく話を聞いてくれる気になったか?」
凪「うぅ、はい。」
結局言葉では勝てないと判断した凪は一騎の話を聞く気になったようで、一騎の正面に座り話を聞く姿勢になった。
一騎(まったく・・・こう言う所はしっかりしてるよ、凪。)
ビシッと正座なのに気をつけの姿勢が彼女らしい、そんな姿に苦笑しながら凪と話をする事になった。
一騎はひとまず凪について話を聞くことにした。記憶は何時から有るのか、どうしてここに居るのか、真桜達は?華琳とは会ったか?聞きたい事を順番に聞いて行き、最終的にこう判断した。
一騎「凪・・・何故凪ワンコと呼ばれるのか、これで分からないとかちょっとオカシイ。」
凪「あれ!?そういう結論ですか!?!?!?」
当然の反応が帰って来たが、一騎の判断も間違っていないだろう。10年も一騎の為に鍛錬を重ね、一騎の氣を追いかけて桜楼村までたどり着く。幼馴染とも別れ、華琳の元にもいかないとか・・・
一騎「もう、可愛過ぎだろ。抱きしめていいか?」
凪「駄目ですよ!?」
一騎「(´・ω・`)しょぼーん」
凪「ひ、人前ですし・・・」
紫苑「あら、私は気にしませんわ。」
凪「私が気にします!?」
紫苑「あら残念・・・なら今晩じっくりですわね。」
一騎「そうだな!」
凪「あれ?その話は冗談じゃ・・・」
二人「「え?本気だよ(ですわよ)?」」
凪「///////////////」
一騎「さて、凪は俺について聞きたい事はあるか?何でも答えるぞ。」
凪「そ、それでしたら何故そんなにお歳を召しているのかとか・・・聞いても良いでしょうか。」
一騎「おう。」
それから一騎は凪の質問に答えて行った。自分の辿った軌跡を。多くの出会いと別れを繰り返し、多くの仲間にめぐり合い、今に至る事を。
凪「・・・なるほど。結論は・・・隊長は着実に肌馬をかき集めていた訳ですね。不潔です。」
一騎「凪よ・・・若かりし頃の俺ならその答えでうろたえ、突っ込んでいただろうが、そうは問屋が・・・」
凪「そして人生経験から無駄な自制を覚えた種馬になったのですね。種馬なのは変わらない所を見ると根っこはお変わりなく、私は安心です。」
一騎「うん、何が安心なのか小一時間ほど問い質したいが・・・」
凪「それでも隊長は少し自覚をなさった方がよろしいのでは?それでは不幸になる女性が増える一方です。」
一騎「自覚してるよぉぉぉぉ!悪かったよ!俺が全般的に悪かった!!確かに俺は多くの女性を不幸にしてるよ!最初は華琳や凪、魏の皆!次は岩沢!次は霊夢やさとりや早苗、幽香に妹紅に優曇華!次はなのはにフェイトにはやてにヴィヴィオ!ああそうさ!俺が悪いんだ!全部俺が悪いんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
凪「・・・」
紫苑「・・・」
一騎「これで満足か?俺が不幸にした女の子全員上げたぞ!?もう泣いていいよな!?!?ちっくしょおおおおおおおおおおお(大号泣)」
凪「あ、えと・・・本当にすみません。まさかそんなにいらっしゃったとは・・・正直、さすがに、こればかりは・・・引いてしまいます。」
紫苑「一騎さんは器が大きいですわね。大丈夫ですわ、さっき上げた方々はきっと一騎さんの事を心から愛している筈ですわ。だから涙をおふきください。」
一騎「・・・ぐす、本当かなぁ・・・」
紫苑「ええ・・・」
凪「隊長、それで・・・体の関係はどのくらいですか?」
一騎「え?ヴィヴィオ以外全員だけど??」
二人「「やっぱ節操なしです。反省してください。種馬王。」」
一騎「ですよね~(≡Δ≡)そうなりますよね~」
こうして日が落ちるまでこんな漫才が執り行われていた。そして夕飯後、風呂も入り夜の帳が下りたころ、三人は最初は成していたシッポリムフフな展開に突入して行った。
凪「あれ?本気だったんですか!?ちょ、待ってください黄忠様、隊長も。さすがに冗談だと思っていたので心の準備が・・・あ・・・あああ・・・ああああああああああああああああああああああああああ♡♡♡」
もげろ!
そして翌日・・・
星「で、楽進、紫苑共に腰が立たなくなったと・・・まったく。」
一騎「いや面目ない。よくよく考えればそう言う事も此処半年してなかった事に気が付いてね。」
星「何故私を呼んでくださらなかった!私もそこまで愛されてみたいものです!!」
一騎「あ、うん。本当にごめん。」
一騎は予想の斜め上の理由で面食らったがひとまず謝っておくことにした。
一騎「それで・・・だ。こっちは如何したんだ?」
桃香「えっと・・・あはは~」
沁「こっちは桃香が一刀を絞り取ったんだと。」
星「く・・・こうなったら一刀殿でも・・・いやしかしそれでは私の愛が節操の無い無粋な物に・・・くぅ!こうなったらいずれお二人にお相手して頂くしか・・・!」
とんでもないことを画策している星を放置の方向で一騎は決めてひとまず沁、桃香、と共に今後の方針を決定すべく話し合いをする事になった。
一騎「で、だ。沁、これからどうするよ?」
沁「それは俺らの大将が決めることだろ?」
一騎「桃香か?」
桃香「えぇ!?此処は一騎さんじゃないの!?!?」
一騎「俺?いや、俺は人の上に立つ気はさらさら・・・」
沁「何言ってやがる、お前は十分俺達の大将だろうが。鄧艾旅団団長さまよ。」
一騎「・・・えっと・・・そう言う事になってんの?」
沁「少なくとも・・・俺はそう言うつもりだぜ?」
一騎「・・・そうか。ならこれからの方針だが、黄巾党の残党が消滅するまで時間はかかるはずだ、それ以降の情勢に合わせて動こうと思う。」
沁「そうすっと・・・反董卓連合か?」
一騎「だな。」
桃香「反董卓連合?」
沁「おう、董卓って奴が洛陽で圧政をして民を苦しめてるってなってな、袁紹を筆頭に連合を組むことになるんだ。」
桃香「何それ!許せない!!なら一騎さん、董卓さんを今から懲らしめに行きましょうよ!!」
沁「過激だなぁ。だが・・・どうなんだ一騎?此処の董卓も同じなのか?」
一騎「ん~、正直会った事は無い。・・・沁はどう思うんだ?お前は董卓を知ってるんだろう?」
沁「俺は・・・嫌いじゃあなかったぜ?あいつは確かに酒池肉林を自分の欲として持っていたが、漢王朝を守るっていう責務を果たそうとはしていたはずだ。ただ欲の方が大きくてああなっちまったが・・・」
桃香「もう!そんなのは関係ないよ!董卓さんが民を苦しめるかもしれないなら今から言って退場してもらった方が言いに決まってるよ!!」
董卓(史実)の性格を知り、桃香はもう董卓討伐を考えているようだ。それを一騎は本気で怒って止める。
一騎「桃香・・・拳骨100回と4刻説教どっちがいい?」
拳骨は氣を纏わせた本気100回、4刻の間、空気椅子で両手足にお猪口(水入り)を置いてその姿勢のまま説教すると言う拷問である。
桃香「なんで!?」
一騎「桃香、今の判断はどうしてそうなった?桃香はこの外史の董卓の事を知っているのか?桃香は沁の知ってる人物像とこの外史の人物像が完全に一致しないのを知ってるはずだろう?」
桃香「あ・・・ご、ごめんなさい。」
桃香はかねてから言われていた周りの情報に流されやすいと言う欠点を思い出し、伏して謝罪する。
一騎「沁の知ってる董卓は男で酒池肉林を作ろうとした暴君だが・・・この外史の董卓はまだ性別も性格も掲げる理想も、抱える欲望も知らないんだ。噂に流されるな、その目で、その耳で、その肌で感じた物を信じろ、そして判断しろ。いいな?」
桃香「はい・・・師父。」
一騎の師匠モードを察した桃香は一騎を師父と呼ぶ。これは一刀も同様である。
星「おお、月の話ですかな?それでしたら私も混ぜてくだされ。」
唐突に星が話に乗っかって来た。
一騎「・・・まさか星は董卓と親しいのか??」
星「ふむ・・・そう言えば主は知らないのでしたな。月とは董卓の真名です。性格はおとなしく、可愛らしい少女ですぞ。」
沁「よし、すぐその子に会いに行くぞ。今行くぞ。」
一騎「同意だな。今すぐしゅっぱ・・・うん、ごめん、そんな目で見ないで貰うか。星。」
星「まったく、主は女の子と聞けば節操も無く、ここにも愛おしい女の子は居るではないか。」
一騎「星、君は確かに可愛いし、すぐにでも抱きしめたいさ。なんなら今夜あたり来るかい?そもそもどうして昨日は帰ってこなかった?君は旅をしていたんだ住む所は確保しなければならないだろう?俺に家で良いじゃないか。よし、今夜は星で決定だな。ついでに三姉妹も呼んで四人を相手しても良いぞ?」
星「///////////////////////」
沁「すげぇ・・・あの星を黙らせやがった・・・」
桃香「・・・四人同時・・・いずれ一刀さんもそんなこと出来るようになるのかな?」
沁「なるだろうよ・・・あいつも大概だからな。」
一騎「話がそれた。星、董卓は圧政を敷いていないんだな?」
星「あ、はい、むしろ左慈達が悪いのですが・・・」
一騎「・・・そうなの?」
星「はい・・・」
一騎「・・・・・・・・・・・・うん、確認が取れた。どうやら他の外史でも同じく圧政は敷いていないらしいな。」
星「では?」
一騎「・・・董卓に会いに行こうか。」
星「では決定ですな。目指すは洛陽・・・と。」
一騎「ああ・・・行こうか。」
桃香「ちゃんと見なくちゃね・・・そして自分で判断する。」
沁「おう、俺も楽しみだ。」
こうして一騎達一行は洛陽を目指して旅立つことを決定した。その日の夜、鄧艾邸では4人の女性の艶声が響いて止まなかったらしい。周辺住民の事を考え防音障壁は這っているのだが・・・その分家の中は結構音が響くらしい。
紫苑「二日連続は疲れますから、ね。ですがこれは・・・」
凪「し、紫苑様、やはり劉戯殿達の家にお邪魔したほうがよかったですね。」
紫苑「そうね・・・失敗だわ。」
二人は悶々しながら寝る事を強いられた。何時の間に真名交換を済ませていたのでしょうか。もちろん昨夜の閨でございます。
あとがき
今回は閨回に近いです。洛陽行き決定ですが、董卓軍に仕官するかは未定です。このまま客将として居て、また桜楼村に帰ってくるという形でもいいかなぁ?
さて、今日はゲストはいらっしゃりません。皆旅行とか羨ましいです。俺も温泉とか行こうかなぁ・・・
仕事の都合上遠出できない俺だが、仕方ない。さて、話が逸れた。今後の展開だが一つだけ言っておくことがある。
一騎(含め他の面子)の技は結構酷い物がある。パクリ、パロディ、厨二、そこんところは突っ込まないで置いてもらえると助かる。
それでは次回についてだ。次回は荀攸が変態になる。じゃなかった、荀攸が仲間になる。ネタバレだと思うだろうが、もう仲間なるだろうって結論出てる読者が9割9分9厘だろうからそう言っておく。
それではまた次回にお会いしよう。連投するかもしれないが・・・それは気分次第って事で。じゃノシ
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荀攸回。では本編どうぞ。